どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
アフリカや南米の有望な少年をゴニョゴニョっと違法な手段を用いてティーンの間に欧州へ向かわせる手法は昔からサッカー界の闇の1つとしてまことしやかに存在が囁かれてきましたが、今冬にアタランタからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍したアマド・ディアロもその問題の渦中にいた事が今回明らかになりました。
書類上の両親は偽物だった
今回、イタリアサッカー協会(FIGC)が明らかにしたのは2015年に母国コートジボワールからイタリアへ向かった際にアマド・ディアロ・トラオレ(当時)とその実兄とされているハメド・トラオレ(現在サッスオーロ所属)はイタリアに住む両親、ママドゥ・ハメド・トラオレ(Mamadou Hamed Traore)とマリナ・エドウィジュ・カリーヌ(Marina Edwige Carine)に再会するためという理由で家族ビザを取得して入国したのですが、FIGCの半年にわたる調査の結果、この兄弟と両親は実際には赤の他人で入国には5人の児童買組織が深く関与していたとのことです。
この騒動には警察も介入しており、ハメド・トラオレとアマド・ディアロもDNAサンプルを提出し取り調べを受けています。
また、父親とされていたママドゥはこの人身売買騒動の第一容疑者と考えられています
人名や固有名称がたくさん出てきてややこしいですが、端的に言えば非EU加盟国の人間がイタリアに入るには厳しい審査が必要になるのでそれを回避する目的で家族関係を偽造したと理解すればいいですね。
更にFIGCはアマド・ディアロとハメド・トラオレの血縁関係も偽りで、両者は本当の兄弟ではない可能性も示唆しています。
そして、アマド・ディアロはイタリアでの最初のクラブであるボカ・バルコや台頭を現したアタランタに入団する際にもこの偽りの証明書を使用したという事でイタリアスポーツ司法に違反したとの理由で罰金刑に処される事に。
ですが不法入国の一件に関しては、当時ハメドとアマドはどちらも18歳未満だったという事で責任は問われずに長期の出場停止処分や刑事責任を問われる事はないとのこと。
ディアロを紹介した際に彼が昨年、自身の姓をそれまでのアマド・トラオレからアマド・ディアロへ正式に変更した事は触れていましたが、今回発覚した情報を整理すると彼がトラオレ姓を嫌ってファンにもディアロと呼んで欲しいと言っていた理由が分かった気がします。
イタリアでこのような文書偽造と言えばミラクル・キエーボの一員であったルシアーノを思い出しますが、彼の場合はパスポートを偽造した当時の年齢が既に20歳を過ぎていた事もあって半年間の出場停止と16万ユーロの罰金処分という今回に比べると重い処分が下っていますが、FIGCが言及した司法取引についてはこのケースのような出場停止を避ける為の意味合いもあったのでしょうね。
アマドの近況
因みに、マンチェスター・ユナイテッドでのアマドはこれまでにU-23に2試合出場して3ゴール3アシストとこのカテゴリーでは明らかにオーバーパワーなので今後は身体づくりに励みつつ早期のトップチームデビューが待望される状況。
リバプールU-23との試合でキッカーを任されたPKでいきなりパネンカを披露して見事決めて見せたのは大器の予感を感じました
そして先日のFAカップ5回戦、ウエストハム戦ではベンチ入りを果たしているので来たる日は近いと思います。
今回の騒動は5年前の話でマンチェスター・ユナイテッドでのプレーには何の影響もないので、外野の声は気にせずハツラツとプレーして欲しい。