どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
今回は今後を大きく名を挙げることが予想されるリーグ・アンのDFについてです。
【追記】2022年夏、£30Mでプレミアリーグ上陸⚒
Welcome to West Ham United, @AguerdNayef! 🇲🇦⚒ pic.twitter.com/BDotHMUpEZ
— West Ham United (@WestHam) June 20, 2022
ウエストハム・ユナイテッドは22年6月20日、3000万ポンドの移籍金を支払ってスタッド・レンヌからNayef Aguerdを完全移籍で獲得した事を発表。
契約期間は2027年6月末までの5年間で、クラブ史上4番目に高額な移籍金(1位:Haller,2位:Felipe Anderson,3位:Zouma)という事からもその期待の大きさが伺えます。
21/22シーズンのウエストハムでリーグ戦10試合分以上CBで出場した選手は
- クレイグ・ドーソン(2,754分)
- クル・ズマ(2,078分)
- イッサ・ディオプ(963分)
- アンジェロ・オグボンナ(921分)
※{アーロン・クレスウェル(2,726分)は再びLBが主戦場に}
Aguerdは現在のプレミアリーグの選手でいえばヴィルジル・ファン・ダイクやハリー・マグワイアのようにキャリーや長短のパスで起点を作れる選手で、ビルドアップ~チャンスメイクの貢献度が高いCBがいなかったアイアンズにとって新たな軸になると思われます。(メガクラブのターゲット、パウ・トーレス以上にプレミアへの適応力は高いと個人的に考えている)
また、今のウエストハムはセットプレーにおいてリーグトップクラスのクオリティ(21/22はDead ballsでリーグ最多11のGCAを記録)を有していますが、Aguerdもリーグ・アンの過去4季で9ゴール4アシストを記録しており、殆どがCK,FK由来のモノなのでチームの強みを更に伸ばす事が出来そうです。
GCA:Goal-Creating Actionsの略で、パス,ドリブル,ファウル獲得など得点につながった直近2つ前までのプレーを指す。Dead ballsの場合はフリーキック、コーナーキック、キックオフ、スローイン、ゴールキックが対象となる。
ナイフ・アゲール(Nayef Agured)
生年月日:1996年3月30日
国籍:モロッコ
出身地:ケニトラ
利き足:左
ナーイフ・アゲルド、ネイフ・アガードなどの表記もされるこのレンヌ所属のCBは20‐21シーズンのフランス、リーグ・アンにおいて優れたスタッツを記録する注目の選手の1人です。
日本語にするとなんだか物騒な名前に聞こえてしまいますがディジョン公式の動画を見る限りはとても穏やかそうな青年です。
(何をやっているかいまいち分からないけどめっちゃ楽しんでいる事は伝わってくる😀)
経歴
2010年にモロッコのプロクラブFUS・デ・ラバトのアカデミーに入団すると、翌年にはモロッコ国内最高峰のトレーニング機関”ムハンマド6世アカデミー”に見出されます。
( ムハンマド6世アカデミーはその名の通りモロッコ現国王ムハンマド6世が2009年に発足させた育成機関。現在セビージャでプレーするストライカー、ユセフ・エン=ネシリもこのアカデミーの卒業生の1人です。)
ここで先述のエン=ネシリやハムザ・メンディル(現シャルケ)など同年代の有望選手と共に研鑽を積んだアゲールは2014年に最初に入団したクラブFUS・デ・ラバトに復帰します。
すると同年11月にはプロデビューを果たしラバトでは以後4シーズンで計71試合に出場(6ゴール)。
モロッコ国内でも有数の有望株となっていたアゲールは2018年7月にフランス、リーグ・アンのディジョンFCOへ完全移籍で加入しました。
移籍金は推定160万ユーロ、契約年数は3年。
加入初年度は3度の負傷離脱もあり公式戦17試合、計1393分の出場に留まりましたが自身のリーグ・アンデビュー戦となった第4節 対OCGニース戦ではフリーキックのショートリスタートからヘディングで先制点を挙げるなど、リーグ戦で3得点を奪う活躍を見せCBとしては高い得点力をアピールしました。
19-20シーズンは第3節からスタメンに選出されるとそこから第10節のリヨン戦で負傷の疑いで途中交代するまでフルタイムで試合に出場を続けました。
その後は足首の怪我で戦列を2ヶ月離れましたが2月中旬に復帰後は新型コロナウイルスによるリーグ中断まで再び不動のレギュラーとして変わらぬ信頼をチーム内で獲得。
代表デビューは2016年8月31日の国際フレンドリーマッチ、対アルバニア戦。
その後はなかなか招集の機会がありませんでしたが好調なシーズンを送っている事もあり、2020年11月のアフリカネイションズカップ2021(新型コロナウイルス感染拡大の影響から本大会が開催されるのは2022年)予選2試合にメンバー入り。
11月17日の中央アフリカ戦には先発出場を果たしフル出場で0vs2の勝利に貢献するなど、次世代のモロッコ代表の中心選手になる事が期待されています。
20/21シーズンのパフォーマンス
(https://twitter.com/staderennais/status/1345333863065784320)
これまでのシーズンではポテンシャル自体は随所で見せていたものの、怪我が多く中々プレー時間が伸びてこなかったナイフ・アゲールでしたが2020‐2021シーズンは11月下旬に新型コロナウイルスの陽性が判明して4試合を欠場した以外は全ての試合に出場しています(2021年1月16日時点)。
幸いな事にコロナの後遺症に悩まされる事も無かったようで復帰後も高いパフォーマンスを維持し彼が戻ってきてからは所属するスタッド・レンヌも6試合無敗継続中です。
各種スタッツを見ても軒並み優秀な数値を記録しており、その中でもリーグTOP10入りの指標を抜き出してみます。(データは第19節終了時点)
- ボールタッチ数:1524回🥈
- パスターゲット:1169回🥈
- Progressive Passing Distance(ゴールに距離が近づくパス):9399ヤード(5位)
- Progressive Carrying Distance(ゴールに距離が近づく持ち運び):2863ヤード(8位)
- 空中戦勝利:62回(8位)
- 空中戦勝率:75.9%(9位)
このようにパス能力と空中戦に大きな強みがある選手で、パス成功率を見ると
- ショートパス(5~15ヤード):434/456(95.2%)
- ミドルパス(15~30ヤード):584/614(95.1%)
- ロングパス(30ヤード以上):210/280(75.0%)
といずれの距離でも高い精度を誇っており、利き足が左足という事も考慮するとかなり希少性の高い選手なのではないでしょうか。
特にゴールキックでショートパスを多用するようなパスサッカーの志向が強いクラブにとってはビルドアップの安定度がそのまま試合の結果に直結する事がままあるので、既にチェックリストの上位に入っていても何ら不思議ではないと思っています。
リーグ・アンは欧州5大リーグでは最もプレミアリーグに特徴が似ており、どちらかといえば個人能力を重視する傾向が強く身体能力の優れた選手が数多く在籍しているのでその中でも競り負けしないフィジカルと優秀なパスを持っているこのナイフ・アゲール(Nayef Aguerd)はイングランドでも大活躍できる素質を十分に保持していると私は考えています。
あとがき
このパフォーマンスを続けていれば間違いなく移籍市場の人気候補になるのでそうなる前に予習しておきました。
正直マンチェスター・ユナイテッドにもめちゃくちゃ欲しい選手。
データ引用元
*データは2021年1月16日時点のものです。