いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #AVLMUN 】試合の入り10分の緩さが致命傷になる

※22/23 イングリッシュプレミアリーグ

アストン・ヴィラvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

 

プレミアリーグでは1995/1996シーズン以来負けていなかったヴィラ・パークで開始10分間に2失点、前半終了間際に幸運な形で1点奪い返すも、HT明け直ぐに痛恨の3失点目を許し監督が変わり初戦のアストン・ヴィラに敗北。

 順位争いのライバルが足踏みしたMatchdayだっただけに、ここで勝ち点3を得られなかった事は非常に手痛い。 

 

 

 

 

【Match Review】

 

"Remembrance Day"、戦没者哀悼の意を込めて毎年イングリッシュプレミアリーグではこの11月初旬、キックオフ前に式典が行われ、ユニフォームにポピーをあしらったシールをプリントした特別仕様のユニフォームで試合に挑むのが恒例なっています。

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Starting lineup

 

ベンチ入りアストン・ヴィラ
7 McGinn, 8 M.Sanson, 9 Ings, 16 Chambers, 17 Augustinsson, 18 A.Young, 20 Bednarek, 25 R.Olsen, 44 B.Kamara

マンチェスター・ユナイテッド
5 Maguire, 9 Martial, 12 Malacia, 17 Fred, 28 Pellistri, 31 Dúbravka, 36 Elanga, 39 McTominay, 47 Shoretire

 

ELでインパクトを残せなかったファン・デ・ベークですが、リベンジの機会を与えられました。レアル・ソシエダからはブルーノに変えてラッシュフォード、1人の入れ替えで、チーム随一のプレイメーカーはイエローカード累積の為この試合の招集リストには加えられません。

 

前半

 

スペイン遠征から戻り中2日未満という厳しい日程のせいなのか身体の動きが明らかに重く、プレッシングやビルドアップもそれに従って非常に悪かった序盤のマンチェスター・ユナイテッド。遅攻かつ押し込む展開を好むファン・デ・ベーク、スピードを活かすカウンターが得意な両ウイングと選手の適性が噛み合わなかった(そうせざるを得ない状況にある)のは同情しますが。

 

エンゲージライン自体の設定は高いのでファーストプレスを交わされると即失点のピンチという危険な入りで、7分にはリンデロフが前に釣られ最終ラインが崩れるとワトキンスとのワンツーでボックス内に侵入したレオン・ベイリーが左足シュートをファーへ沈めていきなり失点を喫す。

 

 

9分、今度はボール保持でリンデロフがコースを誘導されているにも関わらず近距離のマルティネスへパスを送り、プレッシャーに晒されたリチャも珍しくボールコントロールを誤りフィフティフィフティのボールが左サイドのハーフスペースに流れると、これに反応したルーク・ショーが相手を倒す形になってしまいアストン・ヴィラにFK。

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ルカ・ディーニュの蹴ったドライブシュートゴールマウスの隅に吸い込まれ10分で2失点、しかも得点/オンターゲット=2/2という有り様。

 

テン・ハフも試合後にコメントしましたが壁の設定が悪く(これは審判の管理責任だと思うが)、ショットストップ以前の段階で大分不利な状況に陥っていた。事細かく判定の正誤・公平さに関して主審に問い詰めるブルーノが不在だったことも不運だったか。

 

アストン・ヴィラのラインナップは純粋なウインガーを起用しない4-2-2-2ですが、前線のワトキンス-ベイリーが共にサイドに流れたいインサイドフォワードタイプなので、彼らを最大限活かすためにこの配置を選んだと思われる。CB2枚+CM2枚がかなり守備的な組み合わせなので若干創造性不足の感は否めないが、ユナイテッドはスピードのある前線のカウンターと頻繁に中に入るブエンディアを捉えきれずにペースを掴めないまま時間が過ぎていく。

 

34分、GKから丁寧にボールを繋いだアウェイチームはダロトが持ち上がって相手陣内深い位置からマイナスのパスを折り返すと、ファン・デ・ベーク→ラッシュフォード→エリクセンを経由しガルナチョにシュートチャンス。

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左足のキックはエミリアーノ・マルティネスにブロックされるが、クリアボールを回収し再びポゼッションに移行すると、エリクセンのクロスをエズリ・コンサがクリアし損ねファーで待つロナウドに決定機到来。しかし、全盛期なら決めていたであろうダイビングヘッドはGKの真正面に飛んで得点に出来なかった。

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一連のプレーではようやく見せ場が訪れたファン・デ・ベーク。やはりアタッキングサード以降の密集地帯においてダイレクトプレーやデコイランで輝きを見せる選手だが、そこに至るまでの貢献度,攻守の切り替え,味方の意図とかみ合わないポジショニング等、加入当初の課題が3シーズン目に入ってもそのままなので、悪い意味で頑固な選手なのかもしれない。

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現状、彼を中心に据えたいと思わせる程の貢献は見せておらず、長所を残しつつもプレースタイルの変化/進化に取り掛からない限り序列が上がることは無いだろう。サンチョ,マルシャル辺りとは相性が良さそうにも思えるが、プレッシングやトランジションの緩さもあってあくまで押し込んでいる際のジョーカー役。

 

45分、相手ゴールキックからの競り合いを制すと、左サイドから右サイドへボールを振ってダロトがアーリークロス。一度ボックス外へクリアされたものの、そのボールを太ももでトラップして素早くボレーシュートに移行したショーのキックがジェイコブ・ラムジーにディフレクションしゴールネットを揺らす。

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後半

 

HTの交代は両チーム行わず。

キックオフ直後から前半の繰り返しのように緩いプレッシングからベイリーにロングシュートを打たれるなど不穏な空気漂うヴィラ・パーク。

 

48分、ミングスのクリアボールに対しワトキンスとの競り合いに敗れたリンデロフ。幸いボールが横に流れマルティネスがヘディングでクリアしたものの、ブエンディアへのパスになってしまい、サイドに流れてボールを受けたワトキンスvsリンデロフの2回戦はスピードを落とさせる事が出来ず、ただただボックス内までキャリーを許したアイスマンの完敗。最後はあっさり折り返しを許し、ラムジーにフリーのシュートチャンスを与え失点。

リチャ,ショー,エリクセンは声をかけるかアイコンタクトで少なくとも1人シューターに対しプレッシャーをかけるべき。リンデロフに関しても一か八かのタックルをしろとは言わないが、ラストパスの場面では縦に進まれるよりも横に入られる方が遥かに失点しやすい状況だったので、もっとタイトに寄せつつ中央方向のルートを完全に塞ぐ必要があった。

 

 

65分、3点が必要なユナイテッドは一挙3枚交代。

IN:Malacia,Elanga,Martial OUT:Shaw,Garnacho,Van de Beek

ラッシュフォードが右から左へ移動。

 

交代で入ったエランガはサイドからのダイアゴナルランで相手フルバック裏へのロブパスを引き出し早速チャンスを作るが、ヘディングでアプローチした際にGKと接触しピッチに倒れ込む。ファーストタッチはまだまだ不安定、ボールプレーの量・質も課題が残るが、オフ・ザ・ボールはこの試合のユナイテッドの選手で最も良かった。

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74分、カゼミロのスルーパスに右大外からダロトが抜け出しボックス内に侵入。絶好のシュート打っても良い場面だったがパスを選び、味方との呼吸が合わずチャンスをフイにした。ただ、ダロトに空間を与えるエランガのスペースメイクは見事。

 

終盤、4-5-1にシステムを変えて逃げ切りを図るアストン・ヴィラに対し左サイドに流れるマルシャルから局所での数的優位を作って打破を試みたユナイテッドだったが、最後の25分間はボックス内に侵入してもフィニッシュの手前でエラーを起こしシュートを1本も打てず仕舞い。

 

3-1で試合に敗れる。

 

 

データ

 

Standard

 

共にシュート数一桁とそれほど多くの得点機会があった試合ではありませんでしたが、ホームチームは枠内シュート3/4でゴールと高い決定力を発揮。リーグ戦5試合無敗中だったユナイテッドを振り切ってウナイ・エメリ体制1試合目で早くも勝ち点3を獲得。

 

58%のポゼッションを記録しながらシュート数8、オンターゲット3とそれを活かせなかったアウェイチームはある意味負けるべくして負けた。

 

さて、ゴール欠乏症に陥るクリスティアーノ・ロナウドに関してですが、ロナウド出場時リーグ戦では90分辺り-0.34の得失点差マイナスを記録しており、未出場時は+0.14なので差し引き-0.48と目に見えるスタッツでも悪い結果が出ています。

 更に、彼が手を挙げてボールを要求するとチームメイトは他に選ぶべきパスコースがあってもかなりの確率でアーリークロスやDF裏へのロブボールを蹴ってしまうので、この過剰なCR7崇拝とも言うべき現状では、クリスティアーノを起用しない方がチームが強い状態であるというのが嘘偽らざる真実。

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xG

 

参照:

Aston Villa 3 - 1 Manchester United (November 06 2022) | EPL | 2022/2023 | xG | Understat.com

 

xGは0.58-0.52とロースコア決着。アストン・ヴィラは敵陣ペナルティボックス内で成立させたパス僅か2本とほぼ攻撃の形を作れていなかったものの、マンチェスター・ユナイテッドの自滅を活かし期待値を遥かに上回る結果を手にした。

 

一方のユナイテッドはアタッキングサードで54本のパスを記録しながらシュートに直結したのは僅か4回、オウンゴールと記録されたショーのシュートもxGは非常に低い数値で全体としてフィニッシュワークとその1つ手前のクオリティが不足していました。

 

この2つを期待されたファン・デ・ベークもunderstat算出データでxG0.02、xA0.03とまるでインパクトを残せず、ミッドウィークのヨーロッパリーグを含む2度の出場機会で更に自身の立場を悪化させてしまった。

 

また、次節フラム戦にむけて大きな不安材料となるのがダロトのイエローカード累積によるサスペンデッド。完全に彼1人に依存しているRB、マラシアを右に回し誤魔化すのか或いは他の選手にチャンスを与えるのか、テン・ハフの選択が気になる。

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あとがき

 

 

次の試合は日本時間11日早朝のEFL リーグカップ。なんとこれまたアストン・ヴィラとの対戦なので、早速リベンジを果たすチャンスです。

 

ようやくマルシャルが復帰したので、試合勘を取り戻す為にもCFには彼を起用すると仮定しますが、今回コテンパンにやられたレオン・ベイリーのスピードにどのような対策を施すのかどうかも試合の結果を左右する事になりそう。ヴァランがいれば……と2度も言わせる事のないゲームを見せてもらいたい。