最初は締まった展開でロースコア決着になると思いましたが、PKの先制点を歯切りにアルゼンチンが3得点を奪って勝利。3点目のとなったメッシの突破は全盛期を思わせる力強さと一度止まってからの背面ボディフェイントといった円熟味が混ざる見事なもので思わず声が出てしまいました。
アルゼンチン vs クロアチア
前半の両チームを見ていくと概ねこのような感じ。アルゼンチンは2CB+相手の前線枚数に応じてレアンドロ・パレデスが降りてビルドアップを担い、クロアチアはアルゼンチンが基本的に4-4-2ブロックなので同じくCB+モドリッチorブロゾビッチの何れかが降りて右サイド中心に組み立て。コバチッチは高めでチャンスメイクの役割を担う事が多くなった。
チーム全体で見た時に付け入る隙があると外部から見ても分かるクロアチア両フルバックの裏をアルゼンチンは序盤から狙うも、ヴァトレニも縦にコンパクトな守備で危険な位置への侵入を許さずポゼッションを握りながらじっくりと進める。試合の初シュートが16分であったように準決勝らしい手堅い進行となったゲームですが、1本のパスから大きく動き始める。
32分、GKからボールを繋ぐアルゼンチン。オタメンディの縦パスはモドリッチがコース上に入り軌道が変化するも、クロアチア守備陣の背後を狙うフリアン・アルバレスにルーズボールを拾ったエンツォ・フェルナンデスが阿吽の呼吸でスルーボールを通しGKとの1on1でアルバレスはPK獲得。
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元リーベルコンビの連携で手にした先制点のチャンスにメッシがゴール上部へのインステップシュート、これにはPKストップで評価を高めるリヴァコビッチもお手上げという弾道で彼自身今大会3つ目となるPKゴールが生まれた。
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更にその5分後にはクロアチアCK後のカウンターでアルバレスが自陣センターサークルから長い距離を持ち運んでそのままゴール方向へ直進。延長を戦い続けた疲労もあったかクロアチア守備陣も最後の伸びが効かず、正に猪突猛進という言葉が相応しい勢い溢れる追加点。
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42分のアルゼンチンはセットプレーからダメ押しのチャンスがあったものの、これはリヴァコビッチの好セーブに阻まれクロアチアとしても完全に試合が終わってしまう3点目は何とか凌ぎハーフタイムへ。
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HT明けのクロアチアはボルナ・ソサ,パシャリッチを下げてそれぞれオルシッチ,ヴラシッチを投入。更に5分ほど経過した所でブロゾビッチを下げて4-1-2-3から4-2-3-1へシステム変更を加え、攻撃時には4トップ,守備時には4-4ブロックで守る。
アルゼンチンも60分を少し越えた所でパレデスを下げてリサンドロ・マルティネス投入し、3-5-2(5-3-2)でスペースを埋めつつカウンター狙いの省エネモードに変更。
直後のフリーキックでクロアチアはゴール前の決定機を得るがロヴレンのヘディングはエミリアーノ・マルティネスが腕を伸ばして凌ぐ。
69分のアルゼンチン。モリーナのロングスローをアルバレスがタッチライン際で収め、これを受けたメッシが右サイドを強引にドリブルで攻めあがる。ヴァルディオルのコンタクトを物ともせずにボックス内へ抉って最後はアルバレスにプレゼント。
すごいです。それ以外に感想が出てこない。
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ポイントを上げるとすれば一度背中を向けた後のボディフェイントでしょうか。ドリブル中は勿論のこと、ボールを受ける際にもこの動きは有効的なのでこの得点を見て触発された子供たちは積極的にマネして欲しい。
セーフティーリードを得たアルゼンチンはここまで出場の無かったディバラに出場機会を与えるなど余裕の試合運びでそのままゲームを締める。RBのフォイスを決勝前にピッチに戻す事が出来たのも強力なウインガーを抱えるフランスorモロッコを考えるとプラス要素だろう。
スタッツを見てもスコア差ほどクロアチアのゲーム運びが失敗した訳では無いと思うが、DFラインを突破した数が7:1であるようにクロアチアはセットプレー以外で大きなチャンスを作る事が出来ず、両サイドの縦関係などズレが目立ってしまった。