いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

期待値からみるユナイテッドVSパレス戦

こんにちは、いろ覇です

前回収まりきらなかったスタッツ面についての話になります

 

 

 

 

近年のプロスポーツ界では膨大なデータ分析からあらゆる行動(サッカーで言えば最も重要なことは得点)の期待値を算出し、その効率を高めることを何より優先して勝利に近づこうという動きが急速に拡大しています。

 

 先駆け的存在

代表例として挙げられるのはMLBメジャーリーグベースボール)で発展したセイバーメトリクスという概念で、セイバーメトリクスでは9回の中で何点取れるかを示す得点期待値をベースに全ての行動を評価付けしています。

 

この概念によって明らかにされた有名なものとしては

バントは余程打力の低い打者でない限り(例、投手)チームの得点期待値を減らす。

盗塁は70%程の成功率を維持できないとむしろやるだけ損(おおよそですが盗塁成功数が失敗数を倍にしたものを上回れば得と考えると感覚的にもつかみやすい)

といったものがあります

 

 xG

サッカーにもこのデータ化の波は及んでおり今回はそのデータ指標のなかからxGというものを用いてこの一戦を見ていきます。

 

 

xGはExpected Goals,つまりゴール期待値のことを指していて、ざっくりと言えば得点機会つまりチャンスの質を評価する指標です。

 

シュートを放った選手の力量や相手GKのセービング力などは考慮せず、過去の膨大なデータからその※シチュエーションでは過去にどの程度のゴール確率だったのかというのをチャンス毎に判定します

(※ここで言うシチュエーションとはゴールマウスからの距離と角度)

 

元になるデータベースが実際の試合でのイベントなので、データ採集期間が長くなればなるほど母数が増えて指標の正確性も上昇します。

 

これくらいの予備知識があればこの指標については大丈夫だと思います。

もっと詳しく

細かい中身を知りたいという方はこちらのサイトを利用すると実際のデータにも触れられるのでオススメ

私自身もここの提供するデータに大変お世話になっております

understat.com

 

 

では実際にユナイテッドVSパレス戦のxG を見ていきましょう

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画像の見方は☆が実際に生まれたゴール,

〇はそれ以外の得点機会でそれぞれの大小はそのままxGの値に直結

 

左側ペナルティエリア中央の巨大な☆はPKです

PKのxGは0.76 つまりPKの成功率は76%ということになりますね。

これを覚えておくとxGについて大分わかりやすくなると思います

 

一目でわかるように黄色のクリスタルパレスのチャンスはエリア中央とペナルティエリア内に集中しています。

 

対するマンチェスターユナイテッドは数では上回っていますが分布が広く散らばっており、ゴール前のブロックを崩すことに苦労した様子がうかがえます。

 

次に選手ごとのデータを参照します

 

マンチェスターユナイテッド

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クリスタルパレス

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やはりこちらを見てもクリスタルパレスの狙いは明瞭になっており、FWのザハ、アイェウと両サイドハーフで攻撃を完結させることを徹底しています。

中でもザハはxG 0.95に対して実際は2ゴールですので難易度の高いシュートを成功させた個人能力の高さがよく表れています。

常に移籍が噂される選手ですので今後の動向に注目ですね

 

マンチェスターユナイテッドは本来チャンスに絡んでいなければならないFWのマルシャル、両ウイング先発のジェームズ、ラッシュフォードの3人がいずれも低い水準で留まっており、断定は出来ませんが、彼らの低パフォーマンスがこの結果の大きな要因の一つと言えるでしょう。

途中出場のグリーンウッド、ファンデベークがxG上位二人にいるという現実は先発組の低クオリティをさらに浮き彫りにさせています。

 

画像はすべて

https://understat.com/より引用

 

 

両チームのフォーメーションについては前回記事をお願いします

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

 

 

 この試合から読み取れるユナイテッドの問題点としては

  • アタッカーに得点機会を与えられていないこと
  • 相手に得点期待値の高いエリア中央でのプレーを容易に許してしまっている
  • 得点に繋がりにくいゴールから離れた位置でのシュートが多いこと

 などが浮かび上がっているように見えます

 

一つ目、二つ目に関しては単純な彼らのクオリティも勿論なのですが、前回触れたミドルサードでのボールロストの多さやポグバ、マクトミネイの機能不全も関連していると思うので、チームコンディションが上昇するまでは解消されないかもしれませんね。

この試合では右CBのリンデロフが集中砲火を浴びましたが、そもそも中盤2枚と両サイドの守備が機能していなかった為、私個人の感想としては起こるべくして起こったものだと認識しています(とはいえ競り合いに弱すぎるのは昨年から続く明らかな弱点なのでどうしたものかと案じてはいますが)。

 

三つ目はチーム内での約束事を明確にしてxGの低い遠距離かつ角度のついた場所からの無謀なシュートは減らしつつ、ゴール前を固めた相手には昨年後半にみられた局所での数的優位を形成して2、3人のコンビネーションプレーで崩す形をさらに発展させていって対応してもらいたいです。

 

 

長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

幻になってしまいましたがデヘアのPKストップはかっこよかった

 

それではまた