先週末のプレミアリーグでは、VARを巡って多くの疑惑の判定が生まれましたが、中でもウエストハムvsマンチェスター・ユナイテッドの試合は不可解なジャッジが続出して主審を務めたマーティン・アトキンソンとVARダレン・イングランドの両名にはファンのみならず記者や解説者らからも批判の声が上がっています。
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その中でも特にマンチェスター・ユナイテッドとアトキンソンにはただならぬ因縁があり、今回はその2008年のFAカップ準々決勝を振り返ります。
07/08 FA Cup 準々決勝 vs Porsmouth
このシーズン、FAカップを制すことになるポンペイですが6回戦では審判に救われる形でオールド・トラッフォードでのマン・ユナイテッド戦を勝ち上がっています。
問題の場面は前半7分。
低い位置に降りてきたウェイン・ルーニーのサイドチェンジを受けたクリスティアーノ・ロナウドはファーストタッチで対面するLB(ヘルマン・フレイダルション)を置き去りにして一気にボックス内に侵入。
そのままゴール一直線に向かうロナウドに対しカバーリングに来たシルバン・ディスタンは明らかにボールではなく身体に向かう突進でロナウドを吹っ飛ばしますがアトキンソンは笛を吹かずにそのままプレーオン。
何度見ても進路妨害だけを狙ったタックルにしか見えませんが、、、
何の因縁かこの当時も当事者になったのはクリスティアーノ・ロナウドであり、13年以上の時を経て再びアトキンソンが致命的なミスジャッジをロナウドのプレーに関して犯していると2008年当時のユナイテッドファンに話した場合、どのようなリアクションを取るのだろうかと思わず考え込んでしまいます。
(私なら"何の冗談だ?"と笑い飛ばした後にその深刻な表情を見て消化しきれない怒りに包まれるかもしれない)
更に疑惑の場面は続きエドウィン・ファン・デル・サールが前半で負傷交代し、代わりに入ったトマシュ・クスチャクが一発レッドを提示された76分のシーンでは、ミラン・バロシュとクスチャクが接触した段階でゴール前にはまだアンデルソンとルーニーの2名が残っていたにも関わらず決定的な得点機会の阻止として退場を宣告。
この試合では丁度図ったかのようにユナイテッドの攻撃でGKを交わした後にカルロス・テベスのシュートをグレン・ジョンソンがライン上でクリアするシーンがあった事を見ても疑惑の判定である事が分かります。
先述のようにGKの控えを既に使い果たしているユナイテッドは急遽リオ・ファーディナンドにキーパーを任せますがPKストップは流石に無茶が過ぎる話で、試合を大半をコントロールしながら痛恨の敗戦で3冠のチャンスを失いました。
07/08と言えば皆さんもご存じの通りリーグ・CLを制したサー・アレックス体制でも98/99のカップトレブルに次ぐ成果を出したシーズンだっただけに、後年になってもこの試合のアトキンソンのジャッジは批判の対象に挙げられる機会が非常に多い。
この試合の一連の流れにはサー・アレックス・ファーガソンやカルロス・ケイロス(当時のアシスタント)の怒り心頭で、前者はTVのインタビューで(Martin Atkinson had been )“on Portsmouth’s side”、後者に関しては新聞記事で"a robber"(盗人)という非常に強い表現を使ってアトキンソンを批判。
今回のウエストハム戦の判定に怒り狂うファンがとても多い理由としてはこのような背景があると分かってくれれば本望です……
また、私の結論としては、アトキンソンには一刻も早くレフェリーを辞していただき、ダレン・イングランドに関しても何らかの処分を検討すべきと考えています。
Manchester Evening Newsでは更に過去に遡って事細かにアトキンソンのジャッジに関して書かれており、ユナイテッドサポーターなら必見の記事かも。