ノックアウトステージにおいて笑顔で大会を終えるのは本来優勝チームのみ。しかしながらワールドカップやオリンピック等インターナショナルチームの大会では3位決定戦が設定されている為、モロッコとの試合に勝利したクロアチアも最後に勝利してポジティブな感情を持ってカタールでの長いようで短い旅路をゴールしました。
【3位決定戦】 クロアチア vs モロッコ
当初3-5-2で想定されていたクロアチアですが、実際にはペシリッチがLBに入ったフランス戦後半の形を踏襲してきました。対してモロッコは自分たちの強みを最大限生かせるお馴染みの4-1-2-3(守備時4-1-4-1)で入り、試合は序盤から大きく動く。
左サイド中央寄りでFKを得たクロアチアはモドリッチではなく左利きのマイェルがニアサイドに短めのロブボールを入れ、ペリシッチが上半身を捻って反対方向へ折り返すとヴァルディオルがこれに飛び込んでボールはゴールネット左隅へ。
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対人守備やビルドアップで見事なプレーを続けていたヴァルディオル、遂に得点関与の面でも文句なしの結果を残した。評価が上がり過ぎてそう簡単には獲得できない選手になった事はまず間違いない。
美しいセットプレーで先制したクロアチアだが、すぐさまエラーによって現実に引き戻される。9分のモロッコは右サイドタッチライン際でFKを得ると、先ほどの得点シーンとは違いゴールに向かって来る軌道で低く鋭いボールをツィエクが蹴り込み、ボックス手前でこれをクリアしようと試みたマイェルのヘディングは意思に反し自陣ゴール方向に向かい、ダリが頭で押し込んですぐさま同点に。
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オープンプレーの両チームに関しては主力の欠場が殆ど無いクロアチアの方に分があり、特にモロッコは欠かす事の出来ない選手が4名(サイス,アゲール,マズラウィ,ウナヒ)スターティングラインナップから消えているのでクオリティ低下は避けられず、この3位決定戦ではアムラバトの両脇の1つを任されたアブデルハミド・サビリが運動量及びトランジション面でまるでゲームに入る事が出来ていなかった。
セットプレーのテイカーを任され、グループステージのベルギー戦ではクルトワを陥れている事からもキックの質は高い選手だと思うが、中盤の素早いポジション修正が生命線であるモロッコチームでは使いどころを選ぶのかもしれない。顔が似ていると一部で称されるティーレマンスにプレー面でも長所短所の類似性を感じる。
42分、モロッコのプレッシングにボールを奪われかけるも、先述のサビリの分までアムラバトが前に出た所を突いたクロアチアはヴァルディオルのミドルレンジの楔で一気に相手DFライン前にボールを進める。ゴール前を固めるモロッコに対し左右にボールを動かしながら隙を伺い、一度は奪われるもすぐさまルーズボールを拾い、リヴァヤのパスを受けたオルシッチが右足コントロールカーブをこれしかないというコースに流し込んで再びリードを奪った。
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後半のモロッコはサビリを下げてシャイルを投入し選手の立ち位置を大胆に変えて来るが、全くハマっていない事を察知すると10分後にはエル・カンヌスを下げてウナヒをピッチに入れて元の4-1-2-3ベース、ブファル左ツィエク右の形へ戻した。恐らく大会終了後には忘れ去られている幻の変更。
(そもそもツィエクにポリバレント性があれば、あのチャンスメイク能力がありながらクラブで出場機会に恵まれないという事態になっていないだろうと思う。)
74分のクロアチア。ヴァルディオルがツィエクのパスをカットして自身で持ち運び、その勢いで前線に参加すると長い距離を走ってオルシッチからのスルーボールをボックス内で収めようとするが、アムラバトとの接触があって倒れるも笛は鳴らず。
前線へ攻め上がったグヴァルディオルがペナルティーエリア内で倒れるもノーファウルの判定。 @ABEMA で視聴中 https://t.co/mq2GJjNpyr #アベマ #FIFAワールドカップ全試合無料生中継 pic.twitter.com/yHaCPnsUcI
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上記プレーの後にモロッコがカウンターに出てエン・ネシリにビッグチャンスが舞い込むもリヴァコビッチがヴァトレニを救う。更にその直後にはハキミがボックス内で後ろからのプッシングで倒されるもやはり笛は鳴らない。今思えば判定基準が乱れ始めたのが正にこの2つの出来事だった。
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リヴァコヴィッチの好守!
\#クロアチア🇭🇷 vs #モロッコ🇲🇦
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終盤は主審に対しモロッコの選手がフラストレーションを抑えきれず集団で囲む瞬間も何度かあってやや後味の悪いゲームになってしまったが、クロアチアがそのまま逃げ切り勝ち。4年前は最後に敗れて大会を去ったがカタールでは勝ってそれぞれの所属クラブに帰っていく、順位は2→3に落ちたが喜びという意味では今回の方が上回っているかもしれない。(比較するのも烏滸がましいが実体験としても決勝負けより3決勝利の方が嬉しさは上)
フィジカルデータを見ていくとクロアチアはモドリッチ,コバチッチ、モロッコはアムラバト,ハキミ,エン・ネシリが大会を通して出ずっぱりながら10km超の走行距離を記録しており、彼らのタフさに強く感銘を受けた。苦しいところで足が動く選手は貴重。