どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
Canvaを使ったアイキャッチ画像の練習中なのでまだまだ稚拙なデザインですが、どうか温かい目で見ていただけると助かります。
はじめに
今シーズンもマンチェスター・ユナイテッドの不動の右サイドバックとしてキャプテンのハリー・マグワイアに次ぐ2989分の出場時間を記録しているアーロン・ワン=ビサカ
2019年7月1日にクリスタルパレスから4500万£+500万£のボーナスという高額の移籍金でクラブに加入すると初年度から公式戦46試合に出場し蜘蛛のように長い脚から繰り出されるタックルやスライディングは誰にも真似できないような特異性をもっており、対人守備、特に地上戦においては殆ど負け知らずという状態。
しかしながら攻撃面での貢献度の低さが指摘される事も多くなり、移籍市場ではノリッジのマックス・アーロンズ、アトレティコマドリーのキーラン・トリッピアーなどの攻撃的な右SBの名前が取り沙汰されるようになりました。
そんなワン=ビサカですが本当に攻撃のクオリティに問題があるのか、そして昨シーズンと比較して改善している箇所があるのかどうかについて今回は調べてみました。
守備面でのクオリティは今更語るまでもないので、攻撃に関するスタッツのみに絞っています。
同ポジションでの比較
比較対象は20‐21プレミアリーグでRB、RWBとして出場している選手の中からワン=ビサカ+彼を除く出場時間上位5人です。(データは2021年2月24日時点)
これは偶然なのですが、この分け方をした結果ギリギリマン・シティのジョアン・カンセロが入らなかったので彼を入れるとまた違う結果になっているかもしれません。
≪表1≫
ワン=ビサカはプレミアリーグの右サイドバックの中で最も多い2070分の出場時間を記録しており、今シーズンは同ポジション内で最多となる2ゴールを記録。
ゴール期待値で見ても90分辺りxG:0.04はリバプールのアレクサンダー=アーノルドに次ぐ2位の数値を記録するなどシュート面では平均より優れた貢献を示している事が分かります。
一方でシュート数自体は他の選手と比べても最も少なく、そもそも攻撃の回数が少ないバーンリー所属のロートンよりも低いのでシュートを撃つという意識自体は低いようです。
アシスト、キーパスなどチャンスメイク面ではこの6人の中でも4~5番手に位置しているので貢献度としてはやや劣勢といったところでしょうか。
ボールキャリ―の回数はこの中では一番でRBのプレイヤー全体でみてもマン・シティのジョアン・カンセロに次ぐ数字です。
もっとも、マンチェスター・ユナイテッドの右サイドは所謂労働者タイプの選手がユニットを組むことが多いので、こちらに関しては左のルーク・ショー-ラッシュフォードと比べて脅威に思われておらず、あえて持たされているという見方も出来ますが。
9項目の合計ではアーノルド、ベジェリン、ツォウファルに次ぐ第4位。
ビッグクラブの選手としてはやや物足りない結果となりましたが、著しく悪いという訳ではないので守備貢献を考慮すれば合格点だと思います。
また、この表全体で見るとウエストハムのウラディミール・ツォウファルはアシストでアーノルドと並びトップに輝き、4項目で2番手につけるなど全体でもベジェリンと殆ど遜色のない3位に入ったので彼は目立つ機会こそあまり多くありませんがリーグ屈指の攻撃力を持つRBのようです。
年齢的な問題からステップアップの移籍は考えづらいですが、そもそも今シーズンのハマーズは現在チャンピオンズリーグ出場圏内の4位につける絶好調のシーズンを送っているので、クラブごと1つ上のステップへ持ち上がってしまいましょう。
ウエストハムと言えば今シーズン主にセットプレーを中心にリーグ戦8ゴールを挙げているトーマス・ソーチェクもツォウファルと同じチェコのプレイヤーで共にスラヴィア・プラハから獲得しているのですが、そのスラヴィア・プラハは今シーズンの国内リーグで無敗を貫いており、ヨーロッパのコンペティションでもヨーロッパリーグトーナメント1回戦でレスター相手に互角の勝負を演じる好クラブ。
残念なのはプレミアリーグ、もといイギリスのEU離脱の影響を受けて以前のようにEU圏内の選手を獲得する事が出来なくなってしまっているので、リーグのTier表を見ると現在のルールでは彼らに労働許可が降りる可能性は低いという現実。
ツォウファルの加入は昨年10月だったのでラストチャンスだったようです。
昨シーズンとの比較
ワン=ビサカ自身の変化・成長について見ていきます
≪表2≫
シュート関連は20‐21、アシストは19‐20と綺麗に分かれる形となり、今シーズンのワン=ビサカはシュートの質・量で昨シーズンよりも向上している事が分かりました。
一方でアシスト、キーパスは昨シーズンから僅かに数字を落としてしまったのでこちらに関しては今後の巻き返しに期待したいところ。
大きな違いと言えるのはパス成功率で今シーズンは昨年度より4.7%数字を良化させる事に成功しています。
また、パスの細かい内訳を見ていくと
パス成功率(19-20→20‐21)
- ショートパス:90.7%→92.3%
- ミドルパス:80.9%→87.9%
- ロングパス:50.0%→51.9%
どの距離でも昨シーズンから数値を改善させているのでこちらに関しては加入から1年が経過して周りとの意思疎通がしやすくなった事やワン=ビサカ自身のパス能力の向上などが要因として考えられますがいずれにしても成長したと言い切って問題ないと思います。
結論
- 同ポジションのプレミアリーガーと比べた場合には若干攻撃面での貢献度で劣る
- ワン=ビサカ自身はシュート意識・正確性とパス能力が昨シーズンと比較して成長している事がスタッツから伺える
勿論守備スタッツは今シーズンもタックル試行数、成功数で上位につけ、ブロック回数では83回と2位のルーク・アイリング(Leeds)に24の大差をつけて断トツ1位のスコアを記録するなど相変わらずの持ち味を発揮しているので、総合的に見れば昨シーズンよりプレイヤーとして1周り大きくなったと言えるでしょう。
今後も攻守両面でクラブの右サイドを支える活躍を期待しています。