いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #BOUMUN 】内容は最悪でも勝った事に意味がある。あと1PtsでCL

※22/23 イングリッシュプレミアリーグ

AFCボーンマスvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

 

配置がぐちゃぐちゃな左サイド、相変わらず大外の空間を無駄にしている事が多い右サイド、そして守備のターンになった瞬間にスイッチを切るようにダラダラと生ぬるいプレッシングを繰り返す前線と、とてもとても勝てるような内容には思えませんでしたが、まさかのカゼミロのバイシクルを守り切って何とか勝利。

 

リバプールアストン・ヴィラと引き分けた為、チャンピオンズリーグ出場権獲得まで残り勝ち点1で達成となる。 

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りボーンマス
1 Travers, 3 J.Stephens, 6 Mepham, 11 Ouattara, 17 J.Stacey, 18 M.Viña, 21 K.Moore, 49 D.Sadi, 51 Adu-Adjei

マンチェスター・ユナイテッド
5 Maguire, 12 Malacia, 17 Fred, 20 Dalot, 27 Weghorst, 28 Pellistri, 31 Butland, 39 McTominay, 49 Garnacho

 

マクトミネイがスカッドに復帰したが、サビツァーがシーズンアウトなので頭数としては変更なし。RBにはダロト先発を予想していたものの、ワン=ビサカで来た理由はダンゴ・アッタラの突破力を警戒しからなのかもしれないが、その当人は今回リザーブ

 

また、ボーンマスに目を向けてみるとホジキンリンパ腫を克服しプレイヤーとしてチームに復帰したデイヴィッド・ブルックスが598日ぶりにスターティング・ラインナップ入りを果たしている。(試合出場はこれまでに4試合ある)

 

前半

 

構成としてはミラーゲームで、ボーンマスはデヘアのディストリビューション不安を突く前線のプレスと自陣ボックス前にバスを止めるブロック守備を使い分け、ミドルサードではリトリートしながらボールホルダーにそれ程タイトに追いかけず、撤退陣形を作る事を優先した。

 

ユナイテッドはいつも通りの4-2-3-1だが、ラッシュフォードが間に合わず1トップがマルシャルになった事で左ハーフスペースの裏抜けが減少し、プレーエリアの被るサンチョが割を食う形に。彼自身普段よりも守備面の貢献度が低かったが、ピッチ内外のフラストレーションがそうさせた面もあったのかも。

 

直感的にこの試合の苦戦を感じ取った所で全く想定だにしないゴールが生まれたのは9分のこと。カゼミロのボックス手前から守備網にかからないダイアゴナルランエリクセンがロブパスを送り、ザバルニーが一度触ったがクリアし切れなかった所をバイシクルキックで仕留めて見せた。

  いや~こんなことも出来るんですね。

カゼミロのポゼッション時の役割変更(DM→CM)推奨に際し、ビルドアップでアンカーに入る際のプレー選択の悪さがネガティブな理由だとすれば、クロスボールのターゲットとしての素質とこのボックス内への侵入のグッドセンスはポジティブな理由です。

 

内容の悪さもゴールが入ったことで改善されれば…などという希望は叶う事無く、オーレ時代に散々見てきたワン=ビサカの横スライドの遅さ→1つずつ右にずれるバックス→過剰に内側へ入ったショー,この負の連鎖反応によって空いた左大外を相手RBアダム・スミスに使われる場面が何度かあり、これらが失点につながらなかったのは幸運。

 

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ゴール前に入ってフィニッシャーを請け負う場面をはじめプレーの幅が広がっているのは事実だし、対人守備の信頼感は確かであるが、スタメン起用が続いた途端に細かい部分で手を抜くあたりに私がワン=ビサカを好きになれない要素が詰まっている。また、基本的にプレーがストリート的で11on11のフットボールで大事な"陣取りゲーム"の側面を理解できているのか不安になる事が多いのも懸念事項。

 

27分のソランケのシュートチャンスもワン=ビサカが適切なポジショニングをしていれば、或いはカゼミロに声掛けをしていればアダム・スミスの対角線のパスをカットしピンチになっていなかったのではないかと思われる。

 

守備面に関しては前線のプレス強度の低さも気がかり。マルシャルはあからさまにスプリントを避けており、王様のように悠々とボールホルダーへ寄せていくのでまるで制限になっておらず、これを起因に全てがズレる。

 サンチョは先述の大外空きとの狭間で1stプレス隊に参加すべきかそうでないかを迷い中途半端な守備になってしまい、ブルーノも味方が付いてきてくれる筈でプレッシャーをかけていき、結果としてただ中盤を空けてしまうだけの無駄追いが生まれる。

 

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マルシャルは後半に入り一番目に交代されたことを不満に感じていそうな素振りをしたように見えたが、正直これで下げられないと考えているならばあまりに危機感不足だろう。攻撃面でもオフ・ザ・ボールの不足を補う圧倒的なフィニッシュワークやポストプレーがあるかと言えばそうではない。プレシーズンで見せた姿は幻だったのだろうか?

 

ボーンマスの選手では左のCB マルコス・セネシが良いパフォーマンスだった。左利きで正確な対角線のキックを持っており、ゆったりとボールを運びながら相手のプレスを誘う事も出来る。それ以外のボールスキルを見てもポゼッションフットボールへの対応能力を持っているので、ステップアップの移籍があるかもしれない。

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 守備面でも背中を向けて縦パスの起点になろうとする選手にタイトに寄せて潰す事が出来、その積極性はファン・デ・ベークに重い怪我を与えたように時として恨みを買う結果を招く事もあるが、味方からすれば頼りになるだろう。

 

 

後半

 

両クラブHTでの選手の入れ替えは無し。

 

47分のボーンマスアントニーとワン=ビサカの意図が噛み合わずパスが繋がらなかった所を奪ってショートカウンター。最後は左に流れていたブルックスがニア上を狙うが、ここはデヘアの反応が勝り得点ならず。

 

49分のアントニー。カゼミロの斜めのフィードを受けてコーナーに向かいながらボールを進め、ロイド・ケリーに囲われそうになった所を重心のかかった軸足の外にボールを通すトリックプレーで突破し見事ファウルを獲得。全体的にサポートが少なく活躍しにくい状況が多い彼だが、"獅子の子落とし"が如く個の力が向上しているのは何という皮肉だろうか……

 

54分のユナイテッドは自陣でのボール回しから勝手にタッチライン際に追い込まれて、相手にボールを奪われ失点に繋がりかねない形を許したが、これはフルバックの位置取りやビルドアップでの2列目(DFで形成する線を1列目としてカウント)といった部分が曖昧になりがちな所から生まれた隙だろう。

 

ショーのボールキャリーからアタッキングサードに侵入し、大外で受けて中央の味方を見ながら視線を集めたサンチョが斜め後ろのマルシャルへリリース、その後引っかかったがやり直してマルシャル&ブルーノ連続ワンツーからボックス内に侵入した56分のポゼッションはようやく見たかった形を実演してくれたが、それまでのプレーが余りにも献身性に欠けていた事も影響したか背番号9はしばらくしてボールデッドになった所で交代。

 

ヴェフホルスト投入によりプレス強度は格段に増し、更に相手のブロックをかき回すオフ・ザ・ボールを厭わない彼が結果的にデコイになってくれるので、サンチョやアントニーには大きな恩恵があった。最終的にブルーノがシュートを放ち惜しくもザバルニーのブロックに阻まれた64分のシーンでも、ヴェフホルストがDF裏に走り込む動きを見せていた為にボックス内にスペースが生まれている。

 

ボーンマスは更にアッタラ,ヴィニャを投入し右サイドのユニットを丸ごと入れ替え、ユナイテッドはオープンになったところでのガルナチョで追加点を狙う。個の質という意味においてはチェリーズの中でアッタラは抜きん出ており、エリクセンとリンデロフを立て続けに抜き去った74分の場面などユナイテッドにとっては嫌な存在であった。

 

その後も追加点のチャンスを作りながらGKの活躍やセネシ,サバルニーの球際の強さに阻まれて終盤に突入したこの試合。84分の守備ではエリクセンとショーがあまりに容易に無力化され、アッタラのスルーパスに抜け出したムーアに決定機を許すもデヘアが足で対応しこれをセーブ。

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アディショナルタイムに入ってもマクトミネイが欲を出してノーチャンスのミドルシュートを選択しチャンスを失った上に相手にボールを与えたり、放り込みのこぼれ球からセネシのボレーが紙一重で枠の上を通るなどひやひやさせられる展開だったが、何とか鬼門のアウェイゲームを勝ち切って勝ち点3獲得。

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データ

 

Standard

 

シュート数は10:20と2倍の差が付いているがオンターゲットでは僅か1つに縮まっている事からもユナイテッドのゴール欠乏症の深刻さがよくわかる。理由としてはアタッキングサードにボールがある際の非ボールホルダーの動きが不足している点が挙げられるだろう。

 

チャンネルやCB-FB間を斜めに裂いて裏へ走る回数は非常に少なく、逆にDFに密着したところから瞬間的なダッシュでボールを受けにくる選手もあまりいない。ただただそこにうろついて足元へのパスを要求するばかりなので、どうしてもブロックの外を回すだけでノーチャンスの時間が増えてしまう。故にそれが出来る数少ない選手であるサンチョやアントニーが指揮官に重宝されるのも納得だ。(今回のサンチョは微妙だったが)

 

こうして裏を狙うオフ・ザ・ボール注目すると、相手のワンタッチを挟んだとはいえカゼミロのバイシクルシュートに関してもブロック守備の外から走り込んでエリクセンのロブパスを引き出した動きの時点で勝負が決まっていたことがよくわかる。

 

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ポゼッション時のボールプレーの性急さと並びカゼミロをアンカーではなく一列前に起用したくなる理由の1つ。

 

 

 

xG

 

参照:

Bournemouth 0 - 1 Manchester United (May 20 2023) | EPL | 2022/2023 | xG | Understat.com

 

ゴール期待値は0.82 - 1.72でアウェイチームがリード。ボーンマスは終盤にDFの背後に走り込んだムーアのチャンスは期待値の高いものであったが、GKの対応しやすい角度だった事もあってこじ開ける事は出来ず。

 

一方、ユナイテッドの方もカゼミロのバイシクル以外はゴールエリアでの得点機会を中々作る事が出来ず、最後の所で縦横斜めと相手のブロック守備を崩すような包括的な崩しが無かったので、先発メンバーでは追加点が生まれる気配は殆ど無かったのが実情だ。ヴェフホルスト投入後はある程度の改善が見られた。

 

あとがき

 

個人的に縁起が悪いと思っていた蛍光色のサードユニフォームで試合に勝てたことに安堵しているが、画面での見辛さは不満なのでこれっきりにして下さい……

 

次節は目標を失いロッカールームでもいざこざが生じるなど波乱のシーズンを送るチェルシーとのホームゲーム。本来の力で言えばかなりタフな相手だが、この状態の彼らに勝つことが出来ないのだとすれば正直今のチームに悲観的にならざるを得ない。無事完勝して37試合目でCL出場を決定する事を信じている。