いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #EURO2020 】ラウンド16一番のアップセット!!PK戦にまでもつれた激戦を制したのはスイス

*EURO2020 ラウンド16 フランスvsスイス戦の記事です。

 

 

死のグループと評されたグループFを1勝2分けと負ける事無く勝ち抜いた現世界王者フランス。

その原動力となっているのは"セックステープ恐喝事件"からおよそ6年ぶりに代表復帰を果たしたカリム・ベンゼマ

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一方のスイスは今大会でもゼルダン・シャキリの魔法が健在。

グループステージ3試合目、突破には絶対に勝利が必要だったトルコ戦では自ら2ゴールを奪う大活躍でStar of the Match(MoM)を獲得しチームの3vs1での勝利に貢献。

 

 

この両チームは国際大会で過去4度の対戦があり、戦績はフランス2勝2分けとスイスにとってはタフなカードではありますが前回対戦のEURO2016 グループA 第3節ではフランスはメンバーを落としていたとは言えスコアレスに持ち込んでいるので決して可能性が0なマッチアップではありません。

 

 

 

スタメン

 

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◆ベンチ入り◆ フランス:8レマル、9ジルー、12トリッソ、15ズマ、16マンダンダ、17ムサ・シソコ、20コマン、21リュカ・エルナンデス、22ベン・イェデル、23メニャン、24デュボア、26M.テュラム

スイス:2エンバブ、6ザカリア、11R.バルガス、12ムボゴ、15D.ソウ、16ファスナハト、17ベニト、18メーメディ、19ガヴラノビッチ、20E.フェルナンデス、21コベル、22F.シェア

 

フランスはここまで3バックをメインに戦ってきたスイスに合わせるような形で今大会初の3バックスタート。

そして今大会は点取り屋ではなく潤滑油の役目を担っているグリーズマンを中盤に落として攻撃は前の2枚とポグバのパスに託すような形でしょうか。

 

不安視されているのはCB中央のクレマン・ラングレのパフォーマンス。

フランス国内では彼を使うならば直前にスペイン代表へ鞍替えしたアイメリク・ラポルトの方が相応しかったのではないかという声も。

 

 

一方、スイスは第3戦と同じラインナップ。

そのトルコ戦でもサイドからキレのあるドリブル突破を見せたシュテフェン・ツバーにはこの試合でもヴァラン-パヴァールのフランス右サイドを翻弄するようなプレーを期待したいところ。

 

ここまでは不甲斐ないプレーの多いレモ・フロイラーもグリーズマンやポグバに対するキーマンになり得るので名誉挽回の試合として欲しいですね。

 

 

試合内容

 

前半:スイス思い通り、フランスは右サイド機能不全

 

序盤はフランスがエンバペ、スイスはエンボロと身体能力に優れたアタッカーにパスを集めカウンターからの得点を狙いながらお互いに牽制しあうような入りでした。

 

グリーズマンのポジションに関してはトップ下に入るのではないかという予想も多かったですが完全に左IHのような位置取りで、慣れない起用法でも全くもってそれを感じさせない彼の戦術理解の高さが垣間見えた試合でもあります。

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試合が動いたのは15分。

スイスはFKリスタートからショートパスで中央を崩すと、一旦左サイドのツバーへ展開してツバーのふんわりとしたクロスにセフェロビッチがヘディングシュートを沈めて先制に成功!!

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正直に言えば何でもないクロスだったのですがクレマン・ラングレは全く競り合う事が出来ずほぼノンプレッシャーでシュートを打たせてしまったので彼の失点と言われても仕方のない対応でした。

 

 

フランスは元来ポグバの守備面での脆さをカンテが1.5人分動き回ってカバーするような戦い方だったのですが、この日はカンテもやや疲労が溜まっていたのか普段よりは動きが重く、それに伴いフランスの守備はほぼ毎度のように左サイドのツバーかリカルド・ロドリゲスをフリーにしてしまう状況。

 

前を向いた状態でボールを受ける事が多かったツバーは積極的にドリブルを仕掛けて30分にはラファエル・ヴァランを翻弄しイエローカードを引き出すなどこの日も前半から期待通りの活躍。

 

 

前半はスイス1点リードで折り返し。

フランスとしては右サイドの守備に加え、攻撃面でもサイドにドリブラーが居なかったのでブロックを崩す手段が見当たらずただブロックの外側を回すだけの時間も多かったので修正は必須。

 

 

後半:ポール・ポグバの長短全てが凝縮された終盤15分

 

フランスはラングレに替えてアタッカーのキングスレイ・コマンを投入。

デシャン監督もやはりドリブラーを入れて攻撃の圧力を高める判断に至り、コマンは左サイド、そしてCBを一枚減らしたのでラビオをLBにスライドさせて攻撃時4-3-3、守備時はグリーズマンが右に入って4-4-2のような形へ変更しています。

 

ただ、ベンゼマとエンバペはややプレーエリアが被っているので右サイドの攻撃力不足という問題は解消されないまま。(それでもこの後あれだけ点を取るフランスの個人能力の高さには脱帽しますが)

 

 

後半も最初に好機を作ったのはスイスで、50分には縦のワンツーでヴィドマーとエンボロが右サイドを突破し、最後はエンボロの折り返しから決定機になりかけるチャンス。

 

52分にはカウンターからツバーがタッチライン際を猛スピードのドリブルで運び、ボックス内でパヴァールのファウルを誘いPKを獲得。

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PKキッカーはリカルド・ロドリゲス

ゆったりとした助走からゴール左下を狙いますがウーゴ・ロリスが完璧にコースを読んでストップし、スイスは追加点の絶好機を生かせません。

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すると、57分に敵陣でボールを奪ったフランスはショートカウンターから最後はカリム・ベンゼマのまるで足にボールが吸い付いているようなトラップから同点弾。

 

続く59分にはグリーズマンとエンバペのワンツーからボックス内を崩し最後はグリーズマンの浮き球パスにベンゼマが頭で合わせてあっという間の逆転劇。

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PK失敗から怒涛の展開で一瞬にしてリードを失ったスイスに更なる絶望が加わったのは75分。

ポール・ポグバのゲームの世界から飛び出てきたかのような完璧な軌道のカーブシュートで痛恨の3失点目を喫します。

大会ベストゴール最有力のゴラッソ。ユナイテッドでもこういう得点を見せて😉 

 

 

意気消沈かと思われたスイスですがまだ炎は消えていません。

81分、フロイラーの縦パスをキッカケに最後は交代で入ったケビン・エンバブのピ温ポイントクロスからセフェロビッチがこの試合2ゴール目。

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個人技からリードを奪ったものの前半から続く守備構築の甘さは継続しているレ・ブルー。この失点もあまりにも簡単に中央の縦パスを許した事が要因なので万全を期するならばポグバ或いはエンバペを下げて守りを固めるのではないかと思っていましたが……

 

85分のスイス。

リカルド・ロドリゲスの右足シュートが意図せずラストパスになり、73分からシャキリに代わりピッチに入っていたマリオ・カヴラノビッチがゴールネットを揺らすもオフサイド

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追撃もここまでかと思いましたが90分にはポグバが時折見せるプレッシャーのかかっている局面での不要なボールキープが裏目に出てボールを奪取され、カウンターからガヴラノビッチが今度こそ完璧なシュートをゴール左下隅に沈めて劇的な同点ゴール!!

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ジャカのワンテンポ遅らせたラストパスも見事。

 

 

後半の展開を見ると正にポグバの良いところと悪いところが全て出たような終盤。

  • 3点目のゴラッソやグループステージでのアシストのようなボールを持った際の信じられないようなスキル
  • 守備時のムラ、ビルドアップやミドルサードの局面での不用意なプレー選択。

 

AT4分にはムサ・シソコの折り返しからコマンのボレーシュートがポスト直撃もゴールを奪う事は出来ず、フランスは2点リードを追いつかれる最悪の展開で延長戦突入。

 

 

延長前後半・PK戦

 

スペインに続くW杯⇒EUROの国際大会連続制覇を狙うフランスは95分に左サイドを抉ったコマンのクロスからパヴァールのボレー。スイスは絶体絶命のピンチでしたがヤン・ゾマーが右手一本でこれを弾くビッグセーブで失点を阻止します。

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その後はフランスの猛攻が続きますが90分を戦った疲れもあってかシュートは悉く枠外へ消えていき、110分のエンバペの決定機も身体を捻り切れず。

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試合は延長15分×2でも決着つかずに今大会初のPK戦へ。

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スイス1人目ガヴラノビッチ、フランス1人目ポグバはいずれも左上に強烈なキックを決めて上々の滑り出し。

その後も両チーム4人目までは全員成功で勝負は5人目のキッカーに託されます。

 

スイス5人目アドミル・メーメディはロリスの逆をつくインサイドキックでゴール右下へ完璧なシュート。

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外せば敗退のプレッシャーがかかる後攻フランス5人目のキッカーはキリアン・エンバペ。比較的短い助走を取って蹴ったボールはゴール左中間の甘いコースへ飛んでしまい、それまでに2回フランスキッカーのコースを読んでいたヤン・ゾマーが3度目の正直となるビッグセーブでスイスに歓喜をもたらしました。

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この大一番で国際大会対フランス初勝利は素晴らしい!!

本当におめでとうございます

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動画ハイライト

 

 

ゴール⚽15分:ハリス・セフェロビッチ(👟シュテフェン・ツバー)
57分:カリム・ベンゼマ(👟キリアン・エンバペ)
59分:カリム・ベンゼマ
75分:ポール・ポグバ
81分:ハリス・セフェロビッチ(👟ケビン・エンバブ)
90分:マリオ・カヴラノビッチ(👟グラニト・ジャカ)

 

選手交代

フランス

46分 in:コマン out:ラングレ

88分 in:ムサ・シソコ out:グリーズマン

94分 in:ジルー out:ベンゼマ

11分 in:M.テュラム out:コマン

 

スイス

73分 in:ガヴラノビッチ、エンバブ out:シャキリ、ヴィドマー

79分 in:ファスナハト、R.バルガス out:ツバー、エンボロ

87分 in:メーメディ out:R.ロドリゲス

97分 in:F.シェア out:セフェロビッチ

 

 

データ

 

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試合は120分間に及んだこともあり、多くのスタッツで数字が増えていますがシュート数の比率は2:1。

SofascoreのxGでもフランス3.37-スイス1.93とレ・ブルー優勢。

 

フランスとしては完全に計画ミスとなった試合で、2点リードとなった75分の段階から守備を固める選手交代を行っていればこうはなっていなかったのではと思わずにはいられません。

 

 

また、この試合は両チーム合わせて7枚のイエローカードが飛ぶ荒れ気味の展開になりましたが、この影響は勝ち上がったスイスにも大きく及んでおり、準々決勝では中盤の要ジャカが累積2枚により出場停止。

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劣勢の場面が多かったスイスにとって、パス一本で局面を打破できる彼の存在は唯一無二のものだったので正直かなりの痛手です。

 

 

試合後にはポグバとラビオが試合中に口論を続けていた、更に両者の家族間でも言い争いが起きていたなどと早速ゴシップが乱立していますが、この試合は誰か1人ではなくチーム全体での意識共有の無さ、そして展開に応じたプレーや選手交代の適切な選択を取れなかったことなど多くの要素が積もった結果なので誰か1人に責任を追及させても改善する事は無いでしょう。

 

占いでメンバーを決めていた事でも知られるレイモン・ドメネク時代の規律皆無、何もかもがジダン頼りだったチームの二の舞にはならないことを祈ります。