いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

オールスターと五輪でシーズン中断なので開幕前予想と照らし合わせる

 

7月15日以降約1ヶ月弱ペナントレース中断期間に入るという事で、振り返りには丁度いいタイミングですから久々にプロ野球について触れます。

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▼開幕前に書いた記事

 

 

 

 

セ・リーグ

 

セ・リーグ順位表

順位 試合数 勝 敗 引き分け 勝率 首位との差  
1位:阪神⇒86 48 33 3 .593 
2位:巨人⇒85 43 32 10 .573 2.0
3位:ヤクルト⇒83 42 32 9 .568 2.5 
4位:中日⇒86 32 42 12 .432 12.5
5位:広島⇒82 30 42 10 .417 13.5
6位:DeNA⇒86 31 44 11 .413 14.0

 

セントラルリーグ阪神がレースを牽引し、一時期ほどの強さは無くなったものの中断前の時点で2位巨人に2.0ゲーム、3位ヤクルトには2.5ゲーム差をつけてリーグ首位。

元々数の多いタイガースファンも久々の首位街道に喜びが爆発したのか、オールスターのファン投票では投手3人(先,中,抑)+野手8人の計11人中7人が白黒の縦縞ユニフォームと正に独壇場。

 

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佐藤輝明(阪神タイガース公式サイトより)

新人野手の中では横浜DeNAの牧秀悟選手と並びトップクラスの評価を与えられていた佐藤輝明選手も311打数83安打(内訳:42単打,21二塁打,20本塁打)OPS.833と素晴らしいパフォーマンスを見せており、彼に関しては学生時代のスタッツを基に乱高下の激しいシーズンを送るだろうと予想した私の予想が誤っていたのかもしれません。

関西大学リーグでの成績

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また、下位に目を向けると巨人・阪神に続く第2集団のトップにつくだろうと予想したDeNAは首位から14.0差の単独最下位に沈んでいます。

三浦大輔監督にとっては新型コロナウイルスの影響で外国人選手の合流が遅れ、日本人でも平良拳太郎投手がトミージョン手術を余儀なくされるなど就任初年度から苦しいシーズンとなってしまいました。

3位ヤクルトとのゲーム差は11.5。残り試合数が57試合という事を考えればCS進出も非常に厳しい立場でありますが、今後に向け新戦力の発掘と現在のスカッドの整理を進めたいですね。

 

 

パ・リーグ

 

パ・リーグ順位表

順位 試合数 勝 敗 引き分け 勝率 首位との差
1位:オリックス⇒87 42 34 11 .553 
2位:楽天⇒88 41 36 11 .532 1.5
3位:ロッテ⇒83 37 34 12 .521 2.5
4位:ソフトバンク⇒88 37 37 14 .500 4.0
5位:西武⇒85 33 38 14 .465 6.5 
6位:日本ハム⇒81 30 42 9 .417 10.0

 

個人的に嬉しいのがオリックス・バファローズの躍進をある程度予想出来た事

開幕前,、彼らの評価は決して高くなく新聞に記載された解説者の順位予想やファンベースの評価でも下位に置かれる事が多かったのですが、蓋を開けてみれば近年大補強が続く楽天イーグルス絶対王者ソフトバンクを差し置いて中断期間を首位で迎えました。

 

投打の柱山本由伸、吉田正尚は前者防御率,FIP,xFIP、後者は打率,出塁率,OPS,wOBA一位と主要部門でもセイバー指標でも期待通りの活躍。

そして、投手では高卒2年目の宮城大弥、野手では齢30を迎え遂に完全開花したラオウ 杉本裕太郎がそれぞれ個人成績で前述の2人に次ぐリーグ2、3番手につけて投打のエース2人にマークを集中させない見事なシーズンを送っています。

 

パシフィックリーグは全体的に混戦模様なのでまだまだ油断は出来ませんが、このまま順調に行けば"頑張ろう神戸"のスローガンのもと連覇を果たした95、96年以来25年ぶりのペナントレース制覇、そしてCS導入後12球団で唯一未達成の日本シリーズへの扉も開かれてくるでしょうから是非ともこのまま首位でシーズンを終えて欲しい。。。

 

 

日本ハムに関してはシーズン前から苦戦するだろうと踏んでいましたが、実際にこの結果を突き付けられるとサイクルの終わりを実感させられます。

正直パ・リーグの球団はセに比べると知識が大分少ないので見当違いな感想かもしれませんが、BOSシステムにより他球団に先んじてチーム管理、若手育成のパイオニアと称されたチームも時代が進みデータによる管理・指導が当たり前になった今日ではその長所も埋もれてしまったように思います。

 

 

あとがき

 

現段階ではセ・リーグ2球団、パ・リーグ3球団がシーズン前予想と一致。

新人王に関しては牧選手は佐藤選手とデッドヒートを繰り広げていてまだまだ何があるか分かりませんがパ・リーグは宮城投手がほぼ当確でしょう。

早川隆久投手も13試合防御率3.39投球回79 2/3と決して悪い成績ではありませんがちょっと競争相手のパフォーマンスが凄すぎましたね……

 

【 #MUFC 】新ホームキット正式発表。14番-リンガードはシャツのリストに含まれず憶測が飛び交う

リーグ戦開幕まで1ヶ月を切り、イングランドプレミアリーグの20チームから続々と21/22シーズンのユニフォームキットが正式発表されています。

 

マンチェスター・ユナイテッドに関しても胸スポンサーがアメリカの自動車メーカーGM(ゼネラルモーターズ)の自動車ブランド『シボレー(Chevrolet)』からドイツのテクノロジー企業でリモートデスクトップツールが有名な『Team Viewer』へと変更。

 

 

 

胸にドーンと金色のシボレーロゴが入っていた近年のデザインからはかなり地味なものになり、白い文字でTeamViewerとだけ書かれているシンプルなデザインに。

正直、少し前にこのシャツがリークされた時は「味気なさすぎないか」、「部屋着みたいなユニフォーム」と私の中では低評価気味でした。

 

ただ、今回選手が実際に着用する姿を見ると案外悪くなくむしろブルーノが着ている写真をみると昔のMLBカードにありそうな程よいレトロ感を醸しだしつつ赤と白のバランスも良いと思ったので肩の3本線を除けば好感触。

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(https://twitter.com/ManUtd/status/1415593478080405507より)

 

 

 

 

 

7番は来季もカバーニ。一方JLingzの去就は不透明

 

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UNITED DIRECTより

ユニフォームキットが明らかになると注目されるのが選手の背番号。

毎年のようにオフィシャルストアが○○(移籍が噂されている選手)の背番号を誤ってリークしてしまう、或いはリークを装ったデマなどが世界各国のクラブで起きていますが、ユナイテッドのショップから背ネームを所属選手の中から選べるシャツを購入しようとするとCAVANI-7の文字を確認する事が出来ました。

ゴシップ誌で噂になっていた退団に関する可能性は極めて0に近いと言えそうです。

 

 

逆に退団の可能性について現実味を帯びてきたのがジェシー・リンガード。

彼のユナイテッドにおける背番号は14でしたが、GREENWOOD-11の後はFRED-17まで数字が飛んでおり、ここに彼の名はありません。

 

GKのキットはまだストアにないのでこの背番号選択にあるフィールドプレイヤーを抜き出すと。。。

 

背番号(FP)

ヴィクトル・リンデロフ-2

エリック・バイリー-3

フィル・ジョーンズ-4

ハリー・マグワイア-5

ポール・ポグバ-6

エディンソン・カバーニ-7

フアン・マタ-8

アントニー・マルシャル-9

マーカス・ラッシュフォード-10

メイソン・グリーンウッド-11

フレッジ-17

ブルーノ・フェルナンデス-18

アマド・ディアロ-19

ダニエル・ジェームズ-21

ルーク・ショー-23

アレックス・テレス-27

アーロン・ワン=ビサカ-29

ネマニャ・マティッチ-31

ブランドン・ウィリアムズ-33

ドニー・ファン・デ・ベーク-34

アクセル・トゥアンゼベ-38

スコット・マクトミネイ-39

 

更に、現在判明しているGKの背番号は

ダビド・デヘア-1

リー・グラント-13

トム・ヒートン-22

ディーン・ヘンダーソン-26

 

トップチームのフィールドプレイヤーの中で背番号販売リストない選手は既にローンが決まっている選手を除くとジェシー・リンガード(Jesse Lingard)-14、アンドレアス・ペレイラ(Andreas Pereira)-15のファクンド・ペリストリ(Facund Pellistri)の3名。

このうち、ペリストリに関してはデポルティーボ・アラベスへの再ローンが濃厚とされており、ペレイラもトレーニングセッションの画像が各メディアによって撮影されています。

Embed from Getty Images  

系譜から言えば、将来的にはマクトミネイに背負って欲しいナンバー

 

『SkySports』によればリンガードは既にキャリントンでのプレシーズンのトレーニングセッションに戻っているようですが、一向に彼のトレーニング画像が公式から上がってこないのはもしかするとチーム側から何かフォトグラファーに対して指示があったのでしょうか?

もしかすると同記事にある通り依然として彼の獲得に意欲を持っているウエストハムとの交渉が進んでいるのかもしれませんね。

 

参考

 

追記 

 

リンガードがトレーニングに参加しているシーン、そしてオーレとハグを交わす場面も収められている動画が公式SNSよりアップロード。

良かった🥰

 

 

サンチョの背番号は何番になるか

 

また、ファンの関心を集めるジェイドン・サンチョの背番号についても大分選択肢を絞る事が可能になり、比較的若い番号の中で現在空いているのは12、16、24、25

勿論、既存の選手と背番号の入れ替えなどを行う可能性も否定出来ませんがあくまで空き番に彼がそのまま収まると仮定した場合、最も可能性の高いのはマン・シティのアカデミー在籍時代に付けていた事もある16番だと考えています。

 

16の前任者マルコス・ロホは怪我も重なり期待されたパフォーマンスを発揮出来ませんでしたが、更に遡るとマイケル・キャリックロイ・キーンとユナイテッドにとっては縁起のいい出世ナンバー。

Embed from Getty Images  

 

早ければカバーニとの現行の契約が満了する2022年夏にもサンチョが7番を受け継ぐのは濃厚と見られているので、そうなると今年のユニフォームは希少価値の高いものになりそう。(持っていたら後年自慢できるかもしれない。)

 

 

 

 

【 #EURO2020 】 ベストイレブンが発表されているので自分のものと比べてみる

*EURO2020についての振り返りのような記事です。

 

ウスマン・デンベレの日本人スタッフに対する差別的発言、そしてその場にいたアントワーヌ・グリーズマンのそれを肯定するかのように見受けられる半笑いが収められている動画の発掘(グリーズマンは過去のchi*g c*ong発言も)に端を発した国際的な騒動の延長線上で勃発したフランスに居を置く日本人の著名人の無理がある数々の主張があまりにも滑稽だったのでそちらに時間を奪われていましたが、今回のテーマはEURO2020のオフィシャルベストイレブンと以前記事にした自分版との比較、或いは公式ver.への疑問など。

 

 

因みに、私個人はデンベレグリーズマンの発言やその後の謝罪を装った煽り風責任逃れのメッセージに全く納得していないので彼らに対しては明確にNoの立場。

 

 

 

 

ベストイレブン(公式)

 

 

 

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11人中8人が決勝戦を戦ったイタリア、イングランドから選出され、残り3名は今大会の最優秀若手にも選ばれたスペインのペドリ、デンマークの躍進を中盤で支えたピエール=エミール・ホイビェア、そしてベルギーのロメル・ルカクがノミネート。

議論の余地はありますがいずれも印象的な活躍をした選手ばかりなので、○○は相応しくないという批判は私の中ではありません。

 

ただ、スピナッツォーラのLBはShawberto Carlosの愛称が定着したルーク・ショールカクの位置にはチェコロナウドに並ぶ大会最多タイの5ゴールを挙げたパトリック・シックの方がより優れていたと考えているので、個人的にはその2箇所は変更したいなぁとは思います。

 

 

 

 

準々決勝終了時点で選出した私個人のラインナップからは3人しか一致しませんでしたが、それだけ今大会はスターが多かったという証左でもあるのでこれは喜ばしい事だと考えています。

 

▼私の印象に残ったイレブン+Sub4人(画像クリックで当該記事に飛びます)

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 ファンタジーフットボールではこの11人が最も獲得ポイントの高い選出となった模様。

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(https://twitter.com/EURO2020/status/1415347013684768770より)

 

優勝したイタリアの選手が誰1人として入らなかったのは驚きではありますが、フォルスベリやシャキリといった代表チームの核となる選手が入っているので納得できるラインナップ。

 

 

各スタッツ1位🥇

 

(参照:Player stats | UEFA EURO 2020 | UEFA.com)

 

キースタッツ

出場時間:ジャンルイジ・ドンナルンマ(ITA)⇒719分

ゴール数クリスティアーノ・ロナウド(POR)⇒5ゴール

アシスト:シュテフェン・ツバー(SUI)⇒4アシスト

トップスピード(km/h)レアンドロ・スピナッツォーラ(ITA)⇒33.8km/h

走行距離(km)ジョルジーニョ(ITA)⇒86.6km

 

アタッキング

シュート本数:ダニ・オルモ(ESP)⇒20本

枠内シュート:パトリック・シック(CZE)、アルバロ・モラタ(ESP)⇒9本

パス本数:アイメリク・ラポルト(ESP)⇒689本

クロス:アンドリュー・ロバートソン(SCO)⇒32本

ドリブルラヒーム・スターリング(ENG)⇒34回

 

ディフェンス

ボールリカバリ:マヌエル・アカンジ(SUI)⇒46回

タックル勝利:カルバン・フィリップス(ENG)⇒9回

クリアマルクス・ダニエルソン(SWE)⇒40回

セーブ:ヤン・ゾマー(SUI)⇒22回 

クリーンシート:ジョーダン・ピックフォード(ENG)⇒5回

 

 

基本的には試合数の多い国の選手が並んでいるのですが、こうして各項目ごとに分けていくと守備面ではスイスがよく相手の攻撃を防いでいた事が分かります。

 

ボルシア・ドルトムントのマヌエル・アカンジは密かに今大会名を挙げた選手の1人。

ドルトムント公式の動画で、彼とマッツ・フンメルスが出演している日本語解説が何を言っているのかを当てよう!という企画は面白いので一度目を通してみて欲しい。

 

 

そして、最も異質なのがクロスの項目で一位に輝いたアンドリュー・ロバートソン。

Embed from Getty Images  

 

今大会、スコットランドチェコクロアチア、そして宿敵イングランドと同居するグループDで3試合勝ち点1、グループ内最下位でトーナメントには進出出来ませんでしたが2位のコケに2本差をつけてクロス試行数1位。更には成功数も12回でこちらもベスト8まで勝ち残ったスイスのリカルド・ロドリゲスの11回(試行数は25回)を上回り大会トップの数字。

EURO2020公式スタッツによればスコットランドのクロスアテンプトは63回、つまり半数以上がロバートソンの足からもたらされたものなので、改めて彼への依存の高さが浮き彫りになるデータとなりました。

【England DNA】選手育成の面から見たサウスゲート

*EURO2020決勝戦から2日、正直な気持ちを言えばイングランドは自ら勝利を手放したような試合であったと今でも考えていますが、ガレス・サウスゲートという監督を評価する際には試合での采配に焦点を当てるのかイングリッシュフットボール全体の底上げに成功した実績を重視するかどうかで大きく見方が変わると個人的に考えています。

 

今回は先日、ブライトンのTD ダン・アシュワース(Dan Ashworth)について☈戦から2日、正直な気持ちを言えばイングランドは自ら勝利を手放したような試合であったと今でも考えていますが、ガレス・サウスゲートという監督を評価する際には試合での采配に焦点を当てるのかイングリッシュフットボール全体の底上げに成功した実績を重視するかどうかで大きく見方が変わると個人的に考えています。

 

 

 

今回は先日、ブライトンのTD ダン・アシュワース(Dan Ashworth)について触れた際にも単語だけ登場したEngland DNAという2010年代に入って彼らが打ち出した新たなチーム哲学について、育成という面でのサウスゲートを見ていきたい。

 

 

 

England DNAとは

 

England DNAは大きく分けて5つのコアから構成されており、シニアレベルでイングランドのチームが勝利を収める為の取り組み。

  • WHO WE ARE(文化・価値観)
  • HOW WE PLAY(プレーの原則)
  • THE FUTURE ENGLAND PLAYER(未来の代表選手育成)
  • HOW WE COACH(コーチングの手法)
  • HOW WE SUPPORT(身体的・精神的サポートの方法)

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 この計画が始まったのは2014年の事で、当時FA(イングランドサッカー協会)でDirector of elite developmentという役職に就いていたDan Ashworth、パフォーマンス部門の責任者Dave Reddin、そして当時U-21の代表監督を務めていたガレス・サウスゲートらが中心となって国際大会において勝ちきれない歴史が長く続いたイングランド代表を育成年代から見直して真の意味で強いチームを作り上げるというのが目的。

 

 

Ashworthはフットボール強豪国の選手はジュニア年代で50~60回の代表キャップを記録してシニアの代表に到達するという調査結果を指摘。その頃のイングランドフル代表では35回前後の選手が多かった為に新たにU-15、U-18というカテゴリーを新設し、結果として高レベルの試合の経験を増加させることに成功しました。

 

 

実際に2015年以降のイングランド年代別代表を見ると2017年にはU-17、U-20と2カテゴリーのワールドカップで優勝を経験し、この2チームからはEURO2020に4人のプレイヤーが招集されています。(ディーン・ヘンダーソン、フィル・フォーデン、ジェイドン・サンチョ、ドミニク・キャルバート=ルーウィン)

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フォーデンはU-17W杯MVPを獲得。育成年代のエースからそのままフル代表に定着しつつあり、この計画のモデルケース。

 

17年は世代別のEUROでもU-17準優勝、U-19優勝と素晴らしい結果を記録しており、U-19からは3選手(アーロン・ラムズデール、リース・ジェームズ、メイソン・マウント)がEURO2020メンバー入り(ラムズデールは途中で負傷離脱したディーン・ヘンダーソンの代替招集)

 

既にフル代表の一員だったので招集されなかったマーカス・ラッシュフォードも含めればこの世代は正しくイングランドDNAの成果であり、EURO2020出場選手の平均年齢はウクライナ、トルコと並び25.9歳で最も若いという結果が出ています。

(data:UEFA Euro Player Stats | FBref.com)

 

 

そして、着実に結果を出しているEngland DNAにインフラ面で欠かせなかった要素が2012年に設立したセント・ジョージズ・パーク(St. George's Park)

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66年W杯優勝のチームの中心選手サー・ボビー・チャールトンの名が刻まれたウェンブリーと同じ仕様のピッチやマラドーナのあの試合の当事者でもある伝説的GKピーター・シルトンの名を冠したGK専用練習場を完備。

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屋内施設も充実しており、イングランド代表の選手がユニコーンの浮き輪に乗っている動画がよく流れてくる例のプールも同施設内のものです。

 (何故毎回ユニコーンの浮き輪なのかについて詳しい方がいたらおしえてほしい😉)

 

 

この地では選手のみならず指導者のライセンス講習も行われ、近年の攻撃的フットボールを志向するイングランド人若手指揮官の増加と隆盛にも大きく関与していると考えられます。

更に敷地内に併設されているヒルトンホテルで一般観光客の宿泊も可能となっており、日本でいえばJヴィレッジのような複合施設。(Jヴィレッジの名付け親がサー・ボビーなのも何かの因果か)

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スリーライオンズの長期目標

 

現在のイングランドには2013~2016年の間にFA会長を務めたGreg Dykeと彼の意向を受けたReddinによって導入されたカウントダウン時計があります。

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このカウントダウンでは2020年EUROで準決勝進出、そして2022年カタールW杯で優勝というのを大目標として置いていたので、そこに基づけば2018年ロシアW杯でベスト4、EURO2020準優勝というガレス・サウスゲート監督のこれまでの結果は想定以上。

 

イングランドフットボール識者の中でサウスゲートに対し非常に高い評価を与える方が多い理由もこのような背景があると知れば理解出来る。

 

試合単位で見て先発メンバーの選出や交代策に不満を抱きそれを理由に不支持を表明するのか、England DNAの中心人物かつメジャー大会で優秀な結果を連続している事を評価し長期目線で支持するのかどうかで彼に対する印象が180度変わるのかもしれない。

 

私も含め、日本のフットボールファンの中でメジャー大会以外のイングランド代表や年代別も含めマクロ視点でスリーライオンズを追っているファンはそれほど多くないというのは想像に難くない(そもそも見る手段が限られている)ので、どうしてもトーナメントで上手くいかなかった策にフォーカスしてしまいますが、改めてDevelopmentという方向からサウスゲートを評価してみると確かに彼以上にスリーライオンズの指揮官に相応しい人物は見当たりません。

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今大会はラッシュフォード、サンチョとユナイテッドのアタッカー2人にとって辛い結果となってしまったので、その当てつけではありませんがどうしても辛辣な見方になってしまっていたのはその通りなので自省しよう……

FM21をぼちぼち始めてみようかなと

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steamのサマーセールを見てようやく重い腰を上げ、Football Manager 最新作のFM21を購入しました。

 

ぶっちゃけ前作とそう変わらんだろうと高を括っていたのですが、まずニューゲームを始める際のダウンロードの速度が全然違う。

今のところ選手・コーチ・クラブのデータを眺めているだけなのでシミュレーションゲームとしては全く遊んでいませんが、査定を見ているだけでも時間がどんどん経過していく。。。

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ブルーノは前作に比べてかなり強くなっている気がする
(メガクラブで一度もプレーしなかったのでしっかりと能力値をみていませんが)

 

ウイイレのマスターリーグ、FIFAのキャリアモードでもマンチェスター・ユナイテッドのような世界的なクラブでスタートすると一瞬で飽きてしまうタイプだったので今回もSky Bet Championship~のカテゴリーに属するクラブで始めようと思っているのですが、前作で監督に就任したダービー・カウンティウェイン・ルーニーがボスなので彼をどけて自分がそこに収まるのはゲームとはいえ何だかバツが悪い……

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更にダービーというクラブ自体(というか会長のメル・モリス)も知れば知る程ダーティな経営をしていて嫌いになっていくというのが正直なところで、今シーズンは最終節で何とか降格を回避したものの昨年12月の給与未払い発覚の影響で21/22シーズンは2022年6月30日までの間に再度未払いが判明すれば-3Ptsの減点といわば執行猶予状態。

 

ラムズ(ダービーの愛称)でゲームデータを進めていた際には「Hitmanの主人公エージェント47がターゲット暗殺の為に一時的に就任した」という小ネタを入れていたのですが、最終回と称しフットボール界の暗部を処したあの時に現在の知識があればモリスも確実にターゲットに入れていたと思う🤮

 

▼前作FM2020の記事一覧

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FMプレイ日記-ダービー・カウンティ 

 

 

現状気になっているクラブは、ブレーメンバイエルンでCBとして出場していたあのヴァレリアン・イスマエルが昨年10月に就任し20/21シーズンプレーオフ圏内まで引き上げたバーンズリー

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ゲームデータは2020年7月スタート。つまり前任のゲルハルト・ストルバー政権で、更にイスマエルは現実でプレミアから1シーズンでチャンピオンシップへ戻ってきたWBAに違約金200万ポンドで引き抜かれてしまっています。

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なので、もしもイスマエルが就任しなかったらというifでゲームを始めてみようかな。

【 #EURO2020 】It isn't coming home... アンリ・ドロネー杯を手にしたのはイタリア!!

*EURO2020 決勝 イタリアvsイングランド戦の記事です。

 

 

試合前にはイベントが行われ、優勝トロフィー アンリ・ドロネー杯を手に会場に現れたのは前回大会の決勝ゴールを挙げた元ポルトガル代表のエデル。

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会場外も含めスタジアム周辺はイングランド人サポーターが埋め尽くしており、イタリア側は僅か数千人程度と圧倒的アウェイの状況。

Embed from Getty Images  

 

Football's coming homeのこれ以上ない機会となったイングランドですが、デンマーク戦ほど大きくは無かったもののイタリア国歌斉唱時にブーイングが聞こえてくるなど浮かれすぎてマナー違反を犯す者がいた事は残念です。

 

 

 

▼プレビューについてはこちら

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイタリア:1シリグ、5ロカテッリ、9ベロッティ、11ベラルディ、12ペッシーナ、15アチェルビ、16クリスタンテ、20ベルナルデスキ、23バストーニ、24フロレンツィ、25R.トロイ、26メレト

イングランド:7グリーリッシュ、8J.ヘンダーソン、11ラッシュフォード、13ラムズデール、15ミングス、16コーディ、17サンチョ、18キャルバート=ルーウィン、23ジョンストン、24R.ジェームズ、25サカ、26ベリンガム

 

イタリアは予想通り決勝もこれまでと同じ4-3-3。

RWはキエーザを先発起用しているので90分で決めてしまいたいという想いをマンチーニ監督が強く抱いている事が想像できます。

 

控えに戦況を変えるアタッカーが居ない事は不安要素ですが完成度はイングランドを遥かに凌駕しているのでこの試合も彼らが主導権を握る展開が考えられます。

 

 

イングランドは試合開始数時間前にトリッピアーのスタメン出場という怪情報が流れ、その時点から3バックは想定されていましたが、ドイツ戦と同じ3-4-3で試合に臨む事が濃厚。

 

試合前日に書いた個人的な予想とは大分異なるパターンになったものの、やはりカギを握るのは守備はカイル・ウォーカー、攻撃ではルーク・ショーで間違いなし。

 

 

試合内容

 

前半:開始直後からWBを捉えきれないイタリアがリードを許す展開に

 

1分のイングランドマグワイアのバックパスのミスでイタリアに早速コーナーキックを与えてしまいます。

クロスボールはそのマグワイア自らクリアし、イングランドはショー→ケイン→トリッピアーとピッチを左から右に横断し、カイル・ウォーカーのオーバーラップもあってエメルソンがボールに専念できずトリッピアーがフリーで挙げたクロスにショーの素晴らしいハーフボレーが炸裂したイングランド電光石火の先制点。

Embed from Getty Images  

 

WB⇒WBの攻撃で得点を奪ったイングランド

正に作戦通りの展開でイタリアは3バックを想定していなかったのか特に前半の早い時間帯はルーク・ショーとトリッピアーに誰がチェックするのか曖昧で、特にショーに対してはRWのキエーザがプレッシャーをかけるようになったので攻撃の迫力が大分削がれてしまう形。

 

更にWBだけでなくケインの中盤に降りてボールを引き出すチャンスメイカーとしての動きにも翻弄されており、20分を越えた段階でイタリアのシュートはインシーニェの直接FKのみと非常に苦しい時間帯が続いたことがよく分かります。

 

しかしながら30分前後から中央の3人(ジョルジーニョ、バレッラ、ヴェラッティ)から1つ飛ばしで左サイドライン際に構えるインシーニェへのロングパスという組み立てに光明を見出し、個人能力で度々脅威を与えているフェデリコ・キエーザと共に徐々にイタリアが押し返す展開。

 

それでも主導権を握りきれなったのはデクラン・ライスがこれまでの不調が嘘のようにミドルサードの広いエリアでタックルを立て続けに成功するだけでなく攻撃面でも推進力を発揮し、ルーク・ショーも基本的にはキエーザに守備をさせる時間の方が長く36分にはライン際のフィジカルコンタクトを制し自らのクロスで決定機を演出するなどマグワイアを含む左側3人のハイパフォーマンスが大きな要因。

Embed from Getty Images  

(改めてユナイテッドがライスを獲得して欲しいと強く願う事になったのは言うまでもありません)

 

 

それでも、44分にはジョルジーニョ→インシーニェのロングパスからボックス内でのチャンス、AT1分はディ・ロレンツォのシンプルなクロスからここまで存在感0のインモービレボレーシュートと、リードされている状況とはいえ後半に向けて悪くない形でアズーリは最初の45分を折り返すことに。

 

 

後半:好調な選手を下げ精彩を欠く選手をそのまま残したイングランドの自滅が始まる

 

47分、ニコロ・バレッラがハリー・ケインに後ろから足を出してしまい両チーム通じてこの試合初のイエローカード

48分のイングランドはショー→ボックス内のスターリングへとパスが通りこの10番はボヌッチとのコンタクトで倒れPKを主張しますが準決勝の件が響いているのかVAR含め審判団は総スルー。

そのスターリングは50分にペナルティアークでインシーニェを安易に倒してファウルを与えてしまうなど悪い部分が目立ち、同じように左ウイング起用で得点に繋がるチャンスメイクをまるで出来ていないメイソン・マウントを含め、個人的にイングランド両ウイングを変える必要があると強く感じていました。

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対して、イタリアのマンチーニ監督は浮いていたバレッラとインモービレを54分~55分で早々と諦め、それぞれブライアン・クリスタンテとドメニコ・ベラルディを投入。

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配置も大きく入れ替えてインシーニェを真ん中フォルスナイン、キエーザを左にスライドしてベラルディを右という組み合わせにするとこれがいきなり結果を出し、57分にはキエーザのシュートのディフレクションに詰めたインシーニェが角度のない場所から強烈な一撃。

更に61分にはキエーザがカットインからボックス内で右足インステップでシュートを放つなどこの頃には完全に試合はイタリアペース。

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イングランドは5バック気味になって5-4ブロックでこの一点を守り切る算段だったと思われますが、67分にコーナーキックのからこぼれ球をボヌッチに押し込まれてその計画は脆くも崩れ去ります。

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再び得点が必要になったという事でサウスゲート監督はトリッピアーに変えてブカヨ・サカを投入し4バックへフォーメーションを変更しますが、イタリア側とすればかみ合わせが良くなってWBに対する繊細なケアが不要になったので正直最初から危うさを感じていましたが実際にこの決断は凶という結果であったのは間違いない。

 

更に、中盤のベストプレイヤーだったライスを下げてヘンダーソンという判断にも大きな疑問が残り、仮に彼を延長・PKを見据え精神的支柱としてどうしてもピッチに入れたかったのであればカルバン・フィリップスとの交代が妥当でしょう。

更にいえば、結局ヘンダーソンは途中出場途中交代という結果なのでこの辺りはサウスゲートがパニックになっていたのではないかと邪推せざるを得ない。

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試合はイタリアが7割超のポゼッションという一方的な状態になっていたのでカウンター要員としてラッシュフォードやサンチョの投入がベストなタイミングだったと思いますがそちらに関してもマウントやスターリングのまま、後述しますが彼らが投入されたのは試合が終わる寸前の事。

 

90分に内にリードを奪いたかったイタリアも80分を越えてキエーザを負傷で失ってしまい終盤は決定打を打てず延長戦へ突入。

 

 

延長:後手に回ったサウスゲート

 

96分のイングランドは中盤でのディフレクションの先にいたヘンダーソンのダイレクトパスからスターリングのチャンスになり、そのまま左サイドをドリブルで攻めあがりますがキエッリーニの見事なカバーリングで得点に繋がらず。

直後のコーナーキックではこぼれ球にフィリップスがミドルシュートを放ちますが惜しくも枠の左に僅かに逸れます。

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イタリアは延長戦続きということもあり全体的に足の止まっている選手が多かったですが103分には比較的プレー機会の少なく元気なエメルソンがサイドでウォーカーに尻もちをつかせて中にボールを入れますがピックフォードの好判断に阻まれ前半はスコアが動かず。

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延長後半、残り15分というタイミングでイングランドはまだ3枚の交代カードを残していたので試合を決めるジョーカーとして優秀なアタッカーを多く抱えている彼らからすれば圧倒的に優位な状況だったはず。

 

それでもサウスゲートに動く気配は微塵も感じられず、ラッシュフォード、サンチョと2人のFWがピッチに入ったのは120分とPK戦要員しての投入。

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更に彼らと交代でベンチに下がったのはカイル・ウォーカージョーダン・ヘンダーソンと今のチームで1、2の経験を持つ古株2人で、ヘンダーソンは直前の親善試合でPKをストップされていたとはいえこの判断に"?"が頭に100個以上浮かびあがったのが正直なところ。

 

PK戦をハナから見据えていた90分の終盤から延長にかけてのイングランドはホームで圧倒的な大声援をバックに戦うチームとしては余りに弱腰で、最後の最後に悪い意味でのイングランドらしさが出てしまった。

 

因みに、交代で入ったラッシュフォードはRBに入り、1on1をストップする見事なプレーを見せましたが、イングランドとしては弱腰な形でPK戦になった段階でもうイタリアに負けることが既定路線だったと思います。

 

 

PK戦

 

イタリア1人目ベラルディはピックフォードの動きをよく見て逆方向にキック。

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イングランド1人目ケインは短い助走で初めからコースを決めていたようで、ドンナルンマに動きを読まれますがその手の届かぬ完璧なコースに強いシュート。

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イタリア2人目ベロッティはスペイン戦とは異なりコース重視で結果的に右下の最もセーブされやすいゾーンへのキックになってしまいピックフォード見事セーブ成功。

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イングランド2人目マグワイア、恐らく地球上のどのGKでも止めらないようなインステップのパワーショットを右上隅にブチ込んでカメラを破壊。

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イタリア3人目ボヌッチは助走で僅かにタイミングを外し、コースは読まれたものの僅かな差でゴールネットにボールが到達。

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イングランド3人目はPK要員として投入されたラッシュフォード。

細かい助走で完全にドンナルンマの裏をかいたもののゴールポストにボールが直撃し痛恨の失敗。

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イタリア4人目ベルナルデスキは真ん中にグラウンダーを蹴る判断が見事成功し驚きの強心臓を発揮。

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イングランド4人目はサンチョ。

蹴る前から自信が無さそうにしていましたがベロッティと酷似した右下狙いのコントロールショットで威力・コース共に十分ではなくドンナルンマがセーブ成功。

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イタリア5人目は前回と同じく決めれば勝利という状況でジョルジーニョ

しかしながら独特のステップにピックフォードは動じることなくこの局面で信じられないスーパーセーブを見せて阻止成功!

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決めればスコアがイーブンになるイングランド5人目の大役は途中起用のサカ。

19歳には重荷が過ぎたか助走のステップの段階で誰が見ても右へ蹴るであろう事は分かってしまい、ドンナルンマがこのPK戦2度目のセーブを決めてイタリア勝利。

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今大会のPK戦は2度目のチームが破れるというプチジンクスも存在していましたがアズーリが見事壁を打ち破り、メジャートーナメントでは2006年ドイツW杯、EUROでは1968年自国開催の大会以来となるトロフィーを獲得。

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端的に言えば最も完成度の高いチームが優勝するというシンプルな結果となり、ハイプレス&ショートカウンターという欧州フットボール界のトレンドに乗ったイタリアは2018年ロシアW杯本戦出場を逃すという屈辱から僅か3年で見事な復活。

 

 

動画ハイライト

 

 

ゴール⚽2分:ルーク・ショー(👟キーラン・トリッピアー)
67分:レオナルド・ボヌッチ

 

 

 選手交代

イタリア

54分 in:クリスタンテ out:バレッラ
55分 in:ベラルディ out:インモービレ

86分 in:ベルナルデスキ out:F.キエーザ

118分 in:フロレンツィ out:エメルソン

 

イングランド

70分 in:サカ out:トリッピアー

74分 in:J.ヘンダーソン out:ライス

99分 in:グリーリッシュ out:マウント

120分 in:ラッシュフォード、サンチョ out:J.ヘンダーソン、ウォーカー

 

 

データ

 

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最終的なスタッツはイタリアが全てにおいてイングランドを圧倒する結果となり、特に後半の45分はイタリアxG1.58-イングランドxG0.15と一方的なスタッツでしたからアズーリから見ればそもそもPK戦持ち込んでしまったという試合。

 

幸先いいスタートを切ったイングランドですが枠内シュートは僅か2本、シュート自体も6本と苦しい試合でした。

前半、イタリアがWBに対応できていなかった25分までの間に追加点を奪う事が出来ていれば、或いは延長戦を迎える段階で攻撃のカードを複数切って畳みかけていれば違った結果になっていたのでは。

 

 

大会MVPに輝いたジャンルイジ・ドンナルンマは流れの中では比較的暇な時間も長く、GK同士の比較ならばジョーダン・ピックフォードの方がよりタフなゲームであったころは間違いありません。

 

この試合のMoMを選ぶとすればやはりこの人以外に思い浮かびませんでした。

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レオナルド・ボヌッチは今大会のイタリア代表ではキエッリーニと並び飛びぬけて経験豊富なプレイヤーで、同点ゴールは勿論PK戦でも3人目という重要な位置を受け持ちチームのメンタリティを象徴するような存在。

 

 

一方、イングランドが優勝していた場合はルーク・ショーがMVPに推すつもりでした。今大会スリーライオンズのベストプレイヤーは彼かマグワイアの2択でしょう。

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あとがき 

 

正直に言えば、まだまだこの試合については書き切れていない部分も多いので今後追記があるかもしれない。

 

イングランド代表に選出されたマンチェスター・ユナイテッドの選手にとってはELに続き準優勝でシルバーコレクター(更にいえばリーグ戦も2位)の悔しいシーズンになってしまいましたが、その鬱憤は21-22シーズンで思う存分晴らして欲しい。

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最後になりますが、改めてイタリア優勝おめでとうございます👍

本当に魅力的なチームだったので今大会を機に彼らを応援するようになる人も多いと思いますが、34とした無敗記録をどこまで伸ばすのかも注目していきたい。

【 #EURO2020 】決勝戦を前に #ITAENG の歴史や試合の見どころなどをチェック

一足先に決勝戦を迎えたコパ・アメリカはアルゼンチンの優勝で幕を閉じ、リオネル・メッシが遂に代表のメジャータイトルを獲得するという結果に終わりました。

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翌朝には1ヶ月続いたEURO2020も最後の試合を迎える事になりますが、ファイナルをより楽しむために今回はイタリアvsイングランドについてのプレビューと両チームの歴史をふりかえってテンションを少しでも盛り上げていければと考えています。

 

 

 

 

#ITAENG プレビュー

 

▼予想フォーメーション

 

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イタリアはトーナメントに入りフェデリコ・キエーザが印象的な活躍を続けていますが、おそらくこの試合は90分以降の展開も考えながら戦う試合となるので彼の爆発的なスピードはジョーカー役として取っておくのではないかと予想。

他はLBのエメルソンをもう少し守備的な選手に替えるかそうでないかというポイントを除くとおそらくこのラインナップが固定だと考えられます。

 

 

イングランドに関してはこのメンバーで固定してくる可能性が高いと思われます。

個人的な好みで言えば右サイドはエメルソンの攻撃参加を控えさせる+ネガティブトランジションがあまり早くない彼の裏を突くためによりアタッカー寄りのサンチョ、或いはスターリングを右に配置したいとも考えましたが、手堅い内容で勝ち上がってきた今のチームの強みを考慮すると、決勝も同じメンバーで臨みそうな予感。

 

 

▼両チームの戦績

 

イタリアとイングランドは国際大会の本戦・予選で8試合、フレンドリーマッチ19試合の計27回の対戦があります。

 

戦績は

とややイタリアが勝ち越しており、メジャー大会ではイングランドが1度しか勝利していない(本戦に限ると0)ので、歴史を見ればアズーリの優勝で決着がつくような……

 

ただ、イングランドに好意的なデータとしては、両チームの通算得点が35で並んでいるので歴史的に見ても圧倒的に実力差がついているor相性が悪いわけではなく、例えばドイツvsポルトガルにおけるポルトガル視点のような戦う前から怯える必要があるカードではありません。 

 

今大会に招集されているメンバーではロレンツォ・インシーニェが2018年のフレンドリーで1G、フェデリコ・キエーザがそのアシストを記録しており、出場回数で言えばイタリアはレオナルド・ボヌッチの3試合、イングランドジョーダン・ヘンダーソンの4試合が最多キャップ。

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こういった大舞台では経験がモノを言う場面も普段以上に多いはずですから彼らのようなベテランに差し掛かる円熟期のプレイヤーに注目して決勝を見るのも楽しみ方の1つでしょう。

(ちなみに、イングランドでスタメン出場が見込まれる選手の中ではカイル・ウォーカーの3試合が最多出場。)

 

 

▼私が思う決勝戦のキーマン

 

イングランドカイル・ウォーカー

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イタリア:ニコロ・バレッラ

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イングランドからカイル・ウォーカーを挙げた理由としては、勿論先述した経験値という面もありますが一番はイタリアの攻撃の傾向。

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Whoscoredより

 

今大会のアズーリは左サイドからの攻撃の割合が多くなっており、実際に試合を見ている中でもレアンドロ・スピナッツォーラがウイングのように幅を取って相手のWBやSBを引き付けて、空いた空間をインシーニェが自由自在に動き回るシーンをよく目にしました。

 

スピナッツォーラはアキレス腱断裂で大会を去ってしまいましたが、代役一番手のエメルソンもワンツーなど味方を上手く使って崩しの先鋒となる攻撃的LBなのでイングランドからすればこのイタリア左サイドをどれだけ封じ込められるかが守備面において勝敗を分ける最大の要素。

 

 

イタリアからは右IHでのスタメン起用が続くニコロ・バレッラをピックアップ。

今大会、スリーライオンズ最大の強みはルーク・ショーとハリー・マグワイアマンチェスター・ユナイテッドペアのバックス左側。

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攻撃の割合としてはイタリアほど左に偏っているわけではありませんが、シュートに繋がるチャンスの数を見るとショーがキーパス8回でメイソン・マウントの9回に次ぐ2番目の数値を記録し、マウントも左に流れる時間帯が多い選手なので実際に得点が生まれる確率が高いのは左サイドからと見て間違いありません。

 

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あくまで1つの仮定です🙇‍♂️

マグワイア、ショー共にハーフスペースを有効活用して持ち上がるのが非常に上手なプレイヤーなので、イタリア目線でいえばそのエリアを任されるバレッラが攻守において最も重要なプレイヤーになると予想。

 

また、イングランドDMの左で起用されるデクラン・ライスが今大会イマイチビルドアップで貢献出来ていないので、彼を奪いどころにするプレッシングという意味でもバレッラは最後の奪取役としてキーマンになる可能性アリ。

 

 

あとがき

 

ようやく20-21シーズンのフットボールも一区切り、しばらくはオフの期間突入かと言えばそうではなく、既にイングランドのクラブはプレシーズンが始まろうとしていてアンダー世代の選手にはオリンピックも控えているので大忙し。(五輪開催の是非は一旦置いておいて)

 

これは風の噂で聞いた話ですが、スペインは五輪招集に関する拒否権がクラブ側にないそうなのでペドリやウナイ・シモンといったEUROのレギュラーも参加するようですが、若い選手に多すぎる試合数というのは過去の例や他のスポーツを見るに少なくない不安を抱いています。

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彼らが怪我無く翌シーズンを迎えられることを願って今回は終わりにしようと思います。記事をみて下さった方も一緒にEURO決勝を楽しみましょう!

 

 

三笘薫の当面の目標とブライトンの補強に携わるキーマンについて

昨日、川崎フロンターレの三笘薫選手がイングランドプレミアリーグブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCと契約を結んだとThe Athleticより報じられました。

  

同記事によれば、現時点で三笘はイギリスの労働許可証取得に必要なポイントを有しておらず(高額な移籍金があれば特例で認められるケースも存在します)、21-22シーズンはシーガルズ(ブライトンの愛称)の会長トニー・ブルームが2018年に買収したベルギーのプロクラブ ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへのローン移籍する事が濃厚とされています。

 

 

マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が濃厚とされながら今年の冬移籍デッドラインデイにブライトンへの移籍が発表されたモイセス・カイセドを始め、今オフはレッドブル・ザルツブルクからエノック・ムウェプの獲得を早々に決めるなど、Brexit前後からクラブはヨーロッパ以外の地域の有望株を集めていますが、今回はそんなシーガルズの補強方針の中核を担っているとされる人物に焦点を当ててみようと思います。

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ブライトンにDan Ashworthあり

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左端がダン・アシュワース。中央はお馴染みスリーライオンズのガレス・サウスゲート監督。

 

WBAのテクニカルディレクター、更にはイングランドサッカー協会(FA)でも要職に就き"England DNA"と呼ばれるエリート選手育成計画の考案者の1人でもあり、現在のイングランド人若手プレイヤー隆盛の礎を築いた立役者とも言えるダン・アシュワース(Dan Ashworth)がブライトンでテクニカルディレクターに就任したのは2019年2月のこと。

 

当時のクラブはマンチェスター・ユナイテッドに3vs2で勝利するなど好調だった前半戦が嘘のように連敗を重ねており、最後の20試合で僅か3勝に終わりシーズン終了時の順位は降格圏の18位カーディフと勝ち点2差とギリギリの残留に終わったチームは昇格の立役者クリス・ヒュートンと袂を分かちました。

 

後任にはスウォンジーでその攻撃的なフットボールを高く評価されていた新進気鋭の若手指揮官グラハム・ポッターを迎え入れ、彼の希望に沿って大幅な選手入れ替えを敢行します。

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2019年夏は総勢€68M超の大補強、2020年夏は将来性を見込んだ若手やフリートランスファーの中堅を中心に€30Mを投じ、補強の成功率も極めて高いです。

その証拠としてクラブの20-21シーズンプレミアリーグ出場時間を上から順に見ていくと1,000分を超えている14名のうち半数の7名がアシュワースのTD就任後に獲得されたプレイヤーで、ベン・ホワイトとロベルト・サンチェスは19-20のローンを経て昨季レギュラー獲得に繋がっているのでアルゼンチン国内へのローンが続いたアレクシス・マック・アリスターを含めると10名がアシュワースの絡む移籍で活躍に至ったプレイヤーという事になります。

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更に、怪我で後半戦を棒に振ったものの、イングランド代表選出も噂された程のパフォーマンスを見せたRBタリク・ランプティも19-20冬にチェルシーU-23より獲得した選手で、今のシーガルズは大半がアシュワースの目利きにかなった選手によって構成されているといっても過言ではないでしょう。

 

ファンベースでも彼の仕事は高く評価されており、Brexitに戸惑う他クラブをよそに三笘に続くEU外のタレントとしてCAインデペンディエンテのワンダーキッド アラン・ベラスコにも触手を伸ばすなど、今後もブライトンとDan Ashworthの手腕からは目が離せません。

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来季、三笘の第1の目標はリーグ戦1224分以上出場

 

今後三笘の辿る道のりの先駆者と言える存在が南アフリカ代表のパーシー・タウ。

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1994年生まれのタウは母国リーグで年間最優秀選手に輝いた活躍等が評価されて2018夏の移籍マーケットでクラブに加入。18-19シーズンは先述した系列クラブのユニオンSG、19-20シーズンはベルギーの強豪クラブ・ブルッヘ、20-21シーズンはアンデルレヒトでの半シーズンローンを経て2年半ぶりにブライトンのスカッドに入ると、シーズン終了時までにFAカップとリーグ戦3試合ずつ合計6試合に出場。

 シーガルズに加入してからトップチームの試合に出場するまでにかかった期間は日数にして900日以上と大幅な遠回りを強いられたものの来期以降は出場機会の増加が期待されています。

 

また、クラブ・ブルッヘでは絶対的レギュラーとは言えなかったもののリーグ戦の90分換算で0.80点(0.30G+0.50A)に関与する活躍。

2019年10月1日のUEFAチャンピオンズリーグ vsレアル・マドリー戦ではカウンターからエマヌエル・デニス(6月21日にワトフォードへの移籍が発表)の先制点をアシストするなどヨーロッパの舞台でもその名を轟かせました。

 

 

 

話を三笘選手に戻します

 

 

労働許可証の基準となるのはGBEというポイントベースのシステムで、15点を越えればクリアとなりますが、ベルギー1部ことジュピラーリーグはBand2に位置し、1試合でもベンチ入りすれば10Pts獲得。そして直近一年間で40%以上のリーグ戦出場時間を確保すれば残りの5Ptsを上回る事になるので、三笘選手の実力ならば大きな怪我や監督の不和さえ無ければこの基準は十分に突破可能でしょう。

 

21-22シーズンのジュピラーリーグのレギュラーシーズンは18チームのH&A総当たり全34試合が予定されているので34(試合)×90(分)×0.4=1224分が計算上では翌シーズンのプレミアリーグでのプレー資格を得る為に最低限必要な水準。

(参考:Points Based System - Rules & Regulations | The FA一番目のPDFを基に計算)

 

更にブライトンでの未来を考慮すれば2000分+G&A:10以上は求めたいところ。

また、大目標としてはクラブの主力で2019年夏にKRCヘンクから€20M(source:

Leandro Trossard - Player profile 21/22 | Transfermarkt)で加入したレアンドロ・トロサールが移籍前年度にマークした14G7Aという数字。

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*トロサールは現在開催中のEURO2020でもベルギー代表に選出されグループステージ第3戦 フィンランド戦に先発出場。

 

仮に三笘が来年以降ブライトンでプレーする事になった場合、レギュラーポジションを獲得する為の直接的なライバルになる可能性が高い選手でもあるので当面の間は"目指せ追い越せトロサール"となりそうです。

 

 

パーシー・タウのケースではこの新ルールが適用されていない期間が長かった為に過去2年間の代表戦出場率をベースにした旧制度に阻まれて親クラブでデビューするまでに900日以上もかかってしまいましたが、今の仕組みならば彼も1シーズン早くブライトンでプレーしていたであろう事は間違いない。

 

普段、イングランドプレミアリーグを中心にフットボールを観ている身としては、三笘薫選手のようなJリーグのスタープレイヤーがあの舞台に挑戦するかもしれないという事にワクワクを抑えきれないので、まだ21-22すら始まっていない段階ですが早くも22-23シーズンが待ち遠しい。

 

 

出場機会が無かった序盤、ハットトリックは転機になるか⁉

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ユニオンSGは昨季のベースをそのままに1部でも首位を快走しており、フェリス・マッズ率いる今のチームは三笘の得意とするウインガーを置かない3-5-2のシステムを採用している事もあってレギュラーシーズン10試合が終わった段階で三笘薫選手のリーグ戦出場は僅か4試合51分に留まっていました。

 

 

以前書いた部分で彼のクリアしなければならない最低条件{34(試合)×90(分)×0.4=1224分}を算出しましたが、このままではこれを突破する事はかなり難しいと言わざるを得ない状況です。

 

しかし、苦境に立たされる状況で彼は自身のクオリティを証明。

それがジュピラー・プロ・リーグ レギュラーシーズン11試合目 vsR.F.C.スラン戦

右の攻撃的MFで出場していたJean Thierry Lazareが前半の終わり間際に審判への侮辱的態度でこの日2枚目のイエローカードを提示されて退場。

 

後半開始と共に右WBのBart Nieuwkoopに代わってピッチに登場した三笘は、スクランブル起用と2点ビハインドの影響もあって本職のLWに近い3-5-1(3-2-3-1)の3の左としてプレー。

持ち前のスピードと仕掛けのドリブルで1人少ない状況ながら左サイドを制圧し、更にフィニッシャーとしてもシュート数4で3ゴール ハットトリックを達成しています。

 

 


FBrefの出場時間データをベースに考えてみると、現在、ユニオンSGの3-5-2で三笘選手のこなせる可能性のあるポジションでメンバーが比較的流動的なのは右の中盤とWB。

(https://fbref.com/en/squads/e14f61a5/Union-SG-Stats)

 

チャンスメイクの中心であるマルタ代表のTeddy Teumaを右にスライドさせれば左の中盤もあり得る選択肢ですが、いずれにしても攻撃面だけでなく守備でのアピール、特にデュエルの強さが要求されるでしょう。
ハットトリックでFWの選択肢に入れるならば幸いなのですが、現状のレギュラー2人はDante Vanzeirが得点ランク3位タイの8ゴール(4アシスト)、Deniz Undavが同6位の7ゴール(6アシスト)と目覚ましい成果を残しているのでそう容易い道ではありません。

 

ただ、三笘のスタッツはローン元のブライトンのように中盤を一枚アタッカーに割いて3-4-3(3-4-2-1)にフォーメーションを変更する事を監督の頭によぎらせても不思議ではない高水準なので、まずは目の前の出場機会で着実に結果を残し続けることが肝心。

 

【 #EURO2020 】#ThreeLoins 初のEURO決勝へ。勝ち越し弾は疑惑のPK

*EURO2020 準決勝第2試合 イングランドvsデンマーク戦の記事です。

 

 

史上初のEURO決勝進出を狙うイングランドユーゴスラビア(当時)が内戦によって出場権をはく奪されて代替出場となったEURO92以来のファイナルを目論むデンマークの1戦はウェンブリー開催という事もあってイングランドサポーターが圧倒的多数。

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両チームはこれまでに21回対戦があり、通算ではイングランド12勝-デンマーク4勝-引き分け5回とスリーライオンズが有利なカードですが、直近で見ると2020年9月、10月に立て続けに行われたUEFAネーションズリーグではデンマークが1勝1分けと勝ち越しているので現状の実力は非常に拮抗しているものと考えられます。

 

 

▼両チームの準々決勝

 

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイングランド:7グリーリッシュ、8J.ヘンダーソン、11ラッシュフォード、12トリッピアー、13ラムズデール、15ミングス、16コーディ、17サンチョ、20フォーデン、23ジョンストン、24R.ジェームズ、26ベリンガム

デンマーク:2J.アンデルセン、7R.スコフ、11A.S.オルセン、13M.ヨルゲンセン(ザンカ)、15ノアゴール、16レッスル、18ヴァス、19ウィンド、20Y.ポウルセン、21コーネリウス、22レノウ、24M.イェンセン

 

イングランドはRWがサンチョ⇒サカへ戻った以外はウクライナ戦と同じスターティングラインナップ。

相手の出方を伺うのではなくあくまで自分たちの長所を押し付けるという試合展開がこちら側の理想。

 

デクラン・ライスとカルバン・フィリップスの2DMに関しては組み立てに不安要素を抱えており、デンマークが5-4-1でブロック敷いてきた場合にはブロックの外でU字のパス交換に甘んじてしまうようなシナリオも考えられるので重要なのはやはりフルバックの攻撃参加。

おそらくフィリップスがやや前目に位置取りしてライスのアンカーというような形も試合中には頻繁にみられると思います。

 

 

デンマークチェコ戦と全く同じメンバーでスタート。

今大会ブレイクを果たしたミッケル・ダムスゴーには早くも移籍の噂が立っていますが、サンプドリアは安価で放出するつもりは全くないと断言しており、この試合の活躍次第では逆に中々手が出せない存在になる可能性も。

 

カギとなるのはヨアキム・メーレvsカイル・ウォーカーのマッチアップが予想される左サイド。

今大会の戦いぶりを見ているとヴェスターゴーアは比較的縦のパスを出す意識が高いのでCBとSB間のポケットにダムスゴーやディレイニーが顔を出して彼からのボールを引き出す事が出来れば必然的にイングランドDFラインも中に絞るようになって必然的に大外のメーレがフリーになる機会も増えるでしょう。

 

 

試合内容

 

前半:遂に今大会初の直接FKが決まる

 

序盤からイングランドペースで試合は進み、イングランドは左サイドでルーク・ショー、メイソン・マウント、ラヒーム・スターリングが幾度もチャンスを創出しますがシュートまでは行けない事が多くモヤモヤする展開。

 

デンマークは両WBがこれまでのような高い位置取りをする事は少なく、5バックでブロックを敷いてからカウンターで好機を伺いますが当初左側でプレーすることの多かったダムスゴーはカイル・ウォーカーのスピードを前に苦戦。

ピックフォードのパスミスからブレイスウェイトにシュートチャンスがあったものの、純粋な流れの中からはほぼゴールになるようなプレーは生み出せず。

 

ただ、守備ではイングランドにスペースを与えず、中盤2枚とピックフォードはビルドアップの局面でロングボールを蹴らされてしまうシーンが散見されました。

 

今大会イングランドの組み立てはユナイテッド同様マグワイアとショーに依存している部分が多く、これまでの試合でもこのウィークポイントは見え隠れしていましたがデンマークのヒュルマンド監督によって誰が見ても分かるくらいむき出しにされた模様。

 

 

29分のデンマークは右サイドのミドルサードでFKを獲得し、更にこのセットプレーの競り合いでルーク・ショーがクリステンセンを手で囲ったという判定でよりゴールに近い位置のFKのチャンス。

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ピックフォードがかなりファーサイドに寄っていて、尚且つWOWOW実況の方が今大会直接FKが1つも決まっていないという事について触れていたので嫌な予感はしていましたがダムスゴーのキックはドライブ回転がかかり急速にゴールマウス上部に向けて落下しそのままゴールネットを揺らす見事なゴールとなってデンマーク先制。

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ここまで無失点を続けていたイングランドにとっては初めてリードを許す事になりますが、38分には右サイドサカのドリブルからケインへ渡りそのラストパスでスターリングの決定機。

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続く39分にも中盤に降りてきたケインのパスからサカがオフサイドラインギリギリで右サイド裏のスペースへ抜け、サカのクロスをクリアしようと試みたケアーのオウンゴールという形で試合はイーブンに戻ります。

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グループステージにおけるケインは中央でなるべく前線に留まるよう指示が出ていたのかこのようなチャンスメイクの場面は見られませんでしたが、本来の彼はフィニッシャーにもプレイメーカーにもなるコンプリートFWなのでようやく本領発揮といったところでしょう。

 

 

前半は1vs1で折り返し。

ゲームプランとしてはデンマークの方が想定通りに運べているような印象を受ける45分間で、イングランドは中盤の構成を変更するなどしてビルドアップを改善する必要がある内容。

 

 

後半:全てを制すのはフィジカル。70分過ぎからはイングランド圧倒も……

 

後半のデンマークイングランドのバリエーションに乏しい攻撃を見抜いて一転してハイプレス気味の守備。51~52分にはホイビェアがケインからボールを奪ってカウンターからドルベアのシュートで終わる見事な攻撃。

 

その後も連続してデンマークがカウンターから好機を作るシーンが少しの間続きますがイングランドの屈強な選手達の球際の強さもあってゴールに結びつくところまでは行けず、反対に55分のイングランドFKではマグワイアのヘディングがシュマイケルを襲います。

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やはり困った時のイングランドはセットプレーに頼る傾向。

FK、CKのみならず、個人的に今大会最もスローインがデザインされているのはスリーライオンズだと感じていますが、60分のウォーカーのスローインから始まった一連の攻撃はその成果が表れているような見事なプレー。

 

前線からのチェイスでかなりスタミナを消費していたデンマークはこの辺りから徐々に動きが鈍くなっていき、ヒュルマンド監督も67分に一挙3枚入れ替えで対処を図りますがそれでも傾向は変わらず。

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更にはアンドレアス・クリステンセンも負傷交代で気づけば目の前のピンチをひたすら凌ぐしかないという厳しい状況へ様変わり。

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イングランドは73分にマウントのクロスがミスキックのような形になってループシュートになるチャンスこそありましたが疲弊したデンマーク相手にまともな形からは殆どチャンスを作れず今大会初の延長戦へ突入。

 

 

延長:試合巧者に変貌を遂げたサウスゲートのチーム

 

94分のイングランドはウォーカー→ケインの縦パス一本で決定機。

ケインのシュートをシュマイケルが弾きますがその先には誰も詰めておらず得点とはなりません。

 

 

そして、少し焦りも見え始めた102分に疑惑のプレーが生まれます。

右サイドライン際から斜めにドリブルで切り込んだスターリングがボックス内でマティアス・イェンセンに倒されたという判定でイングランドがPKを獲得。

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そもそも接触自体があったかどうかも疑わしいですが、このプレーの少し前から右サイドのゴールライン手前にもう1つボールが入っている状態のまま試合が続いていた事もあってデンマークとしては到底納得できるジャッジでは無かった事でしょう。

残念ながら判定が覆る事はなく、この絶体絶命の危機でケインのPKをシュマイケルはセーブ成功!!

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しかしながら、不シュマイケルはこのボールをキャッチし切れず弾いたのが不運にもケインの正面。このこぼれ球を今度はゴールマウスに収めたケインがイングランドに勝ち越しゴールをもたらしています。

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延長前半も終わる間際にリードを奪ったイングランドは後半に入るタイミングで途中出場のグリーリッシュを下げてトリッピアーを投入。勝負に徹するサウスゲートらしい采配でこの1点を守りきろうというメッセージを明確にピッチへ送ります。

 

 

その気があればもう1、2点奪えそうな雰囲気でしたがイングランドの選手はセーフティーなプレーを徹底し、満身創痍のデンマークにプレッシングを行う体力は残っておらずタイムアップ。

 イングランドはメジャートーナメントで母国開催1966年W杯以来、EUROでは初となる決勝進出を決め、ウェンブリーはお祭り騒ぎ。

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動画ハイライト

 

 

ゴール⚽30分:ミッケル・ダムスゴー
39分:オウンゴール(シモン・ケアー)
104分:ハリー・ケイン

 

 

選手交代

イングランド 

69分 in:グリーリッシュ out:サカ

95分 in:J.ヘンダーソン、フォーデン out:ライス、マウント

105分 in:トリッピアー out:グリーリッシュ

 

デンマーク

67分 in:ヴァス、Y.ポウルセン、ノアゴール out:ストリガー・ラーセン、ダムスゴー、ドルベア

79分 in:J.アンデルセン out:クリステンセン

88分 in:M.イェンセン out:ディレイニー

105分 in:ウィンド out:ヴェスターゴーア

 

 

データ

 

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イングランドとしては90分の内に決めておきたかった試合である事は確か。

21本のシュートのうち90分間に記録したのは13本ですが、xGで判断すると延長戦の方が遥かに高いスコアだったので見ている側からすれば攻めあぐねた試合という印象を強く抱いたのでは。

 

両チームのポジショニングを見るとデンマークは3-4-3、イングランドカイル・ウォーカーがそれほど攻撃に参加せず代わりに左のルーク・ショーが幅を取って2-3-3-2に見える可変フォーメーションを採用していた事が分かります。

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Whoscoredより

 

イングランドのDM~バックラインに目を傾けてみると、選手間の距離が広くCBがボールを保持した際に安心してボールを預けられる場所が真横にしか存在しておらず、ビルドアップに四苦八苦している要因の1つはこれでしょう。

ジェラード・ランパードインパクトに隠れてしまう事も多かったマイケル・キャリックがあと5歳若ければ……

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あとがき

 

イングランドにとっては大変喜ばしい1日となりましたが,、一方でデンマークの選手にレーザーポインターを当てたり、キックオフ前の国家をブーイングで妨害した一部の信じられないファンの存在は1つ暗い影を落としています。

試合途中にシュマイケルが抗議していた場面がありましたがおそらくはレーザーに対するものだっと考えられ、UEFAはこの件に関してイングランドに対する懲戒手続きを開始したと発表しています。

www.cnn.co.jp

 

 

PK判定を巡る疑惑も含めてクリーンな勝利とはいかなかったイングランド

ヒールの立場で迎える決勝戦は自国開催でなければブーイングの嵐になっていたかもしれません。

 

とはいえ、選手達に罪はないので今大会最強と名高いイタリア相手にも勝利してIt's Coming Homeと高らかに宣言出来る未来を期待。

【 #EURO2020 】準決勝1試合目、スペインが試合を支配しイタリアは苦しい展開が続くもPK戦に持ち込み決勝進出

*EURO2020 準決勝 イタリアvsスペイン戦の記事です。

 

 

優勝候補の1つに挙げられていたベルギーを1vs2で下し、2018年から続く無敗記録を32に更新したイタリアとラウンド16クロアチア戦に続く延長戦、スイスGKヤン・ゾマーの神がかった活躍にも阻まれPK戦の末何とかこの場所まで勝ち進んできたスペインの1戦はこれまで37回行われており、戦績はイタリア11勝-スペイン13勝-引き分け13回と非常に拮抗したものとなっております。

 

イタリアはカテナチオからの脱却を図り、マンチーニに率いられる今のアズーリは前線からのプレッシングやハーフスペースを活用するモダンなフットボールへ転換しているのでこの試合は中盤でのボールの奪い合いが鍵になりそうな予感。

 

▼両チームの準々決勝

ベルギーvsイタリア

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com
スイスvsスペイン

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイタリア:1シリグ、5ロカテッリ、9ベロッティ、11ベラルディ、12ペッシーナ、15アチェルビ、16クリスタンテ、20ベルナルデスキ、23バストーニ、24フロレンツィ、25R.トロイ、26メレト

スペイン:1デヘア、3D.ジョレンテ、4パウ・トーレス、6M.ジョレンテ、7モラタ、9G.モレノ、10チアゴ、13R.サンチェス、14ガヤ、16ロドリ、17F.ルイス、20アダマ

 

イタリアはアキレス腱断裂でチームを離れたレアンドロ・スピナッツォーラの代わりにエメルソンを起用した以外はベルギー戦と同じラインナップ。

スピナッツォーラはサイドで1on1からチャンスを作れる選手だったので彼が消えた事によって戦術的に変更される部分もあると思います。

 

 

スペインは大幅なメンバー交代。

前線には純粋なストライカーを起用せず、ミケル・オヤルサバル或いはダニ・オルモが中央に入るゼロトップ気味の陣形が予想されます。

 

彼らはFWだけでなくCBの組み合わせにも悩まされており、結局今大会はラポルトの相方にパウ・トーレスなのかエリック・ガルシアなのかここに至るまでベストマッチを決める事が出来ずに来ています。

 

 

試合内容

 

前半:スペインのポゼッションが猛威

 

スペインはこれまでウイングでの起用が主だったダニ・オルモを中央に置き、フォルスナインの役割を持たせて試合に入ります。

 

序盤はイタリアが優勢気味。4分にはオフサイドになったもののボヌッチの楔パス→インシーニェ胸で落とす→インモービレサイドに展開→受け取ったエメルソン縦パスから最後はバレッラが裏に抜け、ゴールネットを揺らしスペインを牽制。

 

スペイン最初のチャンスと言える場面は13分。

目線と身体の向きでバレッラを騙したブスケツの見事な縦パスからペドリにボールが入り、彼のスルーパスでオヤルサバルがボックス内でフリーになりますがボールを適切にトラップ出来ずビッグチャンス未遂で終わります。

 

イタリアの右サイドはスペインLBジョルディ・アルバの攻撃参加を強く警戒しているようで守備時にはウイングのフェデリコ・キエーザも低い位置まで戻ってサイドのスペースを埋めているのがこれまでの試合とは異なるところ。

一方でイタリアLBのエメルソンはボールを持った際のプレーは魅力的ですが如何せんトランジションが遅い場面も多いので、スペインとしては右サイドから攻撃を始めると上手くいくのではないかなどと個人的には感じていました。

 

 21分のイタリアはそのエメルソンがインシーニェとのパス交換で左サイドでDF裏へ侵入し飛び出してきたウナイ・シモンとそのまま1on1になり、シュートではなく中への折り返しを選択しますがスペイン守備陣の戻りも早くこのチャンスは得点に繋がらず。

 

25分のスペイン、ドンナルンマのフィードが短くなりブスケツがボールを拾うとカウンターから最後はダニ・オルモがボックス内で決定的なシュート。

しかしながらこれをドンナルンマがスーパーセーブで防ぎ、自作自演ではありますが失点の危機からチームを救います。

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スペインのハイプレスを前にイタリアはビルドアップが上手くいかず、ドンナルンマのパス精度の低さも相まって自陣でボールロストしてしまいそこからスペインにチャンスを作られるシーンが目立ちます。

更にフォルスナイン のダニ・オルモをジョルジーニョがマークするのかそれともCBのボヌッチが見るのかというのも曖昧だったので前半は完全にスペイン ルイス・エンリケ監督の作戦通り。

 

アズーリも45分にようやくサイドチェンジからインシーニェがドリブルを仕掛け、最後は角度のないところからエメルソンがシュートという形まで持っていき後半に向けて光明が見えるようなプレーではありました。

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前半はアディショナルタイムを取らず45分を越えたすぐ後に笛が吹かれ0vs0で折り返し

スペインは得意の形でボール保持を続けましたが、中でもペドリはパス成功率100%という見事なスタッツを記録。

 

 

後半:イタリアはカウンターに勝機を見いだす 

 

50分、スペインは中盤で複数人でボールを囲み奪い返すとオヤルサバルの持ち運び→サイドに流れたダニ・オルモへパスが通りオルモのアーリー気味のクロスにフェラン・トーレスが飛び込もうとしますがこれはイタリアRBディ・ロレンツォが寸前で見事コーナーへ逃れます。

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52分にはアスピリクエタのスライディングクリアがそのままオヤルサバルへの見事なパスとなり、カットインでタメを作ると最後はブスケツが後ろから上がってきてミドルシュート

 

後半イタリアはそれまでのプレッシングスタイルを諦め、比較的低い位置でブロック敷いて守る以前のスタイルへ変更。

53分、キエッリーニのロングボールをインモービレがワンタッチでインシーニェへ落としイタリアカウンターチャンス。右サイドにボールが渡りキエーザがやや強引に股の裏を狙ったシュート。

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スコアが動いたのもやはりカウンターからでした。

60分のイタリアはスペインの攻撃をドンナルンマのキャッチで終了させると、この守護神の素早いアンダースローからヴェラッティ→インシーニェ→インモービレと縦方向のパスを続けて一気にスペイン陣内へ。インモービレラポルトのスライディングによって一度ボールを失いかけますが、フォローに入っていたキエーザリカバリーに成功しそのまま右足コントロールショットを決めてイタリアが先制。

 

 

直後にイタリアはインモービレ🔁ベラルディの交代でこちらもスペイン同様フォルスナインのような配置に変更し中盤のプレッシャーを高めようと試みます。

 

対してスペインは62分にフェラン・トーレスに変えてモラタを投入し、70分にはオヤルサバル🔁ジェラール・モレノ、コケ🔁ロドリと立て続けにカードを切って前線の枚数を増やし、実質4トップ気味の4-4-2ヘフォーメーションをチェンジ。

 

元々スペイン3トップにマンマーク気味でついていたイタリアが混乱に陥り、80分にはモラタが前半のダニ・オルモのように後ろに下がってラポルトからボールを引き出すと、ドリブルとワンツーでイタリア中央守備をこじ開けて殊勲の同点弾。これぞスペインという美しいパス交換でした。

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このゴールの数分前にエメルソン🔁ラファエル・トロイ、ヴェラッティ🔁ペッシーナで試合を締めにかかっていたイタリアとしては痛恨の失点でしたが試合がイーブンに戻った後はスペインをアタッキングサードに殆ど侵入させず、試合は延長戦へ。

 

 

延長

 

イタリアはラウンド16オーストリア戦、スペインはノックアウトステージ後全ての試合で延長戦を戦っているという事もあり、両チーム共に疲労の影響は強く全体で見ると得点チャンスは数少ないものでした。

 

98分のスペイン。ダニ・オルモの意表を突いたグランウンダーのFKをドンナルンマが弾き、こぼれ球がモラタに渡るもシュートは枠の外。

102分には右サイドに流れたジェラール・モレノの左足クロスをGKがパンチングでクリアし、その先にいたマルコス・ジョレンテがシュートを狙うも上手くミート出来ず。

 

延長戦のスペインは8割近いボール支配率を記録したものの、疲労orリスクコントロールなのかは分かりませんがフルバックが高い位置を取らなくなり、後方に5~6人が常にいる状況だったのでブロックを固めるイタリアに対し有効的な崩しは殆ど見る事が出来ずそのまま120分経過。

 

 

PK戦

 

イタリア1人目ロカテッリは左下へ強いキックを蹴りますがコースを完璧な読んだウナイ・シモンのファインセーブに阻まれ失敗。

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スペイン1人目はスイス戦で左上に見事なキックを決めたダニ・オルモ。

今回もゴールマウス上部を狙い右足を振り抜きますが高さをコントロールし切れずボールはクロスバーの上を通過。

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イタリア2人目ベロッティはGKとの駆け引きをせず、コースを読まれても止められそうにない強烈な一撃を左下に突き刺します。

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スペイン2人目ジェラール・モレノは助走でGKのタイミングを外すステップを入れ、コースはドンナルンマに読まれたものの右上の素晴らしいコースに決めてスコアは1vs1。

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イタリア3人目ボヌッチはウナイ・シモンが動くのを見てから冷静に逆方向に蹴り込んでゴール。

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スペイン3人目チアゴもゆったりとした助走からGKとの駆け引きを制しグラウンダーのキックがゆっくりと左下に吸い込まれて行きました。

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イタリア4人目ベルナルデスキはゴール右最上部に完璧なシュート。

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スペイン4人目モラタのキックは最も止められる確率の高い右下甘めのコースとなってしまいドンナルンマが余裕をもってセーブ成功。

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最後はジョルジーニョがお馴染みのスキップをするかのようなキックでウナイ・シモンの逆を突いてイタリアが決勝進出を決めています。

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動画ハイライト

 

 

ゴール⚽60分:フェデリコ・キエーザ(👟チーロ・インモービレ)
80分:アルバロ・モラタ(👟ダニ・オルモ)

 

 

選手交代

イタリア

61分 in:ベラルディ out:インモービレ

74分 in:ペッシーナ、R.トロイ out:ヴェラッティ、エメルソン

85分 in:ロカテッリ、ベロッティ out:バレッラ、インシーニェ

107分 in:ベルナルデスキ out:F.キエーザ

 

スペイン

62分 in:モラタ out:フェラン・トーレス

70分 in:G.モレノ、ロドリ out:オヤルサバル、コケ

85分 in:M.ジョレンテ out:アスピリクエタ

105分 in:チアゴ out:ブスケツ

109分 in:パウ・トーレス out:E.ガルシア

 

 

データ

 

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スタッツはボール支配率でも分かるように試合を優勢に進め続けたスペインが圧倒する内容となりました。

xGはイタリア0.76-スペイン1.52(sofascore)。 

 

スペインがポゼッションやシュート本数の割にゴールを奪えなかった要因としてはプログレッシブパス(ゴール方向に近づくパス)が思うに出せなかったこととバスストップに出たイタリアの最終ブロックを崩しきれなかったのが大きな割合を占めているように感じました。

 

同点弾のようなライン間でボールを受けてパス&ゴーで局面を打破するプレーがもう少しあれば特に延長戦で勝ち越しゴールが生まれていたかもしれない。

ただ、先述したようにスペインは延長戦続きでしたからそれが出来る体力は既に残っていなかったのかもしれませんね。

 

因みに、今大会のスペインは平均ポゼッション66.8%で2位以下に大きな差をつけて断トツ1位。他にも準決勝終了時点でゴール数、パス成功率、シュート数などオフェンスの複数のスタッツで大会トップをマークしており、決して前評判は高くありませんでしたが蓋を開けてみれば優れたチームの1つだったのは間違いない。

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EURO2020 公式サイトより

 

 

あとがき

 

イタリアは初めて相手に主導権を握られるような試合展開でかなり苦しんだ末の決勝進出でしたが気になるのはやはりスピナッツォーラの抜けたLB。

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この試合ではスペインのハイプレスの仕様上エメルソンが空くケースも多く、実際に攻撃面では前半45分にバー直撃のシュートを放ちましたがネガティブトランジションが前任と比較するとかなり遅い。

 

決勝を戦うイングランドのRWはサカ、サンチョ、右に回ったスターリングとスピードがあってカウンターの得意なプレイヤーばかりなので、マンチーニ監督としてはこのままエメルソンで行くのか或いはラファエル・トロイやアレッサンドロ・バストーニを起用するのかどうかで悩んでいるかもしれない。