いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】本当の意味でラストチャンス

9月初旬のインターナショナルウィークではブルーノ・フェルナンデスのボールキープにディオゴ・ダロトが呼応し、後にキャリア通算900ゴール目の大偉業を達成する事になるクリスティアーノ・ロナウドがデコイの動きでスペースを作るというユナイテッドに深く関わる3者が生んだゴールを筆頭に赤い悪魔の戦士たちは好結果を残した。

 

 

リーグ再開は日本時間9月14日20:30からセントメリーズで開催予定のサウサンプトンvsマン・ユナイテッド戦となり、ブライトン、リバプール相手に連敗中のエリック・テン・ハフにとっては進退のかかる土俵際の一戦になる事だろう。

 

個人的に気になっている点として、

  • 見るに堪えない惨状のカゼミロに見切りをつけるか
  • ビルドアップの配置・構成に修正が加わっているか
  • フィニッシュワークでいくつかのパターンを仕込んでいるか

 この3つに注目している。

 

 

 

セインツ戦でウガルテのお披露目か?

 

カゼミロをラインナップから外すと仮定すると、まず一番に挙がってくるのが今夏の移籍市場最終日になんとか取引をまとめたパリSGからの新戦力,マヌエル・ウガルテだ。

 

ヴィチーニャが絶対的な存在となり、更に同じポルトガル人プレイヤーで将来を嘱望されるジョアン・ネベスを高額移籍金で獲得するなど、よりポゼッションでのコントロール能力に長けたMFを重用していく意思がハッキリと見られるPSGでは構想外となったウルグアイダイナモだが、プレミアリーグ全体やマンチェスター・ユナイテッドでの相対比較では決してボールプレーが弱点ではない。

 

勿論、本領は地上デュエルの強さやタックル・インターセプトの質と量、そして圧倒的なプレーエリアの広さからくるボールリカバリーと被ボール保持でのフィルター力だが、2026年W杯の南米予選で3位につけるウルグアイ代表では4-1-2-3のアンカーとして不動の地位を築いているように、冒険をせず着実に味方に届けるショートパスや小回りの利く身体を活かし機を見て行うボールキャリーなど、中継地点としてプレッシングを回避するポゼッションでの貢献度も必要水準は満たしているように見える。

 

FBRefのスカウティングレポートを参照してもボールハントとパスの正確性に特化していてチャンスクリエイトやゴール関与の部分はパーセンタイル値が低く出ているが、いるべき場所を放棄して相手DF前で棒立ちしてしまう選手の多いユナイテッドにおいては、彼の特徴があらゆる面でプラスに出る可能性が高い。

参照:fbref

 

ビルドアップと前線守備のリスク管理

 

ハイプレスが代名詞のリバプールに対してですらCB2枚とMF1枚の3人でビルドアップを成立させようとしたようにロマン派に拍車がかかるテン・ハフ。セインツに限ればそれでも回るかもしれないが、その次のクリスタル・パレストッテナムのリーグ戦2試合では少なくともあと1人組み立ての補助に回る人員を割くべきだろう。

 

以下の図はリバプール戦で言及したビルドアップについての一例だが、最も無駄になっているダロト,マズラウィのディフェンシブサード~ミドルサード入り口の立ち位置/役割を手薄な中央に動かすだけでも状況は良化する。

 

また、今季ここまでのユナイテッドは相手陣内での守備においてウインガー,CF,トップ下の4枚が横並びになってGKやCBからの手近なパスコースを全て潰していこうという4-2-4のハイプレスを行っているが、これについてはメイソン・マウントの守備強度で成立していたものであり、彼がピッチを離れている今の状況ではマーカス・ラッシュフォードマルチタスクの苦手さや連続でチェイスをするタイプではないジョシュア・ジルクゼーらの傾向に沿って変化を加えなければいけない。

 1stプレスの強度が低下すると、一気にダブルピボットの両脇を使われて危険なカウンター局面に様変わりというのが過去2試合でも明らかだ。

リバプール戦から参照

 

単純にラッシュフォードからガルナチョにLWを入れ替えてしまえばある程度解決する問題でもあるが、指揮官が背番号10に信頼を寄せている以上、ミドルブロックに切り替えるか彼を守備時に中央~やや左寄りで前残りさせておく,というように何かしらの解答を見せて欲しい。

 

 

フィニッシュ局面での明確な分担・優先順位

 

具体的にはGKとDFの間に走り込むポーチャー、遅れ気味に入ってマイナスでクロスを受けるフィニッシャー、ボールサイドとは反対側から後詰めの準備をする選手といったようにクロスが入るシーンである程度役割を固めておいてそれぞれが状況に応じて半自動的に動きを取れるようにしておく事。

 

選手の創造性に任せると言えば聞こえがいいものの、何をするのか一から百まで全てその場の即興任せにしていては思考速度の遅れで相手の守備陣形が整ってしまったり、肝心のキックの質に割く集中力が削がれて得点に結びつかない恐れもある。

 

フットボールでも完全な自由を与えられるよりも枠組みが決まっている方が各々の創造性を発揮しやすいケースが多く、例えばサイドの深い位置からバックアップの選手にパスが出された瞬間にボックス内の選手が一斉に準備したり、クロスの優先順位をGK-CB間⇒GKの頭上⇒カットバック(マイナス方向)などと決めておく、いわゆるセオリーを作って如何に考えず身体が勝手に動く状態を作れるかどうかが一瞬の勝敗を決定づける。

 

ホイルンドがCFの場合は彼がポーチャー、ジルクゼーの場合はマイナスで待つフィニッシャーというストライカーのプレースタイルから逆算していく事で多少は枠組みを作りやすくなるのではないか。最も、問題はホイルンド不在時にGK-DF間を突いてCBをゴール側に押し下げられる選手がいない点なので、ジルクゼーCFのケースではそれをブルーノに担ってもらわなければならない。

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【あとがき】セインツ戦に向けて

 

これまで通りならば3CB+WBの3-5-2で臨んでくるであろうサウサンプトンに対し、ユナイテッドが注意しなければいけない事はシステム上の噛み合わない位置について。4-2-4の前線守備のまま対応しようとするとどうしても両翼の絞りにムラが出てCBへの寄せが甘くなりやすいので、最初から中央に絞って3-1で行った方が安心だろう。

 

また、フルバックが相手ウイングバックに対して素早く迎撃出来るかどうかも主導権を手放さない為に大切な要素であり、コレクティブな動きを要求されるのでラッシュフォードよりもガルナチョを先発で見たい試合になりそうだ。