2020夏の移籍ウィンドウでは常に合意間近と報道されながらも結局獲得には至らなかった事で、一部のファンやサポーターの間ではエゼキエル・ガライ、或いはニコラス・ガイタンに続く噂止まりで獲得に至らない毎年の風物詩になってしまうのではないかという不安も駆け巡っていましたが、日本時間7月1日早朝、Fabrizio Romano(@FabrizioRomano)やDavid Ornstein(@David_Ornstein)といった移籍情報における報道Tierの高い記者から一斉に合意のアナウンスがツイートされています。
Jadon Sancho to Manchester United... HERE WE GO! 🚨🏴 #MUFC #Sancho
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) June 30, 2021
Done deal confirmed. Agreement reached between Manchester United and Borussia Dortmund.
€90m with add ons. Agents fee and personal terms agreed, contract until 2026.
Medicals pending - then it’ll be official. pic.twitter.com/VBto2JqbtK
🚨 Manchester United and Borussia Dortmund have total agreement for the transfer of Jadon Sancho to Old Trafford in an €85m deal. 21yo winger has green light to finalise personal terms and undergo a medical before completing move @TheAthleticUK #MUFC #BVB https://t.co/7H8rT5QJax
— David Ornstein (@David_Ornstein) June 30, 2021
そして1日夜にはクラブ公式から正式にサンチョ獲得についてドルトムントと基本合意に至った事が発表され、私も含めてマンチェスター・ユナイテッドのファン・サポーターは正に狂喜乱舞😎
ブルーノ・フェルナンデスを中心として左にマーカス・ラッシュフォード或いはポール・ポグバ、右にジェイドン・サンチョという布陣はチャンスメイク得点力共にプレミアリーグひいてはフットボール界全体でもトップクラスの力を有しているであろう事は語るまでもありませんが、今回は実際にサンチョがどのような起用法でユナイテッドでのファーストシーズンを過ごす事になるのかについて他のプレイヤーの状況なども考慮しつつ考えてみたいと思います。
シーズン序盤:ラッシュフォード手術ならばLWでの起用も
マーカス・ラッシュフォードがEURO2020終了後に肩の手術を行う可能性があり、ポール・ポグバも契約期間残り1年という事で今後どのような動きがあるかは未だに不透明な状態。
LWの候補はこの2人が基本になると考えられますが仮に2名とも起用できない状況に陥った場合にはサンチョ自身が最も得意としている同ポジションでの一時的なスライドも十二分に考えられます。
Smarterscoutのスタッツを見てもサンチョが(左右問わず高いクオリティを有しているとはいえ、敢えて言うならば)左サイドを最も得意にしている事は一目瞭然ですので昨季の課題の1つであったラッシュフォードかブルーノ・フェルナンデスのどちらかが欠けている試合での得点力不足という問題の解決策になり得ます。
▼レーダーチャート
(参照:https://smarterscout.com/search/players/60deba3a657a0e201d64c482 )
中盤以降:RWが基本線。クオリティを落とさずハイレベルなターンオーバー が可能に
上記のレーダーチャートから見ても分かる通り、サンチョは今のチームにはいない曲線タイプのプレイヤー。更にドリブルの指標だけを見るならばRW>LWとなっています。
アーロン・ワン=ビサカとメイソン・グリーンウッドのペアが多かったマンチェスター・ユナイテッド右サイドの攻撃力不足という問題に関しても独力でフィニッシュまで持っていけるサンチョはこれ以上ない解決策。RWでプレーする際はハーフスペースでのプレーを好む傾向にあるのでタッチライン際を上下動するワン=ビサカとの相性もスタッツから見る限りは良好。
更にいえば、未だイングランド代表に一度も招集されていないワン=ビサカにとっても将来のスリーライオンズの核になるであろうサンチョとのペアが確立すればマグワイア、ルーク・ショーとの連携面も含めて代表常連メンバーに成れる可能性が大きく増すのではないでしょうか。
≪仮想スカッド≫(2021-07-02時点)
*6月いっぱいで契約期間が満了した選手の中でもリー・グラント、フアン・マタの2名に関しては来季の契約を考えているという報道がされていますが、今のところは何も新情報が入っていないので今回はスカッドに加えていません。
サンチョの移籍金支払いは5年分割と報道されており、それが事実ならばまだ今夏の予算は残っているでしょうから今後ラファエル・ヴァランやデクラン・ライスを筆頭に名前の挙がる選手のうち何人かを加える可能性もあります。
一方でアクセル・トゥアンゼベ、ブランドン・ウィリアムズにはドライローンでの放出の噂がある状況。ジェシー・リンガードとディオゴ・ダロトはレンタル先への完全移籍も考えられるのであくまで現状のラインナップ。
*BREAKING!!
記事を出してから丁度1時間後の7月2日19:00にフアン・マタとの2022年6月までの契約延長が発表されました👍
2️⃣0️⃣2️⃣2️⃣ 🔏
— Manchester United (@ManUtd) July 2, 2021
🪄 @JuanMata8 has extended his stay at United! 🔴#MUFC
昨季もチャンスメイク面では短い出場時間ながら90分換算でブルーノに次ぐスタッツを記録していたので、彼の残留は非常に心強い。
来季もよろしくお願いします😊
おまけ:ユナイテッドはNutmeg Kingの座を不動に
▼20‐21Nutmeg(股抜き)ランキングについて
上位5人
1位⇒マーカス・ラッシュフォード:21回
2位⇒ネイマール:18回
3位⇒ジェイドン・サンチョ:16回
4位⇒キリアン・エンバペ:15回
5位⇒ピオトル・ジエリンスキ:13回
(data:Football Statistics and History | FBref.com)
ラッシュフォードは2季連続プレミアリーグのNutmeg成功数トップ。
そこに昨季欧州5大リーグで3番目の数値を記録したサンチョが加入するということで、来季のユナイテッドはワールドクラスのアタッカー2人を抱えるパリ・サンジェルマンを凌ぐ世界一の股抜き巧者のチームへと昇り詰める事が期待されます。
とはいえ、股抜き固執する余り1on1のドリブルで正対するディフェンダーにあっさりボールを奪われてしまうのは困るのでこの記録に関してはシーズン終了後に振り返るくらいがちょうどいい塩梅かもしれません。