チュニジア vs オーストラリア
3CB+WBのチュニジアに対しサイドにボールを集める正攻法で挑むオーストラリア。23分、自陣ボックス内でGKからパスを受けたサウターが前線へフィード、このボールをデュークがワンタッチでサポートに入る選手に落とし、そのまま前線に駆け上がるとグッドウィンのクロスがディフレクションしてバックスピンのかかったボールをファーに流し込んで先制。前線からのプレッシングを厭わずハードワークを続けていたデュークだが、目に見える結果が生まれた事で本人にもJ2リーグにとっても自信に繋がる価値のあるゴールとなった。
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チュニジアはダイレクトプレーからムサクニが前を向いた状態でボールを受けると高確率でシュートチャンスまで結びつくが、オーストラリア守備陣の粘りもあって1点が遠く痛恨の敗戦。まだ突破の可能性は残っているが、最終節はフランスとのゲームなので非常に厳しい状況。
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ポーランド vs サウジアラビア
初戦とは組み合わせを変え、攻撃で最も可能性の高いジエリンスキ-レヴァンドフスキの距離を近づけたポーランド。中央に配置を固めた4-2-2-2をベースに、大外はキャッシュとベレジンスキの縦スライドでカバーするような形だが、トランジションの際にはその後ろにある広大なスペースがピンチの種にも。
39分、シュチェスニーのフィードをウイング位置でキャッシュが受けてダイレクトで前にボールを蹴ると、これを収めたフランコフスキからリターンを貰いボックス内に侵入したリダイレクトで中に返球、レヴァンドフスキはGKのポジションを見てシュートではなくキープを選択。ライン上でボールをキープすると、折り返しにジエリンスキが詰めて先制ポーランド。
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サウジアラビアもカンノのキープや後方からの攻撃参加、または左サイドからの3,4人のユニットでゴールを狙うが守護神シュチェスニーが悉くこれを防ぎ、PKですらもゴールに至らない。
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そして、遂に82分にはレヴァンドフスキのワールドカップ初ゴールが生まれた。
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サウジアラビアDMのカンノ。個人的には今大会ここまでの最大のサプライズ(知識不足の言いかえ)で、分類するならマティッチやパリーニャのような優秀なDeep-Lying Playmaker。ヨーロッパの主要リーグでも間違いなく通用するポテンシャルを持っていると思う。
フランス vs デンマーク
フランスは4-2-3-1で1戦目と同じく下がり目のトップ下にグリーズマン、ジルーをポスト役に両ワイドの飛びぬけたクオリティを最大限活用したい意図、デンマークは3-4-2-1でチュニジア戦のスタートとは若干構成を入れ替え、バックスはスピードに不安のあるケアーをヴィクトル・ネルソンに変更。ビルドアップではホイビェアが下がり目に位置しエリクセンは中間ポジション、時折ダムスゴーとも入れ替わりながら前にいるケースが多かった。
サイドチェンジを活用しながら序盤のペースを握ったのはダニッシュ・ダイナマイトで、フランスはFKやCKといったボールデッドからのチャンスが多く、オープンプレーであカウンターからグリーズマンのアウトサイドパスがチャンネル(CBとCBの間)に通ったくらいで、全体の流れとしてはデンマークの方が思い通りに運べていたと思う。
それでも時間と共に両ワイドに高い位置でボールが入り始めゴールを脅かす場面が増えてくるが、ウパメカノのロブパスに抜け出したデンベレのクロスをエンバペがダイレクトシュートした40分の決定機は弾道を抑える事が出来ず、前半は0-0で折り返す。
スコアが動いたのは61分、自陣右サイドでボールを奪い返したフランスは素早く左へ展開しテオ・エルナンデスのキャリーからエンバペにスペースのある状態でボールが入る。レ・ブルーの10番はアンダーラップでチャンネルに走り込んだテオへのパスを選択し、リターンを受けると冷静に身体を開きながらボールの左下にインパクトしてGKから遠ざかる回転をかけた技ありのゴールで応えた。
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68分のデンマークは右CKからニアへの早いボールをアンデルセンが僅かに軌道を替えてゴール前に落とすと、最後はワンバウンドした所をクリステンセンが決めて1-1。この同点弾の前からレイオフからアタッキングサードを突破したり、テオの裏にパスを入れたりと相手を押し込んでいたので、良い流れのまま追いつく事が出来たのは彼らにとって大きかった。
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ただ、先述のキックにもあるように今大会冴えわたっているグリーズマンの左足。GKとバックスの丁度真ん中、お互いに見合ってしまう絶妙な位置へのインスイングのクロスボールでエンバペに決定機をプレゼント。フランスが2-1で試合を制しグループリーグ突破一番乗り。
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アルゼンチン vs メキシコ
5-3-2でブロックを敷くメキシコに対しアルゼンチンはギド・ロドリゲスが中央に下がって両CBがワイド、アクーニャをウインガーの位置まで押し上げる左サイドを回転させたような可変システムでビルドアップ。
ただ、依然として縦の距離感が遠すぎてバックスから斜めのパスを入れる事が出来ず、業を煮やしたメッシが降りて来るケースも多くメキシコが前からハメてきた際に危ない形でロストするケースが幾度も発生した。
メキシコの攻撃は高い位置で奪うか自陣からロサーノのスピードを活かしたショートカウンターがベース。共に勝ち点3が必要な状況も相まって序盤から球際の攻防は非常に激しく見ごたえある主導権争いが繰り広げられ、ベテランのグアルダードはハーフタイムを待たずに負傷交代。
後半、後ろ3枚を更に広げてリチャはほぼLBのような位置取りになったアルゼンチン。ギドを下げエンツォ・フェルナンデスを投入し後ろを2枚+サポート1人に変えた所からバランスが良くなり、アタッキングサードで押し込む時間が増えた。 すると、64分にゴールまで30m弱という位置からメッシがグラウンダーの強烈なミドルシュートをゴールマウス右下に沈めるゴラッソが生まれ1-0。
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更に87分のアルゼンチンは左からのCKのチャンスに、ショートリスタートからのサインプレーでボックス角からゴール方向に侵入したエンツォ・フェルナンデスのコントロールカーブが決まって2点目。
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メキシコとしては、中盤3枚の横スライドが疲労と共に追いつかなくなっていったのが敗因で、結果的にはアルゼンチンが3枚をカードを切った辺りで思い切って後ろの枚数を減らした方が良かったかもしれない。