いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】戦力となり、定着し続ける事の難しさ


シーズン終盤になると否が応でも目に入ってくる所属選手の退団に関するリリース。特にここ5~6年は入れ替わりが激しく、ついこの間まであどけなさが残っていたラッシュフォードも現トップチームでは上から5番目の古株に相当。

 

今期も既に何人かとの別れが明らかになっているが、1人でも多くの選手が新天地で納得の行くキャリアを送れることを祈っている。

 

 

 

 

アカデミーからトップチームへの定着は奇跡

 

20/21シーズン、UEFAチャンピオンズリーグパリ・サンジェルマンとの試合に先発した際はスピード勝負であのキリアン・エンバペに勝利するなど、並外れた身体能力を備え次世代のセンターバックとして高い期待を寄せられていたアクセル・トゥアンゼベ。

 

 

積んでいるエンジンに身体の耐久性が付いていかないのか、はたまた彼自身のコンディション管理の問題なのかを知る由はありませんが、とにかく負傷による戦線離脱が多すぎて成長の機会を失ったまま、気づけば25歳を通り過ぎるというところまで来てしまった。一般的にはアタッカーに比べれば年齢的な足切りがされにくいとされるポジションとはいえ、過去4シーズンで公式戦47試合,出場時間2600分強という選手がトップフライトで立ち位置を掴むのは困難な事だろう。

 

実際、マンチェスター・ユナイテッドはトゥアンゼベとの契約を更新することなく、6月いっぱいを持って彼はフリーエージェントになる見込み。

 

 

2020年前後、アカデミーからトップチーム定着を狙う若手選手の中で最も期待されたディフェンダーがトゥアンゼベだったとすれば、中盤では確かなボールスキルを有し、過去の名選手と比較される事も少なくなかったセントラルMF三羽烏ジェームズ・ガーナー,ディラン・レヴィット,イーサン・ガルブレイスがその筆頭格であった事は間違いない。

Embed from Getty Images  

 

ただ、2022年夏のマーケットでガーナーがエバートン、レヴィットがダンディー・ユナイテッドへ完全移籍したのに続き、2023年5月にガルブレイスTwitterでクラブ退団を明らかにした事で赤い悪魔のトップチームで立ち位置を掴む選手は1人もいないという結果を迎えた。

 

正直、これまでに挙げた4人の選手のうち1~2人はトップチームで戦力化できるのではなどと思っていたこちら側としては改めて現実を直視するとショックだが、かといって"アカデミー出身だから"と下駄を履かせて求められる水準に達していない選手を強引に使っていく事を許容する事も出来ない。

 

そういう意味では、過去数十年に渡りクラブ育成選手が公式戦のスカッドに含まれ続けているというユナイテッドの伝統も、確かに素晴らしい事であるし誉れなのだがそれ自体が目的になってしまっては本末転倒である。

 

だからこそマーカス・ラッシュフォードのように厳しい生存競争を勝ち抜いた者はこのクラブのファンやサポーターにとって特別な存在たり得るし、彼のようになれる才覚を持つ若人たちが道を踏み外さないような包括的な育成プログラムとそれを実践できる環境が必要になってくる。

 

話は変わり、グレイザーファミリーのクラブ売却は一向に進展しないが、誰が新たなオーナーになるにしても選手補強という分かりやすい成果だけでなくこういった部分を重視する体制になってくれることを心から願う。(あと、いい加減オールド・トラッフォードを改修して下さい……)

 

ジョーンズが退団、SAFの薫陶を受けた選手も残りわずかに

 

マンチェスター・ユナイテッドとの契約が今年6月末に期限を迎えるフィル・ジョーンズは、契約満了に伴いクラブを退団する事に決まった。在籍後期は常に怪我との戦いが続き、中には本人に直接届く形で心無い言葉を投げかける者もいたが、「自身を支えてくれたファンの為に」と3枚の画像に及ぶ3000字をゆうに超すメッセージを残してくれる所に彼の実直さが良く現れていると思う。

 

メッセージの日本語訳についてはクラブ公式HPから確認できる

 

21/22シーズンの後半、ラルフ・ラングニックの暫定指揮時にはベンチ入りの回数も増え、2022年1月のウルブスとのリーグ戦ではホームで敗れた不甲斐ないチームの中で地上戦6/7、ショットブロック3、パス成功率90%(45/50)とスターティングラインナップの中では随一のプレーを見せてくれた事を今でも鮮明に覚えている。

 

Scanningの量と質が不安定で、相手にコースを限定されやすい身体の使い方な事が多いゆえにビルドアップを重視するチームとは相性が悪いが、巷で言われている程ボールプレーが全く出来ないという訳ではない。かつてはフルバックを務めていたようにボールキャリーについては良いモノを持っていて、更にチーム全体をまとめるリーダーシップを有している選手なので、昇格チームやベテランが欲しいスカッドの若いクラブなどでその力を発揮出来るはず。所属選手の性格面を分けていったときに闘将タイプが不足しているチームにはカンフル剤になり得るだろう。

 

そして一番の長所は球際のデュエルを全く恐れないこと。命知らずと形容されても不思議ではないくらいに身体を張った守備が多く、クロスやシュートへの反応を見ても顔面ブロックなんのそのと相手とボールから目を逸らす事は滅多に無い。恐らく、このファイティングスピリットは怪我が多くなりがちな理由の1つ。

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残念ながらジョーンズはプレミアリーグの25枠のシニア登録枠に含まれていない為、仮に最終節開始前までにチームの直近の目標である4位以内確保を決めていたとしても試合出場は叶わないが、何らかの形でこれまでの貢献に対しての労わりとしてサポーターの前で彼が別れをする場を設けて欲しいと思う。

(試合出場の可能性が残っているとすれば、FAカップ決勝の招集リストに入った上で、チームが大勝している終盤という事になりそうだが、今のマン・シティ相手にそのような展開になる事は考えにくい)

 

シーズン後半のPLシニア登録

25選手 (*ホーム・グロウン)
Bishop, Nathan James*
Borges Fernandes, Bruno Miguel
Butland, Jack*
Casimiro, Carlos Henrique
Dalot Teixeira, Jose Diogo
De Gea Quintana, David
Dos Santos, Antony Matheus
Eriksen, Christian Dannemann
Heaton, Thomas David*
Lindelof, Victor Jorgen Nilsson
Maguire, Harry Jacob*
Malacia, Tyrell Johannes Chicco
Martial, Anthony Jordan
Martinez, Lisandro
McTominay, Scott*
Rashford, Marcus*
Sabitzer, Marcel
Sancho, Jadon Malik*
Santos, Frederico Rodrigues De Paula
Shaw, Luke Paul Hoare*
Van De Beek, Donny
Varane, Raphael Xavier
Wan-Bissaka, Aaron*
Weghorst, Wout Francois Maria
Williams, Brandon Paul Brian*
(引用:premierleague.com)