いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #PLZMUN 】途中出場Højlundが2得点で勝利を引き寄せる

※24/25 UEFAヨーロッパリーグ

ヴィクトリア・プルゼニvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

画面の向こうから寒さが伝わってくるチェコ第四の都市、プルゼニはドゥサン・アリーナでのアウェイゲームはピッチコンディションも相まってパス精度の低さが目立ち、ボーンヘッドから一時はリードを許す展開になったものの、何とかホイルンドの2発で逆転勝利。ユナイテッドはEL年内最終戦を勝利で終えた。

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りプルゼニ
2 Hejda, 5 Paluska, 10 Kopic, 12 Sojka, 13 Tvrdoň, 18 J.Mosquera, 20 J.Panos, 24 M.Havel, 29 Sloncik, 30 V.Baier, 33 E.Jirka, 80 P.K.Adu

マンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 2 Lindelöf, 5 Maguire, 7 Mount, 9 Højlund, 14 Eriksen, 15 Yoro, 17 Garnacho, 21 Antony, 25 Ugarte, 37 Mainoo, 43 Collyer

 

 

前半

 

プルゼニ、マン・ユナイテッド双方ともに3-4-3(3-4-2-1)を採用した事で配置のズレが生じづらいミラーゲームになったドゥサン・アリーナでの一戦。遠征の疲れなのか或いは荒れ気味のピッチに影響を受けたのか序盤からキックの乱れが目立ちピリッとしないユナイテッド。

 

対してはプルゼニは相手陣内での守備時に左ウイングのパヴェル・シュルツがCMの高さまで降り、代わりに左CMのカルヴァフがCBからのパスレシーブを試みるカゼミロをマークするために前に飛び出していく5-2-1-2を多用。逆に言えば3CBへのプレー制限はそれほど重視しておらず、前進するパスコースを消す事に注力していた。

 

WBの優位性をこれまでのようには使えない中で攻撃の起点になったのが元々中盤に降りてビルドアップに関与する事を好むジルクゼーで、カゼミロからの縦パスを下がりながら受けてそのまま自らボックス内まで運んでいった5分のシーンはその代表例。

 

裏を返せばジルクゼーのボールキープ以外の前進手段に乏しかったのもまた事実で、アマドをRW起用した事で大外でタメを作りながら個でも連携でも相手に脅威を与えるアタッカーが両サイド共に不在となってしまった影響は大きかった。アマド自体のウイング適性は低いどころかハーフスペースでのプレーも得意なので高い方だと思っているが、全体のバランスとの兼ね合いを今後はより意識していく必要がありそうだ。

Embed from Getty Images  

 

ポゼッションからのゴールチャンスを全くと言っていいほど作れないのでただただ時間を浪費していくユナイテッド。30分を過ぎてもオンターゲット0という有り様で寒空の中応援する1000人弱のアウェイサポーターにとっては地獄のような展開となった。

 

カゼミロとブルーノのセントラルについては、カゼミロの動き直しの量が不足している点と、(特にビルドアップで)ブルーノがやや高い過ぎるポジショニングで相手のプレスラインと同化してしまっている場面が多い事から噛み合っていたとは言い難く、やはりウガルテがいないとどうにもならないらしい。

 

守備面でミラー配置でズレをケアしながら、チャンスの場面ではニアサイドへの速く低いクロス、ファーサイドへの高く滞空時間の長いクリアしづらいクロスと攻守で明確な狙いを持って戦うプルゼニは正に思い通りの塩漬け展開を作り出し、前半を無失点で終える事に成功。

 

後半

 

48分、リチャのバックパスでスイッチを入れて前2枚でオナナの左右のパスコースを制限してきたホームチーム。オナナ自身もスキャニングを怠った事もあってマズラウィへのルートは消え、ボールサイドで強引にデ・リフトへ繋ぐか大きく蹴るかの二択を迫られると、前者を選んでボールを奪われた後シュルツからのプレゼントパスを受けたヴィドラが先制ゴールを奪う。

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先制された後も悪い意味で変化が無かったユナイテッドだが、その理由の1つになっていた左サイドの停滞に対して手をこまねいたままのアモリムではなく、56分にはラッシュフォードに代えてホイルンド、61分にはマラシアに代えてアントニー、ジルクゼーに代えてマウント(この交代だけは疑問もあった)と積極的に打って出てテコ入れを行った。

 

すると、62分には自陣でファウルを得たブルーノがボールをセットせずクイックで相手の守備陣形の整わぬうちにプレーを再開し、右大外のアントニーがタメを作りながらアマドへの絶妙な斜めのパスを通すと、ノリに乗っているアマドのテイクオンからのシュートが相手DFに当たりディフレクションしたこぼれ球をホイルンドが詰めて同点に追いついた。

 

3枚の交代の中で最も効果的だったのはアントニーの投入であり、大外で時間を作れるようになった事でサイドtoサイドのパス回しにようやく優位性が生まれるようになった。アマドの躍進に押されていたアントニーとしてはここで自分の価値をアピール出来た事は非常に大きな収穫だろう。ただ、相変わらずテイクバックを軽視したキックフォームで全く可能性のないミドルを放つ癖は抜けていない。

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自分たちの時間が増えたとは言え刻一刻と迫るタイムアップへのプレッシャーに晒されているユナイテッドだったが、終盤のFKから待望の瞬間が訪れる。

 88分、敵陣でのCK後のルーズボール処理で相手選手がハンドを犯してミドルサードでのFKを得ると、身体の向きとアクションでファーサイドへのロブパスを予想させた上で裏をかいてニアへのグラウンダーを選んだブルーノのお膳立てにホイルンドがこの日2得点目となる勝ち越しゴールで応えた!!

 

ボールを浮かせたファーストタッチは意図したものか偶然なのか定かではないが、結果的にマークする相手と入れ替わる為に好都合となり、身体でブロックしながらハーフバウンドで冷静にボールをサイドネットに向けて流し込むストライカーらしい無駄のないフィニッシュワークだった。

 

アディショナルタイムにはプルゼニが攻撃の圧を強めてオープンな展開になったお陰でユナイテッドに数回決定的なカウンターチャンスが巡ってきたがいずれもフィニッシュワークに至る前に判断の悪さ・遅さが出て機会を逸してしまう。試合自体は1-2で勝利したものの、内容としてはアモリム体制後で最悪だったのは間違いなく、終了直後にホイルンドとアマドが熱く議論を交わしていたように選手たちも分かっていると思う。

 

 

データ

 

Standard

 

表面的にはユナイテッドがコントロールしているように見えるスタッツだが、プルゼニにシュートを15本許しているように相変わらず付け入る隙だらけという点は変わらず。仮に相手のフィニッシュ精度がもう少し高ければ負けていても不思議ではなかった。

 

そして、7割近いポゼッション率を記録した割にパス成功率が83%と低めである事については、試合内容で触れたピッチコンディションや遠征疲れなども考慮するにしても些か不満の残る結果と言える。

 

一方で攻撃面ではオンターゲット率を徐々にではあるが改善しており、まだまだトップクラスと比べれば質が低いものの途中出場のホイルンドが2ゴールを奪ったように誰か1人でもいいので信用出来るスコアラーを確立出来れば得点力不足解消も。

 

 

xG

 

 

markstats算出のゴール期待値はプルゼニ0.89、マン・ユナイテッド2.65とアウェイチームが大きくリード。ただし脅威期待値になると差が1点以上縮まっているように試合の大半ではホームチームの方がむしろ思い通りの試合運びを出来ていた。

 

PROGRESSION CARRYとPROGRESSION PASSの表を見るとラッシュフォードとマラシアの左サイドがうまく機能していなかった事が分かりやすく反映されており、結局のところLWBにはダロト、LWにはブルーノorマウントで周りを使える選手を起用するのが現状でのベターとなりそう。

 

PASSING NETWORKはリチャ,マズラウィのワイドCBから前進するパスコースが2つあるように一見するとバランスが良いように見えるものの、ポゼッション7割という試合でデ・リフトからMFに繋がるラインが存在していない点に不満が残る。また、ブルーノとほぼ同じ高さにいる事がそれを証明しているが、ジルクゼーは前半のビルドアップでポストプレー+自分でも強引に仕掛けてチャンスを生み出すなど大きな役割を担っていた。

 

あとがき


ニアクロスを弾き返せない点とファーサイドの高いクロスに対しての準備不足感はまだしばらく抜け無さそうで、マンチェスター・ダービーでここを突かれると不調のマン・シティとはいえ呆気なく失点を重ねそうな悪寒も。