昨日8月28日に開催されたランチライムキックオフのプレミアリーグ3節 マンチェスター・シティvsアーセナル戦。
ブレントフォード→チェルシーとロンドンのクラブに連敗を喫していたアウェイチームは下馬評でもこのマン・シティ戦の勝利は厳しいと見られていましたが、蓋を開けてみると想定以上に一方的な試合となり、グラニト・ジャカの一発レッドもあって後半のポゼッションはSofascore集計で86%-14%というハーフコートマッチ状態。
更に言えばジャカがフィールドいる段階でアーセナルはクロスから2失点しており、いずれもあまりにアッサリとマーカーを外してしまったが故のものだったので退場起因でゲームが終わったというよりはそこに至るまでに勝負あり。
しかも、失点自体も2m近くある選手にパワーヘッダーを決められたというような内容ならばまだしも上背で勝るアーセナルDFが純粋にボールに触れなかったり、複数の選手がボールウォッチャ―になっているような類だったこともこの論を補強しています。
また、この試合のアーセナルは見かけの上では5-4-1で臨んでいるように見えましたが右のCMでスタートしたウーデゴールが癖なのか監督指示なのか攻撃時やカウンタープレスだけでなく迎え撃つ守備でも前の方に飛び出していき、実質ジャカ1DMの5-1-3-1になっている場面が多かったです。
確かにウーデゴールがロドリを迎撃する形は途中まで一定の成果を生み出しているようにも思いましたが結果的にはこの戦い方でジャカに許容量を超える戦術・精神負荷をかけてしまった事があのあまりにお粗末なスライディングに繋がった恐れもあるので、結論から言えばこの戦い方は現状のスカッドでは高望みし過ぎた気がします。
ただ、もう少し負荷をかけられる選手或いは戦術的な下積みが揃っているクラブならば確かにシティ相手に5分の戦いに持ち込めそうな気配も感じたので、今季ここまでのアルテタを評するとすれば、"掴む事の出来ない雲を追いかけ過ぎてチーム事情との折り合いを付けられない理想家"というのが自分の中では最も腑に落ちる表現。
私はアーセナルファンではないので現状このクラブがどんなプランニングを描いているのかについて詳しくありませんが、基本的にはアルテタに3シーズン目(正確には2.5)を任せた時点で急激な復活というよりある程度時間のかかる緩やかな復権を考えているように思うので、もうしばらくは指揮官交代に踏み切れないと予想しています。
ただ、個人的にはオーレ体制のユナイテッドで1度も勝利出来ておらず少し苦手意識を持つアルテタがクビになるのは正直ありがたい。
シーズン途中に監督を交代して顕著な成績を残した同じロンドンのライバルチーム(モウリーニョ1次⇒グラント、ランパード⇒トゥヘル)のケースは非常に稀で、シーズンを挟まない監督交代ブーストは大体3か月足らずで切れる事が記憶の中では圧倒的大多数という事も含めて。(ユナイテッドもモウリーニョ⇒オーレになった事による快進撃は大体そのくらい)
在野の指揮官も今はそれほど人材豊富とは言えず、アーセン・ヴェンゲルの緊急復帰くらいしか今のアーセナルに適う人物が浮かんでこないというのもありますが、今アルテタを解任したからと言って急に成績が浮上するとは現状考えづらいですね。
ただ、現実的に言えばこの記事を書いている最中にも解任論が本格化している可能性もあるくらい彼の進退に関して今後騒がしくなりそう。
そもそも、シーズン序盤の段階で監督交代に踏み切るという事はそのボスを承認したフロントの責任追及問題に発展するので、元々ファンベースの評価が著しく低いクロエンケやエドゥを中心にした首脳陣にこの大ナタが振る事が出来るかも疑問。