先日、ノリッジで20‐21 Sky Bet Championship MVPに輝いたエミリアーノ・ブエンディアのアストン・ヴィラへの完全移籍が間もなく完了すると両クラブからアナウンスされました。
今後行われるメディカルチェックに大きな異常が見当たらなければ数日中に正式発表されるでしょう。
各メディアの記者の情報を統合すると、ブエンディアの獲得について当初最も過熱していたのはヴィラと同じプレミアリーグのアーセナルでしたが、条件面の折り合いがつかなかったところにミッドランドの雄がジャックしたというのがこの交渉の裏側らしい。
さて、ヴィランズはこれでジャック・グリーリッシュ、エミリアーノ・ブエンディアと左右に世界屈指のプレイメーカーを揃える事に成功しましたが来季どのような布陣をメインに戦っていくのかを考えてみようと思います。
その1:今季最も多かった4-2-3-1ベース
ブエンディアの本職は右ウイングですが、一応センターでのプレー経験も僅かながらあるので現在のスカッドにそのまま彼を当てはめるとすればこの形が最も無難であり可能性の高いものだと考えられます。
右サイドでテクニカルなドリブルを武器に20‐21シーズンのプレミアで7G6Aをマークしたベルトラン・トラオレ、ブレントフォードから加入しトップリーグ初挑戦でクラブのイングランド人最多得点を更新したオリー・ワトキンス、そして最早説明不要のジャック・グリーリッシュとブエンディアで構成されるフロント4はリーグ全体でみても1、2を争う破壊力を秘めています。
また、ノリッジでの彼はRWといっても実際のプレー領域は逆サイドのレーンまで及んでいるので経験の少ないトップ下のポジションでもそれほど苦労することなくフィットできるはず。
アタッカー陣はシーズン二桁ゴールのエル・ガジが控えに回ってしまう程のスカッドになり、ビッグ6と比較してもこれほどまでに充実した選手層を持っているのはマン・シティとチェルシーくらいでしょう。
その2:2人のクリエイターを最大限生かす+噂を加味した4-3-3
(控えは省略)
3列目とFWの補強の噂が盛んである事を考慮して、より守備の安定感を意識した4‐3‐3も想定される陣形の1つ。
understat.comによれば、今季のプレミアリーグでこのフォーメーションは813分使用されており、xGA/90(90分辺りの失点期待値)は4‐2‐3‐1使用時より0.44点少なくなっているので攻守のバランスという意味ではこちらの方が若干優れているように見えます。
(参照:Aston Villa xG stats for the 2020/2021 season | Understat.com)
更にブエンディアの守備は19‐20シーズンのプレミアリーグで8番目、20‐21シーズンはチャンピオンシップ4番目のタックル成功数を記録するなど時折手を抜く事があるトラオレと違い”Quantity”という意味では最高クラス。
ここに関心が伝えられるウォード=プラウズの獲得まで実現すればいよいよ欧州カップ戦の有力候補の1つに挙がってくると思います。
*2021年6月8日現在、アストンヴィラの主な補強の噂は
NBAのミルウォーキー・バックスを所有しているアメリカ人投資家ウェス・エデンズ、アフリカ2番目の大富豪ナセフ・サウィリス両オーナーの抱く野望の本気度が伺える名前が並んでいます。
ウェス・エデンズ(左)、ナセフ・サウィリス(右)
ブエンディアの移籍金も£33M+アドオンと前年のワトキンスを越えて新たなクラブレコードの移籍金だと報道されているので、普通ならばグリーリッシュの放出で補填するだろうと考えられる動きですが今のヴィランズは例外かもしれません。
オーナーの資産だけで見ればマン・シティ、チェルシーに続く3番目に位置しているので資金難に苦しみジャック・グリーリッシュ売却が目前に迫っていた数年前とは180度異なる状況。
更にアカデミーもFAユースカップ優勝という成果を出し、カーニー・チュクエメカとルイ・バリーは特に今後のイングランドを背負って立つ存在と評価されているので敵目線としては恐ろしいクラブの1つです。
あとがき
①4-2-3-1ならトップ下
②4-3-3の右ウイング
個人的にはFWよりもニール・テイラー、エル・モハマディの契約満了によりバックスの控えが不足しているので、そちらの方が優先度の高い所だと思いますがそれでもこの魅力的なアタッカー陣にはワクワクせざるを得ません。
▼≪追記≫レオン・ベイリー獲得とジャック・グリーリッシュの去就について