いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #Euro2024 】セットプレーから2ゴール、Demiralがベスト8への扉をこじ開ける

まさかオーストリアがここで姿を消すとは……

 

 

 

【Match Review】ルーマニアvsオランダ

ベンチ入り

ルーマニア
4 Rus, 5 Nedelcearu, 7 Alibec, 8 Cicâldău, 9 G.Pușcaș, 12 Moldovan, 13 Mihăilă, 14 Olaru, 16 Târnovanu, 23 Sorescu, 24 Racovițan, 25 Bîrligea, 26 Șut

オランダ
2 Geertruida, 3 De Ligt, 8 Wijnaldum, 9 Weghorst, 12 J.Frimpong, 13 Bijlow, 15 Van de Ven, 16 Veerman, 17 Blind, 18 Malen, 20 Maatsen, 21 Zirkzee, 23 Flekken, 26 Gravenberch

 

前半

 

 

ラインデルスをダブルピボットで起用するという第一関門はクリアし、人選定まらぬRWにはベルフワインを抜擢したオランダ。ラインデルスの相方にはスハウテンを辛抱強く起用し続けているが、そんな指揮官ロナルド・クーマンの期待に応えた27歳のMFは遂に本来のポテンシャルを発揮。ミドルサードでのボールキャリーやライン間でのレシーブは相方に任せ、DFライン前で相手のファーストプレスを引き寄せながらボールを受ければシンプルかつ的確な判断で味方にパスを繋いでいく。

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ルーマニアは相手のビルドアップに対しマンツーマンでハイプレスをかけて序盤はショートカウンターからのチャンスでオランダゴールを脅かしたが、ここであと一歩が届かず徐々に4-1-4-1のミドルブロックへ移行。ベルフワインが右ハーフスペースに入りシャビ・シモンズと左右で攻撃的MF2枚、ダンフリースを右ウイングまで押し上げる3-2-5に対して守備位置がハマらず、MF-DFライン間を使われる回数が増えていくうちに4-1-4-1の中盤の4が下がって後ろ重心になった。

 

19分、デ・フライからパスを受けたスハウテンは相手1トップのプレスを交わすと、MFラインの隙間を縫う精密なキックでシャビ・シモンズにラインブレイクのパスを通してオランダにチャンスをもたらす。シモンズから左大外でパスを受けたガクポはタッチ幅を狭めながらタイミングを見てゴール側へ方向転換し、そのまま狭いゴールマウスのニアサイドをぶち抜いて先制ゴール。

 

ルーマニアはブロックで守る際にダンフリースを見るのがDFではないイアニス・ハジになるケースで中途半端なポジショニングをしてCBとの間にスルーパスを通される事があり、それ以外にも全体的な1on1で劣勢気味なのでボックス内まで侵入されてドラグシンの踏ん張りで何とか失点だけは回避というスレスレの守備が多くなる。逆に言えば彼のDFとしての能力の高さはこの試合を見るだけでも明らかに上位である事が良く分かる。

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ルーマニアでもう1つ気になったのはLBで先発したヴァシレ・モゴシュの負傷交代により途中から出番が回ってきたボグダン・ラコヴィシャンのプレー全般から漂う見込みの甘さ。44分にはゴールラインを割ろうかというルーズボールに対して相手をブロックする身体の入れ方が十分ではなく、ダンフリースに突っつかれて危うく失点というピンチを作り出してしまう。

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後半

 

オランダはベルフワインに変えてマレンを投入。ルーマニアがブロックを固めると予想してより個の力で守備陣形を崩す事に長けたアタッカーを入れる判断は正しかったのではないか。

 

54分のオランダ。右サイドのコンビネーションからダンフリースvsハジの優位局面を作り、超攻撃的RBのカットバックをニアポケットに侵入したマレンが合わせ、ドラグシンがブロックしたこぼれ球がゴールエリアに待つメンフィスへの絶好球となったが、チャンスボール過ぎて逆に上手くいかないというアタッカーあるあるでこの決定機をモノに出来ず。

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ビハインドのルーマニアもしばしばカウンターのチャンスを得るが、相手DF陣の出足が良い事もありミドルサードでパスを引っかけて前線までボールを供給できない事が多く、なおかつ気がはやってボール保持でのテンポが単調だったのでボールを持っている時の方がかえってピンチに繋がっていた印象。

 

一方、リードを広げたいオランダの方もファン・ダイクのCKからのヘディング、セットプレー後の2次攻撃から押し込んだガクポの幻の2点目、途中出場から汚名返上の機会を得たフェールマンのボックス内左45度からの一撃など決定機を逃す場面が相次ぎ悶々とした時間が続いた。

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このまま最少スコアで行けばCKやカウンターからチャンスがやってくるとルーマニアに僅かな希望が見え始めた頃、オランダは敵陣左サイドからのスローインでボックス内にボールを運び、それまで素晴らしい守備対応を続けていたドラグシンがゴールライン上でのデュエルで一瞬隙を見せ、優れたボディバランスでボールをピッチ内に留めたガクポのプレゼントパスで遂に追加点獲得。

 

更に、アディショナルタイムにはCK守備で左サイドに前残りしていたマレンが1人で長い距離を運びそのままフィニッシュまで完結してダメ押しの3点目を奪い、最終スコア0-3でオランダがベスト8進出。

 

途中出場から2ゴールを奪ったマレンも本来は左サイド起用の方がより多く得点に関与出来るタイプだと思われるが、圧倒的な質を見せ続けるガクポをどかしてLWに使うかと言われれば現実的ではなく、なおかつ彼をCFにスライドしてメンフィスをスタメンから外す選択も取れないのでRWに収まる事になりそうだ。

 

【Match Review】オーストリアvsトルコ

ベンチ入り

オーストリア
1 Lindner, 2 Wöber, 8 Prass, 10 Grillitsch, 11 Gregoritsch, 12 Hedl, 14 Querfeld, 17 Kainz, 21 Daniliuc, 22 Seidl, 24 Weimann, 25 Entrup, 26 Grüll

トルコ
2 Çelik, 5 O.Yokuşlu, 7 Aktürkoğlu, 9 C.Tosun, 11 Yazıcı, 12 Bayındır, 13 Kaplan, 15 Özcan, 17 Kahveci, 23 Çakır, 24 Kılıçsoy, 25 Akgün, 26 B.Ö.Yıldırım

 

 

前半

 

両チームがどのような戦い方をしてくるのか見ていこうとしていた内にいきなりスコアが動く。

 

トルコはCKから左利きのエムレ・ギュレルが低めの弾道でゴールキーパー前を通過し遠い方のゴールポストに落ちる軌道のボールを蹴り、これに対し守備側はファー側のストーンだったバウムガルトナーがボールに触れたものの、目の前にいたポッシュが壁になってゴール側にディフレクトしてしまい、GKペンツはゴールラインを割りそうなボールを咄嗟に掻きだしたがリバウンドを狙っていたデミラルが詰めて先制。

 

オーストリアは一気にギアを上げてトルコ陣内深い位置にボールを進めていき、5分にはCKからバウムガルトナーにリベンジの機会が与えられたがデミラルが一歩前に入ってボールに触り、先程の先制点と合わせて早くも2点分の大仕事を果たす。

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トルコはこれまでと違い3CBなので中央をこじ開ける難易度が高くなり、ライマー-サイヴァルトのDM2枚のうち片方がバックスに吸収される3-1-4-2でポゼッションするオーストリアは基本的にサイドからの攻略を目指す事となるが、こうなってくると典型的なウインガーを守備貢献やプレー強度の面から嫌ってスカッドに招集していないラングニックのチームは決定打に欠ける。

 

RBのポッシュはブロックの外から上げるクロスの質が高いものの、瞬間的コンビネーションで局面を打開できるタイプではなく、LBのムウェネはアジリティーに光るモノはあるが細かいところで気が利かず、大外でボールを受けても右足に持ち直してから次のプレーを考える為その間に相手の守備陣形が整ってしまう。

 

それ故に、トルコとしては相手のビルドアップに人数をかけて一気に剥がされるという失点パターンをプレスラインを低くする事でケアし、ディフェンシブサードではクロスに対してデミラルを中心とするCBが集中を切らさず弾き返し続ければ、後は最終防波堤となるGKのパフォーマンス次第という割り切った守りにも見えたが、先述の今回はたまたま相手に強力なウイングがいなかった事もプラスに作用しているので次戦も同じように運べるかは疑問。

 

 

後半

 

トランジション強度の違いやロングボールに対するセカンドボール回収のディテールとカオスになった場面での立ち回りの差で勝ちあがってきたオーストリアはRWのシュミッドを下げてFWのグレゴリッチュを投入。そして折角左サイド深い位置でボールを受けてもその後の選択肢に乏しかったムウェネもオランダ戦で内容の良かったプラスに替え、バウムガルトナーを中央から右に移してラングニックの代名詞である4-2-2-2にベースのシステムを変えてあくまでも哲学を貫く構え。

 

 右サイドに入ったバウムガルトナーはカディオールとバルダグチの間、トルコ最大のウィークポイントをオフボール,オンボール問わず積極的に突いて見せ場を作り、前半とは異なりオーストリアは右サイド起点でのチャンスが増えた。

 

この辺りでは流れは完全にオーストリアに傾き、同点弾も時間の問題と思っていたのだが、トルコは右サイドで得たCKからギュレルのキックにデミラルがこの2ゴール目となる完璧なヘディングシュートで応えて追加点を手にした。

 

彼1人で試合の結果を左右させる程に得点が生まれるかどうかの瀬戸際で攻守に素晴らしいプレーを連発し、まさにデミラル・デイといった様相でこのゴールに関してもダンソから頭1つ分抜け出したパーフェクトなタイミングの合わせ方をしている。

 

希望が見えていた所からのどんでん返し、メンタル的に非常に厳しくなったオーストリアだが、ポストプレーやクロスターゲットとして効いていた後半投入のグレゴリッチュがCKからのニアズラし→ファー詰めの得点が生まれる黄金パターンで反撃ののろしを挙げて再び1点差に。

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ただ、全体を総括すると5バック,時には6バックになってボックス内への放り込みに対して人数をかけるトルコに対しウイングプレイヤー不在の余波は大きく、相手のターンオーバーを凌いだ後のカウンター返しが流れの中では最も得点に近かったという決め手不足、そしてアルナウトビッチ,バウムガルトナーが最後の所で精彩を欠いたまま目覚めなかった事も影響して同点弾が遠かった。

 

それでも、アディショナルタイム4分にはプラスの高弾道のキックで背番号19に全てを帳消しにして英雄になるチャンスが与えられたが、トルコ守護神ギュノクが逆をつかれている状態からの驚異的な反応で失点を阻止。トルコはセットプレーからの2ゴールで難敵オーストリアを下し準々決勝最後の1枠を勝ち取った。