いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #PORMUN 】20分で2点リード、何故そこから混沌に陥ってしまうのか

※24/25 ヨーロッパリーグ

FCポルトvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りポルト
3 T.Djaló, 8 Grujić, 10 F.Vieira, 14 C.Ramos, 15 V.Sousa, 17 I.Jaime, 19 Namaso, 20 A.Franco, 27 D.Gül, 52 M.Fernandes, 70 G.Borges, 86 R.Mora 

マンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 2 Lindelöf, 5 Maguire, 11 Zirkzee, 17 Garnacho, 21 Antony, 22 Heaton, 25 Ugarte, 35 J.Evans, 43 Collyer, 44 Dan Gore 

 

 

前半

 

4-3-3のポルトに対してユナイテッドはいつもの4-2-4ハイプレスでCBの配球を制限しながら高い位置で奪い取る事を第一目標として構える。序盤はミドルブロックかつウイングへの寄せが甘いポルトの守備もあってユナイテッドはアマド,ラッシュフォードが比較的楽に前向きでパスを受けられる状況で自分たちの思い通りの展開にしやすかった。

 

7分、左サイドでパスを受けたラッシュフォードがそのまま斜めにテイクオン。ボックス内に侵入するとエウスタキオとジョアン・マリオの挟み込む守備連携が中途半端になった事で生まれた間のスペースを突き、そのままシュート体制に入ってゴールネットを揺らした。

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正直、ポルト側からすればなぜこのシュートで失点するんだ、とディオゴ・コスタを責めたくなってしまうような中身だったが、ポルトガル代表でのプレーも評価基準に入れると彼は自分の身体に程近いボールの処理が苦手なドーナツタイプの守備範囲を持つGKなのだろうと割り切るしかない。その分ビルドアップの貢献や全体的なディストリビューションのレベルは高いので……

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20分、オモロディオンが1人で連続プレスをかけるものの、当然単独では限界がありユナイテッドはオナナからホイルンドへのロングフィードで陣地獲得。落としのパスにエリクセンが反応すると、左サイドに待つラッシュフォードを経由し最後は全力で駆け上がってニアポケットを奪った背番号9が強烈な左足の一撃でディオゴ・コスタの右脇下を破り追加点。

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20分で2点リード、普通に考えればあとは試合をコントロールしながら相手がしびれを切らした所でカウンターを刺してゲームセットという流れに持っていけるのだが、守備に関する基本的なルールがあやふやなユナイテッド、そうは問屋が卸さなかった。

 

27分、ポルトが右サイドでボールを繋ぐと、ハーフスペースを駆け上がってボールホルダーのサポートに向かうジョアン・マリオに対してのマークをラッシュフォードがサボった事でノンプレッシャーでのレシーブを許す。マリオのクロスに対してデ・リフトは準備が整っておらず、オモロディオンにヘディングシュートを打たれると、こぼれ球をペペが押し込んでホームチームが1点を返した。

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ラッシュフォードにまともな守備貢献を求めるのはもう無理だという事にいい加減テン・ハフは気付くべきだろう。どうしても起用するなら守備時は中央で最低限のコースブロックに専念させつつ、トランジションになりそうな場合は左サイドに流れてスピードに乗れる体制を整えておくというフランス代表でのエンバペスタイルくらいしか解決策が存在しない。

 

また、常に不利な対応を強いられ続けているDFラインも各々プレーに綻びが出始めており、デ・リフトはクロスや裏抜けへの準備が遅れがちでリチャは迎撃した後の動き直しが悪化している。ダロトに至っては小さな筋肉系のトラブルを抱えているのではないかという位に動きをセーブしている場面が目立ってきたので本当に今すぐテコ入れしなければ大惨事になってしまいそう。

 

33分、今度はデ・リフトがルーズボールをクリアしきれずポルトがユナイテッド陣内でボールを回収すると、守備意識の欠けるラッシュフォードを突くべく右サイドへボールを動かし、案の定背番号10がニアポケットの相手(ニコ・ゴンザレス)をフリーにしてピンチを作る。ニコのバックパスをジョアン・マリオがダイレクトでゴール前へ蹴り込むと、オモロディオンがデ・リフトの前に入り込んで難しい体勢からヘディングで合わせて瞬く間にポルトは同点に追いついた。

 

繰り返しになるが、ラッシュフォードを4-4の守備ブロックの一員として換算する事は諦めてほしい。攻撃面でいえばセインツ戦以降状態が上がっているためガルナチョとの比較では明確に上だが、今の使い方をしている限りどれだけ得点創出に貢献しても守備時のマイナスが大きすぎてカバー出来ない。

 

 

後半

 

HT明けのユナイテッドはラッシュフォードに変えてガルナチョを投入。ウイングのプレスバックは改善したが、一方で攻撃時の個の脅威は弱体化しており、帯に短したすきに長しという左ウイングの現状が分かりやすくピッチ上の現象として表れた。

 

更に、ゾーン意識なのか人を徹底的にマークするのかという単純な2択すら曖昧でチームとしての原則が存在しないように見えるユナイテッドの守備の欠陥を突かれ、ペペがフリーでDFライン裏へ抜け出すと、折り返しのボールを巧みなオフボールでデ・リフトの背中側に回っていたオモロディオンが押し込んで後半開始してすぐにポルトが勝ち越し点を奪う。

 

連続したチェイスが出来てターゲットマンになれる身体の強さと自らがフィニッシャーになる為のオフ・ザ・ボールの動きも中々の水準で兼ね備えているオモロディオン。今夏はチェルシー移籍が寸前で破断したが、もし実現していれば非常に厄介な相手になっていた事は間違いない。

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何としても同点に追いつかなければいけないユナイテッドはそれぞれがボールを持っていない際にボールウォッチャーになってその場で足を止めるケースが目立ち、アタッキングサードに侵入しても相手の守備ブロックが揺さぶられる要素が少ないので中々ゴール前を陥れる事が出来ない。前半はポルトが半端なミドルブロックだったのでウイングから打開する事が出来ていたものの、先述のとおり選手交代で個の脅威は落ちているのでその点でも手詰まり。

 

これまでの試合よりも明確にCBデュオのプレーから疲労を感じさせるシーンが多かった事もあってか指揮官はCB同時交代に及んでマグワイア-エバンスのユニットに。ただ、巡り合わせの悪さは今回も同じく、ここ最近癖になっているブルーノの足先から50:50のボールに突っ込んでいくプレーが2枚目のイエローカードを誘発。1点ビハインドかつ1人少ないという最悪な状況に変化してしまった。

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その後もマグワイアがボールに釣られてマークを見逃して失点に直結する危機を作るなど不安とフラストレーションの募る時間を過ごしたユナイテッド。セットプレーに活路を見出し、両サイドのウイングはボールを持つとコーナーキック確保を意識しながらドリブル。

 

ある意味、初めてチーム全体の目線/認識が一致した瞬間であり、これが実ったのかアディショナルタイム1分には右CKでエリクセンの放ったアウトスイングのクロスに対しマグワイアがドンピシャのタイミングで合わせて劇的な同点弾!!

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ギリギリのところで勝ち点1確保に成功したアウェイチームはイングランドに戻り中2日でアストン・ヴィラとの試合に備える。もしここで勝てなければ解任だろう。

 

データ

 

Standard

 

シュート数は14:29でノーガードの殴り合い。ポルトは序盤の運び方に失敗してユナイテッドのウインガーを自由にさせ過ぎた事が致命傷になっても不思議ではなかったが、ユナイテッドもクロス対応やいまだにラッシュフォードの守備時の役割の持たせ方がなっていない事などで流れを手放してグダグダの展開に。

 

2試合連続でレッドカードを提示されたブルーノに関しては、今シーズンは以前にも増してルースボールやフィフティの球際に足先から突っ込んでいくケースが目立っており、これが警告の多さに繋がっているとしか考えられない。ボールプレーの質だけでなく全体的にメンタルコントロールが上手くいっていない事がマイナスに作用しているのではないか。

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xG

 

 

markstats算出のゴール期待値はポルトが2.72、マンチェスター・ユナイテッド2.09でホームチームが約0.6ポイントリード。一方で脅威期待値はユナイテッドが上回っており、90分通しで見ると基本的には拮抗した内容だったことが伺える。

 

PASSING NETWORKでは五角形の中にブルーノが収まっていてカゼミロとエリクセンが前にいるが、ブルーノの特徴を考慮すればこの形の方が得意のロングレンジのパスが活きるので良いのではないか。また、ホイルンドはポゼッションに積極的に関与するタイプではないのでどうしても孤立気味になりやすく、中央に留まらせるというよりは左右のハーフスペースでミドル/ロングレンジのパスの出しどころになってくれる方がありがたい。

 

 

あとがき

 

改めて90分プレーを見た事でオモロディオンがこれまでの印象よりも遥かに洗練されている選手だと分かったのは収穫かもしれない。ユナイテッド目線ではLWのどちらをどのように起用するのか、もう少し突き詰めてもらいたいものだ。