試合間隔が空いたので丁度いい機会だと思い立ち、どのようなシステムが人気なのか、順位との共通点などを見つけられればと今シーズンのプレミアリーグ20クラブのフォーメーションを調査してみました。
使用データは期待値を始め、欧州5大リーグとロシアの様々なスタッツを算出しているunderstat.comより参照しています。注意点として、昨今のフットボールでは攻撃と守備で大きく役割やポジションを変える所謂可変システムを採用するチームが多く、このデータだけを見て全てを判断する事は出来ません。
結論からいえば、大まかに分類すると
- 4バック
- 3バック
- 5バック
の順番で使用されており、最も人気を集めているシステムは
4-3-3(4-1-2-3)です。
スタッツ
(見辛かった場合は
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1_39jlJsXLJNOsDnx9EO2PBBYz9SnXV8Qp5BJZjSkHDI/edit?usp=sharing)
最も長く使ったフォーメーション
※()内はリーグ順位
データは2021年12月23日時点のもの
近年のプレミアリーグにおける4-3-3といえば、ゲーゲンプレスをイングランドに広めたユルゲン・クロップのリバプールがその代表例ですが、understat.comによればクロップとはプレースタイルやタイトル数など指揮官同士で比較される事の多いペップ・グアルディオラのマン・シティもまた、このフォーメーションの使用時間が最も長いということが判明しました。
4-3-3(4-1-2-3)→5クラブ
Man City(1):1598分
Liverpool(2):1607分
Aston Villa(10):669分
Crystal palace(11):1125分
Norwich(20):643分
4-2-3-1→4クラブ
West Ham(5):1433分
Man Utd(6):1042分
Tottenham(7):611分
Leicester(9):583分
4-4-2→2クラブ
Southampton(15):1329分
Burnley(18):1338分
4-4-1-1→2クラブ
Arsenal(4):731分
Everton(14):993分
4-1-4-1→2クラブ
Leeds(16):667分
Watford(17):772分
3-5-2→2クラブ
Brentford(12):1292分
Brighton(13):519分
3-4-2-1→1クラブ
Chelsea(3):1256分
3-4-3→1クラブ
Wolves(8):961分
5-3-2→1クラブ
Newcastle(19):456分
フォーメーションのパターン
最少:Man City➡2個
最多:Aston Villa,Brighton➡10個
上位チームは使うフォーメーションの数が少なめで、メインのものを長時間使用している傾向があるかもしれない。また、数多くの陣形を使っているチームを個別に見ると、不安定なシーズンを送っているクラブばかりで、特に8~10個のシステムを使用した所は5/7で指揮官の交代が発生しています。
(個人的な感覚でいえば、このグラフは左上に行けば行くほどクラブが指揮官に抱く信頼が大きくなっているように感じます)
期間:開幕から12月23日まで
1位:4-3-3 ⇒6438分
2位:4-2-3-1 ⇒6118分
3位:4-4-2 ⇒3801分
4位:3-5-2 ⇒2822分
5位:3-4-2-1 ⇒2560分
20クラブ全体の使用時間を集計するとこのような結果となりました。
イングリッシュ・フットボールといえばフラットな4-4-2が代名詞とされていましたが、現在では3トップやトップ下を置くシステムに押され気味。逆に3バックは2000代中盤に一度廃れかけましたが、マンツーマンディフェンスとの相性が良く、WBの質次第では攻撃時にも数的優位を作りやすいという事で勢力を再拡大したのかもしれない。