いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #PremierLeague 】コンテが11人目、3月下旬になっても続く監督交代の波

2023-05-04更新

 

トッテナム・ホットスパーは3月26日、トップチームの指揮官であったアントニオ・コンテとの契約を双方合意の上で解除したと発表。

 

Embed from Getty Images  

後任のヘッドコーチには各クラブで長年コンテのアシスタントを務めるクリスティアン・ステッリーニがシーズン終了まで代行として収まり、ステッリーニのアシスタントにはクラブOBでもあるライアン・メイソンが就く。(穿った見方をすると、長年連れ添ったステッリーニがクラブに残るという事は、コーチ陣の間でも何か軋轢のようなモノが生まれていたのかもしれない)

 

ステッリーニは今年に入ってコンテが胆のうの摘出手術を受ける為一時的にチームを離れていた際にも暫定指揮を執っており、その面においての混乱は最小限に抑えられそうではありますが、契約解除の最後の一押しになったと考えられるサウサンプトン戦後の壮絶なクラブ首脳陣及び所属選手への批判は(正論のように聞こえた部分が少なくなかった事も含めて)今後長期間クラブの火種になり続けるかもしれません。

 

〈セインツ戦後のコンテの会見〉

 

 

 

さて、コンテの解任によって22/23シーズンのイングリッシュプレミアリーグのクラブの指揮官が変わった回数は10クラブで計11回(ブライトンのポッターは引き抜き、セインツは2度監督交代が発生している)に及び、これは昨季21/22シーズンの10人を越えて過去ワーストの記録となってしまった。

更新あり!』今季退団したマネージャー(5月04日時点)

(時系列順)

ボーンマス:スコット・パーカー
チェルシー:トーマス・トゥヘル
③ブライトン:グレアム・ポッター
④ウルブス:ブルーノ・ラージ
アストン・ヴィラ:スティーブン・ジェラード
⑥セインツ:ラルフ・ハーゼンヒュットル
エバートン:フランク・ランパード
⑧リーズ:ジェシー・マーシュ
⑨セインツ:ネイサン・ジョーンズ
クリスタル・パレス:パトリック・ヴィエラ
トッテナム:アントニオ・コンテ
チェルシー:グレアム・ポッター
⑬レスター:ブレンダン・ロジャース
トッテナム:クリスティアン・ステッリーニ
リーズ:ハビ・グラシア

 

これを現在の順位表に当てはめると以下のようになります。

参照:Premier League Table, Form Guide & Season Archives

 

傾向としてはやはり上位クラブよりも下位クラブの方で指揮官交代が積極的に行われており、特徴的なのが年明け以降のケースが5例含まれている点。今季のリーグ戦は残り3分の1を切っていますが、この流れから推測するにレスターのブレンダン・ロジャース,ウエストハムデイヴィッド・モイーズといったシーズン前の期待を大きく下回るクラブの監督や、或いはコンテのように想像外の所から内部での軋轢等で解任される人物が今後更に出現する未来も十分考えられるでしょう。

Embed from Getty Images  

 

勿論、新たな解任劇が生まれない事を祈っていますが……

 

 

追記:まだ終わらない。新たに2人の指揮官がクラブを離れる

 

チェルシーのグレアム・ポッター、レスターのブレンダン・ロジャースの2名が4月に入り立て続けに解任。

 

チェルシーはポッターと共にブライトンからチェルシーへ移っていたブルーノを暫定監督にし、レスターは同じ日にフリーになったそのポッター当人を次の有力な監督候補としてリストアップしているとのこと。

 

体のいい言葉で長期的なチーム強化を謳った新体制のブルーズだが、メンタリティや補強箇所を無視した無茶苦茶なマーケットでの動きなどから懸念していた通りチーム崩壊と称するに相応しい混乱状態に陥っている様子。選手が指揮官の解任をソーシャルメディアで初めて見知ったというメディアの報道もそれを強調する要素。

 

これで今季の監督離職はリーグ全体で13度に昇り、中でも着実に成果を積み上げていたブライトン時代の名声を一気に失う事になったポッターに関しては正直いたたまれない思いが強い。どうせ解任するならばもっと早い時期にしてくれた方が再就職の事も含め幾分かマシだったのではないだろうか。

Embed from Getty Images  

 

 

追記その2:Big Sam is coming back. なりふり構っていられないリーズ

 

5月に入ってもクビレースがまだ続く過去にない激動の1年となっている22/23シーズン。降格圏のすぐそばにあるリーズはジェシー・マーシュの後を引き継ぎ結果を残す事が出来ていないハビ・グラシアの解任及びサポーツ・ディレクターのヴィクトル・オルタの退任を発表。

 

オルタはあのマルセロ・ビエルサをホワイツに招聘した手腕でファンベースの評価も高かった人物ですが、ここ2シーズンのクラブ低迷及びマーケットで有用な選手を中々獲得出来ずにい事などで不満が溜まっており、メディアに漏れ出る話を信じればグラシア解任に反対した事が退任の直接的原因とされるものの、いわばガス抜きの側面もあったのではないでしょうか。

 

4失点で敗れたボーンマス戦では、宿泊していたホテルから試合会場に向かう際に出待ちをしていたファンを無視してバスに乗り込む映像が話題となり、ピッチ内外で失望が広がっているリーズ。

 

そんな窮地の彼らが救いを求めたのはビエルサフットボールとは全く異なるオールド・スクールな戦い方を得意戦術とし、残留請負人の肩書きを持つ「ビッグ・サム」ことサム・アラダイスでした。

 

残りたった4試合というタイミングでは流石のアラダイスでも時間が足りない、もしくはバスストップ&ロングボールという彼の戦い方にリーズの選手達が即座に適応出来るのかという点でも疑問は残りますが、グラシアのチームは余りにも希望が無さすぎたので残り4試合で2勝以上,或いは1勝3分けで勝ち点6を積み上げるという明確な目標を設定しつつ、ビッグ・サムがチームのカンフル剤になってくれる僅かな可能性に賭けたのだと私は思っています。

 

難しい事を仕込める猶予は残っていないので、恐らくパトリックバンフォードとジョルジニオ・ルターのどちらかをターゲットマンとして置きつつ、フラット4-4-2で4バック+MF4枚はコンパクトな守備陣形を形成し、奪った後はロングボールからのダイレクトな展開で少ないチャンスをモノにするという戦い方を選択するのではないかと予想。

 

相手を運動量で上回ってセカンドボール回収から主導権を握るというのはビエルサ時代にも共通する要素。過去の遺産を駆使しつつ、イングランド屈指の老練の指揮官はまた1つ奇跡を起こすのでしょうか?

 

いずれにしても、また1つ終盤のプレミアリーグの楽しみ方が増えた事は間違いない。