いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】FA Youth Cup制覇!! 高まる黄金世代到来への期待

2022年のFA Youth Cup決勝はオールド・トラッフォードマンチェスター・ユナイテッドノッティンガム・フォレストの18歳以下のチームが衝突し、ユナイテッドは現在トップチームに在籍するポグバ、リンガードらを擁した2011年以来11年ぶり11回目の優勝を果たしトロフィーを獲得。

 

 

ハイライト

 

 

 

 

 

 

 

The Class of 22、早期抜擢が最良とは限らない?

 

結論から言えば、22世代の前にまずは2000年±一年生まれの選手達をトップチームに定着させる事が最優先ミッションだと私は考えています。

(筆頭のグリーンウッドがああなったのは残念でならない)

 

中央で存分にボールスキルの高さを見せつけたコビー・メイヌーやイサク・ハンセン、バックスではマルク・フラドや失点時のミスはあったとはいえそれ以外は安定感のあった守護神ラデク・ヴィテクなど、まだそれほど過熱した注目を集めていなかった選手もそれぞれファンに名前を売り、大団円を迎えた2021-2022FA Youth Cup。

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リーグ最終節のクリスタルパレス戦や来期のチームで彼らをトップチーム入りさせるべきだという声も高まっていますが、ユナイテッドの過去の歴史を踏まえるとプロデビューに際しては慎重すぎるくらいが丁度いい。

 

08/09シーズン、アストンヴィラ戦でクライフターンからのシュートでネットを揺らしチームを救う勝ち越し弾で一躍ヒーローとなったフェデリコ・マケダ、デビュー戦2ゴールもその後は鳴かず飛ばずだったジェームズ・ウィルソン、鬱屈としていたモイーズ期のチームで数少ない光であったアドナン・ヤヌザイなど、傑出した才能の片鱗を見せながらも試合経験を積ませられずに赤い悪魔の恒常的な戦力にすることが出来なかった選手は多数います。

 

勿論、いくら順調なステップを歩ませても補強や当人の怪我など、様々な要因で上手くいかない事の方が多いというのが事実ですが、早すぎる抜擢は例えピッチ内で成功を収めたとしても精神面や肉体への負担が大きく、順調に見えたグリーンウッドやラッシュフォードでさえもその毒牙に蝕まれた(前者に関しては本人の資質の問題だったのかもしれないが)というのが21/22シーズン。

 

 

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例えば、決勝の2ゴールで一躍スターレットに名を連ねたアレハンドロ・ガルナチョは既にInstagramのフォロワー100万人越えを達成するなど急速にフットボールピラミッドを駆け上っていますがまだ17歳のティーンエイジャー。

 

2点目のゴールパフォーマンスで脱いだ際に分かったように敬愛するCR7に比べればまだまだ上半身の筋肉も薄く、トップチームのボディーコンタクトに身体が耐えきれるかどうかは分からない。また、LWを主戦場にする彼がサンチョを差し置いてまでファーストチョイスになる可能性は低く、バックアップ扱いでトップチームに帯同すれば試合経験を積めないまま月日だけが経過する未来も十分に考えられます。

 

身体の成長と相談しながら試合に継続して出場できるカテゴリーを選び続けていくというのが個人的に最も成功できる可能性の高いルートだと思っているので、そういう意味ではハンニバル・メイブリやショラ・ショレティレといったスター候補を安易にトップチームのベンチに塩漬けにしない事については概ね好意的に見ており、ローンに出ているジム・ガーナ―、ディラン・レヴィット、イーサン・ガルブレイスの中盤3人衆のうち1人以上をトップチームに定着させる事が出来れば場所探しの面でも今の体制が正しい方向に向かっていると判断していいかもしれない。

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2011年優勝メンバーの現在地

 

11年前の決勝では、現在ユナイテッドのトップチームでキャプテンを任されるハリー・マグワイア擁するシェフィールド・ユナイテッドと対戦し、2戦合計6-3でレッド・デビルズが勝利を手にしている。(この時はまだ2マッチ制)

 

自らの記憶を頼って当時を振り返ると、ポグバ,モリソン,キーン兄弟,タニクリフ,リンガード辺りの評価・注目度が高かったという印象を持っていますが、そんな彼らの11年後の近況はどうなっているかをざっくり確かめてみようと思う。

 

スタメンは2戦とも同じ11人で、当時のサブは5人制で1戦目と2戦目で二人入れ替わっているので対象者は18人。

 

 

サム・ジョンストン


 同時期に同年代のダビド・デヘアがクラブに加入した事でトップチームでの出番は無かったが、アストンヴィラへのローンで大きく飛躍。2018年夏にWBAに完全移籍後はバギーズの守護神としてプレミア昇格、そしてスリーライオンズ入りも果たし、2022年夏のマーケットでは激しい争奪戦が予想される。

 キックの飛距離が長く、これまでのキャリアで2度アシストを記録している。

 

 

マイケル・キーン


 トップチームではカップ戦4試合、PL1試合に出場。本格的に才能が開花したのはバーンリー加入以降で、その後はクラレッツとトフィーズの2クラブでこれまでにプレミアリーグ200試合以上に出場するなどリーグ有数のセンターバックに。ただ、今季は不安定なプレーが続きクラブも降格の危険に瀕している。

 

 

ショーン・マクギンティー


 トップチームでの出場はなく、SAF体制で最後に放出された選手でもあるマクギンティーは完全移籍したシェフ・ユナイテッド、ロッチデールでも苦戦が続いた。以後はノンリーグからの再出発を図り、現在はスコティッシュ・チャンピオンシップ(2部相当)のエア・ユナイテッドでレギュラーCBとしてプレー。

 

 

トム・ソープ


 ユースカップではゲームキャプテンを務めたソープ。世代別代表にもU-16からU-21まで選出され続けるなど期待度の高いヤングスターだったが、プロキャリアは思うように行かず2018夏にインド・スーパーリーグのATKを退団して以降クラブに所属した形跡はなく、地元紙Manchester Evening Newsをもってしても現在の動向は分からなかったとのこと。

 

www.manchestereveningnews.co.uk

 

 

ミケーレ・フォルナシエ


 フィオレンティーナのユースチームから加入したフォルナシエは2013年夏に母国イタリアのサンプドリアに完全移籍し、加入後のシーズンはセリエAで10試合、16/17シーズンにはペスカーラでセリエA22試合に出場。その後はローンも挟みながらペスカーラパルマクレモネーゼと渡り歩き、今季はセリエC-ジローネC(イタリア3部は20×3グループの60クラブ)のモノポリでプレー。

 

 

ライアン・タニクリフ


 ユースではポグバと2センターでプレーしていたタニクリフ。息子のトップチームでのプレー実現という賭けで10,000ポンド勝ったという父親のエピソードが有名ですが、彼自身はそのひと月後には飲酒運転での事故を起こすという汚点も。

 2014年1月、後述するラーネル・コールと共に、SAFのアシスタントを務めたレネ・ミューレンスティーンが指揮するフラムに完全移籍で加入したが、頼みの綱のレネがすぐさま解任されると後任のフェリックス・マガトの構想から外れ居場所を失った。

 その後はチャンピオンシップのクラブを転々とし、今季からはリーグOneのポーツマスでプレー。

 

 

ポール・ポグバジェシー・リンガード

 

現在もマンチェスター・ユナイテッドのトップチームに在籍する彼らに関しては説明不要でしょう。

 それぞれ今季終了後に契約切れを迎えクラブを離れる可能性が極めて高く、時折物議を醸す言動があった事は確かですが、ポグバは他の選択肢もありながらクラブに復帰してくれた事、リンガードはローンを除けば赤い悪魔一筋でクラブを支えてくれた事に対する感謝は今後も決して忘れません。

 

 

ウィル・キーン


 2011年の決勝では2戦合計3ゴール、次代のストライカーとして輝かしい未来が待っていると思われたウィル・キーンですが、彼のキャリアは常に怪我との戦い。

 2012年5月、U-19イングランド代表の試合で前十字靭帯断裂の大怪我を負い、2016年2月には鼠径部の怪我でシーズン終了まで離脱。そのオフにマイク・フェランが監督を務めるハル・シティへ完全移籍で加入しますが、11月には再び前十字靭帯を損傷。3度の長期離脱は計900日強にも上り、最初の怪我からの6年のうち半分はリハビリという非常に残酷なキャリアを強いられてきました。

(参考:UTD Unscripted Will Keane reflects on career so far time at United | Manchester United)

 転機が訪れたのはウィガンへの加入で、最初のシーズンとなった20/21はリーグ戦32試合10G5A、今季は44試合26G6AでリーグOne得点王に輝き、そんな彼の活躍もあってウィガンは首位でチャンピオンシップへの昇格を果たしています。

 

レスターのジェイミー・ヴァーディやブライトンで二桁得点を2度達成しているグレン・マレーのように30歳前後でトップリーグへ初挑戦し結果を残したストライカーもいるので、キーンにもここから逆襲のストーリーが開かれているかもしれない。

 

 

ラヴェル・モリソン


2011年の優勝メンバーの中でも最も早くトップチームへの切符をつかみ、将来のトップチームの絶対的な主力になると誰もが疑わなかったモリソンのプロ生活はピッチ外で起こした数々の問題にも足を引っ張られ、20/21終了時点で一度もリーグ戦30試合以上の出場なしという期待とは程遠いものとなっていた。

 しかし21/22シーズン、管財人を置くなど危機的な財政問題に加え、その件で勝ち点-21という厳しいペナルティの中で戦ったダービーで遂に主力として1年を戦い抜き、トップ下を中心にリーグ36試合に出場,4G4Aを記録。監督が彼を知るウェイン・ルーニーであった事もプラスに働いたのかもしれない。

 

 

ジリアーノ・ファン・フェルゼン

 

アヤックスユースから加入し決勝のスタメンでは最も若い94年4月生まれだったファン・フェルゼン。19歳の夏にユトレヒトのアンダーチームにフリーで移籍し同シーズンにはトップチームで5試合に出場。キャリアの主戦場はオランダの2部リーグだが、エールディビジでも通算40試合のキャップを持っている。

 

 

ジョン・コフィー

 

2007年、当時14歳の若さながらリバプールとの争奪戦を制し100万ポンドの移籍金を支払ってバーンリーから獲得、所謂ワンダーキッド候補だったコフィ―。しかしながら、怪我,指揮官との不和,リーグへの適応などいくつかの大きな要因に阻まれプロとしては大成することなく、2020年にフィリピンのグローバルF.Cを退団して以降はピッチに立っていません。

 The Athleticのインタビュー記事によれば今後はコーチングとメンタリングに焦点を置き、指導者としての歩みを始めているとのこと。

 

theathletic.com

 

 

アルベルト・マサッチ


決勝では2試合にベンチ入り。2012年7月にユナイテッドを離れて以降はイタリアに戻り、15/16シーズン,セリエDのVFコッリジャーナで16試合に出場したのを最後にプレーした形跡はない。

 本人らしきLinkedinアカウントによれば、2022年現在はシエナ大学(Università degli Studi di Siena)の経済学部博士課程に在籍中。

 

 

ジョー・コル


当時のU-18チームのリザーブGKで、2012年夏に出場機会を求めてユナイテッドを退団している。トライアル期間を経てアイルランド1部リーグのデリー・シティに加入するものの、トップチームで出場することはなく半年後にはここも退団。その後、生まれ故郷のアイルランド ドニゴールに戻って以降の経歴を辿ることは私の力では叶わず。

 

 

タイラー・ブラケット

 

プロデビュー後、ルイ・ファン・ハールの下で一定の出場機会を経た事でそれなりに知名度を誇るブラケット。左利きで体格に恵まれ、20歳でトップチームのメンバーに定着しかけた事で一時は期待度も高かったがセルティックへのローンが失敗に終わり、そのシーズンのオフには完全移籍でレディングへ加入。

 レディング、フォレストの2クラブに跨りチャンピオンシップで5シーズン129試合に出場した後、今季からはアメリカに新天地を求めMLSシンシナティ・レッズでプレー。

 

 

ラーネル・コール


アンダー世代ではCFやウイングなど攻撃的なポジションをどこでもこなしたエース級で、プロデビューは2011年9月のEFLカップ リーズ戦。ただ、赤い悪魔のトップチームで巡ってきた出場機会はこの1試合に留まり、タニクリフと共に完全移籍で加入したフラムでも3シーズンで僅か1試合。

 16/17にはローン先のインバーネススコティッシュ・プレミアシップ21試合に出場するがインパクトを残す事は出来ず、その後は徐々にプレーするディヴィジョンを下げていき、ノーザンプレミア(イングランド7~8部相当)のラドクリフFCを退団以降はどのクラブにも属していない。

 因みに、リンガードとは子供の頃からの友人で、2020年のCovid-19によるリーグ中断期間中には共にトレーニングに勤しんでいたという報道も。

 

 

ゼキ・フライヤーズ

 

地元出身でブラウン,リンガード,ラッシュフォード,ウェルベックなど、後のトップチームメンバーも多くプレーし現在でも多くのアカデミー生を送り出すフレッチャー・モス・レンジャーズFC経由でユナイテッドに入団と正に秘蔵っ子だったが、トッテナム加入に際しルール違反ギリギリの手法を取った事で禍根を残してしまった。

 スパーズ→イーグルスプレミアリーグのクラブを渡り歩いたもののいずれもバックアップ止まりで、その後いずれのクラブ、いずれのディヴィジョンでもレギュラー獲得には至っていない。現在はナショナルリーグ・サウス(6部相当)のウェリング・ユナイテッドに所属。

 

 

トム・ローレンス


同年代にはウィル・キーン、リザーブチームにはフェデリコ・マケダ、ジョシュア・キングとライバルが多くプレー時間はそれほど多くなかったが、数少ないチャンスを活かし2014年5月のPL vsハル戦でトップチームデビューを飾った。

 その年の9月にはレスターと4年契約を結び、ミラクルレスターと称された15/16シーズンもクラブに在籍したがローンに出ていた為メダルは受け取れていない。16/17シーズン、イプスウィッチでチャンピオンシップ9G11Aの好成績を残して以降は同ディヴィジョンで安定して結果を残し続け、今季も苦しい戦いが続いたダービーで11G5A。モリソンと共にチームと指揮官ルーニーを支えた。