どうも皆さんこんにちは、大掃除のタイミングを逃し続けてとうとう30日まで来てしまったいろ覇です。
イングランドのフットボールは年末もお正月も関係なく毎日のように試合が開催されています。
マンチェスター・ユナイテッドも前節キングパワー・スタジアムで行われたレスターとのリーグ戦から中二日、これまた一筋縄ではいかない難敵ウルブスとの一戦をホーム オールド・トラッフォードで迎えます。
試合プレビュー
土曜日の試合で負傷したリンデロフはこの試合には出場しないと見られています。
一方でそのレスター戦を欠場したワン=ビサカは日曜日のトレーニングセッションにも参加しているので復帰する可能性が高いです。
そして以前より近いうちにチャンスを与えると示唆していたファクンド・ペリストリもトレーニングに招集。
マンチェスター・ユナイテッドはリンデロフとロホ。
ウルブスはアーセナル戦でダビド・ルイスと衝突し頭蓋骨を骨折したラウール・ヒメネス、膝の怪我で8月から長期離脱中のホニーに加え、デンドンケルも怪我の疑い。
スタメン
マンチェスターユナイテッド
ベンチ入り
8マタ、9マルシャル、17フレッジ、21D.ジェームズ、23ルーク・ショー、26D.ヘンダーソン、34ファン・デ・ベーク、38トゥアンゼベ、39マクトミネイ
負荷の大きい中盤2枚はローテーションでマティッチ、ポグバを採用。
スピーディーな選手が多いウルブスに対してやや機動力不足の心配はありますが過密日程なのでそう贅沢は言っていられません。
グリーンウッドとワン=ビサカの組み合わせだと右サイドのビルドアップが全く機能しないので個人的にはマタ先発を希望していましたが、果たしてどうなるでしょうか。
ウルブス
ベンチ入り
10ポデンセ、17F.シウバ、21J.ラディ、22N.セメド、39L.カンドル、42L.リチャーズ、54オタソウィー、60T.コルボーヌ、C.マーケス
前節から僅か中一日、試合間隔がホームのマンチェスター・ユナイテッドよりも短いので不利な試合が予想されますが、相性でいえばアウェイチームに分があります。
現在の体制になってからはプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッド相手に無敗を貫いており、エースFWのラウール・ヒメネス離脱によるターゲットマンと得点源の不足には悩まされていますがそれでも難しい90分になる事は間違いありません。
フォーメーションは3‐5‐2を選択。
純粋なストライカーを起用せずトラオレとネトの2トップで試合に臨みます。
試合内容
序盤はウルブスペース
サイドアタッカーを多く配置したウルブスの狙い通り、前半最初の15分はネト、トラオレをマンチェスター・ユナイテッドが中々捉えられずにネトに2本、ネベスとヴィチーニャに1本ずつシュートを許してしまいました。
ネトは2017年にマンチェスター・ユナイテッドやスペインのバルセロナも獲得に動いていた有望株で、昨年夏にウルブスに加入してからは成長速度が一気に加速したように感じます。
特に今シーズンは卓越したパフォーマンスを見せており、16試合で4ゴール2アシストは共にチーム内1位の数字。
彼とポデンスの両サイドは悪いニュースが続くチームにとって数少ないポジティブな要素ですね。
22分にはセットプレーからサイスのヘディングシュートがクロスバーを掠めるあわや失点という場面もありました。
前節トッテナム戦ではコーナーから同点ゴールを決めている選手なのでこの試合も彼の頭には警戒が必要。
3つのビッグチャンスを生かせず
まずは26分、マティッチのクロスからカバーニのヘディングシュート。
シュートまでの動きはとても良かったのですが肝心のボールの行方は枠の外。
33分には右サイドでボールを保持するグリーンウッドからファーサイドで機を伺うブルーノへ精度の高いボールが供給されます。
ブルーノはジャンピングボレーでボールに触れますが、ウルブスGKのルイ・パトリシオが完璧なポジション取りでこれをブロック。
カバーニが出ている試合では彼がデコイランをサボらずに毎回DFを引き連れてくれるのでこのようにクロスからチャンスが生まれる機会が増えますね。
そしてこのこぼれ球を自分の懐に迎え入れたカバーニがゴールを背にした状態でなんとかシュートに持ち込みましたが、ボールはゴール右へ逸れて行きました。
その後は38分にセットプレーから再びサイスが今度は左足のアウトサイドで枠内へシュートするも、これは守護神デヘアのナイスセーブで難を逃れ前半はスコアレスで折り返す事になりました。
疲労からか両チーム得点機から遠ざかった後半
マンチェスター・ユナイテッドはハーフタイムでLBのアレックス・テレスを下げルーク・ショーを投入。
ウルブスも55分に10番ダニエル・ポデンセを投入しお互いに攻撃の組み立てを図りましたが試合間隔の短い12月後半のイングランド、お互いに疲労の色が強く見受けられそのポデンセも早速太ももを庇う様子を見せるなど満身創痍のピッチ上では決定機が中々生まれず刻々と時計の針が進んでいきました。
68分にはコーナーキックのこぼれ球から最後はカバーニがボールを押し込みマンチェスター・ユナイテッドに先制点が生まれたかに見えましたが、そのカバーニのオフサイドで試合は続行。
リプレイを見ると16番のコーディがハンドを犯したようにも見えましたがこれに関しては追及されず。
ウルブスは71分にサイスがヘディングシュートでこの試合3回目のシュートでゴールに迫りますが、こちらも直前のプレーでオフサイド。
クロップ監督じゃないですけどこの日程本当に改善する気はないんですかね……
流石に中1日はおかしいのでは
最後の最後で大ドラマが待っていた
アディショナルタイムに入り勝ち点1を分け合うのだろうと考えていた92分、ブルーノのロングパスが通りラッシュフォードがペナルティエリア内に侵入成功。
ラッシュフォードは得意の緩急を駆使したドリブルで疲労困憊のウルブスDFのマークから一瞬外れると珍しく左足でのシュートを選択。
このシュートが不運にも再三セットプレーやクロスから好機を演出していたサイスの背中に当たってそのままゴールイン!
劇的な決勝ゴールが決まり、試合はマンチェスター・ユナイテッドがウルブスに1vs0で勝利しました。
(https://twitter.com/ManUtd/status/1344042349463285761より)
動画ハイライト
交代選手
46分 in:ルーク・ショー out:テレス
64分 in:マルシャル out:グリーンウッド
95分 in:マクトミネイ out:ブルーノ
ウルブス
55分 in:ポデンセ out:ヴィチーニャ
68分 in:F.シウバ out:P.ネト
データ
全体的にチャンスが少ない試合となり、ウルブスはシュート数が1ケタとあまり効果的な攻撃が出来ませんでした。
ビッグチャンスはマンチェスター・ユナイテッドが3つ、ウルブスは無し。
ウルブスは先日アトレティコ・マドリーとの契約を解除したジエゴ・コスタの獲得も噂に上っていますが、確かにストライカーの補強をしたい結果ですね。
この試合でも途中出場した18歳のファビオ・シウバは正直時期尚早な感もありますので出来れば経験のある選手を加えたいところ。
xデータ
xGもおおよそスコア通りの結果となり、マンチェスター・ユナイテッドがウルブスを1点弱上回る結果となりました。
ウルブスは先述の通り、セットプレーからシュートを2本放ったCBのロメイン・サイスがxG0.13でチームトップ。
一方マンチェスター・ユナイテッドはxG1.07のカバーニ。
2つの決定機のうちどちらか1つは決めておきたかったですね。
振り返り
この試合ではバックラインの奮闘が目立ち、
- ハリー・マグワイア
- エリック・バイリー
- ネマニャ・マティッチ
の3名はとりわけ優秀なパフォーマンスでした。
マグワイアはタックル試行3回でうち2回勝利、インターセプトはチーム最多タイの3つと守備面の貢献は勿論ですがパス成功率も93.1%の優秀なスコアを記録。
ボールロストも0回だったので本当に堅実な90分間でした。
特にロングパスを16回中15回成功というのは本当に素晴らしい数字です。
バイリーは怪我のリンデロフの穴を感じさせない働きで、クリアとインターセプトでチーム最多の3回を記録し、加速に難のあるマグワイアを補完するかのように相手のネト、トラオレといったスピードスター相手にも全く引けを取らない身体能力で適切に対処していました。
やはり持っているポテンシャルはチーム随一。
23日のカラバオカップ、エバートン戦から1週間で3試合フル出場中と監督の信頼を取り戻した感もあるので怪我だけは本当に本当に気を付けて!
マティッチはビルドアップから相手ペナルティエリアまでの広範囲で高い貢献を見せており、26分のカバーニへのキーパスを含む9本のファイナルサードでのパスはチーム最多タイ。
ボールを運んだ距離も480ヤードで最多とそのリーチを生かしたプレーでチームのビルドアップを大いに助けました。
パス成功率は96.4%という驚異的な数値を記録しています。
セントラルハーフとLBはハイレベルなローテーションが可能なので今後の過密スケジュールを戦い抜く上で大きなアドバンテージですね。
他のチームに比べると少ない怪我人で済んでいるのもこの層の厚さが大いに関係していると思います。
あとはブルーノ、ラッシュフォード、マグワイア辺りにどこで休息を与えるかというのがスールシャール監督に課せられた重要なミッション。