いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #WorldCup 】Quarterfinal、強みを自ら手放すポルトガル。モロッコの快進撃は止まらない

 

ロッコがアフリカ勢として初のベスト4入りを果たし歓喜に湧く中、ポルトガルは大事な所で足元で受けたがる選手が多くなる悪癖を抑える事が出来ず手詰まりの攻撃で絶好の機会を逃した。もう一方の試合ではここまでで一番の強度を誇る白熱の1戦が繰り広げられ、イングランドも決して悪い試合運びでは無かったが最後はオリヴィエ・ジルーがストライカーとしての矜持を示しレ・ブルーは連覇に向けて最大の難所を突破。

 

 

 

 

ロッコ vs ポルトガル

 

120分+PKを戦ったモロッコに対し余裕ある試合運びで準々決勝に臨むポルトガルが圧倒的な有利な状況だと思っていたのですが、蓋を開けてみると会場の応援を背にモロッコが一歩も劣らない所か寧ろ自分たちのペースにゲームを誘導するかの如く巧みな試合運びを見せる。

 

ポルトガルはスイス戦からウィリアン・カルバーリョ🔁ルベン・ネベス以外同じラインナップだが、ネベスはモロッコ守備ブロックがエン=ネシリ1人を残し引いている状況でもCB間に降りてきてしまい、更に前線の選手も相手を背負ってパスを貰おうとする場面が多すぎてリズムが生まれない。

 

更に後ろ3~4枚と前がハッキリと分断されるような攻撃時のポジショニングが多かった事からカウンターを喰らった際にバックスにかかる負荷が高く、モロッコは主にサイドからダイレクトプレーでボールを繋ぎ縦に速い攻撃でポルトガルゴールへ襲い掛かる。

 

そんなポルトガルはブルーノから左サイドへの対角線のパスを意識的に増やしゲレイロからの打開を狙うが、モロッコ守備のスライドが非常に早くギャップも生まれないので思い通りには行かない。

 すると42分、モロッコ左サイドからのフワッと浮いた滞空時間の長いクロスに対しルベン・ディアスがジャンプ出来ず、更に前に出てキャッチを狙ったディオゴ・コスタのアプローチも後ろに膨らむような対応になってしまい、エン=ネシリの高打点もあって先制ゴールを許す。

 

上記の決定機阻止にも見られるように今回のワールドカップでも基本的にはセービング能力の高さを発揮しているコスタですが、ガーナ戦の油断から招いた例のアレや今回の失点シーンのように突如として別人のような集中力の無いプレーを見せる場面がチラホラあるので、これが偶然が重なった結果なのか本人の資質に起因するモノなのかをしっかりと精査する必要がある。

 

後半のフェルナンド・サントスは51分と早い時間でネベスに見切りをつけ、カンセロとロナウドの同時投入でクロス乱打のメッセージをピッチに伝えますが、それならばゴンサロ・ラモスも下げて代わりにホールディングMF(ウィリアンかパリーニャ)しターゲットを明確にしつつ、最も可能性のあったブルーノを真ん中に持ってくるべきだったと私は考えています。

これをベースに、オタビオの所にヴィチーニャを入れたりその時の状況により選手を変えていく感じ

 

 実際にチャンスになったパターンはこのようにブルーノが中央でボールに絡む時が圧倒的に多く、更に悪い事に現実はベルナルドが低い位置でのボール保持のサポートに回る回数が増えてライン間やアムラバト脇といった本来期待しているスペースでのプレーが殆ど見られなくなり、挙句の果てにはダロト負傷交代後にはブルーノがRBに回る始末。日本では森保采配に多くの疑問が沸き上がっていると思いますが、個人的にサントスに対する不信感はそれを更に上回るものがある。

 

ロナウドは恐らく今大会が最後。チームの輪を乱しかねない言動があったかもしれない事は恐らく事実だろうが、それはそれとして彼の1プレー毎の細かいオフザボールの動き直しを継承する理知的なストライカーが現れ、最後のピースが埋まる日が来る事を願いたい。

 

 

イングランド vs フランス

 

相手に合わせて自らを変えていくというよりも強みをぶつけるような試合運びをするこの2チームの対戦は何といってもエンバペとカイル・ウォーカーのマッチアップに注目が集まっていましたが、実際には前者は寧ろ中に入ってプレーする機会も多く、ウォーカーもマンマーク気味だったとは言え持ち場を離れてまでは付いていかないので回数はあまり多くなかった。

 

寧ろフランスは右サイドからの攻撃に照準を定め、ルーク・ショーデンベレグリーズマンの両睨みせざるを得ない状況を作り出す事で負荷をかけていく。先制点となったチュアメニのゴラッソもこういった細かい布石の積み重ねでイングランド守備陣が前に出づらいシチュエーションを作った結果と言えなくもない。

 

先制されたスリーライオンズもサカ vs テオ・エルナンデスの右サイドでは完全に優位で、サカのカットインやそこにケインやヘンダーソンの絡むユニット単位のコンビネーションで攻撃の形を作る事が出来ていた。

 

 以前にも触れたようにエンバペは守備時に低い位置まで戻らないので代わりにラビオがサイドに応戦する形が増える訳だが、イングランドが同点に追いついたPKは正にこの形から生まれている。

 

後半のイングランドは全体のポジションを前目に上げて、左サイドの守備の問題はベリンガムのタフネスっぷりである程度カバー。ショーは持ち前の攻撃参加が増え、前半殆どボールプレーに絡んでいなかったフォーデンもドリブル突破でファウルを獲得するなどこちら側でも形が作れるようになり、サイドで得たFKからのチャンスはシンプルながら効果的。

 

ただ、1つゲームを通して気になった点はショーが地上戦ではなくハイボールの競り合いでデンベレに負けている事で、バルセロナとのELプレーオフを控えているマンチェスター・ユナイテッド視点としてもこれは懸念事項。

 

ジルーの決定的チャンスをGKの素晴らしい反応で凌いだイングランドだったが、その直後のCKからの2次攻撃でグリーズマンのピンポイントクロスに再びジルー。

 一見するとマグワイアに批判が集まりそうな場面だが、上からの視点で確認するとマグワイア1人で2人をケアしている状況かつ、その前にはマーカーを背負っていないイングランドの選手がいる事から比重としてはライス,ストーンズ及びチーム全体のマークの受け渡しにより大きな責任があるだろう。

 

勝ち越し弾を許した直後、イングランドは交代で入ったマウントの斜めのランニングにベリンガムがロブパスを通しテオがボックス内でマウントを倒した事で再びPKのチャンスを得たが、流れの中で2度目のキックという特異な場面を迎えたケインのキックは枠を捉える事無くスタンドへ。

 

分かりやすく自滅したポルトガルとは違いイングランドチームに大きな失敗は無かったようにも見えるが、強いて言えばサカに替えてスターリングを投入した事、そもそもゲームチェンジャーたり得るアタッカーを投入する時間が遅かったことは反省点か。

 枠を捉えなかったものの、最後のラッシュフォードのFKはクラブでもキッカーを任せたいと思わせる惜しいキック。