いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #LIVMUN 】4-0惨敗。付け焼刃の5バックで敵う相手では無かった

21/22イングリッシュプレミアリーグ

リバプールvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

 

"Apart from goalkeeping, we need to improve the squad in ALL areas"  

非常に厳しい言葉ですが、正しくあらゆるポジションに問題がある事が明瞭になったアンフィールドでのリバプール戦。

 

来たる22/23シーズンを前に既にクラブ内部では改革が進んでおり、チーフスカウトのJim Lawlor、グローバルスカウトのトップ Marcel Boutが夏のマーケットを前にチームを去る事が明らかになっていますが、あらゆるセクションで過去に例を見ない大規模な血の入れ替えが必要であり、実際にそれが行われていく事になるでしょう。

 

 

ハイライト

 

 

 

 

 

 

プレビュー

 

 

 

 

 

スタメン

 

 

ベンチ入りリバプール
5コナテ、7ミルナー、8N.ケイタ、12J.ゴメス、17C.ジョーンズ、20ジョタ、21ツィミカス、27オリギ、62ケレハー

マンチェスター・ユナイテッド
3バイリー、8マタ、14リンガード、25サンチョ、26D.ヘンダーソン、27テレス、39マクトミネイ、46ハンニバル、75ガルナチョ

 

ジョーンズ、ラッシュフォードがスタメン入り。

試合のテンポにこの中盤でついていけるかは不安ですが故障者リスト入りではどうしようもない。マクトミネイはメンバー入りしたものの、よほどの緊急事態でない限り出場はないと指揮官も語っています。

 

 

試合内容

 

前半

 

Man Utd:バックラインとシステムの構成

 

メンバー表の上では左からダロト-マグワイア-ジョーンズ-リンデロフ-ワン=ビサカという5人の最終ラインでしたが、実際に試合が始まってみるとリバプールの3トップに対しダロト~リンデロフの4枚で対処し、ワン=ビサカはLBのロバートソンをマークするのでかなり高い位置からプレスに参加していました。チームのエンゲージラインも高めに設定されていたので実質4-5-1、チャンスメイクで最も警戒しなければいけないRBのアレクサンダー=アーノルドにはエランガがつく形。

 

この非対称な可変システムがどうなったかというのが前半の明暗を大きく分けており、最初の失点にも影響が色濃く見られているので振り返ってみましょう。

 

 

1失点目

 

5分、最終ラインからショートパスを繋いだリバプールはユナイテッドの左サイドで数的優位を作り出しマネのスルーパスに抜け出したサラーが反対サイド待つルイス・ディアスに最高のお膳立て、完全にアウェイチームの守備ブロックを無力化して先制。

Embed from Getty Images  

 

得点に至るまでの一連の流れを鷹の目視点で捉えた映像をみると、アーノルドのマークを担当するエランガが彼のレイオフに全くついていけず、同サイドでダロト1人に対しTAA、サラーの2枚という状況を作られてしまった事とその後マネに楔が入った際のマグワイアの中途半端なプレッシャーが直接の要因となっています。

 

前線の横スライドも遅く、ポグバも足を庇う素振りを見せているとはいえ全く守備に参加せず、結局この数分後にリンガードと入れ替わりで早々にピッチを後にしていますが、中2日続きでも上記のような質の高いランニングを見せるホームチームの面々と比較すると純粋なフィジカル面でも大きく差を付けられていると断言せざるを得ない。

 

 

失点から2分後の7分にはこの試合の前に双子の赤ん坊のうち男児を亡くし悲しみの中にあるクリスティアーノ・ロナウドへスタジアム全体で連帯を表明し、およそ1分間拍手と(アンフィールド開催という事もあって)You’ll Never walk aloneの大合唱が行われた。

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2失点目

 

22分、1点目と同じように後方から一度もボールを奪い返す事が出来ずボールを前進させられたユナイテッド。最後はマネのフリックに反応したサラーがGKとの1on1を制しチーム2点目を加えた。実はこれがオープンプレーでは2月19日のノリッジ戦以来2カ月ぶりの得点となったエジプトのファラオ、この試合も本調子ではないように見えたがそれ以上にユナイテッドの守備が杜撰過ぎたのかもしれない。

 

またしてもリバプール視点の映像なのが悔しいですが(SNSの使い方も明確にあちらに差を付けられている気がする)、前線からのプレスと言ってもどのフェーズでもタイトなマークは付いておらず、スライドも遅いアリバイ守備である事がモノの見事に明らかになっています。

ラストパスを出すマネの前に少なくとも4つは潰しに行けた場面があったので、OB,解説者,ファンダム皆一様に感じる選手のやる気の無さのようなものはこういったプレーの積み重ねであると考える事も出来るでしょう。

 

35分にもユナイテッドのCK後、ボールをGKにキャッチされたにも関わらずダラダラと歩くライバルクラブの選手をよそにパントキックからカウンターを仕掛けたリバプール。一度ボールを奪取されるも高い位置で取り返しルイス・ディアスが再びネットを揺らしますが、今回はオフサイドに救われる。

 

38分、リンデロフのドンピシャロングフィードが裏抜けを試みるラッシュフォードに通りますがトラップする事が出来ずこのお膳立てをフイに。結局前半は一度もシュートを打てず2点のビハインド以上の絶望感を伴って折り返し。

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後半

 

サンチョ投入、完全なる4バックに変更し一時は優位に立つが

  • ジョーンズに替えてサンチョin
  • 中途半端な陣形からお馴染みの配置に戻す
  • 中盤の構成はマティッチ底の1+2と上記の2+1を併用しているように見えた
  • 前半最後の方から継続して(主にサラー対策)フルバックの左右を入れ替え

 

HTで喝が入ったのかプレス強度とボディコンタクトの強さがいくらか改善され、攻撃も主にサンチョの仕掛けからボックス内に侵入するシーンが増えて55分にはそのサンチョがようやくチームの初シュートを記録。

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プレビューで指摘したように日程の厳しいリバプールは2点リードという事もあってペースを落とし付け入る隙が生まれます。63分~64分にかけて、カウンターから相手陣内でボールを繋ぐユナイテッドはサンチョの中への切り込み、そこからDF裏へのスルーパスでラッシュフォードの決定機が訪れますがアリソンとの1on1を決めることが出来ず、こぼれ球に反応したエランガも同じくGKにボールをぶつけてこの好機を逃す。

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結果的にこのプレーは最初のパスでオフサイドフラッグが上がっていたので例え決めていても無効となっていましたが、そうだとしてもこれを決められないようではアタッカーとして失格の烙印を押されても致し方ないくらいの場面。

 

 

3,4失点目、ハリー・マグワイア

 

67分、リンデロフからの縦パスをエランガが壁になれずあっさり奪われるとリバプールのカウンター。ロバートソンがインに切れ込む素振りを見せながらキャリーし外のマークを緩めると、ルイス・ディアスのグラウンダーにバックステップでフリーになっていたマネがインサイドで合わせて3点目。

 

 勿論、結果的にパスミスとなった最初のシーンがキッカケである事に違いはありませんが気になるのはマグワイアの後退守備。ロバートソンのキャリーにバックステップで戻る所では一度も首を振って後方をケアする仕草を見せず、配置的に自分が担当するべきマネの動きを全く追えていません。ショー、ワン=ビサカらと共にこのスキャンニングを怠る傾向は昨季以前からちょくちょく指摘されていましたが、トップレベルの選手が見せていいプレーではない。

 

 

そして85分、それほどタイトなプレスがかけられている訳でもない場面で途中交代で入ったばかりのハンニバルへあまりにも不親切なマイナス方向へのロブパスを送り、そこからボールを奪われ4失点目。これに関してはシンプルに理解不能、何故あのパスを選択したのか本当にわけがわからない。

 

終盤には更なる追加点の危機をワン=ビサカが持ち前のスライディングタックルで防ぎ前回よりも失点を少なく終えたとはいえ、対リバプール2戦合計9-0はリーグ創設以来のワースト。

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スコアラー⚽5分:ルイス・ディアス(👟モハメド・サラー)
22分:モハメド・サラー(👟サディオ・マネ)
65分:サディオ・マネ(👟ルイス・ディアス)
85分:モハメド・サラー(👟ディオゴ・ジョタ)

 

選手交代

 

リバプール

70分 L.ディアス🔁ジョタ

80分 チアゴ🔁N.ケイタ

86分 ファビーニョ🔁ミルナー

 

マンチェスター・ユナイテッド

10分 ポグバ🔁リンガード

46分 ジョーンズ🔁サンチョ

84分 エランガ🔁ハンニバル

 

 

データ

 

 

これは本当に同一ディビジョンのクラブ同士の対戦なのかと思わず顔を背けたくなるようなリバプールの完全支配。

 

スタートから出ている選手のタッチ数を比べるとGKのアリソン(70回)を上回るユナイテッドの選手が誰1人いないという惨状で、もし日程に余裕がある状態で彼らが試合に入っていたら一体どうなっていたのだろうというのは考えたくもない。

アウェイチームの選手で辛うじて通用していたのはサンチョと左右を入れ替えた後のフルバック2人くらい。

 

 

xG

 

参照:

Liverpool 4 - 0 Manchester United (April 19 2022) | EPL | 2021/2022 | xG | Understat.com

 

これが今の力の差。

xGは実際のスコアほど開いていませんが、このレベルの相手にペナルティボックス内ゴール正面で7回ものシュートチャンスを許せば4失点も当然。

 

翌日の試合でアーセナルチェルシーに勝利したので勝ち点3差のリードを許し直接対決を迎える事になりましたが、正直に言えばこの故障者大量状態、試合毎の戦い方もバラバラな状態でどうすれば勝てるのか、最早ロナウドの3度目のハットトリックくらいしか無いのではなかろうか。