いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

遂に英国の未来すら担い始めた男

https://youtu.be/xTZgnsqsjf0


先のCL第1節、PSG戦で目覚ましい決勝ゴールを決めたマンチェスター・ユナイテッドの若き10番マーカス・ラッシュフォードですが、彼の活躍はピッチの上のみに留まりません。

 

日本でもそう遠くないうちに彼の名前はフットボールファンではない方々にも広く知れ渡ると思います。

 

ラッシュフォードの慈善活動

ラッシュフォードが精力的に慈善活動、特に子供達への支援を続ける理由は彼のバックボーンにあります。

 

幼少期

マンチェスター南部のウィゼンショーという街で1997年10月31日に生まれたラッシュフォードの幼少期は決して恵まれたものではありませんでした。

 

ラッシュフォードの母親であるメラニーさんは家計を支える為に仕事に出ていたので、彼の夕ご飯は夜8時以降。

学校の無料給食が無ければ到底お腹が持ちません。

 

後のインタビューでは"それでもまだ私は恵まれている方であった。家庭では食事を摂ることが出来ない子供達がいる"と語っており、苦しみを持つ子供達を1人でも少なくしたいという偉大な目標を心に宿しました。

 

英雄になる

時は過ぎ2020年。

COVID-19(新型コロナウイルス)はイギリスでも甚大な被害を出していました

3月23日から3週間のロックダウン

当然その期間は学校も閉鎖。

 

勿論イギリス政府も子供達の食糧問題には気付いており、低所得世帯の子供達には一定期間の給食無料配給を約束。

 

ラッシュフォードが問題提起したのはこの「期間」

政府の説明では学期内まで。

夏休み等の長期休暇中はその対象外という方針でした。

 

これに意を唱えた彼は「Fare Share」という児童に食料配給を行う慈善団体と協力して子供達への支援に乗り出し始めます。

 

10万ポンドを目標額にして始めた募金活動は大きな反響を生み、最終的には2000万ポンドもの大金が集まりました。

これによって300万食の食糧を確保出来たそう

 

この大きな流れは政治すら動かし、6月16日には夏休み中も無料配給を継続するというメッセージがイギリス政府から発表されたのです。

 

自身の懐からも6万ポンド程の寄付を行っていた彼は一躍英国内の子供達にとってのスーパーヒーローになりました^^

所属するマンチェスター・ユナイテッドの最大のライバルであるリバプールのサポーターですら彼に称賛の声を惜しみなく送るほどに。

 

博士号とMBE

上記の活動が評価され、チームのお膝元に居を構える名門マンチェスター大学から名誉博士の称号を授与されました。

 

22歳での授与は史上最年少らしい。

 

ユナイテッドOBではミュンヘンの悲劇を生き延びたクラブ最高のレジェンド、サー・ボビーチャールトン氏、

 

27年間の監督在籍期間で38ものタイトルをもたらし、サッカー界で最もトロフィーを獲得した名将サー・アレックス・ファーガソン氏の2名がこの称号を授与されています。

 

 

更に10月10日には大英帝国勲章の一つ、MBEを授与された事がユナイテッドの公式サイトより発表されました。

先述のお二方は名前で分かる通りKBE(ナイト爵)を持っているので、もしかしたらラッシュフォードもサー・マーカスと呼ばれる日が来るかも知れませんね

 

因みに爵位の順序はこんな感じ

  1. GBE:ナイトグランドクロス/デイムグランドクロス(大十字騎士)
  2. KBE/DBE:ナイト・コマンダー/デイムコマンダー(司令官騎士)
  3. CBE:コマンダー(司令官)
  4. OBE:オフィサー(将校)
  5. MBE:メンバー(会員)

現役選手だとトッテナムのケインがラッシュフォードと同じMBEを授与されています。

 

ラッシュフォードのTwitter  

twitter.com

 

彼のイギリス政府とのせめぎ合いは今現在も続いています。

 

今起こっている事について、イギリス出身のサッカー解説者ベン・メイブリーさんがわかりやすく解説してくれています。

 

イギリス政府はラッシュフォードの働きを褒めるどころか寧ろ目の敵にしている節すらあります。

 

このような状況でもラッシュフォードはその政治家達を軽くあしらい、子供達への食糧支援を続けてくれる方々のリストをSNSにて地域毎に発表しています。

 

 

あとがき

日本では芦田愛菜さんがその言動や立ち振る舞いからよく“人生2周目”などと言われたりしていますが、彼も22歳の青年とは思えない成熟した人間性を持っていて尊敬しかありません。

 

彼のピッチ内外の活躍をこれからも沢山見て行けたら嬉しいです。

 

そして大事なことは、これは対岸の火事ではなく”子供の貧困“は日本でも深刻な問題の一つなので私たち自身もプレイヤーの1人である自覚を持って行動していかなければならないと痛感させられました。

 

おしまい