いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【チャンピオンズリーグ】第四の審判が試合中に差別発言!?試合は翌日に順延

マンチェスター・ユナイテッドが自らGL突破の切符を手放すような試合をしていた裏ではまたもや残念な騒動が起きていました。

 

ライプツィヒ戦についてはこちらから〉

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

 

欧州CL、コーチへの人種差別発言で試合中断、順延:朝日新聞デジタル

 

14分、第四審判セバスティアン・コルテスク氏が元カメルーン代表で現在はイスタンブールBBSKのアシスタントコーチを務めるピエール・ウェボに対して『ニグロ』と言い放ったのだとか。

コルテスク氏はこれに反論し「ニグロとは言っていない。ブラックガイと呼んだ」という火に油を注ぐような弁明をしたために更に騒動が大きくなってしまいました。

 

 

 

ピエール・ウェボについて

 

殆どのメディアで元カメルーン代表としか説明されていないのでウェボの経歴についておさらいしておこうと思います。

 

Embed from Getty Images  

ピエール・ウェボ(Pierre Webo)

1982年1月20日生まれ

出身地:バフーサム

身長:181㎝

 

カメルーンのスタッド・バンジュンというクラブでデビュー。

 

2000年にはウルグアイの名門CDナシオナルへ移籍し、ここではリーグ戦30試合で19ゴールを挙げています。

2002年にはコパ・スダメリカーナ(南米ではリベルタドーレスカップの次点に位置する大会で欧州でいうところのヨーロッパリーグ)で得点王にも輝きました。

 

この活躍によって2003年1月にはスペインのCAオサスナに引き抜かれ、ここから9年あまりを彼はこのスペインの地で過ごすこととなります。

オサスナでは4シーズンプレーし公式戦通算136試合出場25ゴール9アシスト。

FWとしてはやや物足りない成績ですが、ビッグマッチに強かったのでどちらかと言えば記憶に残るタイプの選手だったのではないでしょうか。

 

2007夏には久保建英選手がレンタルで在籍したことで日本でも飛躍的に知名度が上がった(過去には大久保選手や家長選手も加入)RCDマジョルカに移籍。

移籍後3シーズンは以前とあまり変わらない成績で終えますが4年目の10‐11シーズンには遂に一皮むけてリーグ戦34試合11ゴール6アシストとチームの攻撃を一手に担う選手に成長しました。

 

私の印象もこのシーズンがかなり強く残っていたので通算成績を見ると思ったより得点が少なくて逆に驚きました。

この成功のシーズンのオフ、彼は僅か125万ユーロで現在コーチとして所属しているイスタンブールBBSKへ移籍しました。

リーガで二桁得点を挙げた選手がこのような移籍をするというのは珍しいですよね。

気になったので当時の記事を調べていたら、どうやらこの退団はクラブ主導ではなくウェボの意思によるものだったそう。

(ソース:Cameroon's Webo bids farewell to Mallorca for Turkey - BBC Sport

 

イスタンブールでは2シーズンで24ゴールとストライカーとして十分な実績を残し2013年には名門フェネルバフチェが彼を獲得しました。

 

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その後はフェネルバフチェで3シーズン、オスマンスポル(現アンカラスポル)で2シーズン、ガズィアンテプBBで1シーズンを過ごしたのち、キャリアの最後はウルグアイCDナシオナルにカムバックして2019年1月に選手としてのキャリアを終えました。

 

 

また、代表では2003年にデビューし2014年までに58試合19ゴールの成績。

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2010年南アフリカW杯ではレギュラーの一人として起用され日本戦にも先発出場していました。

 

 

引退後は2019年11月から現在の役職であるイスタンブールBBSKのアシスタントコーチに就任し今に至ります。

 

 

持ち味は身体能力を生かした高打点のヘディングとチャンスメイク力。

代表戦を含め通算57のアシストを決めている事からもそれが窺えるかと思います。

難しいシュートを決める代わりにイージーミスをするファンタジスタタイプの選手だったので傍から見ている分にはとてもワクワクする選手であったと記憶しています。

 

 

差別発言についての考察

 

この一件によってコルテスク氏と口論になったウェボには退場処分が下されましたが両チームがこの判定に納得せず、主審の合意を得て試合は中断となりました。

 

ユナイテッド戦でも先制点を挙げたデンバ・バが「あなたが白人に呼びかける時は”あの人”というが黒人に呼びかける時は”黒人”と呼称する。なぜなのか」(意訳)と審判に言い寄るシーンも見られました。

 

コルテスク氏を擁護する声としてルーマニア語では”negru"という言葉が差別的な意味を含まずに単に”黒”という意味で使われている。”negro"ではない。という意見もありましたが、UEFA審判員達は侮辱の言葉を聞き漏らさない事や正しく判定を伝えるために母国語以外にも複数の言語を習得しているので、知識としてその言葉が差別的意味を持ったものと受け止められるというのは知っていたはず。

 

イスタンブール側だけでなく、PSGの選手からもメッセージが投稿され、ネイマールは「Black Lives Matter」、エンバぺからは「SAY NO TO RACISM. M.WEBO WITH YOU(原文のまま)」という文章が発信されています。

 

また、中断した試合については翌日に審判員を入れ替えて再開し、5対1でパリ・サンジェルマンが勝利しています。

この結果、グループHはパリ・サンジェルマンの一位通過、RBライプツィヒの二位通過が確定しました。