※25/26 プレシーズンマッチ
マンチェスター・ユナイテッドvsフィオレンティーナ戦の記事です。
以前からブレントフォードを苦手としているように、自陣では5-3ブロックに移行する3-5-2に対しての打開手段はまだ明確には見つからなかった。
It finishes level, but we will have a penalty shootout to determine the @Snapdragon Cup winners ⚽️
— Manchester United (@ManUtd) August 9, 2025

【Match Review】

キックオフを前にこの日のオールド・トラッフォードではイベントが目白押しだった。まずは退団の際に花道を作ってあげられなかったダビド・デヘアに対して長年の貢献への感謝を示すセレモニーが行われ、元キャプテンに対して現キャプテンのブルーノから額縁に収められたポスターが送られている。
A special moment of appreciation for our former Red, @D_DeGea ❤️💫
— Manchester United (@ManUtd) August 9, 2025
🤳 @Snapdragon x #ShotOnSnapdragon pic.twitter.com/sUNkO4B09v
更に、試合前日に加入が発表されたベンヤミン・シェシュコのお披露目も行われ、ライプツィヒ時代と同じ背番号30を背負う事が後日明らかになったこのスロベニア代表ストライカーはオールド・トラッフォードのサポーターから暖かく歓迎された。
Talk about a special moment. pic.twitter.com/jzoi1JKS0S
— Manchester United (@ManUtd) August 9, 2025
Starting lineup

前半

マンチェスター・ユナイテッドはエバートン戦同様にクーニャを中央においた3-4-2-1でスタート。対してフィオレンティーナは同じく3バックながらセントラルMFを1枚増やして中盤の主導権をより重視した3-5-2で入り、CBからCM,CFへの縦パスを入れて一気に攻撃のスイッチを入れたいユナイテッドはヴィオラの厚い2ライン目の攻略に手間取るような序盤の入り。
目立っていたのはビルドアップではCBの補助に入ってアンカーとしてボールを捌き、前線守備ではブルーノを警戒しながら味方のプレスを指示するなど攻守にリーダーシップを発揮したニコロ・ファジョーリの存在。違法賭博でケチがついてしまったが選手としてはやはり素晴らしい資質を持っている。
スコアが動いたのは7分。フィオレンティーナは右サイドでCKを獲得し、グズムンドソンがゴール前~ファー寄りを狙って蹴ったボールは今夏パルマから完全移籍で獲得したシモン・ゾームの元にフリーで届き、ダイレクトで叩き込まれて赤い悪魔は早期の失点を喫した。
失点前から兆候は表れていたが、左サイドからのクロスに対して簡単に相手CFを背中に入れてしまうマグワイアのカバーを強く意識したヨロが中央に寄り、結果として右外の相手がフリーになるという現象が連発した点についてはシャドーのプレスバックやCMの一時的なCB化など、マグワイアの改善に関係しない方法で対処するしか無さそうだ。
一方でビハインドから脱するキッカケもまたセットプレーである。25分、左サイドからのCKで勝手知ったる元チームメイトデ・ヘアのハイボール処理の不安を突くようにファウルを取られない程度に彼の周囲にまとわりつき、視界と動きを制限してキッカーのブルーノはファーポストに巻くインスイングキックというチームとしての狙いが見える内容で最終的にロビン・ゴセンスのオウンゴールに繋がった。
たまたまよく知るデ・ヘア相手だからではなく、普段からこのように相手選手のスカウティングを行って有用な手法を選択し続ける知性が欲しい。特に事前準備がモノをいうセットプレーという局面においては。
対3-5-2という意味では時間をかけて5-3ブロックを作られてしまうと今のユナイテッドでは崩しきれないため、ミドルサードの主導権争いの中でボールを得た後時間をかけずゴール前まで持っていく疑似カウンターがメインウェポンになるが、そうするとプレースピードについていくのが難しいカゼミロは優先順位が落ちていく。カルロス・バレバの名前がターゲットとして挙がっている点も踏まえて恐らくアモリムも同じような考えに至っているのだろう。
前半はそのまま1-1の同点で終了。
後半
しばらく膠着状態にあったが、ユナイテッドの前線はそれを解決するためなのかポジションを流動的に入れ替えるようになり、マウントが右、エンベウモが真ん中、クーニャが左という構成になる事も多かった。純粋なNo.9を起用しない事で生まれるメリットの1つはポジションチェンジでマンマークを惑わせられる点。
更に、ブルーノはレイオフの鍵となる3人目の動きが上手いので縦パスを受ける前線、サイドでパスを貰うWBに対して適切なアクションを取って連動性のある攻撃が幾度か行われた。ブルーノCMはコンタクトプレーの強度、守備のムラっ気、なにより一か八かを狙いすぎるプレー選択など100%支持出来るとは言えないものだが、この点に関しては他の選手にも見習ってほしい部分。パス&ムーブに限ればドルグには可能性を感じるが、順足WBはチームの戦い方にフィットしていないので難しいところ。
一方、DFラインの背後を積極的に狙うフィオレンティーナはモイーズ・ケーンの抜け出しがあまりにも馬鹿正直過ぎて高頻度でオフサイドになってしまうため中々決定機を作り出せず、これが動きの少ない後半を更に助長した。
プレシーズンらしい選手運用でほとんどのポジションで交代が行われているフィオレンティーナは終盤に入りデ・ヘアを下げて若手GKのトンマーゾ・マルティネッリを投入。その際のスタンドからの大歓声を聞くと改めて彼への感謝を示す機会が設けられた事を嬉しく思う。晩年は決して順風満帆ではなかったが、マンチェスター・ユナイテッドのクラブ史に残るレジェンドの1人である事は間違いない。
A special mark of respect to @D_DeGea 👏
— Manchester United (@ManUtd) August 10, 2025
You're always welcome here at Old Trafford! ❤️#ShotOnSnapdragon pic.twitter.com/GW7hst55Vm
アディショナルタイムが一切無かった事からも察しがつく通り、開幕が近いという事もあって両クラブともにリスクを避けたフレンドリーマッチの勝敗についてはPK戦の行方に委ねられた。
ユナイテッドの順番はブルーノ→クーニャ→ダロト→アマド→メイヌーで5人目まで全員成功。明らかに技術の部分で選ばれていそうなラインナップの中に名を連ねたダロトはチームリーダーとしての精神面も期待されているのではという感触を得つつ、気になる結果はフィオレンティーナ5人目のファビアーノ・パリージのキックをバユンドゥルがストップして5-4で赤い悪魔がPK戦の勝者となった。
あとがき

失点したCKでは完全にファーががら空きになっていたので、やはりセットプレー守備は今年も大きな課題として向き合わなければならないものになりそうだ。また、交代選手を見ると完全にシーズン仕様だったが、その中で出番が無かったホイルンドはシェシュコ加入で構想から外れたのだろうという残酷な答えも浮かび上がっていく。