いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

アグエロがマン・シティを今季限りで退団するとの一報を聞きサイクルの終わりを実感する

 

 

はじめに

 

マンチェスター・シティのストライカー、セルヒオ・アグエロが今夏の契約満了と共にクラブを退団する事が先日公式サイトやSNSを通じて発表されました。

www.mancity.com

 

 

シティの選手を挙げてくれと言われて真っ先に思い浮かぶのはダビド・シルバ、そしてこのセルヒオ・アグエロの2人でした。

私自身はマンチェスター・ユナイテッドのファンなので彼ら、特にダービーマッチで現役選手では最多の9ゴールを挙げて親の仇の如く活躍を繰り返した"クン"に対しては半ば恨みのような感情すら抱いたことが懐かしく感じます。

 

 

伝説になった後半アディショナルタイムの勝ち越し弾

 

彼がマンチェスター・シティの英雄になった瞬間は移籍初年度11‐12シーズンの最終節、対QPR戦でした。

 

当時プレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッドvsマンチェスター・シティの熾烈な優勝争いが繰り広げられていて残り1試合という段階でも両チームは勝ち点差なし、得失点差で順位が決まるという大接戦。

 

最終節のキックオフは慣例通り同時開催でユナイテッドはサンダーランドとのアウェイマッチ、シティはQPRとホームで対戦。

 

前者は20分にウェイン・ルーニーのゴールで先制するとブラックキャッツのシュートを3本に抑えてそのまま0vs1で勝利。

 

対する後者は非常に苦しい試合運びとなり、39分にヤヤ・トゥレのラストパスに斜めのランでペナルティエリア内に侵入したパブロ・サバレタのシュートが幸運な形でゴールネットを揺らしまずは先制点をゲットしますが、後半開始間もない48分に強面CBジョリオン・レスコットハイボール対応を誤り奇抜な髪型で有名なジブリル・シセに同点ゴールを許してしまいます。

Embed from Getty Images  

 

55分にはかつてマンチェスター・シティの希望であったジョーイ・バートンがボールと関係ない所でカルロス・テベスと小競り合いを起こし、最後は肘打ちを行ったという判定でレッドカードを提示されこれに納得できないバートンは丁度目の前にいたアグエロに膝で攻撃を加えてピッチ上は乱闘寸前。

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バートンはダグアウトへ去る前にもバロテッリらと口論になるなど、そのクレイジーな一面が出た試合でもありました。

 

10人になったQPRですが彼らもライバルチームの結果次第では降格の可能性が残っている大ピンチだったので試合を諦めず、66分には左サイドのカウンターアタックから最後は攻守に走り回る汗かき役として知られていたジェイミー・マッキーがダイビングヘッドで勝ち越しゴール。

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時計の針は90分を回り残りは僅か数分のアディショナルタイムを残すのみとなり、逆転優勝には2ゴールが必要という絶望的な状況なのでシチズン(マン・シティサポーターの愛称)ですら大半の人間は諦めていたかもしれませんがここから歴史に残る大どんでん返しが幕を開けることになるのです。

 

まずは91分、シティは右サイドから攻勢をかけ、オーバーラップしてきたサバレタのクロスはQPRの選手に当たりコーナーキックのチャンス。

守備的MFのギャレス・バリーに代わって69分から途中出場していたエディン・ジェコが元シティのネダム・オヌオハのマークを外してヘディングシュートを決めて優勝に向けて一縷の望みを残します。

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同点ゴールは許したもののこのまま引き分けで試合を終えれば得失点差から残留が確定するQPRはラインを割るロングボールを蹴ってタイムアップの笛を今か今かと待ち続けますが、先述の退場騒ぎでこの試合のアディショナルタイムは5分と長めの時間がとられていて、その瞬間は唐突に訪れました。

 

 パワープレイでシティの選手がボックス内に向かっていく中ボールを受けに下がってきたセルヒオ・アグエロテベスに代わり75分からピッチに立っていた悪童マリオ・バロテッリとのワンツーを選択。

バロテッリは倒れながらもアグエロにリターンパスを渡すと”クン”はまるでそうなる事が決まっていたかのような完璧なトラップで目の前のDFを交わし、次の瞬間にはニアサイドを撃ち抜く強烈なシュートがゴールネットを揺らしていました。

 

こうしてユナイテッドを応援している身としては思わず汚い言葉を叫んでしまうような劇的な幕切れでマンチェスター・シティプレミアリーグ優勝を決めました。

 

この一戦についてはシティのYoutubeアカウントで『93:20』と銘打っていくつも動画が出ているので気になった方はそちらを見ると詳細を知ることが可能です。

 

 

 

マンチェスター・シティでの通算成績

 

2021年3月31日時点でセルヒオ・アグエロがこのクラブで残した成績は384試合出場257ゴール73アシスト。 

 

ゴール数はクラブ史上最多の数字で出場時間で割ると107分に一度得点を挙げているという極めて優秀な結果が出ました。

 

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以外にも得点王に輝いたのは14‐15シーズン(26ゴール)の一度だけですが、リーグ戦20ゴール以上のシーズンが6度あり二桁ゴールを達成していないのは今シーズンのみという安定感は正にプレミアリーグの顔と言っても差し支えのないものでした。

 

 

この功績を称え、クラブの会長カルドゥーン・アル・ムバラク氏は現在制作中のダビド・シルバ、ヴィンセント・コンパニとシティの躍進を支えたレジェンド2人の銅像に並ぶような形でアグエロの像も依頼した事を明らかにしています。

 

“Sergio’s contribution to Manchester City over the last 10 years cannot be overstated. His legend will be indelibly etched into the memories of everyone who loves the Club and maybe even in those who simply love football. 

 

マンチェスター・シティに対するセルヒオ(アグエロ)の過去10年間の貢献はいくら強調してもし過ぎる事はありません。彼の伝説はクラブを愛する全ての人の記憶に、そしてフットボール愛する人の記憶に深く刻まれる事になるでしょう(ニュアンス的にはシティのファンで無くともという意味が込められています)

 

カルドゥーン・アル・ムバラク氏のインタビューから抜粋

-マンチェスター・シティ公式より-

 

 まだシーズンが終わった訳ではなく、今シーズンのマンチェスター・シティは勝ち点差を見ても大分余裕のある戦い方を取れるはずなので今後彼の出場機会が増えてくる可能性は十分にあります。

水色のユニフォームを纏った”クン”を見れるのは残り僅かなのでしっかりと目に焼き付けたいと思っています。

 

因みにムバラク氏によればホームでのシーズン最終戦となるエバートン戦で彼の退団セレモニーを開く計画に着手しているとのことなので、イングランド新型コロナウイルス感染状況によってはエティハド・スタジアムに数千人のファンが集まって彼を功績を称えて新たな旅路を応援する催しが開催されるかもしれません。

 

 

移籍先の候補

 

最有力はバルセロナとの見方が強く、スペインの新聞マルカ誌も彼がバルサ加入を望んでいるのではないかという記事を出しています。

 

ただ、クラブ側が彼の加入を歓迎しているかと問われるとどうやらそうではないようで、ロナルド・クーマン監督は昨夏にも獲得を希望している報道があった元マンチェスター・ユナイテッドの7番メンフィス・デバイを最優先事項としており、更にのび太ことジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長の辞任で空席となったクラブのトップの席に2010年以来の当選を果たしたジョアン・ラポルタ新会長はアーリング・ハーランドの獲得を望んでいるという状況なのでアグエロバルサ加入は一筋縄ではいかない事が予想されます。

 

他にはチェルシーパリ・サンジェルマンユベントス、そして母国アルゼンチンのインデペンディエンテなどが彼に関心を寄せているそうですが、マルカによればアグエロラ・リーガへの復帰を望んでいるとのこと。