00年代のプレミアリーグナンバーワンストライカーで合計4度の得点王に輝いているアーセナルのレジェンド ティエリ・アンリ
今年の2月26日に”個人的な理由”で指揮を執っていたモントリオール・インパクトを退任したアンリですが丁度1か月後の3月26日に自身がアカウントを持つ全てのSNS(facebook、instagram、twitter)の利用を中止する事をフォロワーに発表しました。
Thierry Henry (@ThierryHenry) March 26, 2021
From tomorrow morning I will be removing myself from social media until the people in power are able to regulate their platforms with the same vigour and ferocity that they currently do when you infringe copyright.
"The sheer volume of racism, bullying and resulting mental torture to individuals is too toxic to ignore. There HAS to be some accountability. It is far too easy to create an account, use it to bully and harass without consequence and still remain anonymous.
"Until this changes, I will be disabling my accounts across all social platforms. I'm hoping this happens soon."
ティエリ・アンリの投稿(アカウントは既に削除されていて現在見る事は出来ない状態なのでSkysports.comより引用)
訳
明日の朝からSNSプラットフォームが動画の権利違反や著作権侵害と同じくらい精力的な対応を人種差別、いじめなどにも行うようになるまで私はSNSから身を引きます。
それらによってもたらされる精神的苦痛は無視できない程に有害です。
簡単にアカウントを作成しいじめや嫌がらせを匿名のまま行える現状に対してSNS企業は何らかの説明責任を果たさなければいけません。
この状況が変わるまで私は全てのSNSアカウントを無効にします。一刻も早く今の状態が改善される事を願っています。
確かにSNSではいつどんな時も何かに対する攻撃で溢れかえっており、人間の醜悪さを象徴するような一面を抱えているのでアンリの想いはよく分かります。
マンチェスター・ユナイテッドの選手でもマーカス・ラッシュフォード、アクセル・トゥアンゼベ、アンソニー・マルシャル、フレッジらが人種差別攻撃の標的になる事が何度も繰り返されてきたので無差別的な攻撃に対しては本当に腹立たしいと思っているのが正直なところ。
FA(イングランドサッカー協会)も2月8日にアンリと同様の意思を表明する投稿をSNSに上げていましたが特に効果があったかと言えば否。
irohasesun-fm-foot.hatenablog.com
この時もSNS企業はメッセージこそ出しましたがそれ以降何か変化があった訳ではなくパッと検索をかければ今でも数多の差別的・攻撃的言動がズラリと並ぶ状態。
怒りは勿論ですが疲れ果ててしまった、というのが彼の抱いている気持ちなのかもしれませんね。
最初に書いた通り”個人的事情”で指揮官を退任したアンリですがその詳しい理由はロンドンに住む家族と離れ離れになっていて更に新型コロナウイルスの影響で会う事もままならない状況が続いたのがその要因だったそうなので、只でさえ精神が疲弊しているところに誰かに対する誹謗中傷、人種差別などを目にするのはもううんざりだと感じてもおかしくないと思います。
〇〇疲れというのは今の時代の1つのキーワードになっていると私自身は考えていて、1人の人間が手に出来る情報量が年を追うごとに増加している中で既に許容量をオーバーしてしまった人間が多数存在しているように思えます。
ミニマリズムのように意識的に引き算をする考えが流行の兆しを見せているのもそういったストレスへの解答の1つなのかもしれません。
(全く関係ありませんがこのブログのデザインもminimalismを使用しています。
自分自身も無意識化ではそういった感情を抱いているかも?)