マンチェスター・ユナイテッドvsウルブス戦の記事です。
2022年最初の試合はホーム オールド・トラッフォードでウルブスことウルヴァーハンプトン・ワンダラーズと対戦。相性は良くありませんが、ホーム戦績に限って言えば数十年負けていない相手なので順当にいけば勝利を期待できるカード。
プレビュー
マンチェスター・ユナイテッド
ポール・ポグバ
ヴィクトル・リンデロフ
ハリー・マグワイア
エリック・バイリー
ウルブス
ウィリー・ボリー
ホニー
イェルソン・モスケラ
ペドロ・ネト
ファン・ヒチャン
スタメン
共にCBの怪我人に苦しめられている両クラブですが、それが不振に直結するユナイテッドとは対照的にウルブスはフットサルでも代表レベルの選手だったマックス・キルマンの台頭と昨季までは便利屋だったロマン・サイスの覚醒によってそのダメージを感じさせない試合が続いています。
712日ぶりの復帰となるジョーンズは、因縁?のあるヴァランとの10年前に将来のCB世界一を争うと言われたワンダーキッド同士のコンビで再出発。
ラルフの真価が問われるのは4-2-2-2ベースのシステムで3バックのWBにどのような答えを提示するかという点。オーレ体制でもWBにやりたい放題にされて引き分けor敗戦に繋がった試合は何度もありましたが、果たしてそのまま陣形を変えずに挑むのか或いはこちらも3CBに変えるかというのは注目に値する点。
試合内容
前半
30秒過ぎ、いきなりウルブスに左サイドを突破されクロスを入れられますがこれはジョーンズが代名詞のヘディングで外にクリア。
試合前の不安が的中しウルブスはサイドチェンジを多用する事で元々システム的に空きやすいWBにオープンな状態でボールを集める事に成功。
対するユナイテッドはCKをクリアしてグリーンウッドのミドルパスからサンチョのカウンターになりますが、相手の帰陣が早くボックス手前でシュートモーションに入った際には既に3人ディフェンダーが待ち構えてシュートブロック。
ビルドアップから中盤の局面でそれほど厳しいマークが無くてもパスがズレてボールが回らないホームチームは一向に相手のペナルティボックスに侵入する事が出来ず、シンプルな放り込みと中央の細かいパス交換を上手く混ぜたウルブスの前に自陣ゴール前でのプレー時間ばかりが増えていきます。
特にワン=ビサカ、マクトミネイ、サンチョのところでボールを失うケースが圧倒的に多くサンチョは明らかに無理なワンツーを繰り返し試みてウルブスのカウンターの逆起点に。また、ワン=ビサカもボールを受ける前に首を振って周囲の状況をスキャンするという当たり前のプレーを怠って誰とも意図の合わないパスを連発、35分のスローインからの一連のプレーはその象徴と言えるかもしれません。
ニューカッスル戦のような退屈なフットボールに終始したユナイテッド。
唯一おっと思わせるような攻撃は42分、DF+GKでボールを回し、デヘアが逆サイドに展開して一気に相手ゴールに迫ったプレー。最後はカバーニの質の悪い選択(右にフリーでグリーンウッドが走っていたが、ゴールから25m程離れた位置でミドルシュート)でフイにしてしまったチャンスだったものの、即興ばかりのユナイテッドにおいて、珍しく最初から最後までデザインされたであろう美しい組み立てでした。
45分にはウルブスに中央を崩されゴールエリアまで侵入されますが、すんでのところでジョーンズが足を伸ばし決定機を阻止。最初から最後までアウェイチームに主導権を握られたまま前半はゴールレスで折り返します。
後半
WBケアとしてショーがCBに吸収されワン=ビサカとサンチョが大外に張った3-5-1-1のような形に位置取りを変えたユナイテッド。
これによって配置的な問題は大きく改善し、セメドやマルサウをフリーにする事も減ったのですが、一方で悪い効果もありました。
攻撃の始点として依存度の高いショーが必然的に低い位置に留まる事が増えたのでサンチョやロナウドとのコンビネーションも消失。ワン=ビサカに関してもいくら高い位置でボールを受けてもその後の展開力に乏しく、グリーンウッドに変えてブルーノを投入するまでの20分間はゴールチャンス皆無という結果に。
また、シンプルなパスミスからピンチを招くのは相変わらず。49分にはマティッチのロストから招いたピンチをマクトミネイがファウルで止めて今季5枚目のイエロー、57分には同じく4枚でリーチだったショーもカードを貰って次節は2人共出場停止処分。
(ベンチスタートだった理由が知りたい)
ブルーノ・フェルナンデスがピッチに登場したのが60分。正直に言えば交代要員はサンチョかカバーニの方が相応だと思いましたが、何はともあれこの絶対的プレイメーカーが入った事でようやくユナイテッドは攻撃のスイッチが入ります。
67分、左サイドアタッキングサードからサンチョがスローイン。
ゴールラインギリギリでボールに追いついたマティッチの折り返しにブルーノがゴールから10m程の位置でダイレクトシュート。
得意の足を開いてインサイドでアウト回転をかけたボールはファーポスト目掛けて逃げていきますが、少し弾道が高くポストに直撃してしまい得点を奪う事が出来ません。
70分にはこれまで良いところ無しのマクトミネイが得意のレイオフから中央突破を見せてCKを獲得。しかしながら90分の中で相手ゴールに近づいたのはこれが最後。
サンチョのロストが招いたウルブスFKでサイスの直接ゴールを狙った左足キックがポスト直撃、78分にもマルサウのクロスがヒメネスに通る寸前で何とかショーがクリアという危機を作られ、完全に試合はアウェイチームの思うつぼ。
そして、82分にはルベン・ネベス→途中出場アダマ・トラオレの前方にロブパスが通り、トラオレのクロスはジョーンズがクリアしますがセカンドボールをモウチーニョに拾われ、複数の選手がゴール前にいながらも全員がボールウォッチャーだったユナイテッドは彼に寄せる事が出来ず失点。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) January 4, 2022
こじ開けたのはモウチーニョ💛
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チームに40年ぶりとなる
オールド・トラッフォードでの勝利をもたらした💪
🏴プレミアリーグ第21節
🆚マンチェスター・U×ウォルヴァーハンプトン
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追いかける赤い悪魔は数少ないカウンターチャンスもパスミスで自ら潰してしまい、それでもAT5分、ジョーンズの気迫のヘディングからボックス手前絶好の位置でFKを得ますがブルーノのキックはジョゼ・サの範囲内。
試合は0-1でウルブスが勝利。
上記Tweetにあるように彼らがオールド・トラッフォードで勝利するのは21世紀に入って初の出来事。またしても不名誉な記録を更新してしまったユナイテッドはこれでリーグ6敗目。
リーグ4位には75Ptsが目安とされていますが、それを達成するには残り19試合で44Pts、1試合平均2.31点が必要です。これはシーズン換算でおよそ88Pts獲得という高い水準で、残念ながら今のチームを見るにそれを達成するのは困難であると言わざるを得ない。
ハイライト
選手交代
60分 グリーンウッド🔁ブルーノ
76分 サンチョ🔁ラッシュフォード
84分 ワン=ビサカ🔁エランガ
ウルブス
66分 トリンカオ🔁アダマ・トラオレ
81分 ラウール・ヒメネス🔁ファビオ・シウバ
88分 ポデンセ🔁デンドンケル
データ
シュートの数で倍以上の差を付けられる完敗。
ポゼッションは最終的にこちらが上回りましたが、前半だけのデータをまとめると悲惨な数字。
シュート➡4:14
ポゼッション➡47:53
パス➡236:264
パス成功率➡81:86
コーナーキック➡0:6
ラングニックも試合後の会見で前半の内容に関して「大きな問題を抱えていた」と言及した通り凄惨なスタッツ。後半はショーをCBに下げてこちらも3-5-2へシフトした事で相手WBが明らかにフリーになり過ぎる守備の欠陥に関しては改善されましたが、攻撃の迫力不足は交代策でもテコ入れし切れませんでした。
仮にブルーノのシュートがネットを揺らしていても同点止まりで、決定機はあのチャンス1つ。本質的な問題はボックスに侵入する回数とマークをずらすオフ・ザ・ボールの質にあります。
xG
xGでは両チーム共に1.00を下回る結果となり、ビッグチャンスといえるような場面はマティッチの折り返しにブルーノが右足を開きながらインサイドで合わせた67分のシュートのみ。ジョアン・モウチーニョの決勝ゴールに関してはxG0.05。打った本人の技術とユナイテッドの散漫な守備の合わせ技といったところでしょう。
あとがき
またしても対ウルブスの1点差以内決着というジンクスが継続し、あろうことかホームで痛恨の敗戦を喫したマンチェスター・ユナイテッド。
次の2試合はFAカップ、プレミアリーグでアストンヴィラとの連戦。
ヴィランズといえば今季はアクセル・トゥアンゼベがローンプレイヤーとして加入していますが、Fabrizio Romanoによればヴィラで出場機会を得られなかった彼はイタリア セリエAのSSCナポリへ再ローンとなるようです。
Napoli will pay €600k guaranteed loan fee for Axel Tuanzebe deal. Man Utd will receive also €400k in case Napoli will qualify for UCL + €200k if Axel will play certain number of games. 🔴🤝 #MUFC #Napoli
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) January 4, 2022
Tuanzebe will join Napoli on straight loan. No buy option included.
チェルシーからミランへのローンで成功を収めたフィカヨ・トモリのように、守備の本場イタリアで研鑽を積んで選手として一回り二回りも大きくなってクラブに帰ってきて欲しい。