どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
遂に今シーズンも同じ街に本拠地を置くマンチェスター・シティとのダービーマッチがやってきました。
昨シーズンはまさかのダブル達成で久々にユナイテッドが意地を見せましたが、今回の対戦ではどのような展開になるのでしょうか。
試合プレビュー
火曜日のチャンピオンズリーグ、対RBライプツィヒ戦ではかねてより指摘されていた守備の欠陥によって脆くも敗戦したマンチェスター・ユナイテッド。
残念ながらそちらではグループリーグ敗退が決まってしまいましたが、その落胆を引きずる暇もなく週末のマンチェスターダービーを迎えます。
ユナイテッドの指揮官オーレ・グンナー・スールシャールには解任の噂も噴出していますが、この声に対してマン・シティのペップ・グアルディオラ監督は至って冷静に「我々はそのような状況にも対処する為に高額な給料が支払われている。彼は強く、そして自分のやるべき事を知っている監督なので私が手を差し伸べることはない。」とあくまで勝負に専念するコメントを発表しており、昨年のような驕りはないと思います。
先日のポグバの件といい、悪いニュースばかりが先行しているユナイテッドですが嬉しい知らせも舞い込んできました。
ブルーノ・フェルナンデスが2020年11月のプレイヤー・オブ・ザ・マンス、プレミアリーグ月間最優秀選手に選出され、1月の加入から僅か一年で3度目の受賞となりました。
これはプレミアリーグのリーグタイ記録で過去には2008年にヤングさんことアシュリー・ヤング(4月、9月、12月)、2017年にハリー・ケイン(2月、9月、12月)の2名が記録を作っています。
ヤングさんの名前をこんなところで聞くとは思いませんでした。
確かにアストンビラ時代はキレッキレのカーブシュートを何本も決めていたイメージがありますが、まさかこれほどだったとは。
昨シーズンの冬の移籍市場でイタリア セリエAのインテルへ移籍し、30半ばになって初の海外挑戦を決意したヤングさんですが、今シーズンもここまで752分とチーム11番目の出場時間を確保しており、レギュラー格としてプレー出来ているようで何よりです。
どうかお幸せに!
ちなみにブルーノの月間成績は4試合で4ゴール1アシスト、そして4つの決定機の演出という文句なしの活躍。
本当に一人で試合を決めてしまえるのですからもはやユナイテッドファンにとっては崇拝の対象にすらなり得る勢い。
スタメン
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り
3バイリー、8マタ、9マルシャル、26D.ヘンダーソン、27テレス、31マティッチ、34ファン・デ・ベーク
セントラルMFが本職の選手を3人先発起用してきたのでおそらく4‐4‐2ダイアモンドを採用していると予想しました。
フレッジはレッドカードを貰ってしまったCL第5節、対パリ・サンジェルマン戦以来の公式戦出場。
中央を厚くしてシティの波状攻撃をブロックし、前3人の高速カウンターで勝ち点3を取りに行こうという意図が見えますね。
ミッドウィークの試合では5バックで臨んだにも関わらず守備のミスから失点してしまった苦い経験がありますが、中3日でどれほど修正出来たのかどうかにこの試合の勝敗がかかってくると思います。
マンチェスター・シティ
ベンチ入り
8ギュンドアン、13Z.ステッフェン、14ラポルト、20B.シルバ、21フェラン・トーレス、22B.メンディ、47フォーデン
こちらはオーソドックスな4‐2‐3‐1でしょうか。
試合に向けた会見でペップが名指しで期待を口にしたストーンズがそのままスタメン入りを果たしました。
前線にアグエロがいないというのは敵目線で見ると大いに助かりますが、それでも破壊力のあるアタッカーがずらりと並んでいるので油断は出来ません。
救いがあるとすれば1トップ想定のジェズスは空中戦に強くないのでリンデロフやワン=ビサカのウィークポイントは露見せずに済みそうだという点。
LBの本職を起用していないのでもしかしたら予想だにしないシステムを採用している可能性も僅かに残りますが、基本的にはいつも通りの戦い方で来るとみていいでしょう。
試合内容
前半
両者の思惑通り、ポゼッションのシティにカウンターのユナイテッドという試合の立ち上がりでした。
フレッジ、ブルーノに対するプレスはかなり強く、両者共に試合開始間もない時間からファウルを貰う場面が幾度か見られ、フレッジに関しては15分辺りで一度治療の為にピッチ外に出るシーンも。
ユナイテッドはトップ下のブルーノが右に流れてフラットな4-4-2のような形になる事が多く、シティDFは彼を捉える事に中々苦労している様子に見えました。
これまでのユナイテッドのビルドアップはマグワイア頼りだったのですが、この試合ではリンデロフから鋭いロングパスがシティDFの裏に放たれる場面も複数回見られ、ようやく獲得時に期待役割を果たしてくれるようになった事がポジションな一面。
チャレンジパスがカットされて危ないシーンもありましたが、それでも横パスマシーンのままでいるよりはトータルでの貢献度が高くなると思うので、この意識は今後も継続して欲しいですね。
チャンスの少ない前半でしたが、35分にはカウンターからシティに決定機。
完全にフリーの状態でマフレズはシュートチャンスを迎えましたがこれをGK正面に打ってしまい、こぼれ球もデ・ブライネがふかしてしまい千載一遇の好機を逃しています。
ユナイテッドとしては本当にラッキーなシーンでした。
前半は両チーム必要以上に深追いはせず、スコアレスで45分を終えています。
ユナイテッドの課題点に挙げられていたセットプレーに関してはやはりこの日も危ういマークの受け渡しをするシーンが見られたので、修正には時間がかかりそう。
一方、スローインに関してはシティのパスコースをうまく潰せていたのでこちらに関しては及第点をあげてもいいと思います。
後半
後半開始から間もない47分にはカウンターからユナイテッドに決定機。
ブルーノのクロスをトラップしたラッシュフォードがペナルティエリア内で倒されPK……かに見えましたが、ラッシュフォードがその前のクロスの段階でオフサイドという事でVARの結果シティボールで試合が再開しました。
後半に入っても一定のラインを保って必要以上にリスクをかけない両チームの姿勢は変わらず、試合はスコアレスドローに終わっています。
(https://twitter.com/ManUtd_Es/status/1337818434676154379より)
ユナイテッド側では最終ラインと中盤の選手はそれなりにいいパフォーマンスだったのではないでしょうか。
マクトミネイは不用意なボールロストもありませんでしたし、どちらが本当のデ・ブライネなのか分からなくなるくらいにボールタッチが繊細になっていて驚きました。
この選手は毎年向上しているのが目に見えてわかるので、ファンや首脳陣に好かれる理由がよく分かります。
動画ハイライト
交代選手
74分 in:マルシャル out:グリーンウッド
66分 in:フェラン・トーレス out:マフレズ
データ
シュートの本数自体はどちらも10本前後放ちましたが肝心の枠内シュートは共に僅か2本と決定的な場面はごく僅かなものでした。
ユナイテッドのビルドアップの連携ミスを突いて何度かシティのカウンターのチャンスが訪れましたが、いずれもシュートまでに時間をかけてしまったりマグワイアにはじき返される等で得点には至らず。
ワン=ビサカはスターリング相手に滅法強いので相手の左サイドを自動的に機能不全に陥れることが出来るというのが彼の加入以降のダービーマッチでは顕著に表れています
今回の対戦では以前ほど圧倒的に封じ込めているわけではありませんでしたが、向こうが勝手に苦手意識を持っていくれている事もあり、シティの攻撃力を削ぐ事に成功しています。
xデータ
(参照:Manchester United 0 - 0 Manchester City (December 12 2020) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
決定機の数ではアウェイのシティに軍配。
xGでも0.59対1.28と締まった試合だった事が頷ける数字となっています。
ユナイテッド側は得点期待値が大きいチャンスを作れなかったので無得点で終わるのも納得の内容。
個人のxGを見てもブルーノの0.19が最高で次点に来るのがCBのリンデロフでした。オープンプレイからのチャンス創出に苦労した事が窺えるものとなっております。
特にビルドアップの指標では2チームで大きな差がついており、ユナイテッド側はチーム平均0.10、シティは0.47と今後の課題を明確にする事が出来たのは一つの収穫だと思います
振り返り
ユナイテッドのプレイヤーで効果的だった選手は
の3名でしょうか。
他にも最終ラインと中盤の選手は全体的に良かったですが、特に高い貢献を示したのが彼らでした。
マグワイアはクリア2つ、シュートブロック3回、インターセプト4回に加え空中戦では3分の3で100%競り勝つなど文字通り最終ラインの壁として君臨していました。
攻撃面でも5本のロングパスを通し、sofascoreではレーティング7.5と両チームで一番の評価を与えられています。
ショーもまたマグワイアと並び最高評価を受けた選手の一人で4回のタックル成功、地上戦勝率は9分の7とマフレズと交代で入ったフェラン・トーレスの2名に殆ど仕事をさせていませんでした。
キーパスもチーム最多タイの2本を記録しており、テレスの加入に触発されたのかキックの質も向上しているように感じています。
フレッジは相手の集中マークに遭い、一試合持つか不安になりましたが結果としてはフル出場で49本のパスを通し成功率は92.5%、地上戦勝率も8分の7で87.5%と無類の強さを引き続きアピール。
ピッチ中央からルーレットで敵二人を交わすシーンなど攻撃面でもセンスを見せつける一面がありました。
殆ど顔を出すことが出来なかったグリーンウッド、ラッシュフォード、マルシャルの3人にはもう少しオフザボールとディフェンスの動きを向上してもらわないとこのような堅い試合では消えてしまう状態が続いてしまうのではないでしょうか。
それこそ現役時代のスールシャールのようなポジショニングが出来るようになってくれれば最高なのだが……