いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【Stats】プレミアリーグ-セリエA間の空中戦勝率

キッカケはとあるブログ記事を読んだところから。

 

 

 

 

はじめに

 

 

特定の解説者に対してかなり強い否定の言葉を用いた批判記事がTwitterの日本人欧州フットボールコミュニティの間で広まっていた事を遅ればせながら知り、普段あまり他のファンと関りを持たない私もそれを読んでみました。

 

リンク

【欧州サッカー解説者~エゴにまみれた恥ずべき存在】

 

当初、エゴにまみれたという言葉から、解説者が我欲まみれで犯罪行為や自らの立場を利用したあくどい事を行っているという告発文なのかと思っていたものの、実際にはブログの筆者が個人的に嫌っている人物への恨みつらみのような内容で、彼の主張を要約すれば「(影響力を持った人物が)知ったかぶりをして情報発信するな」という一言であるように見受けられます。

 

ただ、上記ブログでは解説者の発言に対し事実ベースではないと批判を展開したものの、筆者自身がスタッツや実際の映像等を使った反証に出る事は無かったので、今回は彼が具体例の1つ?として挙げた『ルカクのヘディング無双』、これを私なりの解釈で"ロメル・ルカクの空中戦勝率について"とし、セリエAプレミアリーグで傾向に差がみられるかどうかを検証したい。

 

そして、リーグ間の差について言及するならば彼1人ではサンプルサイズが足りないので、数シーズン遡って両リーグ間の移籍を経験した例に関しても調べていきます。

 

使用したデータベースはFBref、Transfermarkt、Soccerment

 

 

ロメル・ルカク

 

FBrefに残っている空中戦スタッツは17/18以降の5シーズン。

()は勝率。小数点第4位を四捨五入

 

17/18:247回、127勝120敗(51.4%)

18/19:171回、87勝84敗(50.9%)

マンチェスター・ユナイテッドインテルへ移籍

19/20:156回、83勝73敗(53.2%)

20/21:99回、37勝62敗(37.4%)

インテルチェルシーへ移籍

21/22:97回、48勝50敗(49.0%)

 

過去5季の中で最も勝率が悪いのが20/21で、それ以外にも全体の傾向として年々エアバトルの回数自体が減少しているのも面白い発見。

回数でみれば18/19から19/20でそれほど大きな変化はないものの、出場時間は②から③では800分ほど③が多く、特にインテル加入後、言い換えればセリエA挑戦後に空中戦に関し大きくアプローチを変更した可能性が考えられる。

 

前述のブログ筆者やセリエAフリークが抱いた〈ルカク,それほどヘディング無双してなくね?〉という感覚はこの点において正しい。得点の内訳に際してもTransfermarkt.comで調べた限りではセリエA2年間で挙げた47ゴール中ヘディングシュートは5回、ユナイテッドでプレーした前2シーズンは28ゴール中5回である事から、ルカク1人を例にとって空中戦のレベルがプレミア>セリエAと断言する事は出来ないというのが結論。

 

そして、彼自身がプレースタイルを変えているような形跡がスタッツから読み取れるのという事も頭に入れておきたい。

 

 

 

Premier League ↔ Serie A

 

過去3シーズン両リーグ間の移籍を経験した選手を調べ、合わせて66(漏れがあったらごめんなさい)のケースにおいてそれぞれ移籍前後の空中戦勝率を比較しました。

 

プレミアリーグセリエA、②セリエAプレミアリーグのどちらのケースにおいても移籍後に空中戦勝率が上昇した割合が半分を越える事はありませんでしたが、数字の大小を見比べるとプレミアの方がエアバトルにおいてタフなリーグであろう事がうっすら見えてきた。

 

ただ、リーグレベルの優劣はこれと全く関係ない事を改めて主張しておきたい。

そもそも、劣っているどころか21/22シーズンに限って言えばセリエAからプレミアに挑戦した11選手は全員後者で900分以上の出場機会を確保しており、この結果を踏まえて今オフもこのパターンの移籍は活発になるであろう事が想定される。

 

移籍自体の傾向として①に関しては所謂引き抜き,これから全盛期を迎える年齢の選手が多く、②の場合はベテランの域に差し掛かる選手や出場機会を求めてのローン等が大半を占めている。

また、ポッツォファミリーのワトフォード-ウディネーゼ間は人員の行き来が多く、ジェラール・デウロフェウやケン・セマのように複数回両クラブ間を移動する選手も。

 

 

セリエAからプレミアリーグ

(min≧900)

 

移籍前後のシーズンを比較(冬移籍の場合は同一シーズンの前後半で比べる)

前→後

✅=移籍前後でどちらも出場時間900分(10試合分)以上

△=チャンピオンシップ→セリエAやその逆

※=その他例外

 

up:8/28 28.6%

(✅:4/17)

 

21/22

 

✅冨安健洋:106勝58敗(64.6%)→57勝51敗(52.8%) down⤵

アシュリー・ヤング:5勝8敗(38.5%)→12勝18敗(40.0%) up⤴

ロメル・ルカク:37勝62敗(37.4%)→48勝50敗(49.0%) up⤴

クリスティアーノ・ロナウド:29勝21敗(58.0%)→48勝58敗(45.3%) down⤵

ディオゴ・ダロト:22勝9敗(71.0%)→38勝22敗(63.3%) down⤵

✅リャンコ:43勝29敗(59.7%)→21勝15敗(58.3%) down⤵

ロドリゴ・ベンタンクール:23勝16敗(59.0%)→25勝15敗(62.5%) up⤴ 

デヤン・クルゼフスキ:11勝22敗(33.3%)→5勝13敗(27.8%) down⤵

クリスティアン・ロメロ:112勝54敗(67.5%)→50勝30敗(62.5%) down⤵

✅サミル:46勝14敗(76.7%)→55勝36敗(60.4%) down⤵

✅ユライ・クツカ:86勝57敗(60.1%)→55勝58敗(48.7%) down⤵

 

20/21

 

✅アラン:10勝7敗(58.8%)→6勝13敗(31.6%) down⤵

✅オラ・アイナ:26勝23敗(53.1%)→33勝43敗(43.4%) down⤵

✅ティモシー・カスターニュ:33勝24敗(57.9%)→40勝42敗(48.8%) down⤵

ジェンギズ・ウンデル:5勝4敗(55.6%)→0勝3敗(0.0%) down⤵

アマド・ディアロ:0勝1敗(0.0)→1勝2敗(33.3%) up⤴

パトリック・クトローネ:4勝9敗(30.8%)→1勝2敗(33.3%) up⤴

✅△トロースト=エコング:45勝26敗(63.4%)→80勝82敗(49.4%) down⤵

✅△ケン・セマ:16勝16敗(50.0%)→40勝89敗(31.0%) down⤵

 

19/20

 

ジョアン・カンセロ:23勝26敗(46.9%)→22勝20敗(52.4%) up⤴

パトリック・クトローネ:13勝47敗(21.7%)→5勝21敗(19.2%) down⤵

ペドロ・ネト:0勝1敗(0.0%)→8勝31敗(20.5%) up⤴

モイゼ・ケーン:4勝3敗(57.1%)→7勝31敗(18.4%) down⤵

✅デニス・プラート:14勝14敗(50.0%)→5勝9敗(35.7%) down⤵

イグナシオ・プッセート:16勝22敗(42.1%)→1勝3敗(25.0%) down⤵

ヴァレンティノ・ラザロ:2勝3敗(40.0%)→4勝9敗(30.8%) down⤵

※セドリック・ソアレス:3勝1敗(75.0%)→22勝25敗(46.8%) down⤵

エゼキエル・スケロット:4勝3敗(57.1%)→8勝2敗(80.0%) up⤴

 

 

プレミアリーグからセリエA

(min≧900)

 

移籍前後のシーズンを比較(冬移籍の場合は同一シーズンの前後半で比べる)

前→後

✅=移籍前後でどちらも出場時間900分(10試合分)以上

△=チャンピオンシップ→セリエAやその逆

※=その他例外

 

up:15/38 39.4%

(✅:5/12)

 

21/22

 

メイトランド=ナイルズ:5勝4敗(55.6%)→5勝4敗(55.6%)

パブロ・マリ:5勝4敗(55.6%)→58勝23敗(71.6%) up⤴

✅△レオ・エスティゴーア:50勝27敗(64.9%)→69勝21敗(76.7%) up⤴

✅タミー・エイブラハム:39勝28敗(58.2%)→82勝99敗(45.3%) down⤵

オリヴィエ・ジルー:20勝33敗(37.7%)→98勝69敗(58.7%) up⤴

✅イーサン・アンパドゥ:66勝30敗(68.8%)→68勝38敗(64.2%) down⤵

デニス・プラート:5勝11敗(31.3%)→11勝25敗(30.6%) down⤵

アクセル・トゥアンゼベ:12勝11敗(52.2%)→0勝1敗(0.0%) down⤵

アイザック・サクセス:9勝9敗(50.0%)→20勝38敗(34.5%) down⤵

フェリペ・アンデルソン:0勝0敗(0.0%)→18勝29敗(38.3%) up⤴

※パトリック・クトローネ:1勝2敗(33.3%)→11勝43敗(20.4%) down⤵

✅ザンボ・アンギサ:55勝38敗(59.1%)→26勝27敗(49.1%) down⤵

✅オラ・アイナ:33勝43敗(43.4%)→18勝23敗(43.9%) up⤴

リス・ムセ:1勝20敗(4.8%)→1勝5敗(16.7%) up⤴

 

20/21

 

フィカヨ・トモリ:0勝0敗(0.0%)→30勝24敗(55.6%) up⤴

ペドロ:2勝5敗(28.6%)→2勝15敗(11.8%) down⤵

ディオゴ・ダロト:4勝0敗(100.0%)→22勝9敗(71.0%) down⤵

アンドレアス・ペレイラ13勝27敗(32.5%)→4勝17敗(19.0%) down⤵

ジェラール・デウロフェウ:3勝15敗(16.7%)→0勝11敗(0.0%) down⤵

✅ロベルト・ペレイラ:6勝28敗(17.6%)→12勝25敗(32.4%) up⤴

※イグナシオ・プッセート:1勝3敗(25.0%)→23勝20敗(53.5%) up⤴

 

19/20

 

ダニーロ:18勝11敗(62.1%)→17勝13敗(56.7%) down⤵

ダヴィデ・ザッパコスタ:3勝4敗(42.9%)→0勝4敗(0.0%) down⤵

ゴンサロ・イグアイン:4勝14敗(22.2%)→7勝15敗(31.8%) up⤴

クリスティアン・エリクセン3勝9敗(25.0%)→4勝6敗(40.0%) up⤴

フェルナンド・ジョレンテ:50勝39敗(56.2%)→28勝23敗(54.9%) down⤵

ヘンリク・ムヒタリアン:16勝27敗(37.2%)→6勝13敗(31.6%) down⤵

アーロン・ラムジー:11勝26敗(29.7%)→14勝8敗(63.6%) up⤴

ロメル・ルカク:87勝84敗(50.9%)→83勝73敗(53.2%) up⤴ 

クリス・スモーリング:111勝36敗(75.5%)→91勝33敗(73.4%) down⤵

アシュリー・ヤング:15勝9敗(62.5%)→7勝7敗(50.0%) down⤵

マッテオ・ダルミアン:4勝3敗(57.1%)→33勝33敗(50.0%) down⤵

アレクシス・サンチェス:8勝23敗(25.8%)→5勝21敗(19.2%) down⤵

パトリック・クトローネ:5勝21敗(19.2%)→10勝36敗(21.7%) up⤴

ラシド・ゲザル:14勝10敗(58.3%)→8勝7敗(53.3%) down⤵

✅ペドロ・オビアング:17勝12敗(58.6%)→20勝26敗(43.5%) down⤵

ケン・セマ:21勝23敗(47.7%)→16勝16敗(50.0%) up⤴

吉田麻也:14勝8敗(63.6%)→20勝10敗(66.7%) up⤴