※25/26 イングリッシュプレミアリーグ
マンチェスター・ユナイテッドvsニューカッスル・ユナイテッド戦の記事です。
ドルグはボールレシーブの特徴から右サイドの方が粗が出にくいと以前から主張し続けていたので実際にそれが実現したその試合で即結果に繋がったのは嬉しい。3バックの際もやはりアマドのリプレイスメントととして運用するべき。左はやめよう。
A BIG WIN ON BOXING DAY! 🔥🥊
— Manchester United (@ManUtd) December 26, 2025

【Match Review】

Starting lineup

前半

今回はキックオフから4バックスタートでニューカッスルとしては対応に追われる序盤になったか、怪我人多発のユナイテッドが5分以上に試合を運ぶような立ち上がり。普段3バックの中でも更にディテールに厳しいアモリム流で戦っている事もあってかオーソドックスなバック4になってもそれほど適応に苦しまなかった。
特に、ウォルトマーデの降りる動きやそれに呼応するトナーリの飛び出しにも素早く対応したリチャは駆け出しのヘヴンをコーチングでカバーしつつ自身も縦に早いニューカッスルの瞬間的スピードについていく流石のDFリーダーっぷりを発揮。
また、左足でボールを扱いたい意思が強すぎるのと対面相手との距離感を確保するのが苦手で位置取りが前目になって結果的に後ろ向きで完全に持ち味のスピードを殺すボールレシーブがデフォルトになっていたドルグも、右サイドの場合は右半身で壁を作りながら後ろからのボールに対し左足で対処出来る為ウィークポイントを包み隠す事が出来、なおかつウインガー起用で情報処理タスクが減少したのでパフォーマンスが向上。
そして、見逃されやすいところだがダロトの細かい鼓舞激励もチームにとってプラス。11分過ぎのプレーで自身がゴードン対応で飛び出した裏のスペースをウォルトマーデに使われた際、カバーへ入ったドルグに対してその守備貢献を称えるようなボディアクションをしていたがこれが安定して出来る選手はリチャとマグワイアと彼くらいなので最近の試合でゲームキャプテンを任される瞬間が度々あるのもある種納得。
また、驚かされるのはヘヴンの強心臓っぷり。若い選手、特にディフェンダーの場合は一度の大きなエラーで一気に自信を失ってプレス強度や球際での大胆さが無くなりただリトリートしているだけといういわば今のヨロのようになってしまう事が少なくないが、ヘヴンの場合はどれだけ失敗をしても全く前向きさが削がれず、むしろ試合を重ねる度にポゼッションでの振る舞いが大胆になっていくのである意味末恐ろしい。勿論その自信が裏目に出る場面も多々あると思うが、全体的にみればこの強いメンタリティは確実に彼のキャリアを支える柱になるのではないか。
なお4バックではあるがポゼッションにおいてはクーニャがフリーダムに動いてショーがウイング化、右サイドはドルグが外に張るのでダロトがCB横に残り3-2-5である事に変わりはない。また、手薄になりがちな左サイドの守備面に関してはウガルテがカバーに入る事でリスクマネジメントし、彼の強みである広大な守備範囲も久々に垣間見えた。一方ボール保持での信用出来なさはまだ継続している。
ニューカッスルの方に目を向けると、こちらもユナイテッドと同様にLBが幅をとってRBは内側に残る左上がりの可変だが、相違点として右サイドのルイス・マイリ―は本職がCMという事もあってインバーテッド-WBの立ち回りする事が多い。守備面では個人打開力に長けたクーニャとの1on1で後手に回り、なおかつ2人,3人で閉じ込めるようなユニット単位の対応が少なかった為、将来性を高く評価されているとはいえまだ絶対的な経験値の上積みが少ない19歳の若手選手にとってはかなりタフな条件だった事は間違いない。
24分、クーニャのテイクオンで左サイド深い位置でのスローインを得たユナイテッドは、逆サイドからスローワーとして来たダロトのロングスローでゴールエリア内のカオスを生み出し、ウォルトマーデが頭でクリアしたこぼれ球に対してドルグが左足を振り抜き強烈一閃!!
まさかの4バックでスタートした😳
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) December 26, 2025
マン・ユナイテッド🟥
右WG起用となった😤
ドルグの加入後初ゴールで先制👊🔥#年末年始はプレミアリーグ
🏆プレミアリーグ 第18節
マンチェスター・U v ニューカッスル
📺https://t.co/Ev2gapfTuZ pic.twitter.com/7HboVjuQzv
これはドルグお見事。少し前のマグパイズならルーズボールに誰も行けずここまで顕著なエアポケットが生まれる事は無かったようにも思うが、欧州コンペティションを戦うというのはそれだけ心身ともに負担が大きいのだろうか、リバウンド以外にもネガティブトランジションや一度交わされた後の二度追いなど苦しい場面でのひと踏ん張りが利きづらくなっていた印象。
逆にユナイテッドはバック4で戦っていた去年までの弱点であったクロスボールに対してボールサイドとは反対側のマークの緩さも見られず、ドルグは勿論のことクーニャもプレスバックを怠らなかったのでゴール前にボールが入っても最後のところで人数が足りていてクリアし続ける事が出来た。
後半

HT明けのホームチームはマウントを下げてジャック・フレッチャーを投入。まだ線は細いがライン間でのボールレシーブをそつなくこなし、なおかつトランジション強度が高くしっかりとペナルティアークに戻ってスペースを埋める事が出来るのですんなりとピッチに溶け込んでいく。何より感心なのがスキャニングの多さ。基本的に押し込まれる展開だった後半、自身のマーク対象やスペース管理など常に周辺の情報を更新し続ける能力が重要視されていたが、この流れで大きな粗がなく45分戦い通したのは素晴らしい。
なお、マウントを早い段階で下げる場合、どうしても故障を心配してしまうが、試合後のコメントやこの試合の次、ウルブス戦に向けたアモリムの会見を聴く限りでは重大な怪我という訳では無く違和感の段階で予防措置的な交代に至ったということらしい。なので欠場するとしてもそれが長引く心配はなさそう。
完全にニューカッスルがボールを持つ事を許容した後半は一方的な展開となったが、その中で得た数少ないチャンスの1つをシェシュコ決めきれなかった60分の一幕、勿論得点を奪えなかった点はマイナスだがシザースからシームレスにノーステップかつ逆足でのシュートであれだけの威力を出せるその身体能力の高さはやはり魅力。
ただ、シェシュコの真の課題は決定力ではなく攻撃でも守備でも周囲の情報を獲得するのが苦手な点。ボールを持つ際に頭が下がっていたり、ポストプレーの前のスキャニングが少なく背後の相手を察知出来ず無駄なタッチを挟みボールを失う、守備ではコースを制限する寄せが苦手でファーストディフェンダーとしての役割を果たせないといったように現状はフィジカル的資質を持て余してしまっている。
後半2度目にして最後のチャンスはFKのリスタートから。相手LBとCBの間に空間がある事を見逃さなかったダロトはリチャの完璧なロングフィードに抜け出してGKラムズデールと1on1になるもシュートは枠の上。
裏抜けからファーストタッチまではかなり上手いダロトだが、以前からシュートのところで急激に質が落ちるのは変わらず、逆にフィニッシュ精度が伴うのならばストライカーに転向させたいくらいにラインブレイクは得意。やや身体が横に流れながらの逆足しなので見た目ほど簡単ではないが、それまでのクオリティを考えると何故シュートだけここまで苦手なのかは全くもって分からない。精神的なものなのか?
最終盤になると左からマラシア-ヘヴン-フレデリクソン-ヨロとCB相当の立ち回りをする選手を4人置いて更にドルグとダロトがウイングバックというバック6体制となり、特にCBはユースチームでもおかしくない若年齢ユニットに。
前述したが、ニューカッスルも過去シーズンに比べオフボールの絶対量が少なく、裏抜けの得意なゴードンなどはその為のスペースが存在しない状況なので本領を発揮しきれない。それでも押し込まれ続けてボックス内で弾き返すという時間が続くので危険なシーンは何度も作られたが、大きく視線や身体の向きを動かされるケースはあまり無くマグパイズのフィニッシュワーク自体の精度に欠いた事もあって最後まで虎の子の一点をユナイテッドが守り抜きウノゼロで勝利。
データ

Standard

前半に限ればシュート数7:3、ポゼッションも43:57である程度相手にボールを持たせながらも試合の主導権をユナイテッドが握ったが、後半はチームとしての割り切りも見られて完全にニューカッスルのぺースに。ただ、最終的に16本シュートを打たれながらもオンターゲットは3であるように相手のフィニッシュワークの質が伴わず、なおかつ自分たちもゴール前に人数をかけて守っていたのでスタッツ程の脅威は感じなかったという内容。
コーナーキックを11本与えながらも無失点だったという点でセットプレー守備はよく踏ん張ったと評価してもいいかもしれない。

Manchester United 1 - 0 Newcastle United (December 26 2025) | EPL | 2025/2026 | xG | Understat.com
先述の標準的なスタッツで触れたオンターゲットの少なさが示すように、押し込まれる展開の割ににはマグパイズのゴール期待値を1.13と低めに抑える事に成功した。なお、時間ごとのxGを見ていくと前半はシュート数7でxG:0.46、後半は2本でxG:0.48とほとんどチャンスの無かった折り返しの45分間の方がスコアは上になった。よって、真の意味で強いチームになるにはシェシュコやダロトのビッグチャンスを確実に決めて点差をつけられるようにする必要がある。
Man Utd 1 : 0 Newcastle
— markstats bot (@markstatsbot) December 26, 2025
▪ xG: 0.63 - 1.49
▪ xThreat: 0.97 - 1.87
▪ Possession: 34.2% - 65.8%
▪ Field Tilt: 16.7% - 83.3%
▪ Def Action Height: 37.1 - 58.3
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PASSING NETWORKではカゼミロとウガルテの役割の差が明確になっていて、フルバックに関してもウイング化するショーとCB横に残るダロトで位置取りに差が出ている。また、実質的に3-4-3のような形になっている点も含めてポゼッション時の基本的な戦い方に大きな差は無い。アモリムもよく言っているがフォーメーションはあくまでゲーム開始時のシステムに過ぎない。
あとがき

正直勝てるとは思っていなかった試合なので素直に驚いた。単純な選手の質で言えば特に中盤以降は完全にニューカッスルに分があったので本当によくやってくれたと褒めたたえたい。
そして、ジャックは普通にCMの一戦力としてカウント出来そうで良い意味でのサプライズ。