いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #WorldCup 】個人的Team of the Tournamentと大会総括

決勝から4日が経過し、遅ればせながらようやく総括が出来る準備が整ったので4つのテーマに分けてFIFA World Cup 2022を振り返っていきます。

 

 

 

 

個人的Best Ⅺ、全体の振り返り

スタメン+バックアップ4人の15選手を選出

 

ベストイレブンはノックアウトステージに進出したチームから選び、更に3試合以上の出場機会がある選手に限定しました。優勝チームアルゼンチンからはメッシとエンツォ・フェルナンデスが入り(リザーブエミリアーノ・マルティネスとフリアン・アルバレス)、スタメンの中で最多になったのは準優勝のレ・ブルーになりました。

 

下の画像はグループステージ終了時のもの。

こうして比較してみるとヴァルディオル,ハキミ,テオ・エルナンデス,エンツォ・フェルナンデス,ブルーノ・フェルナンデス,グリーズマンが最終的なベストチームにも名を連ねており、この6名に関し大会を通してパフォーマンスレベルが高いと判断していた事が分かります。

 

クラブでは個人賞を取りつくしチャンピオンズリーグも複数回、インターナショナルチームでも遂にコパ・アメリカのタイトルを手にし、心残りはワールドカップトロフィーだけというレオ・メッシがこの頂きに立った事でメッシ・ロナウド時代には一先ず区切りがついた感もあり(クリスティアーノにこのまま終わって欲しくはないですが)、新たな時代の先導者になるのは今大会でも得点王に輝いたキリアン・エンバペなのか或いはアーリング・ハーランドや他のワンダーキッドがそれをごぼう抜きしていくのか、ここからのフットボール界は地殻変動がより活発になる筈です。

 

 

戦術

 

革命的な新発見は特にありませんでしたが、守備貢献の著しく低いスターを抱える2チームがファイナルまで残ったという事実はより高度に組織化された守備ブロックに対し圧倒的なボールプレーで局面を打破する人間が必要であるというある種当たり前の事柄をもう一度強く認識させる結果だと思います。

 特に練習時間をクラブに比べてあまり確保できない代表では中心選手の個人戦術をそのままチーム戦術にする場合が一般的で、決勝に進んだ2ヵ国でも3ユニット,4ユニットでの確立された崩しはそれほど多くない。

 

また、守備戦術に関しては4バックだから○○、3バックだから△△という固定観念が薄まり、試合中の相手の出方次第でフレキシブルにライン構成を変化させるチームが4年前に比べ増加したように感じた。4-4-1と1人前残りという形は飛びぬけたアタッカーを擁するチームの1つの答えだろう。

 

ビルドアップも相手の1stプレス+1の形を素早く作り替える事が出来るチームが上手く運べていた印象で、フルバックがどの高さを取るか、中盤の選手が降りるのか降りないのかなど、ポジション毎の選手の役割というよりはトータルフットボールに通ずるどの場所にいてもその時の最善を選べるようなフットボールそのものに対する理解力がより求められるように。大切なのは相手の思考の裏をかく事で、これは重心をいかにズラして逆をつくかが大切なドリブル、オフザボールの動き直しといった細部にもしっかり繋がっている。

 

 

セットプレー

 

空中戦の強い選手目掛けてシンプルに放り込みという時代は終わりを告げ、ワンタッチを挟んでゴール前を通過させてからの押し込みという形がほぼ全てのセットプレーゴールを占めた。(直接FKはルイス・チャベスとラッシュフォードの2つ)

 

代表例はニアサイドでバックヘッド→ファーに詰めるこのパターン。

 

 

 

守備側視点ではニアポスト或いはさらにコーナーフラッグ寄りに配置するストーンと呼ばれる選手の重要性が以前にも増して高まっており、ここをあっさり通過させてしまうと中の選手のマークのズレ,ミスマッチが無くともゴール前の混戦から失点に繋がる危険性が急激に上昇する。

 

 

準々決勝 オランダ - アルゼンチン戦のオランダ2点目はこれらとは一線を画すサインプレーからのゴールで、土壇場でこれを実行できる胆力が素晴らしい。

(思わず真似したくなるが失敗したらボロクソに批判されるやつ)

 

 

Sports Washing

 

Embed from Getty Images  

 

忘れてはならないのは今大会が決して明るい要素だけで埋め尽くされたものでは無く、劣悪な環境でのスタジアム建設やインフラ整備等で多数の出稼ぎ労働者の死があり、開催国決定に際しての汚職疑惑、軽視される性的マイノリティや人権問題といって暗い部分を持ち合わせていること。

 

トロフィーを掲げようとするメッシに対しカタール首長 Tamim bin Hamad Al Thani氏はビシュトと呼ばれるアラブの男性が行事で着る伝統衣装を身に纏わせたが、この行為にカタールのエゴや政治的思惑が無かったと断言する事は出来ない上に、仮に善意であったとしても結果的に大会の成功で裏の黒いモノを覆い隠す効果があるのは間違いない。

 

スポーツと政治はそれぞれ別のものとして扱えという考えもあるが、個人的にはどちらも生きる上で密接に関わってくるものなので完全に分ける事は出来ないと思う。むしろ関係性があるからこそスポーツで戦争が一時的に止まった事例(フットボールではペレのナイジェリア遠征時のエピソードが有名)があるのではなかろうか。