アヤックスで自身の評価を確かなものとした新指揮官 エリック・テン・ハフの元で再起を図る22/23シーズンのマンチェスター・ユナイテッド。
興味を持っているという報道は以前から度々記事になっていたものの、正に光芒一閃、あっという間にオランダ代表にも選出されているフェイエノールト所属左フルバック タイレル・マラシアに関してクラブ間獲得合意という情報がインターネット上を駆け巡りました。
直前まで彼の獲得レースはリヨンが制したというのが有力な見方であったので非常に驚きましたが、確かに21/22シーズンのLBはルーク・ショーのパフォーマンス低下や負傷離脱、アレックス・テレスはシーズン後半の不振など、年間を通して見ると満足のいくポジションで無かった事は確か。
【追記】Here we go!! 現スタメンとの年齢バランスも理想的
Tyrell Malacia to Manchester United, here we go! Agreement reached on personal terms, waiting to sign the contracts soon for €15m plus €2m add-ons to Feyenoord. Malacia will be first signing of ten Hag era. 🚨🔴 #MUFC
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) July 1, 2022
OL deal hijacked, as revealed on Tuesday - now confirmed. pic.twitter.com/ZKHtg62C7B
ロマーノは完全にユナイテッドをインプレッション稼ぎのカモとして利用しているような……
日本時間7月2日未明、未だ成立が遅れチェルシーの乗っ取り画策も報道されるフレンキー・デ・ヨングとは対照的にマラシアにFabrizio Romanoから "Here we go" 取引成立のお墨付きが出ました。
fbref.comによれば、昨季プレミアリーグにおけるマンチェスター・ユナイテッドの平均年齢は27.2歳。8月7日の新シーズン開幕戦時の年齢や主戦場の左フルバックの構成を見てもマラシアは丁度ぴったりハマる選手と言えそう。
次世代の主力をアルバロと仮定した場合、ショー→マラシア→アルバロで丁度4歳差ずつと程よく世代が離れる理想的な編成に。
タイレル・マラシア(Tyrell Malacia)のプロフィール
生年月日:1999-08-17
出身地:ロッテルダム
身長:169cm
ポジション:LB
市場価値:€17M(6月30日時点。参照:Transfermarkt)
プロデビュー:2017-12-06 フェイエノールト vs SSCナポリ(2-1)
𝙒𝙝𝙚𝙧𝙚 𝙞𝙩 𝙖𝙡𝙡 𝙨𝙩𝙖𝙧𝙩𝙚𝙙… 😍#OnThisDay in 2017:
— Feyenoord Rotterdam (@Feyenoord) December 6, 2021
Official debut Tyrell Malacia in 🔴⚪️⚫️! pic.twitter.com/McKAIWJLP4
ロッテルダム出身という事からも推察できるようにクラブキャリアは9歳からフェイエノールト一筋。シニアチームのレギュラーに定着したのは20/21シーズンからで、2021年9月にはオランダ代表トップチームで初キャップを記録し現在までに5試合の出場経験有り。
1999年世代かつフェイエノールトユース出身という事でコアなユナイテッドファンならば気が付いたかもしれませんが、タヒス・チョンとはシニアデビュー前の長い期間をクラブ・世代別代表のチームメイトとして過ごしています。
昨季はバーミンガムでBox-to-Boxとして新境地を開きかけたものの、鼠径部の怪我でシーズンの半分程を欠場するなど中々プロキャリアが思うように行っていないチョンはマラシアと入れ替わるようにフェイエノールトへの帰還が噂されていますが、馴染みの無い土地に移るマラシアにとって勝手知ったる仲である彼の存在は大きな助けになるかもしれない。
分類するならば自ら積極的にボールにアプローチする攻撃型のフルバックで、ドリブルやパスはリーグレベルが上がっても一定の信用が出来ると思われる。守備でもボールへの積極性という傾向は同じで、タックラーの傾向が強く空中戦勝率に関してもエールディビジでの過去2季は55.6%→51.3%と体格の割に健闘している。
(個人的な感想も込みで)5大リーグでプレーするLBで例えるならば、ドルトムントのラファエル・ゲレイロがプレースタイルや体格面で共通項の多い選手と言えるでしょう。
このポルトガル代表フルバックもハイボールのターゲットにされて苦労する場面があるが、マラシアも彼のようにそれを上回る攻撃貢献で赤い悪魔で自身の立場を掴んで欲しいところ。また、ゲレイロのようにマラシアもその攻撃性能を活かしてWBやサイドハーフで使われる機会があるかもしれません。
直ぐにプレミアリーグのフィジカルコンタクトに対応出来るかどうかを問われると自信をもってYESとは言い難いが、同じようにサイズの問題からイングランドへの適応に疑問を呈されながらも、大きな怪我を一度もすることなく赤い悪魔不動の左フルバックとして380試合近くの公式戦に出場した鉄人,パトリス・エブラのような選手になってくれる事を願っています。