どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
シーズン当初は快調に勝ち点を積み重ねてきたブルースことチェルシーがここにきて直近5戦で1勝1分け3敗と急ブレーキ。
この不調に相まってフランク・ランパード監督が解任に近づいているのではないかという報道が耳に入ってくるようになりました。
そこで今回はデータを元にランパード監督は解任すべきなのか、あるいは時間を与えるべきなのかを見定めていこうと思います。
過去との比較
まずはこちらのデータを参考に見ていきましょう
Frank Lampard is now statistically the worst Chelsea manager under Roman Abramovich... #CHEMCI pic.twitter.com/oWQzz45UX9
— Amazon Prime Video Sport (@primevideosport) 2021年1月3日
ロシアの大富豪ロマン・アブラモビッチ氏がクラブを買収した2003年以降にチェルシーを率いてきた歴代監督のプレミアリーグ成績表です。
初代のクラウディオ・ラニエリ監督は146試合で平均勝ち点1.82。
ラニエリ氏はアブラモビッチが参加する前からチームを率いていたので体制変更後に絞ると03‐04シーズンはリーグ2位の勝ち点79で1試合平均勝ち点2.08。
後を継ぐことになったモウリーニョ体制の中心メンバージョン・テリーやフランク・ランパードを抜擢し後年の成功の礎を築き上げました。
この表で見るとコンテ体制に次ぐ4位の数字でそれほど悪くありませんでしたが監督交代に踏み切りました。
2代目はご存じスペシャル・ワンことジョゼ・モウリーニョ監督。
モウリーニョ氏は2期に渡って監督を務めているので第一次政権時のデータだけを抽出すると120試合で合計勝ち点280、1試合平均勝ち点2.33で歴代1位の数字を残しました。
監督退任の理由もオーナーとの不和によるものが大きかったとされ、ファンの間でもこのモウリーニョ第1次政権は伝説のチームとして今も熱く語り継がれています。
アブラモビッチ氏の忍耐力が低下したのがこのモウリーニョとの喧嘩別れ以後となり、暫定監督として空中分解寸前のチームをまとめ挙げたアヴラム・グラント氏はモウリーニョに匹敵する1試合平均2.31の成績を残したもののシーズン終了後に解任。
その後は誰一人として100試合以上チームを率いた指揮官は存在せず、僅か20数試合で解任された監督は4人いる有り様。
その中にはブラジルの名将ルイス・フェリペ・スコラーリやリバプールにCLのタイトルをもたらしたラファ・ベニテス等実績十分の面々もいるので、名の知れた監督だからといってチェルシーでは時間を与えられるわけではないようです。
基本的に1試合平均勝ち点が2.00を下回ると危険水域で、就任初年度に1試合平均2.45という非常に高い水準でプレミアリーグ優勝を果たしたアントニオ・コンテも翌シーズンは1試合平均1.84までスコアを落とし解任。
監督ごとではなくシーズン毎に成績を区切るとものの見事にその傾向が見られたので表にしてみました。
分水嶺が明らかに
過去10シーズンの結果と監督交代の有無を示した表が以下となります。
先述のとおり1試合平均勝ち点が2.0を上回ったシーズンは留任。
38試合換算では勝ち点76が残留に求められるスコアとなっているように見えます。
勝ち点76という数字は例年3位か4位に相当する数字なので、チャンピオンズリーグ出場権を手にしたうえでリーグ戦の優勝争いに終盤まで絡む、あるいは何らかのタイトルを手にすればオーナーのご機嫌を損ねずに済むのかも。
リーグ戦の順位は13‐14シーズンと18‐19シーズンで同じ3位にも関わらず後者のマウリシオ・サッリ監督は結局シーズン終了後に解任されているのでチャンピオンズリーグ出場権を獲得しても勝ち点が伸び悩んだ場合には首を切られるケースもあるようです。
こうして見比べてみると流石のアブラモビッチ氏もクラブ随一のレジェンドで、まだ若く監督経験の浅いフランク・ランパードにはある程度猶予を与えているようですね。
昨シーズンは勝ち点66の4位で無冠。
これまでのチェルシーならまず間違いなく監督交代に踏み切る数字ではありますがそうはせず、ランパードに2シーズン目も指揮権を委ねています。
そして今シーズンのチェルシーはここまでリーグ戦17試合で勝ち点26。
1試合平均では1.53となりこれは第2次モウリーニョ政権の瓦解によって大混乱のままシーズンを終えた2015‐2016以来の低水準。
仮に今のペースで38試合を終えると勝ち点58。
チャンピオンズリーグ出場権にはまず届かない数字なので解任論が活発になるのも頷けます。
1試合平均勝ち点を2に持っていくにはここから21試合で勝ち点50の積み上げが必要となり、これは1試合辺りでおよそ2.38が要求される数字。
シーズン全体のスコアに直すと勝ち点90ペースでの巻き返しを達成しなければクリアできない数字なので正直無理だと思います。
昨シーズンは何とか噴火せずに済んだ解任ゲージもリーグ戦折り返し近くまで来て遂に火口寸前まで上がってきているとしても不思議ではありませんね。
The Athleticなど信用度の高めのメディアでも解任論が報じられているので可能性とし ては3割程度で2週間以内に解任があるのではないかと踏んでいます。
少し前までは所謂ビッグ6の中でも解任から遠い方に位置していると見られていたので、このような情勢になってしまった事は本当に予想外。
後任候補も丁度アッレグリやトゥヘルといったアブラモビッチ氏の好みに合致しそうな戦術家タイプのビッグネームが席を空けているので、他のクラブに取られないうちに彼らを確保しに動くことは十分に考えられます。
あとがき
今回の記事では監督交代が発生するか否かを過去のデータから考察していきましたが、次回はランパード監督の采配・チーム運用を鑑みて本当に首を挿げ替えるべきなのか、あるいは時間を与えるべきなのかを考えてみる予定です。
お読みいただきありがとうございました。