いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #WorldCup 】Day8、黄金世代終焉を示唆するベルギーの完敗

 

 

 

 

日本 vs コスタリカ

 

今回は始めから5-4ブロックを敷いて兎に角失点しない事を第一目標に臨んできたコスタリカチーム。この時点でまず日本の思惑とは若干異なっていたのかもしれません。サムライブルーのスタメンは明らかにショートカウンターが得意構成で、ポゼッションベースならば鎌田を一列下にNo.10には久保や柴崎、左に関してもサイドに振ってからの1on1で組織的な崩しが無くとも突破出来てしまう三笘を使うはず/使うべき。

 

ただ、トランジション局面で全体を押し上げる様子もなく、例えば6分のコスタリカFKを権田がキャッチした後はスピードのある相馬を走らせればカウンターが成立しそうな場面にも関わらず実際にはCBからゆっくり組み立てる。試合後の選手のコメントが軒並み『勝ち点3を必ずしも取りにいかなくても』という趣旨であった事からもこのゲームに対する考え方の時点で既に落とし穴にハマっていた感。

 

チャンスメイクという意味で唯一可能性を感じたのは山根から斜めに入るパスで、彼に高い位置を取らせてもっとボールを集めるのが前半のラインナップで出来る数少ない修正でした。他には、ビルドアップ補助を遠藤ではなく守田か鎌田に任せ、彼にはより高い位置でセカンドボール回収に専念させた方が良かったかもしれません。更に、5-4ブロックで前1人のコスタリカに対し3枚(主に吉田,板倉,長友)を残すのは流石に後ろ向きすぎるので、フルバックに関してはもっと大外に開かせてコスタリカの守備を間延びさせる必要もあったでしょう。

 

何はともあれ45分をただ浪費した日本はHT明けに浅野🔁上田,伊藤洋輝🔁長友と2枚のカードを切りますが、正直この交代が私には分からない。得点を取りに行こうというのではなく、この時点でもまだ"このまま引き分けでもいい"という意思が強かった事は渦中に巻き込まれる事になった伊藤選手のコメントにもハッキリと表れている。

 

62分の交代は三笘🔁山根、ハッキリ言って投入が遅い。更に右サイドで相手を密集させつつサイドチェンジ、或いはアンダーラップで相手を押し下げるようなサポートの動きも少なく、三笘に1on1を仕掛けさせる機会が少なかったのも宝の持ち腐れ。67分には堂安に変えて伊東を入れたが、この交代も大外を使いたい選手を被らせてしまう最悪の判断で、イナズマ純也は持ち味のスピードを活かすことが出来ず相手を背負うプレーが多くなった。両ワイドに突破力の高い選手を抱えているのであれば、フランス代表(左エンバペ,右デンベレ)のように変な小細工をせずにそのストロングポイントでシンプルにぶつかっていくのが相手にとっても嫌な攻撃である筈。

 

 失点シーンに関してはもう議論し尽されていると思うので詳しい言及は省きますが、吉田の半端なキックと、コスタリカに奪われた後に権田がポジショニング修正を怠った2つの点が主な原因。コスタリカは試合を通じてボックス内でのボールタッチが2回しか無かったので、そのような試合を落としてしまったのは0-1というスコア以上に選手のメンタル面へのダメージが大きいのでは。

 

何のために大幅な選手の入れ替えをしたのか、得点を奪う為という積極性ではなく休養を与えたいという後ろ向きが理由だった時点でこの結果は決まっていたのかもしれない。能動的に攻めていく試合で苦戦するのは現体制を通しての問題でもあったが……

 

 

ベルギー vs モロッコ

 

共に右サイドが可変でフルバック縦スライド、左はバランスという対決になったテクニカルなチーム同士の対戦は序盤こそベルギーが押し込む展開でしたが、個々の運動量、特にトランジションで勝るモロッコが徐々に握り、ナイフ・アゲールからの斜めのロングボールやスクエアパスで両ワイドにアタッキングサードでのチャンスが増えていった。

 

ロッコのセットプレーは徹底的にニアへの縦回転キックを入れてGKの前に1人妨害に入る(主にサイス)形を繰り返し、オフサイドで取り消された前半ATのツィエクのキックがその後の伏線になっていました。

Embed from Getty Images  

 

ロッコとしては多少危険な失い方をしてもアムラバトが中盤で悉くボールを奪い返し、そこを抜かれてもアゲールのカバーリングで防ぐ、といったように無理が効く選手が多く、逆にそれがアマドゥ・オナナくらいな赤い悪魔は50:50のボールで負けるシーンが非常に目立った。

 そして73分には左サイド深い位置からのFKでまたしてもGKに向かう鋭いボールにサイスが視界を遮るようなポジショニングでクルトワにチャンスを与えず先制。

 

終盤、復帰明けのルカクを投入し前線へのハイボールを増やし同点ゴールを狙うベルギーでしたが、ATのモロッコはGKのロングフィードに競り勝ったHamdallah→Aboukhlal→ツィエクと縦にボールを繋いで最後はAboukhlalのニア上を抜くシュートで追加点。試合後には内紛の一報も出たように明らかに悪い方向にチームが傾く赤い悪魔はグループステージ敗退の恐れが強くなった。

 

 

クロアチア vs カナダ

 

落ち着く間もない鮮烈なカウンターで幸先よくリードを奪ったカナダ

 

2~3枚を前線に残し、5バックのコンパクトな守備陣形と奪ってからの縦に速いカウンターでクロアチアを混乱に陥れていたが、前回大会準優勝チームは慌てる事無く丁寧にボールを繋いでいき主導権を奪い返す。26分にはモドリッチのアウトサイドパスで右サイドの密集を突破し、カウンター気味のダイレクトプレーからクラマリッチがネットを揺らすもオフサイド

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36分のクロアチア、CK後のルーズボールを回収し押し込んだ状態でペリシッチの横パスに抜け出したクラマリッチが冷静にGKの身体の横を抜いて1-1。あえてボックスの角に立ち止まってマーカーを外を意識させたペリシッチのポジショニングは見ている側にスローの流れからボックス内を崩す際の有効なヒントを与えてくれた。

 

更に44分、ライン際の選手とのワンツーで右のハーフスペースを一気に突破したユラノビッチは股を抜いてリヴァヤにラストパスを送り、国内リーグの前シーズン得点王は太もも全体を使った押し出すようなキックでニアを抜いて勝ち越し。

 

後半にも2点を加えたヴァトレニ(クロアチア代表の愛称)。3点目のクラマリッチのトラップは敢えて大きいフォロースルーを取る事でダイレクトシュートを意識させ、その後の左足キックを通しやすくする見事なフェイントだった。このようなプレーを易々とやって見せるクロアチアチームの平均値の高いボールコントロールは一体どこから来ているのだろうか。。。

 

 

スペイン vs ドイツ

 

試合開始から10分過ぎくらいまではスペインがドイツ陣内に押し込んでポゼッション+素早いカウンタープレスで圧倒。7分にはダニ・オルモのシュートがノイアーの手に触れてクロスバーに直撃するなど得点は時間の問題に見えたが、中盤を省略してCBからのフィードでプレス網を突破するシーンがポツポツと出始め、20分を越えた辺りからはラウムの配置を上げる等の修正で持ち前のハイラインのプレッシングが機能し始める。

 

ブスケツに対してはギュンドアンマンマーク、ペドリにもキミッヒが厳しくチェックをかけて低い位置でのプレーのみに限定。カビを捉えられないシーンは時折あったものの、全体的にはスペインの中盤をよく封じられていたと思います。攻撃面ではニャブリのボールプレーの質が低く、ほぼムシアラ頼みというのは日本戦と同じ傾向。

 

39分のドイツは右サイドアタッキングサードで得たFKからリュディガーがネットを揺らしたものの、クロスが入った瞬間オフサイドラインを飛び出ていた為ゴールは認められず前半はゴールレス。7割近いポゼッションを記録した割にチャンスそれほど多くなかったラ・ロハは54分と早めのタイミングでフェランに変えてモラタ投入。

 

すると62分、ギュンドアンのスライドが一瞬遅れてロドリ→ブスケツの縦パスが通ると、ブスケツ→オルモ→ジョルディ・アルバと斜め前にボールを繋いで最後はアルバのグラウンダーをニアでモラタが合わせてスペインが先制。モラタに完全に背後を取られ、その後前に入られたズーレは要反省だろう。

 

70分のドイツは一気に3枚のカードを切ってサネ(out:ギュンドアン),フュルクルク(out:ミュラー),クロスターマン(out:ケーラー)とより攻撃的なラインナップに陣容を変え、ムシアラを真ん中、ニャブリを左へ。怪我明けのサネは当初非常に動きが重いように見えたが、10分ほど経ったころにはピッチ上で最も脅威な選手に。

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83分、ラポルテの中途半端なパスをスペイン陣内でクロスターマンがカットすると、一気にスピードを上げてボックス内に侵入し最後はフュルクルク。

レベルが上がれば上がる程1回のミスが命取りになるという事を強く印象付ける同点弾でドイツは首の皮一枚繋がる勝ち点1を獲得した。

 

 やはりスペイン封じにはブスケツマンマーク+ペドリにもプレッシャーを与え続ける事が最低限必要な条件で、尚且つ迂回回路としてCBに起用するロドリに対しても時間的余裕を与えすぎないようにしなければいけない。ポゼッションの完成度は非常に高い一方でCB+ブスケツの機動力には隙もあるので、3戦目に対戦する日本としてはボールを奪った後の早めのロブパス、そして左右に振ってからの斜めのドリブルを重視したい。これらは丁度森保ジャパンの得意分野でもある。