※21/22 UEFAチャンピオンズリーグ グループF 第5節
ビジャレアルvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。
プレビュー
Point
- ターンオーバーをどこまでするか
- 中盤~前線の構成
- 最初の15分をどうやり過ごす
スタメン
やはり週末のチェルシー戦を見据えてある程度メンバーを入れ替えたレッズ。
脳震盪のルーク・ショーが欠場するのは想定されていましたが、ラッシュフォードやブルーノをベンチスタートにしたことは思い切った勇気ある決断といえるでしょう。
対するビジャレアルは純粋なストライカーを起用しない変則的な4-4-2が予想され、どのような戦い方で来るのか分かりませんが何かエメリに奇策があるのかもしれません。
試合内容
前半
2分、マルシャルの仕掛けから獲得したFKのチャンス。
テレスのボールをラウール・アルビオルがクリアし切れずフィールドに残ったところをマクトミネイがヘディングで合わせますがこれはサイドネット直撃。
先述の通りゼロトップ気味のビジャレアルはハイラインハイプレスでユナイテッドのビルドアップを襲撃しますが最後はダビド・デヘアの反応に阻まれ無得点のまま時計の針が進みます。
1on1の守備にやや不安を抱えるテレスの左サイドを中心に崩されるシーンが目立ちましたが、その反面、前回の対戦でやられまくったアルノー・ダンジュマには仕事をさせずやや劣勢だったとはいえ相手のスタミナ切れまで無失点で乗り切ればチャンスはあるだろうという前半45分。
後半
印象に残ったシーンは53分、リンデロフの斜めのパスを右足で受けると次の瞬間左足で前方にボールを出して対面のエストゥピニャンに尻もちをつかせて突破したドリブル。
その後は折り返しにフレッジが右足ミドルを試みゴールには至っていませんがようやくらしい仕掛けを見る事が出来たのはポジティブな要素。
59分にはマクトミネイがインターセプトに失敗したところから危機。
マヌ・トリゲロスのボレーシュートがゴールマウス左下に飛んでいきますがデヘアが右手一本でこれを掻きだしてセーブ。
イエロー・サブマリンの選手が皆頭を抱えて信じられないというリアクションをとっていた事からも分かるように、FWの1ゴールに匹敵するスーパーセーブで最大のピンチを凌いだユナイテッドは相手の運動量に陰りが見え始めた66分にファン・デ・ベーク🔁ブルーノ、マルシャル🔁ラッシュフォードの2枚替え。
交代直後の69分にマグワイアのロングパスに10番が抜け出すなど早速効力を発揮したこの選手交代、敵陣でボールを保持する時間が増えたユナイテッドの先制点は高い位置からのプレスが実ったゴールでした。
78分、GKルジがボールを持つ場面でロナウドが左サイドへのパスコースを制限し、狙い通り中盤のカプエに出たグラウンダーのパスをフレッジがカット。最後はCR7のループシュートが決まり自身CL5戦連続となるゴールで待望の得点をもたらします。
いつもユナイテッドがやられているようなパターンから逆に自分たちの得点が生まれたのは素直に嬉しい。CR7に対してプレス回数を理由に批判が多い事は存じていますが、彼の場合守備の技術に関しては寧ろ高い方である(継続性が問題)とこれまでのキャリアから私は思っているので、たまにはこういう場面もクローズアップされて欲しい。
90分には同点に追いつくために前への圧力を高めているビジャレアルに対し得意のカウンターが決まり、ロナウド→ラッシュフォード→ブルーノと繋いで最後はジェイドン・サンチョが遂にユナイテッドでの公式戦初ゴールとなるゴール上部へのシュートで追加点を記録。
71分に一度決定機を外していただけに、最後のところの精度に欠けるという悪い印象を払拭すると共に自身の自信回復にも繋がる最高のゴールでした!!
試合はマンチェスター・ユナイテッドが0-2で勝利。
戦績でみれば拮抗していた難敵に対し2戦2勝、苦しいシーズンを送りながらも欧州の舞台では1試合を残して首位通過を決める上々の結果となったユナイテッド。
やはり原動力はこの人
データ
アウェイということもあってスタッツは全体的に劣勢でしたが、枠内シュートの数で上回っているように実際には試合をプラン通り進める事が出来たのはこちら側。
恐らくキャリック率いるコーチ陣もビジャレアルが最初高い運動量で来ることは想定済みだったようで、後半の選手交代のタイミング、中身共に完璧な判断でした。
個人スタッツはクリア8回、シュートブロック2回、デュエル勝率100%のリンデロフが際立っており、ラファエル・ヴァランは怪我、ハリー・マグワイアは不調と他のCBが計算しにくいシーズンで最も安定したパフォーマンスのアイスマンは改めて自身の価値を証明する事に。
背中の痛みがぶり返していそうなのは気がかり
あとがき
一先ず1つ目の山を越えたユナイテッド。
それでも週末にはチェルシーとの対戦が待っており、ここではマグワイアが出場停止、ショーも脳震盪からの復帰が間に合うか微妙と非常に苦しい台所事情。
更にアレックス・テレスやエリック・バイリーにはトップレベルの試合での守備強度に些か不安がある状況なので、思い切って攻撃全振りで前に出るのか、5バック等で後ろの人数を増やして耐え凌ぐ事を選択するのかキャリックの決断に注目が集まります。
個人的には今度こそジェシー・リンガードの献身性が必要になると思っているので、昨季までダニエル・ジェームズが担っていた汗かき屋の役割を彼に任せてみて欲しい。
▼グループF全体の流れ