いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #FPL 23/24 】GW33 今季初の100到達、Palmerがエグ過ぎる

 

3桁の景色を今シーズン見れるとは思ってなかったので感慨深いです。11人バランスよくというよりは中盤の3人がとてつもない活躍をしてくれた結果なので完全に棚ぼたですが。

 

 

Gameweek31,32はこちら


【FPL 23/24】GW31,32 結局同じポイント帯へ収束していく

 

 

 

 

スカッド

 

 

ディフェンダーの切迫した状況は補強を経ても変わっていませんが、今節は10Pts越えがスカッド内に4名いて週間ポイントランキング上位を選手をしっかりとスタメンに加えていたので今季ベストの100Pts。

 

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、ブルーノ、ホイルンド
アーセナル:ジンチェンコ、サカ
マンチェスター・シティ:ハーランド
ニューカッスル:ゴードン
チェルシー:パルマ
ブライトン:グロス
ウルブス:ジョゼ・サ
ルートン:ダウティー

(リザーブ)
ピックフォード、アイェル、ソランケ、アイト=ヌーリ

 

IN:クリストファー・アイェル
OUT:カラム・ロビンソン

 

スカッドに加えたアイェルはゲーム的な観点ではなくプレーの質に好感を抱いて補強したが試合には招集されず。いくら出場した際のパフォーマンスが高いレベルにあったとしても怪我がちな選手を信用すると痛い目を見るという典型になってしまった。

 

対戦カード

 

再び混沌としてきた6位のイスを巡る争い

 

マンチェスター・ユナイテッドが4試合連続未勝利と何とか保っていた堤防が相次ぐCBの怪我人で決壊しつつある中、ニューカッスルが直近4戦3勝1分け、試合消化の少ないチェルシーは2月から2ヶ月間リーグ戦無敗とリーグ戦6番目の椅子を巡る戦いは再びどこに転ぶか分からないという混迷の争いに突入している。

 

FPLでこのGameweek33を振り返って行くと、まずはランチタイムキックオフで口火を切ったマグパイズがポステコグルーのスパーズを4-0で粉砕。

 〈NEWTOT ハイライト〉

 

 

4得点のうち2回ゴールネットを揺らしたイサク、そして1ゴール2アシストで3度も得点に関与したゴードンの2人は今シーズンのニューカッスルがド派手に勝利する際に毎回象徴的な活躍をする顔ぶれで、後者は献身性あふれるプレッシングから先制ゴール,2点目のキッカケを作りだし、更にトリッピアー離脱後はセットプレーのキッカーを務めるというファンタジーフットボールにおける確かな優位性まで加わっているので一瞬でも彼を放出候補にした事を今改めて後悔。

 

 

一方、チームの不振とは裏腹に個人成績ではマンチェスター・ユナイテッドでの公式戦直近7試合で6ゴール3アシストとクラブ加入当初並みの得点貢献を見せているブルーノもFPLでは無視できない存在。

 〈BOUMUN ハイライト〉

 

 

ゴールシーン以外のパフォーマンスは正直なところ大きく改善されているとは思えず、相変わらずミドルを放つ際にホームランにしてしまうケースやブロック守備で安易に突っ込んで淡白な交わされ方をする事も多いので何とも複雑ではあるが、得点&アシストがポイント加算ベースのファンタジーフットボールにおいてはもう一度信用しても良いのではないか。

Embed from Getty Images  

 

今シーズンは優勝争いも最後の最後までデッドヒートするでしょうから若手に出番を譲って出場機会が減るチームの主軸という毎年の苦しみをあまり考えなくてもいいのでシンプルに得点関与能力が高いと思った選手を補強し投入していく事が一番大事になる。

 

流石に恐怖すら抱くPalmerの加算ペース

 

一体何がどうなっているんでしょうか。マンチェスター・ユナイテッド相手にハットトリックを達成したばかりのコール・パルマーはエバートンとのホームゲームで何と更に数字を伸ばし1試合4得点の大暴れ、あっという間にプレミアリーグでのゴール数を20の大台に到達させて得点ランキングトップタイに躍り出てしまった。

 〈CHEEVE Palmer個人ハイライト〉

 

 

当然のことながらリーグ内のトップスコアラーともなればFPLでも個人獲得ポイントの上位に収まる事となり、ほんの2,3試合前まではTOP5に入れば、或いはシーズン通算で200Ptsを越えれば十分という水準だったものの、GW33消化時点ではアストン・ヴィラのワトキンスに並ぶトップタイの208Ptsとこちらでも一気にポイントリーダーに。

 

シーズン終了時のTotal Score1位の得点はバランスブレイカーが出現しない限り例年240~270で推移し、今季はその中でもかなり下限に近い水準で決着すると想定していたが、彼がこのまま異次元のスタッツを継続して一気に他を置き去りにしていく可能性も無視できないレベルになってきた。最早スカッドに加えないのは敗北行為かも。

 

 

あとがき

 

次節、GW34はダブルゲームの対象クラブが6チーム、他にもFAカップ準決勝を控えるチームは週末にカップ戦を戦いミッドウィークにプレミアと土曜日から木曜日まで毎日試合が予定される特殊な日程なので、基本的には2試合予定のクラブからキャプテンを指定するのが吉かもしれない。ただ、パルマーの爆発には引き続き警戒したいところ。

 

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FPL-記事一覧

 

 

 

 

【 #BOUMUN 】疑惑のPKが無ければ引き分けすら危うかった

※23/24 イングリッシュプレミアリーグ

AFCボーンマスvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。


毎回同じように守備のルールが定まらず毎回ビルドアップの配置も非合理的で相手がどこであろうとほぼ確実にスタッツが劣勢。もう潮時に思えてなりませんが果たして最終盤にもう一度意地を見せてくれるのだろうか。

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りボーンマス
5 L.Kelly, 8 Faivre, 14 A.Scott, 23 J.Hill, 26 E.Ünal, 29 Billing, 37 M.Aarons, 42 Travers, 50 Dacosta Gonzalez

マンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 4 S.Amrabat, 7 Mount, 14 Eriksen, 16 Amad, 62 O.Forson, 70 Amass, 75 Ogunneye, 84 Wheatley

 

リザーブの背番号リストが16→62と一気に飛んでいる点からも今のユナイテッドの深刻な怪我人事情が分かるが、スタメンの中にも明らかにプレーに支障が出る怪我を抱えたまま出場していると考えられる選手がいる為、クラブの医療チームは一体何をしているのだろうかと毎度疑わしく思う。

 

前半

 

実をいうと試合の最序盤で既に不穏なシーンがあった事を伝えておきたい。3分、ボーンマスCKからボックス外でこぼれ球を拾ったケルケズの真上に蹴りあがるようなロブキックに対して反応しているユナイテッドの選手はほとんどいなかった。ギリギリラインを割っていたから問題にはなっていないものの、集中力の欠如と誰がどのように動いてボールにアプローチするかという守備のルールが皆無である事を示している。唯一気が付いて向かう意思は見せたカゼミロは流石に大舞台を何度もくぐりぬけてきただけはあるが、完全に目をそらしている選手も複数人。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

 

ボーンマスはピッチに過剰なまでに水を巻きつつ、そこにハイプレスを加える事で元より配置が悪くボールプレーの技術もそれを覆せるレベルではないという不安定なユナイテッドのビルドアップを機能不全に追い込み、更にポゼッションではソランケを中心とするアタッカーへの縦パスを合図にLBのケルケズが高い位置へ上がり、これに対してユナイテッドのRWガルナチョのプレスバックが遅れる事で常に左サイドを中心とする数的優位の形を作り出した。

 

特徴としてボールサイドとは反対側のウイングがCB前に入る中盤の選手(大体メイヌー)のマークを担当する点で、これによって前線プレスの人数を確保しながらロングボールに対処する後方の人員もしっかり整っているのでこの辺りは両クラブの指揮官の守備構築能力の差が出たとも言える。

Embed from Getty Images  

 

アウェイチームはカンブワラ-マグワイアの2CBでGK含む3+1のビルドアップを試みるという挑戦と無謀をはき違えたかのような低い位置でのボール保持に加え、足の踏ん張りを求められる状況でとにかくプレーの質が落ちるカゼミロ、相変わらず左サイド低い位置でタッチライン際に位置取りするワン=ビサカ、プレー速度も判断速度も遅いマグワイアにシンプルに身体能力を発揮出来る局面以外ではまだまだというカンブワラ、メイヌー及びダロトの心理・肉体的負荷は著しく高く、特にフル稼働を続ける後者はパンク寸前といった様相。

 

16分、オナナから中盤に降りたホイルンドに綺麗なフィードが通り、背番号11は胸で斜め後ろにいたガルナチョへボールを渡すが、このレベルにおいては実質ノンプレッシャーという程相手との距離が開いている状況でまさかのミスコントロールからセネシにボールを突っつかれ、これに反応したソランケは方向転換がスムーズにいかないカンブワラの転倒でフリーの得点機会を得て見事それを決めきった。

 

デビュー当初から何度か話題にしているが、どうにもガルナチョのボールタッチからはガチャつき感が拭えず、成長と共に改善されていくと思いたいものの、足にボールが吸い付いていないが故のボールロストの多さは同年代のメイヌーとの比較でユナイテッドの試合を見る方なら誰しもが一度は気になった事がある所ではないだろうか。

 

カンブワラのスリップに関しては負傷離脱期間が長かったので実戦経験が不足している事と実質CB7番手以降でスクランブル起用の若手という彼の現在地からして強く批判する事はためらうというのが正直な感想。原石である彼がトップチームで、リチャが健在ならばまた違うのだろうが相方も完全に信用出来るとはとても言い難いマグワイアというシチュエーションは考慮する。

 

ユナイテッドの攻撃面で気になったポイントはホイルンドが左に流れた際の周囲のサポート、特にラッシュフォードのオフボールが乏しい事。彼自体のプレーはドリブル時のルート選択やトランジションでのプレスバック強度など単体での部分で改善傾向が見られた為、意識の問題というよりはやはり複数の枝から適切な1つを選ぶような瞬間的状況判断が苦手過ぎる事にこれまでの数々の課題に関する原因を求めた方が自然な成り行きだ。これはマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身選手によく当てはまる特徴なので、テン・ハフがトップチームの監督になって一番改善されたと言われるユースチームの育成・指導が今後数年でどのような成果を出すかを分かりやすく判断出来る要素になりそう。

 

31分、失点シーンで好き放題にされたカンブワラがお返しとばかりに今度は後ろ向きでボールを収めようとするソランケからボールを奪いショートカウンターの起点になると、この一連のプレーでガルナチョの折り返しからブルーノが冷静にGKの頭上を抜いて同点弾を記録。

Embed from Getty Images  

 

一度相手にボールを掻きだされた後のルーズボール対応におけるラッシュフォードのデュエル勝利も得点に至った大きな要因。彼についてはとにかく意識改革の兆しが一時の気まぐれではなく継続性を伴ってくれる事を信じるしか無いが……

 

失点時に言及し忘れていたがマグワイアとワン=ビサカの間のスペースの広さと逆サイドから崩された際の絞る意識の低さも気になる所で、例えば33分の被カウンターではダンゴ・ワッタラのシュートが僅かに逸れて難を逃れているものの、ディフェンシブサードでピッチ中央に異様なほど空間をあけている点について何にも危機感を抱いていないのだとすれば、チームとしてのルール作りの甘さと個人の状況判断能力の欠如のいずれか、または両方が深刻なレベル。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

35分、見事なまでに前5枚のプレス隊と後ろの選手で意図が合わずボールを引き出しに降りたソランケのマークがフリーになると、ボーンマスはこのポゼッションからユナイテッド右サイドの伝達エラーにつけこんでシュートチャンスを得たジャスティン・クライファートのニアショットで再勝ち越し。

 

クライファートに縦パスが入った場面は正にコミュニケーション不足が祟った瞬間そのもので、ボールサイドをマンマークで埋めたいダロト、横スライドをせず自身はその場に留まりたいカンブワラ、ボールホルダーへのプレッシャーが甘く縦のコースを切れていないガルナチョ、カゼミロを動かすでも自身がズレるでもなくただその場に留まってニアのスペースを放置するマグワイア及びそのマグワイアコーチング出来なかったワン=ビサカと明確な指針なく各々が勝手な自己判断で動いている事が明らかになった。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

攻撃面で選手の即興に頼る部分が多かったとしても、最低限のルールとブロック守備の統制が取れていればチャンピオンズリーグ出場までたどり着けるというのが昨シーズンのEtHの簡易的な総括であったが、改善点に着手出来ず以前は出来ていた事もままならないとなれば戦績悪化は当然で、それでもこのボーンマス戦でいえば右サイドをキレのある動きで再三にわたり崩されたシニステッラが負傷交代しているように試合毎の運にはまだ恵まれている方だろう。

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想定外の交代枠を使わされたチェリーズは攻撃貢献の目立っていたケルケズをウイングに上げてLBにロイド・ケリーを投入し、軽く投げても飛距離が出るケリーのスローインは左サイドの新たな攻撃手段に。そしてアタッカーになったケルケズも反対サイドからのクロスに対してカンブワラがクリアを空振った隙をついてクロスバー直撃のヘディングを放つなど遺憾なく力を発揮している。

 

 

後半

 

前半を終えた段階で個人的にはガルナチョとカゼミロを交代すべきだと考えていたが、実際にロッカールームから再出陣してきたアウェイチームのラインナップには前者の名前は無く、代わりに投入されたのはFAカップのセンセーショナルな得点の記憶が真新しいアマド。

 

アマドの守備強度はそれほど高くないものの、普段と比べて明らかに貢献が少なかったこの日のガルナチョに比べれば明らかに上がってくる相手のLBに対するマークは改善され、右サイドを数的不利で崩されるシーンは大きく減少した。アマドとガルナチョを攻撃面で比較すると馬力や前方への推進力では後者が勝り、狭い空間でのボールタッチの安定感や瞬間的な味方とのコンビネーションで前者に分があるという形。

 

とはいえサインプレーを複数仕込んで徹底的にユナイテッドの弱みに付け込んでくるボーンマス相手に完全に主導権を握る事が出来たかと言えばそうではなく、ケリーの低く鋭いクロスからソランケというパターン化された攻撃や折角こちらがポゼッションしている状況でも唐突に無茶な縦パスを試みるマグワイアという落とし穴があるのでいつまで経っても落ち着かない展開が続く。

 

63分、アマドが中央に侵入してファウルを誘いFKを得ると、クイック気味にブルーノがCB裏狙いのハイボールを蹴り、これはクリアされるがセカンドボールを回収したメイヌーが得意の左45度からのキックでディフレクションからアダム・スミスのハンドを誘うというパルプンテでPK獲得。

 嘘偽りなく私個人の意見を述べるとすれば、これでペナルティキックが与えられるのは正直意味が分からないというくらいボーンマス視点ではやってられない判定。審判にアシストしてもらった形でユナイテッドは同点に追いつくが何とも言えないモヤモヤ感が残ったまま試合は再開。

 

ハンドを与えたからという理由ではないと思うが同点にされてしばらくするとイラオラはスミス-ワッタラの右サイドの縦のユニットをそのまま入れ替える。大外でウイングプレイが出来るアーロンズと左利きで内側に切り込んでいく事を得意とするフェーヴルを組ませて右の破壊力を意識しつつ、単体で局面打開できるラッシュフォードを守備に奔走させてあわよくば体力や集中力を削ろうという意図か。

 

戦略的にはやりたい事が出来ているホームチームはそれ以外の不確定要素がとことん自分たちに向かず、残り15分少々というタイミングでソランケと共に攻撃陣を引っ張っていたクライファートが負傷交代。思いがけず3度の交代機会を使い果たす事になり、一方のユナイテッドもメイヌーを下げてマウント投入で勝ち越しを狙う。

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だが、選手を変えた所で哲学の共有という根本的な所が存在しないのでその場の閃き頼りなユナイテッドは最後までボーンマスから3点目を奪うに至らず、むしろアディショナルタイムにはペナルティボックス内外ギリギリの所でカンブワラがファウルを犯しあわやPKというピンチを作り引き分け決着ですら幸運という有り様でヴァイタリティ・スタジアムでの1戦を終える。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

データ

 

Standard

 

当たり前のようにシュート数で2倍以上の差を付けられていくユナイテッド。これがメガクラブ同士の対戦ならばまだしも相手の格に関係なく毎回毎回オナナのショットストップ頼みなのだから情けないことこの上ない。ボール支配率も仮初の内容で実際に自分たちの思い通りに相手陣内でポゼッション出来ていた時間はそう多くなく、ディフェンシブサードからミドルサードで無茶な縦パスからカウンターを食らうシーンは下手すれば10回近くあったように思う。

 

スタッツ面で優秀なのはボーンマスのクリスティ。元はトップ下やウインガーで起用される事の多い選手だったがダブルピボットで持ち前のチャンスクリエイト能力と守備面でも思いのほか優秀なデュエル勝率とタックル・インターセプトで新境地を開拓している。この試合でも地上デュエル7/9、パス成功率87%(キーパス2回)、タックル3回と中盤の王として君臨していた。

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xG

 

参照:

Bournemouth 2 - 2 Manchester United (April 13 2024) | EPL | 2023/2024 | xG | Understat.com

 

ゴール期待値もボーンマス2.39、ユナイテッド1.52で完全にスコアで負けていて、疑惑のPK分0.76を引くとこの試合の赤い悪魔の実質的なxGは0.76。クラブ規模で遥かに上回っていながら明確に試合内容で劣っている事を上層部はどのように捉えているだろうか。オフにジム・ラトクリフが大ナタを振るう事はほぼ確実だと考えているが、明らかにコストパフォーマンスの悪い今のマンチェスター・ユナイテッドの体質を改善してもらいたい。

 

 

 PASSING NETWORKでは一見するとユナイテッドが3-2の綺麗な2ラインでビルドアップをしていたように錯覚するが、これはあくまでボール保持全体の平均マップなので実際の形とは異なっており、最初からハイプレスからのカウンター狙いを定めポゼッションを意識していなかったボーンマスとは違い、GKを含めた後ろ3+アンカー1人という自分たちを過大評価しているかのような無茶な繋ぎを試みて結果ピンチをもたらすケースが目立った。

 

 

あとがき


試合後の会見で指揮官が途中退席したり、ソーシャルメディアでガルナチョやアマドが采配批判とも取れる投稿を行ったりといよいよ本格的にチーム崩壊の音が聞こえてきましたが、今回のガルナチョのように明らかにやれる事をやらず交代妥当という選手が不満を公に漏らす行為が容認される空気が蔓延しているのはサー・アレックス時代では到底考えられません。

 

 

 

 

【 #FPL 23/24 】GW31,32 結局同じポイント帯へ収束していく


決して2節とも悪い結果だったわけではないが、何もしなかったGameweekの方が上手く言っているので正直悔しい。

 

 

Gameweek30はこちら


【FPL 23/24】起用不可が増える恐怖と詰まる日程

 

 

 

 

Gameweek31

 

スカッド

 

諸々の事情で試合に出場しなかった選手が5名、入れ替え忘れの代償を払わされるはずでしたがマンチェスター・ユナイテッド3人とチェルシー1人で35Ptsを稼ぎ出してまさかの大逆転。ユナイテッドのファン心理としては相手クラブのパルマーにここまで活躍されるのは複雑ですが。

 

 

クラブ

(ポイント対象選手)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、ブルーノ、ホイルンド
アーセナル:ジンチェンコ
ブライトン:グロス
チェルシー:パルマ
フラム:ロビンソン
ボーンマス:ソランケ
エバートン:ピックフォード
ルートン:ダウティー

(ポイント対象外)
ハーランド、アケ、アレオラ、サカ、ゴードン

 

IN:なし
OUT:なし

 

入れ替え期限までに補強出来ず何も身動きなし。

 

対戦カード

フォレストvsフラム
 ↪3-1 フォレスト勝利

ニューカッスルvsエバートン
 ↪1-1 ドロー

ボーンマスvsクリスタル・パレス
 ↪1-0 ボーンマス勝利

バーンリーvsウルブス
 ↪1-1 ドロー

ウエストハムvsトッテナム
 ↪1-1 ドロー

アーセナルvsルートン
 ↪2-0 アーセナル勝利

ブレントフォードvsブライトン
 ↪0-0 ドロー

マンチェスター・シティvsアストン・ヴィラ
 ↪4-1 マンチェスター・シティ勝利

リバプールvsシェフィールド・ユナイテッド
 ↪3-1 リバプール勝利

チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッド
 ↪4-3 チェルシー勝利

 

 

ルートンのセットプレー得点がガタっと止まる。ダウティーのFPL内価値も低下

 

シーズン中盤、Gameweek18~23までの6試合では1ゴール4アシスト+クリーンシート2回で1節平均6.5Ptsを稼ぐ優良選手だったルートンのダウティー。しかしながらチームの守備面で大きな不安を抱えていてここ11試合連続失点かつ大きな得点源であったダウティーがキッカーを務めるCKからターゲットマンのアデバヨが決めきるというセットプレーもパタッと止まってしまい、FPLで活躍の目安となる5Ptsを最後に越えたのはGameweek27のアストン・ヴィラ戦まで遡る。

 

私が彼をチームに加えた頃のゲーム内価格は£4.4Mで選出率も2~3%程度だったと記憶していますが、現在はそれが10.1%まで伸びていて彼をスカッドに加えている事で得られる優位性も低くなっているので、無失点ボーナス狙いではなく攻撃貢献を見込んだDFとしては後述する選手にその枠を変更したほうが良いかもしれない。

 

 

壮絶なチェルシーvsマン・ユナイテッド

 

スタンフォード・ブリッジの激闘については別途記事を書いているので、詳細につきましてはこちらを呼んでいただけるとありがたいです。

 

アウェイチーム目線ではオナナのショットストップ能力に頼る部分は多分にあったにせよ、2点ビハインドをひっくり返し一時はアウェイのユナイテッドがリードするという見ていて飽きない乱打戦となり、更にアディショナルタイムに今度はチェルシーが2点を一挙奪って逆転返しとタイムアップの笛が鳴る最後の最後まで何が起きても不思議ではないというカオスが繰り広げられた。

 

FPLではPK2ゴールを含むハットトリック達成のパルマーが合計20Ptsを獲得してGW30のバーンリー戦、GW28ニューカッスル戦に続き出場試合で3戦連続となる二桁越えと正に飛ぶ鳥を落とす勢いでポイントを加算し続けている。少し前にシーズン200Ptsまでいけ万々歳と書いて記憶があるが、この大盤振る舞いで早くもTotal Score182Ptsとその目標についてはかなり余裕をもってクリアするだろう。

 

ユナイテッドからは2ゴールのガルナチョが14Pts、ダロトのクロスからヘディングシュートを決めたブルーノが8Ptsで2位,3位にランクインし、長いトンネルに入っていた後者はようやく本来の状態に戻りつつあるものの、フルシーズンを戦った中では最低値である21/22の151Ptsを何とか越えられるかどうかという水準なので、ファンタジーの側面からみても彼のキャリアは1つの大きな岐路に差し掛かっている事が分かる。

 

 

Gameweek32

 

スカッド

 

前節分で使わなかったトランスファーの余りで2人を入れ替えたものの、単純な数字の比較としては3Ptsしか差が無く、アベレージとの関係を踏まえれば傑出度ではむしろ劣っているので何とも言えない感情に襲われる。

 

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ブルーノ、ホイルンド
アーセナル:サカ
マンチェスター・シティ:ハーランド
ニューカッスル:ゴードン
チェルシー:パルマ
ウルブス:アイト=ヌーリ
ボーンマス:ソランケ
フラム:ロビンソン
エバートン:ピックフォード
ルートン:ダウティー

(リザーブ)
ジョゼ・サ、グロス、ダロト、ジンチェンコ

 

IN:ジョゼ・サ、ラヤン・アイト=ヌーリ
OUT:アルフォンス・アレオラ、ナタン・アケ

 

 

対戦カード

 

 

チームの戦績とは対照的にアイト=ヌーリは充実

 

滅多なことがなければ残留確定ラインの勝ち点40を28試合目にて突破した今シーズンのウルブス。開幕直前の唐突な監督人事でロペテギの後を任されたガリー・オニールは昨季のボーンマスに続き2年連続で残留請負人の仕事を見事果たしたのだが、ここ3試合は2敗1分けと目標達成後の燃え尽き症候群とも言うべき状態。

 

当然のことながらこのような状況ではディフェンダーの獲得ポイントは低くなりやすいものの、アイト=ヌーリだけは近3戦で2→8→4と約1試合平均4.7Ptsを稼ぐ堅実っぷり。

 

バック3とバック4を併用する今季のウルブスにおいて、チームが3CBを採用する際はウイングバックとしての序列でマット・ドハーティに負けているように思う時期もあったが、そのドハーティを右に持って行ったり、或いはアイト=ヌーリ自身がその攻撃性能を買われペドロ・ネトとファン・ヒチャン負傷中で質が損なわれたアタッカーで起用されるなど、単なる攻撃型LBに留まらないマルチロールで今夏にはメガクラブからの引き抜きも考えられそうな程のプレーの質を見せている。

 

現にウエストハム戦ではサラビアが後方からのロングフィードをダイレクトでオーバーラップするトミー・ドイルへ流して生まれたカウンターチャンスにおいて、逆サイドからお手本のようなダイアゴナルランでスルーパスを引き出してそのままボックス内でファウルを誘いPK獲得とこのままウイング起用でもいいのではと感じさせる内容だ。

Embed from Getty Images  

 

何度か触れているがFPLのDFで狙い目になるのは今の彼のように前のポジションで起用される選手やトリッピアーに代表されるセットプレーでの得点関与を一定数見込める選手なので、今後も狙い目になる人材が現れればなるべく早くピックしたい。

 

三つ巴のタイトル争いを上手く予想できるかが終盤戦のカギ

 

Gameweek32を終えた段階でアーセナルリバプールマンチェスター・シティの3クラブは勝ち点71~70でひしめき合う正に三つ巴の首位争いを繰り広げており、現時点ではいずれのチームが優勝するのか全く分からない拮抗した状況となっている。現在の勝ち点ペースで推移すると仮定した場合、トロフィーを得る為のラインは勝ち点87という事になるが、過去のデータと見比べた際には首位マン・シティと2位リバプールが勝ち点差1で決着した2021/2022シーズン以来の白熱した戦いになるのは間違いないだろう。

参照:fbref.com

 

3クラブの現状のFPLでの個人得点は以下の通り。

 

最近の調子を表すFormでソートするとシティがTOP5のうち3枠を占め、シーズン全体の積み上げを示すTotal Scoreではアーセナルのサカが191Ptsで2位のサラーに7Ptsの差をつけて総合首位。全体的にリバプールは押され気味であり、各々の選出率にもある程度反映されている。

 

個人的に驚いたのはフォーデンがサラーの1Pts差まで迫っている事で、丁度アケを放出して選手登録のマイルールもクリア出来る状況なので彼を補強しようかどうか少し悩む事になりそう。

 

 

あとがき

 

ディフェンダーについてはジンチェンコ、アイト=ヌーリでDFの2枠は固定し、残りについては予算と相談しながらトリッピアーに向かうのか、それともクリーンシートボーナス目当てで上位3クラブの中から誰かを選出するのかという選択になりそう。

 

もう1つ、FWとMFのところでハーランド🔁ワトキンス、ゴードンorグロス🔁フォーデンでポイントを節約しながら圧倒的選出率を誇る怪物をスカッドから外す大博打に出るというのも秘かに計画中。

 

 

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FPL-記事一覧

 

 

【 #MUNLIV 】未曽有のCBクライシスを救うKambwala

※23/24 イングリッシュプレミアリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsリバプール戦の記事です。

 

運も味方につけて、戦前は圧倒的不利が見込まれたカードで一時は勝てそうな展開だったが故、ケアできるはずの判断からPKで勝ち点2を失った事は大変残念に思うが、そもそもこれほど白熱するゲームが出来るとも考えていなかったので、その立役者になった若きヒーローたちには拍手喝采を送りたい。

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 4 S.Amrabat, 7 Mount, 14 Eriksen, 16 Amad, 21 Antony, 62 O.Forson, 70 Amas, 75 Ogunneye

リバプール
2 J.Gomez, 5 Konaté, 13 Adrián, 17 C.Jones, 18 Gakpo, 19 H.Elliott, 21 Tsimikas, 38 Gravenberch, 76 J.Dans

 

2007年生まれのハリー・アマスがベンチ入り。今季のマンチェスター・ユナイテッドのU-18は20試合17勝とトップチームの不振とは真逆の圧倒的強さを誇っているが、その中で不動のLBとしてフィールドプレイヤーでは2番目の出場時間を記録している期待のティーンエイジャー。

 Football Manager 2024でもワンダーキッドのシェア・レイシーには劣るが、ジェイス・フィッツジェラルドと同程度でこの年代では比較的高めのポテンシャルが設定されているため、同ゲームを遊んでいる方には馴染みがあるかもしれない。

 

前半

 

マグワイア-カンブワラで臨むリバプール戦、一体どうなってしまうのかと不安いっぱいでキックオフを迎えたが、良くも悪くも普段通りの前者に対してホームで初先発となったティーンエイジャーはリバプールの強く速いアタッカー達とのデュエルにも五分五分以上で付いていき、身体能力の高さはかつてのアクセル・トゥアンゼベを思わせるものだった。勿論ショートパスで繋ごうとする際のキック精度や状況判断はやはりまだまだ危ういがこのレベルに混ざっても違和感が無いこと自体がまず素晴らしい。

Embed from Getty Images  

 

主導権をリバプールに握られるのは覚悟の上でカウンターの矛にかけるというユナイテッド。2分には早速狙い通りの形からガルナチョがゴールネットを揺らすもDFラインから抜け出すタイミングが僅かに早くオフサイド

 

リバプールもゆっくりと時間をかけて相手陣内を攻略していくというよりはトランジションの素早さをベースに走れる選手を重用して少ない手数でゴールまで迫るというのが黄金パターンである為、やはりこの2クラブの対戦はトランジションゲームとなりやすく、そうなるとマグワイア、カゼミロといった走力勝負についていけないユナイテッドの年長者は穴になる瞬間が増えていく。

 

13分には中盤のルーズボール回収で敗れソボスライ→ヌニェスとパスが通り完全に中央を崩されるが、ディアスのマークを捨ててボールホルダーに素早くアプローチしたダロトの見事な割り切りと寄せの鋭さでこの危機を凌ぐ。取捨選択の精度が日々向上していくダロトは不運な形でPKを与える事になったチェルシー戦から中2日でもしっかりと気持ちを切り替えられていて、精神的な強さも今季の安定感を支えているように映る。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

その活躍は守備のみならず、ビルドアップでもリバプールのプレスを交わせるのはメイヌーがCBのサポートに入った時かダロトが中盤化してボールを裁く時なので、あらゆる局面で今名前を挙げた2人の負担と貢献度は高くなる。怪我人多発の事態でも彼らだけは絶対に守り切らなければならない。

 

22分、リバプールは右CKからロバートソンのややゴールから距離のある場所を狙ったニアへのインスイングキックに対しヌネスが頭で軌道を逸らし、ファーで構えていたルイス・ディアスがハーフバウンドボレーを沈めて先制。

 

ここでヌニェスのマークを外しているのはワン=ビサカで、相手についていきながらボールを先に触らせない、或いは少しでも妨害になる行動を取るという基本的な動きが全く出来ておらず、見る限りではゴール正面にヌニェスを入れさせなければそれでいいと思っている節があるので、勿論ハイボール対応がそもそも悪い事も影響はしているが、根本にあるものは1on1で簡単にCKを与えてしまう問題やビルドアップでタッチライン際にポジショニングしてプレスのハマり所になる傾向と同様に優先順位の付け方や状況判断が良くないという点に集約される。

 

リバプールの状態も決して万全には見えず、ビルドアップの人数はユナイテッドの前線プレスに対して安全にパスコースを選べる数が確保されていない事が多い為、仕方なくのクリアやサイドで後ろ向きの選手にパスを誘導してからのボール奪取、及びその後のカウンターから定期的にアタッキングサードまでは侵入出来ていたのだが、ここぞという時の相手のプレス強度の高さとこちらの技術・戦術的な積み重ねの無さでシュートは一向に打てず。

 

 

後半

 

HTでの選手交代はなく、前節はヴァラン🔁エヴァンスで既に1人目の交代枠を消費していたのでこの時点でまず一安心。

 

50分、リバプールはユナイテッドを敵陣内に押し込んでポゼッションしている最中、ボールの出し先を探すも難易度の高いコースしか無かった事で一度ターンして横のファン・ダイクに戻そうとしたクアンサのパスがズレてしまい、常に隙を狙っていたブルーノがこれをインターセプト。そのままダイレクトで前に出ていたGKケレハーを抜くロングショットを決めて同点に追いついた!!

 

これも一見すればただのボーンヘッドだが、リバプールのポゼッションが前比重過ぎてバックスの選手の技術・状況判断の負荷が高まっている事がその失敗を招いており、基本的なボールプレーは上手い方であるとはいえまだ経験値の面では今季がプロ1年目のクアンサに全ての責任をおっつけるのは酷だろう。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

また、ブルーノのロングキックに関してはこの一瞬でアウトサイドに少しかけてGKから離れていくような回転をかける判断をしている事が素晴らしい。ケレハーのポジショニングに関しては本来ボールを失うような状況ではなく、むしろフィールドプレイヤーのサポートに入る事も意識して欲しい所だったので問題ではない。

 

ラッシュフォードの股関節の使い方の上手さからくる膝下の振りの速さは特筆すべきものがあり、今まではそれをミドルショットでしか発揮してこなかったのでこの宝物を活かしきれているとは到底言えなかったが、このリバプール戦ではゼロモーションからのインスイングクロスで複数回得点の可能性があるボールを供給していて少し前から触れていた意識の変化を更に強く思わせるようなシーンが増加した。流石に本人も今がキャリアの正念場である事は分かっているはずなので、守備面も合わせて引き続き注目していきたい。

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67分、後半からダロトがInverted-WBとして中央に入るビルドアップを増やしてCBのサポートにメイヌーorブルーノという1つの形が機能していたユナイテッドは、ブルーノからパスを受けたカゼミロが浮いたファーストタッチリカバリーをオーバーヘッドパスという即興で解決。MF-DFライン間でフリーになっているメイヌーへの素晴らしいボールを供給し、メイヌー→ガルナチョ→ワン=ビサカと左サイドに映りながらボールを繋ぐと、マークを背負った状態で横パスを受けたメイヌーはあらかじめ決めていたかのようなスムーズな動きで遠い方のゴールポスト目掛けてコントロールショット!!

 

もうこれはただただ凄いの一言しか感想が出てこず、カゼミロからボールを受けた後猛烈にプレスバックしてきたディアスに対してボールを隠しつつその勢いを削ぐようなコース取りで中央に入ったキャリーの時点で既に拍手していたので、その後の展開には思わずこれは本当に現実なのか?と疑ってしまった。それくらい彼は飛びぬけた才能を持っている。

 

なお、ガルナチョが左サイドでプレーに関与している事からも分かる通り、この得点の直前に選手交代が行われており、更にリバプールは失点直後にも続けて2枚の選手を入れ替えたので両クラブ合わせて数分の間に5人の顔ぶれが入れ替わっている。

 

80分が近付く頃には各々の集中力が切れ始めるシーンが増え始め、危機感を抱いたであろう指揮官はガルナチョを下げてアムラバト投入。アムラバトを入れて守り切れというメッセージを伝えたこと自体は間違っていないと思うが、変えるならばカゼミロかブルーノだったのではないか。

 

そして82分、サラーとエリオットのコンビネーションでボックス内に侵入されると、まだ十分ユナイテッド側の守備の人数と態勢は整っていたにも関わらずワン=ビサカが一か八かのスライディングをしてしまいPKを与える。エリオットはダイブ気味に倒れていたのでPKが相応しいかどうかは微妙なところだが、それを差し引いてもここでブロッキングならまだしも完全にボールを奪う目的で右足から滑りに行った判断自体がおかしいので結局は自らが招いた種だ……

 

圧倒的な身体の柔軟さという武器を有していながら、それに頼るばかりで状況判断能力が一向に改善されないスパイダーの不用意なファウルで与えたペナルティキックをサラーが見逃してくれるわけもなく、ユナイテッドの勝ち筋は脆くも崩れ去った。

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ダロト、カンブワラ、オナナの踏ん張りで何とか紙一重勝ち越しゴール被弾だけは避けていくユナイテッドだが、マグワイアの後を考えない見切り発車的な持ち運びや大きくクリアする事もままならぬほど身体が重いカゼミロなど、勝手に追い詰められるような危機の作り方が多く、中でもエリオットのロングキックからボックス内まで上がっていたロバートソンが折り返しゴール正面でディアスが合わせたAT4分の流れは完全に運だけで失点を回避した場面。

 

フィニッシュワークでのリバプールの最後の一押しの精度不足にも助けられる形で勝ち点1だけは死守したものの、リードを守り切れない今のチームの守備組織と局面での個の判断力の弱さにはもううんざりだ。

 

 

データ

 

Standard


前半シュートが無かったマンチェスター・ユナイテッドは降って湧いた得点チャンスをブルーノがきっちりと活かした所をきっかけに勢いを得て、最終的に5本のオンターゲットを記録し2ゴールを効率よく得点を加算。しかしながら当たり前のように30本近い被シュートを許して「オナナさんよろしくお願いいたします」という戦い方で勝ち切れるほどプレミアリーグは甘くない。

 

セットプレーにおけるチーム全体の守り方と個々の守備対応の拙さ、左右にボールを振られた際の横方向の移動の遅さ、深い位置まで切り込まれた際のマイナス側に入るクロス対応という明らかな弱点が改善されぬ限り今後も勝利を手放す試合を繰り返す事になるだろう。

 

一時勝ち越しゴールとなったコントロールショットを沈めているメイヌーは地上デュエル8/9、ドリブル2/3、タックル5回、ポゼッションロスト9回と攻守に絶大な安定感を誇り、特にポゼッションロストについてはダブルピボットの相方であったカゼミロが16回、CBのマグワイアが17回とセンターラインのベテラン2人が技術や首振り等の予備動作不足から来る不安定さを散々にさらけ出していた事とは対照的な素晴らしいパフォーマンスである。

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xG

 

参照:

Manchester United 2 - 2 Liverpool (April 07 2024) | EPL | 2023/2024 | xG | Understat.com

 

 

 PASSING NETWORKでホイルンドの立ち位置がMFに吸収されているような図を見るのも最早日常風景となったが、お膳立てされてボックス近辺でその時を待っていれば良質なボールが供給されるという環境では無いので、逆にスパーズ時代のハリー・ケインのように組み立てから自身が積極的に関与するオールラウンダーっぷりを身に着けやすい状況であるとも表現出来る。

 

また、ユナイテッドが一時リードできた要因の1つとして、リバプールのCB2枚と遠藤-マック・アリスターの距離感が恒常的に広くパスルートが開通しづらい状態であった事も挙げられ、クワンサのボーンヘッドにも間接的に関係している事象だ。 

 

あとがき

 

試合そのものを見るか、前評判からの結果を見たかで大きく感想が変わりそうなオールド・トラッフォードでのライバルマッチ。個人的には勝てる展開だったと考えているので完全に悔しさが勝っています。

 

現実的には今後6位を守るという戦いになるでしょうから、来季の戦力構想に入らないという選手がいるならば無理して起用せず、若手の経験値を積ませる方向に少しずつシフトしていってもいいのではないでしょうか。

 

 

 

 

【 #CHEMUN 】メディカルと審判に翻弄されたStamford Bridge

※23/24 イングリッシュプレミアリーグ

チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

失点直後は勿論、自分たちがゴールを奪った後でさえも頻繁にパニックに陥るのは、分かり切っているシチュエーション、止まった状態から始まるプレーに関するチーム全体としての決めごとが少ない、或いは存在するとしても全くもってそれが浸透していない事の証左でしょう。さらばCL

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りチェルシー
6 Thiago Silva, 7 Sterling, 11 Madueke, 13 Bettinelli, 14 T.Chalobah, 17 Chukwuemeka, 31 Casadei, 42 Gilchrist, 49 Tauriainen

マンチェスター・ユナイテッド
4 S.Amrabat, 7 Mount, 10 Rashford, 14 Eriksen, 16 Amad, 22 Heaton, 35 J.Evans, 39 McTominay, 53 Kambwala

 

 

前半

 

過密日程を考慮したのか、それとも守備貢献の低さを鑑みたのかラッシュフォードを起用せずガルナチョとアントニーの両翼がスタメン。ダブルピボットもマクトミネイではなくカゼミロが先発し、フルバックについてもダロト左のワン=ビサカ右で後者の左足の不得手さを見て入れ替えてきた。

 

4分最警戒のパルマーが内側に入ってゴールに背中を向けて縦パスを貰いに行ったところをダロトがしっかりと潰したが、その後こぼれたボールに前から降りてきたメイヌーがガルナチョに通そうとしたパスがガルナチョの進行方向とは反対側に流れてチェルシーボールとなり、更にダロトが前に出た分空いた左サイドのスペースを誰も埋めようとも味方に指示を出して気付かせようともせず、更に人を見ずボールウォッチャ―になるチーム全体の悪癖が出てディフレクションからマイナス側へ向かったボールをギャラガーがほぼノンプレッシャーでシュートし失点。

 

ブレントフォード戦の失点もゾーンなのか何なのかよく分からないという守り方でマークを空けてマイナス側のクロスからやられたが、全く同じ仕組みでチームとしての成長が見られない。そして一連のプレーではカゼミロがフィルターとして機能していない事もハッキリと表れている。

参照:MUTV | Manchester United
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続いては18分のユナイテッドの守備対応について。チェルシーゴールキックから自陣ボックス内でパスを受けたディサシが1stプレスの甘くなったところを見逃さず、一気にニコラス・ジャクソンの足元に付ける楔のボールを配球。

 ジャクソンが横を向いた所でタイミングよく攻撃参加したククレジャは更に斜め前のムドリクへボールを預け、ムドリクはテイクオンに移行する素振りを見せながらも背後のスペースに対する意識の低いワン=ビサカの後ろにスルーパスを通し、ククレジャのマークについていったアントニーがボックス内で相手を倒したという疑惑の残る判定でホームチームにPKが与えられた。

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判定自体は試合を通してファウルの基準がブレブレで全くコントロール出来ていなかった主審ジャレッド・ジレットの問題なのでこれ以上言及を避けるが、ムドリクに何らプレー制限をかけられていないワン=ビサカの立ち位置と身体の向き、明らかに右サイドから崩されているにもかかわらずボールサイドに寄せていない事で選手の距離感が広く容易に相手に使用される下地を作っているチーム全体の動きも非常に残念。

参照:MUTV | Manchester United
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パルマーが冷静にPKを決めてチェルシーがリードを2点に広げた後、ゲームスピードを落とされてしまえばユナイテッドは打つ手なしだったと思うが、3点目を欲しがったか或いは彼らもトランジションしか攻撃パターンが無いのか落ち着きのない展開が続いた事は赤い悪魔にとって不幸中の幸い。

 

2点を追うユナイテッドは何とかチャンスの糸口を作りたいところだが、首を振るまでもなく自分の視界に収まる範囲で相手がプレッシャーをかけているにもかかわらずその味方にパスを出すマグワイアの悪い癖が顔を出し、カゼミロやヴァランも相変わらずスキャニングが不足している為信じられないような失敗からボールロストに繋がり相手の得点機会を増やしてしまう。

 

ところが、34分のチェルシーアントニーの浮き球処理が少し大きくなってルーズボールを回収したカイセドがバディアシルへのパスコントロールを誤り、秘かにインターセプトの機会を狙っていたガルナチョが一気にスピードを上げてゴール前に侵入。相手DFも寄せてきていたが右肩でブロックしながら左足でゴール右隅へ流し込んで1点を返した!!

 

38分のユナイテッドはチェルシーのCKを凌ぎ、オナナ→ブルーノへのスローイングでカウンターに移行すると、パスを受けたアントニーは滑り込むジャクソンを往なして逆サイドにフィードを送り、ガルナチョは対面DFを引きつけながらダロトへバックパス。そして怪我人多発のバックスの中で唯一フル稼働を続けるポルトガル代表DFの狙いすましたインスイングクロスに対し、ゴールエリア右端へしっかりと走り込むブルーノが技ありのヘディングシュートで応えて同点弾が生まれた!!

 

チェルシーもユナイテッド同様にクロス対応での声掛けが少なく、なおかつ後ろから状況を確認できる立場の選手の戻りが遅くフリーのターゲットを作りがちという結果の伴わないクラブにありがちな失点を喫し、お互いに夜明けはしばらく先になりそうな事を実感させられながら前半を終えた。

 

 

後半

 

ハーフタイム明けのユナイテッドは前半アディショナルタイムの時点で全力ダッシュが出来ない程度に異変を感じさせていたヴァランが案の定ラインナップから消え、代わりにエヴァンスが3月初旬のエバートン戦以来約1カ月ぶりの試合復帰を果たす。

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49分のチェルシーはグストが自陣からボールを運び、外から内に走りながらパスを引き出した後左サイドへ流れながらシュートまで持ち込むパルマーという右のユニットの見事な技術でチャンスを作ったが、その起因となったカゼミロのプレーを見ると、ただ滑って楽をして解決しようというだけでなく、背景にはストップアンドゴーが何らかの身体的トラブルで出来なくなっているという問題を抱えているのではないかと疑念が深まる内容だ。

参照:MUTV | Manchester United
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逆にフィジカル面で絶好調を伺わせるのはアントニーパルマー、両クラブの左利きアタッカー。前者は極端なピッチ走法がもたらす0からの加速力の高さとフェイントを入れられるタイミングの多さでククレジャとの1on1でほとんどボールを失わず、後者は細かく進行方向を変えたり前向きの勢いがほとんど無い静止に近い状態からでも力強いキックを蹴れる源であるボディバランスの良さでプレミアの有力アタッカーを今季ことごとく完封してきたダロトですらもそう苦労せず突破していく。

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先を読む力が高く相手の動きに合わせてキックをキャンセル出来るエヴァンスが入った事で後方でのパス回しは幾分か安定し、前述の通りチェルシーがゲームスピードを落とす気配も無いので、オナナのショットストップありきでギリギリの所で凌ぐ守備とそこからのカウンターという危険性は高いが自分たちの得意パターンに持っていけるユナイテッド。

 

ただ、60分前にCK守備でワン=ビサカが頭を負傷し治療の為に長い中断を挟み、チームに落ち着きを与えたエヴァンスも途中交代を余儀なくされるなど今回もクラブの医療チームへの不信感を抱くようなスクランブルが続き、ホイルンドは恐らく怪我の予防措置で早めにラッシュフォードと交代。結果から言えば、ベテランCBが消えてインテリジェンスが、若きFWが消えて相手とのデュエルに負けずボールを収める基準点と守備の献身性が消えてしまった事も後の展開に悪い意味で作用している。

 

67分、カンブワラの右サイドゴールライン近くからのクリアは飛距離が足りず前に上がったバディアシルにカットされるが、タッチが大きくなってアントニーがこれをインターセプト。その後ラッシュフォードにボールを預けククレジャの背後に全力で走りスルーパスを貰うと、ほぼフリーに近い状態で逆サイドを駆け上がっていたガルナチョへアウトフロントキックで完璧なクロス。

 

まるでリカルド・クアレスマかのような見事なトリベーラでチェルシー守備陣のタイミングを外したアントニーのクロスに思考を乱されたのか、どう考えても間に合わないタイミングでGKペトロビッチが飛び出し、ガルナチョは冷静に無人のゴールへヘディングシュートを決めた。

参照:MUTV | Manchester United
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ホームチームが攻撃側の際には些細な接触でも頻繁にファウルを与え、アウェイチームがポゼッションしている際にはハードタックルを食らってもそのまま試合を流すのが当たり前になっているジレット主審の不公平極まりない判定に苦しみ、なおかつブルーノが日々のダメージの蓄積からかコンタクトプレーをとことん嫌がるようになっている事でユナイテッドは中盤のルーズボール処理で後手に回る。

 

なお、ゲームの4分の3を消化した段階で前半から守備のフィルター役として機能しているとは言い難かったカゼミロを下げてマクトミネイを投入したものの、守りを重視するならばここはアムラバトを優先するべきだった。EtHがゲーム途中でピッチ上に分かりやすいメッセージを伝える交代策が苦手である事はこの2シーズンで痛感しているが。

 

それでも、雨足が一向に弱まる事なくコンディションが悪化し続けていくタフなスタンフォード・ブリッジアディショナルタイムまで相手の猛攻に耐え、新オーナーのジム・ラトクリフもスタンドで見守る中、後は持っている力を振り絞って数分間魂を燃やすのみだったのだが、残念ながら心に炎を灯していない選手の多いユナイテッドはどうしても細かい部分で守備強度の低さが露呈し、最終的に途中出場マドゥエケのテイクオンに対しダロトが濡れた芝に脚を取られてスリップした結果倒してしまうという不幸なボックス内でのファウルでチェルシーが同点に追いつく。

 

このケースも様々な角度からの画像を見比べていけばマドゥエケのダイブと判断しても問題ないくらい疑惑の判定ではあったが、繰り返すとおり主審の質はこちら側からではどうしようもない問題の為、チェルシーアタッキングサードに易々と侵入出来たキッカケのシーンとマドゥエケにボールが渡った際のユナイテッド側のポジショニングや意識のところを反省したほうが建設的。

参照:MUTV | Manchester United
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更に、逆転劇を狙うチェルシーは右サイドで得たCKから、エンツォ・フェルナンデスが機転を利かせてニア側のボックス角で完全ノーマークになっていた味方へショートパスを出し、急ぎ過ぎる事無く左足を勢いよく振り抜いたパルマーのパワーショットがマクトミネイにディフレクトしてゴールイン。数分間の間に試合をひっくり返す事に成功。

 

この場面、ニアポストのカバー役だったブルーノはともかく、パルマーを視認出来てかつ前に行ける選手の中で一番近い位置にいたマクトミネイは指を指すのではなく自分でプレッシャーをかけに行くべきだったのではないか。マンチェスター・ユナイテッド全体の課題として、瞬間的に盤面を整理して適切な行動を選ぶ状況判断能力が欠けている点をもっと真摯に向き合う必要があるだろう。

 

 

データ

 

Standard


見慣れてしまった被シュート数と与えたコーナーキックの多さ。ファウルに関してはしつこいですが審判の判定レベルが低かったので今回は度外視してもいいでしょう。一応フォローを入れると、前半はポゼッションもシュート数もチェルシーを上回っていたので度重なる負傷により不本意な選手交代を余儀なくされた事も影響しているか。

 

ここ最近の試合で1つ気になっているのはブルーノが明らかに球際の攻防、特にハイボールとその後のセカンドボールに対し消極的な姿勢を見せ続けている点で、トップ下でフル出場しての地上戦2回、空中戦0回というこの試合のスタッツは普通にプレーしていて出るスタッツではないように思う。守備面でも前ならば確実に行っていた強力なアタッカーに対して味方とのツーマンセルで縦横を潰すプレスの頻度が減り、チェイスも特に自陣で淡白になる場面が増加傾向に見えるが、足だけ出してあっさり交わされる対ボールホルダーの対応も同じようにコンタクトプレーを嫌がる所に要因がありそうだ。

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xG

 

参照:

Chelsea 4 - 3 Manchester United (April 04 2024) | EPL | 2023/2024 | xG | Understat.com

 

試合をコントロール出来なかったジャレッド・ジレットの不可解な判定によりホームチームが恵まれた2つのPK分を除くとxGは1.96-1.57となるので見た目ほど差がある訳では無い事は明記しておきたい。

 ただ、またしても30本近くのシュートを撃たれているように根本的な守備構築に大きな問題を抱えていて、ブレントフォード戦で勝ち点を落とす原因になった要素も全くもって改善されていないため2024年のプレミアリーグにおける被ゴール期待値は1試合平均で約2.12とボロボロのスタッツである。

 

 PASSING NETWORKを見るとバックラインの前でカゼミロがハブになっている事が分かるが、彼のプレス耐性は非常に低く、決め打ちで相手のフルバック裏にダイレクトで蹴るミドルレンジのインフロントキック以外は信用ならないのでそもそもの役割の与え方が間違っていた。そして、それぞれの距離感が遠すぎずに綺麗な三角形が多く形成されているチェルシーに対しこちらは歪でゲームをコントロールしながら戦う術を持っていない事も悲しいくらいにハッキリ表れた。 

 

 

あとがき

 

中2日未満でリバプール戦が待っているという地獄の日程で起用可能なCBはマグワイアとカンブワラのみ。頭数を確保する事すら困難でこのクラブのメディカルスタッフは一体何をやっているのだろうかと不信感が高まるばかり。

 

クラブドクターには問題ないと診断されながら、自分自身の判断でそれを疑いスペインのドクターにセカンドオピニオンを求めて怪我の予兆を発見したというカゼミロのエピソードも少し前にメディアに出回りましたが、彼以外にも同じようなケースは大量に起きていると思われる。

 

 

 

 

【 #FPL 23/24 】GW30 起用不可が増える恐怖と詰まる日程

 

今節の結果そのものよりも遥かに深刻なのは次節に向けた補強とスタメンの整理が全くもって出来なかったところ。

 

Gameweek29はこちら


【FPL 23/24】GW29 リーグに大きな影響を与える代表戦の怪我人

 

 

 

 

スカッド

 

 

アベレージ47に対して自分のスカッドは48Ptsと貯金を作れず、更には故障者が一気に2人増えてゴードンは出場停止とチーム状況も悪化の一途を辿る。ゴールキーパーで入れ替えの枠を使いたくは無いのだが…

 

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、ブルーノ、ホイルンド
アーセナル:サカ
マンチェスター・シティ:ハーランド
ウエストハム:アレオラ
ニューカッスル:ゴードン
チェルシー:パルマ
フラム:ロビンソン
ボーンマス:ソランケ
ルートン:ダウティー

(リザーブ)
ピックフォード、アケ、グロス、ジンチェンコ

 

IN:アントニー・ロビンソン
OUT:ケルケズ・ミロシュ

 (前節はFree Hitを使用した為、入れ替え対象のスカッドはGameweek28時点のもの。)

 

フラムの得点力が上向きである事と自身が前節アシストを記録している事を考慮しての補強となったが、ブレーズに3-3のドローと守備面の問題の方が今のところ目立ってしまっているので成功とは言えない。

 

対戦カード

 

 

CL争いは実質決したか、5位と6位に大きな断層が生まれる

 

アストン・ヴィラはウルブスにスタッツ的には押されながらも2-0で完封勝利し、スパーズも元マンチェスター・ユナイテッドのタヒス・チョンが古巣を援護する先制弾を奪いリードされるも後半に2点を奪い逆転勝利。

 

一方でマン・ユナイテッドは相変わらず明確なボールの前進手段がなく、更に3CBに対してのプレスの約束事やロングボールや背後へのパスが出てくる状況への対処力の低さを露呈しブレントフォード相手に実質負けに等しいドローに終わり、Matchday30消化時点で5位スパーズとの勝ち点差は9にまで拡大。

 

ここまでの戦いぶりからOptaが算出している23/24プレミアリーグの順位予想を見てもアストン・ヴィラ,トッテナムが6位になる確率は5~6%台で、このままイングランド,プレミアリーグが国別の係数でイタリア,セリエAに次ぐ2番手をキープしたと仮定すると、実質的にチャンピオンズリーグ出場権争いは終結していると考えるべきだろう。

参照:Opta Football Predictions | The Analyst

 

FPL目線で考えた時に重要になってくる要素としては、ヴィランズとスパーズが慢心して勝ち点を取りこぼす事があるのか、そしてCL出場には奇跡を起こさなければならないユナイテッドがここから連勝街道に乗るシナリオは存在するのかという点を熟慮する事で、参考になるかは分からないが、ファン目線としてはリチャ・マルティネスとヴィクトル・リンデロフが共に1ヶ月程度の離脱を強いられてまたしてもCBの頭数不足に陥り、なおかつDFラインの中央でボールプレーの技術とリーダーシップを併せ持つ前者不在という中でそれはほとんど起き得ないだろうと思う。

 

ゴードン退場…入れ替え漏れの自チームに大きな試練

 

PKWonがアシストに加算されるFPLのルールでは、2度ペナルティ獲得を演出したウエストハム戦のアンソニー・ゴードンのスタッツは合計3アシストとなり、ベースの得点は出場時間の2Pts+{3(アシストのポイント)×3回}で11Ptsのビッグウィークになるはずだったわけだが、何と試合終了間際に遅延行為の警告を取られて退場してしまった為に-3Ptsと次節の出場停止のおまけまでついてしまった。

 

【NEWWHU ハイライト】

 

 

この試合は正直に言って審判の質が低く、ゴードンの2つのPK獲得のうち2回目の方はかなり怪しい判定で、実際にアシストとして記録される唯一の機会であるチーム4点目に関しても、よく粘ってパスを繋いだとはいえシュートを放ったハーヴィー・バーンズのお手柄という内容だったのでそれと相殺という事で無理やり納得するしかないのだろう。。。

 

ただ、これは完全に私のエラーなのだが、ミッドウィークに試合がある事自体は記憶していたものの、火曜日の夜に最終決定をしてスカッドを決めようと思っていた所で、4月の忙しい時期の疲労と体調を崩し気味だった事が重なりまさかの寝過ごし。ゴードン以外にもナタン・アケ、アルフォンス・アレオラ、ブカヨ・サカと試合出場が怪しい面々が複数人いる状況にも追い討ちをかけられた。

 

次節はチェルシーvsマンチェスター・ユナイテッド、前者からはコール・パルマー、後者からはディオゴ・ダロト、ブルーノ・フェルナンデス、ラスムス・ホイルンドと合計4選手のポイント獲得の可能性を残した段階ではあるが、今のところ19Ptsしか稼げていないので時を戻したい。



 

あとがき

 

結果としてトレード期間に何もしなかったのでただただ選出されている選手、特にユナイテッドの3人の活躍を願うばかりです。一応対チェルシーは過去7戦負けなしと比較的相性の良いカードなのでそれにあやかりたい。

 

 

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FPL-記事一覧

 

 

 

 

【 #BREMUN 】Bees戦では毎回こちらのディテール不足が露わになる

※23/24 イングリッシュプレミアリーグ

ブレントフォードvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

投稿が遅れました、イベントの多い桜の時期に体調を崩す事に高い再現性があるいろ覇です。

 

ある人は純粋な身体スペックが足りず、またある人はその瞬間で自分が何をすべきかという思考力が足りず、そのまたある者はチームの為にハードワークする献身性に欠け、全体の意思統一でも遥かに劣るといったようにあらゆる粗が表面化するのがビーズとの試合を振り返る。

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りブレントフォード
7 Maupay, 14 Ghoddos, 15 Onyeka, 19 Mbeumo, 21 Strakosha, 24 Damsgaard, 26 S.Baptiste, 32 R.Trevitt, 36 K.Ji-Soo

マンチェスター・ユナイテッド
4 S.Amrabat, 5 Maguire, 6 L.Martínez, 7 Mount, 14 Eriksen, 18 Casemiro, 21 Antony, 22 Heaton, 53 Kambwala  

 

 

前半

 

ブレントフォードは3-5-2ベースでシステムというよりは相手選手を基準に柔軟に形を変化させていき、ユナイテッドが後ろ3枚で組み立てるなら2トップ+ボールサイドのウイングバックが出ていき、メイヌーのアンカーではなくマクトミネイとのダブルピボットになれば中盤3枚の真ん中に収まるヴィタリー・ヤネルトが前にスライド。WBやヤネルトは細かい上下のポジション修正の要求量が多いので、まだ分かりやすいサイドならともかく中央で難なくこなす後者の戦術理解と情報処理能力の高さはもっと評価されていいかもしれない。

 

また、イヴァン・トニーをターゲットにするロングフィードは自陣の背中側のスペース管理の意識に乏しいワン=ビサカと身体能力勝負ではどうしても苦しい所があるリンデロフの合わせ技で高確率でチャンスに繋がり、彼はただコンタクトプレーに強いと言うだけでなく裏抜けを試みる際にしっかりとスピードに乗れる助走距離を取って走り込んでくるので厄介。

 

 

一方のユナイテッドは相手のMF-DFライン間に入ってパスを要求する選手が足を出してインターセプトされる範囲に留まっているケースが目立ち、なおかつバックス裏に走り込んでスルーパスを引き出したりライン間自体を広げようとするオフボールが極めて少ないので折角ポゼッション出来ている時間帯でも全くもって脅威になるような攻撃を生み出せない。

 

例えば、24分のブレントフォードのチャンスはユナイテッドのプレッシングの無秩序な面が現れており、ウインガー(ガルナチョ)が相手CBを見ている際の大外で幅を取るWB(ルイス=ポッター)を誰が後ろからスライドして見るのかがチームとして整備されていないところからノンプレッシャーで前進を許し、尚且つボールサイドの相手を埋める意識が希薄なので人数が余っているにも関わらずフリーの選手が生まれている。結果的にトニーのシュートがポストに跳ね返って事で失点こそしなかったものの、完全に運だけで凌いだに過ぎない。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

また、ヴァランについてもリンデロフとの距離感が広すぎて間にスペースに容易に侵入される回数が多く、恐らくクロス警戒でマーカーとある程度間合いを取りたかったのだと推測されるが、塩梅が悪くかえってグラウンダーのスルーパスの温床に。フォローを入れるとすれば、ハイボール対応がかなり苦手なワン=ビサカの分まで自分で何とかしようとした結果とも言えるものの、ポゼッション時のプレー選択や意思決定までの時間に加えて守備面でもこの2人の相性は最悪かもしれない。

 

セットプレーとその後の2次攻撃やファーへのクロスを折り返してゴール前のカオスという明確なフィニッシュワークの形をチームとして共有しているように見えたブレントフォードの前によく言えば瞬間的なひらめき、悪く言えばその場しのぎで哲学を感じないユナイテッドは劣勢が続き、前半だけで14本ものシュートを許し自分たちは3本しか放つことが出来なかった。

 

 

後半

 

ハーフタイムでヴァランが下がりマグワイアを代役としてピッチに投入。マグワイア-リンデロフの機動力不足はやはり明らかだが、前半から既にロングボールでトニーやルイス=ポッターにやられ続けていたので悪い意味で変化は無い。

 

ボールサイドの守備でも頻繁に集中力を欠くワン=ビサカや、自陣ボックス内の守備で何故か人を捕まえに行かず一直線に守ってマイナスのパスを容易に許すフィールドプレイヤーの配置という後の伏線になってしまう対応もありながら、それでもオナナの活躍で何とか失点だけは避け続ける。

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いい意味での変化はラッシュフォードのプレー傾向が対面DFへ突っ込んでいくハイリスクローリターンのテイクオン一辺倒では無くなりつつある点で、顔を上げて右足のインスイング軌道のキックを蹴られる位置にボールを置きながら味方の準備が整う時間を作り出す場面が日を追うごとに増加中。一方でプレスバックでどの選手・スペースを抑えるか、或いはそもそも戻りが遅いという部分についてはまだ時間がかかるだろう。

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一方、ビーズの選手でここまで名を挙げていない中から他に気になった所で言えば、3CBの真ん中を務めたクリストファー・アイェルの器用さで、出力の高さは折り紙つきながら怪我がちで中々じっくりプレーを見る機会が無かったこともあるが、右足のトリベーラ(アウトフロントキック)でクロスを上げる場面やセットプレーでゴール前に上がった際の身のこなしの軽さなど、身体操作能力の優秀さを随所に発揮した。離脱が減ればそれこそ往年のリオ・ファーディナンドやファン・ダイクのような万能かつ絶対的な選手になっても不思議ではない。

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70分手前でリンデロフに脚のアクシデントがあり、CBを両方交代せざるを得なくなったユナイテッド。チームの危機に登場したのは2月4日のウエストハム戦以来およそ2カ月ぶりの戦列復帰となったリサンドロ・マルティネスで、率直に言えばプレー自体はマッチフィットネス不足を随所に感じさせる内容で決して良いとは言えないものであったものの、説得力を持たせながら味方を指示で動かせるCBは彼しかいない。

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73分にはウィサと交代でピッチに投入されたブライアン・エンベウモのチップキックでのクロスにトニーが倒れ込みながら合わせて先制かというシーンがあったが僅かにオフサイド。このプレーを上空カメラ視点で見ると、スペースへの動き出しを狙うトニーに気付いたリチャはワン=ビサカにもっとスピードを上げて自分がトニーよりもゴール側に来る位置まで戻れとコーチングしているが、残念ながら後者はその指示を守らずにクロスが入ってから慌てて対応しようとして先に触られている。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

80分台に入ってユナイテッドはマウント、カゼミロをピッチに送り込み、ラッシュフォードに替わった入った前者はそのまま左ウイングへ収まった。

 

交代出場のニール・モペイがダロトと交錯し、後者の後頭部から出血が確認された事で暫くのあいだプレーが途切れた事も影響してアディショナルタイムは9分という長い時間が提示される。これが劇的な終盤の合図だったのだろう。

 

そしてAT6分、ブレントフォードのロングスローを弾き返してユナイテッドがカウンターチャンスを得たが、アントニーのキャリーはサマン・ゴドスの見事なスライディングタックルで凌がれた。

 

しかしながら、すぐさまカウンタープレスに及んだホイルンドがボールを奪い、その後アントニーからピッチ中央へのパスをホイルンド→マクトミネイといずれも身体を張って何とか味方にパスを繋ぎ、カゼミロからラストパスを受けたマウントが遂に均衡を破る今シーズンプレミア初ゴール!!

 

後はビーズのパワープレーを数分凌げば勝ち点3が見えていたコミュニティ・スタジアムでのアウェイゲーム。しかし、またしても自身が直接的に関与したプレーの直後に気を抜いたワン=ビサカのラインコントロールエラー、そして相手基準ではなくゾーンなのか何なのかよく分からない直線守備でマイナスの選手を完全フリーにするクロス対応で前線に上がっていたアイェルが楽々同点ゴールを記録した。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

 

データ

 

Standard

 

シュート数31:11、コーナーキック14:4と見事なまでにフィニッシュワークにまつわるスタッツでボロボロに負かされたユナイテッドは、よくこれで一時リードできたと引き分けですら喜ぶことが妥当なのかもしれない。

 

デュエル勝率、空中戦勝率共にビーズがユナイテッドを圧倒していて、選手の質そのものでも見た目ほど差は無い可能性もありますが、それにしてもチームとしての明確なゲームプランや各局面ごとの狙いが皆無に見えてしまう。

 

なお、チーム内のキーパス最多はブルーノの4本で続いて2番手がダロト。地上戦では3/4で勝利していてポゼッションロストも10に抑えた中でのこの結果なので、このようなゲームでも安定して自分の仕事をこなしている彼を改めて評価したくなる。

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xG

 

参照:

Brentford 1 - 1 Manchester United (March 30 2024) | EPL | 2023/2024 | xG | Understat.com

 

やはりゴール期待値もブレントフォードの圧勝で、ホームチーム視点では何故これだけ自分たちの思い描いたゲーム運びをしながらアディショナルタイムに先制を許し、追いつく事が精一杯だったのかと悔やんでいる事でしょう。ボックス外からのシュートも半数はフリーキックなので、明確にフィニッシュのパターンを決めて後はその時の選手の個の質に委ねる所まで完璧にトーマス・フランクのお膳立ては為されていた。

 

 PASSING NETWORKはバック3とヤネルト,イェンセンで相手の前線プレスを誘いつつ、一気に相手DFライン裏へのロングボールを狙ってトニーを走らせる、または横に動かすパスを続けてWBへのスライドが遅れ始めたタイミングでフリーのルイス=ポッター,ローアスリウがボールを運ぶという2軸でユナイテッドを翻弄したビーズの戦略的優位性が反映されている。

 

また、expected threat(脅威期待値)も15分以降は常にホームチームが上回る結果であり、上述の前進手段でボールを相手陣内に運んでからのクロスやCKから数多くの得点機会を作り出した彼らの徹底された戦いぶりには称賛の言葉しか見当たらない。

 

 

あとがき


代表戦明けの試合でこのようにコテンパンにやられると、指揮官はインターナショナルウィークの疲労に根拠を求めがちですが、明らかにガス欠だったガルナチョ以外は単純に戦術的な要素の方が大きかったのではないでしょうか。

 

 

 

 

【 #FPL 23/24 】GW29 リーグに大きな影響を与える代表戦の怪我人


過去3シーズンはFree Hitの使い時を完全に見失っていたので、それを忘れずこなせたという点ではある意味成長したのかもしれない。ポイントについては見ない事とする。

 

 

Gameweek28はこちら


【FPL 23/24】Palmerの安定感は異常。レギュラー1年目の選手とは到底思えない

 

 

 

 

スカッド

 

 

FAカップで歴史的な熱戦がが繰り広げられていた事もあり、近年では珍しくプレミアリーグが脇役になったGameweek29。スパーズとルートンに全力BETで高得点を狙ったが、実際は保険的な立ち位置でFW3人目として入れたムニスのポイントに助けられる形で何とか30越えという結果に……

 

 

クラブ

(スタメン)
トッテナム:ヴィカーリオ、クルゼフスキ、ソン
ルートン:カボレ、ダウティー、バークリー
アストン・ヴィラ:ワトキンス
ウエストハム:ボーウェン
フラム:ムニス
ブレントフォード:トニー
バーンリー:ダラ・オシェイ

(リザーブ)
アレオラ、エランガ、ディーニュ、バッシー

 

Free Hit使用のためアレオラ、ダウティーを除く13名を前節から一挙入れ替え。

 

 

対戦カード

ルートンvsフォレスト
 ↪1-1 ドロー

バーンリーvsブレントフォード
 ↪2-1 バーンリー勝利

フラムvsトッテナム
 ↪3-0 フラム勝利

ウエストハムvsアストン・ヴィラ
 ↪1-1 ドロー

 

 

リバウンドへの反応速度が勝敗を分かつ

 

 

 

クレイブン・コテージではフラムとトッテナムのロンドンダービーが行われ、この試合の前までにリーグ戦では11年勝利がなく、23/24シーズンの両クラブの状況も相まって戦前予想では圧倒的にアウェイチームが優勢と見られていた。

 

しかし、ルーズボールに対する反応が明らかにいいコテイジャーズはカウンターから相手を上回るチャンスを作り出し、なおかつ中盤のコアであるパリーニャが戦列復帰を果たし、CB前のフィルターとしてのダブルピボットの守備強度が上がった事と彼の正確なロングフィードからスパーズの広く開いた前線プレス隊とバックラインの間のスペースやDF裏に正確なボールが供給される為、昨季の好調期に見られた両サイドでの3ユニットでの崩し+カウンターの2つの矛で怖いものなしという状態だった。

 

また、出足の鋭さという点ではLBのアントニー・ロビンソンも背中にニトロを積んでいるのではと思う程にトップスピードに入るまでの時間が短く、ここからのインターセプトで先制点は生み出されている。

 

そんなチームメイト達の異色のパフォーマンスにも支えられる形で2ゴールを奪ったロドリゴ・ムニスは、Gameweek27の振り返り記事で言及したフィジカルコンタクトの絶対的な信頼感で相手CBとの位置取り合戦を有利に運び、CKからのこぼれ球につま先を伸ばした2点目は正にその典型的なシーンである。

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私の今節のスカッドは割とスパーズのアタッカーにリソースを割いていたのでまさかのフラム完封勝利に若干焦りましたが、後からゲームの流れを見て保険のような形でスタメンに加えていたムニスの素晴らしい活躍に気付いたのでほっとひと安堵。

 

 

スリーライオンズで故障者続出、PLの優勝争いにも影響か

 

ブラジル、ベルギーと強豪国との国際親善試合を戦ったイングランド代表。よく使用する4-2-3-1or4-1-2-3、どちらでも中盤構成は3枚となるが、その中でデクラン・ライス、ジュード・ベリンガムの2枠はほぼほぼ確定的ながら、アンカー適性を持ちつつパス精度やプレス耐性の高い選手という最後の1枠が中々決まりそうにないという状況を一変させたコビー・メイヌーの見事なパフォーマンスにはサポーターも大満足。

 

 

 

シーズン後に予定されているEURO2024に向けて明るい見通しが立ったように見えたが、一方で軽視できないのが相次ぐ故障者だ。今回の招集メンバーでは戦前にブカヨ・サカが筋肉のトラブルでチームを離脱し、ブラジル戦でカイル・ウォーカーが20分という早い時間帯に負傷交代。更にこの1戦で途中交代しているハリー・マグワイアも怪我を負ったという報道があり、実際に次戦ではスカッドから外れている。

 

追い討ちをかけるようにベルギー戦ではこれまた10分にジョン・ストーンズが足を捻って交代を強いられており、サウスゲート体制のスターティングラインナップはクラブで今季絶望の怪我を既に負っているルーク・ショー含め何と4バック全員にトラブルという異常事態。

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ベリンガムのような国外組を除けば、イングランド代表の中心選手ということはそれ即ちプレミアリーグのスターであると同義である故、今回の負傷多発はリーグ再開後の順位争いには小さくない影響を与える事になるだろう。

 

例えば、ウォーカー、ストーンズを同時に失ったマン・シティはルベン・ディアス、アカンジ、アケの3人をフル稼働させなければならず、現代版リベロとも言うべきポゼッション時にNo.8として動き回る特殊なCBの役割をこなせるのは現状ストーンズただ1人で、これまで築いた戦い方を変化させていく必要に迫られるため、しばらくはビルドアップやトランジションのところでズレが生じて失点が増加する可能性もある。

 

また、Gameweek30でそのシティとの直接対決を予定しているアーセナルも、サカのみならずガブリエウ・マルティネッリ、ガブリエウ・マガリャンイスを欠く公算が大きく、特に絶対的な両ウイング不在でペップ・グアルディオラ率いる昨季王者に挑む事になりそうなのはFPLにおけるスカッドの組み方にも確実に関わってくる。

 

 

あとがき

 

次節はマン・シティ-アーセナルでどちらの勝利にスカッドを傾けるかがまず最初のポイントで、他には勝ち点減点の処分を巡って荒れに荒れているフォレストがプラスマイナスどちら側に振れるかについても注目したい。

 

 

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FPL-記事一覧

 

 

 

 

【 #MUFC 】仲間の為に動ける選手を増やさねばならない

 

マンチェスター・ユナイテッド公式サイトに投稿されたインタビュー記事によれば、劇的な幕切れでライバルクラブ リバプールを下した先日のFAカップ準々決勝で途中出場から試合の流れをこちらに引き戻す見事な同点弾を決めたアントニーにとって、チームメイトで右サイドのユニットを組む事も多いディオゴ・ダロトのサポートが出場機会に恵まれなかった苦しい期間の重要な手助けになったとの事。

 

ダロトの試合中の振る舞いを見ると、守備時に相手の攻撃を自身や味方の好プレーで凌いだ際によく行う熱い握手やボディアクションであったり、仲間がゴールを奪った際に真っ先に駆け寄って共に喜びを表現している回数の多さなど、とにかくチームの情熱に火をつけるのが得意な選手であるという印象を常々抱いていましたが、ピッチ外でも今回の件のように苦境に立たされていた同僚を助けようとする互助の精神をしっかりと発揮していた事が分かったので、やはり彼が今のマンチェスター・ユナイテッドではキャプテンやそれに準ずるような周りを牽引していく核になるべきという思いが個人的にはより一層強まった。

 

 

スロベニアvsポルトガル フォーメーション】

 そんなダロトは日本時間3月27日早朝に行われたスロベニア-ポルトガルの親善試合で先発出場しており、ポルトガルの基本システムは恐らく4-1-2-3だったと思われるが、スロベニアがフラット4-4-2で1stプレスが2枚だったところに合わせる形で、ポゼッションでは+1を作る為にアンカーのダニーロペレイラがバックスに吸収される3-2-5に可変する事が多かった。

 

ポルトガルのポゼッション時の配置】

 相手の2トップの間にルベン・ネベスが入り、ネベスのサポートには左右どちらかのフルバックが向かう可変で、ダロトは縦の味方がトップ下やNo.8での経験が多く中央でのプレーを好むオタヴィオだったこともあってユナイテッドでブルーノと縦関係を組んだ際のように右大外でウイングの役割をこなす場合が圧倒的多数に。ポルトガルの攻撃傾向が左に偏っていたのでダロトにボールが入った際のサポートは希薄になりやすく、個人解決能力が要求されやすい環境にあったが、彼の突破からのクロスや身体の向きで相手を騙しネベスを中心とする中央の選手にボールを供給してからのコンビネーションなど、試合には敗れたが決してパフォーマンス自体は悪くなかった。

 

スロベニアvsポルトガル ハイライト】

 

 

 

ダロトのいい所はその時その時の自分の課題を数か月スパンでしっかりと克服できる分析力と弱点に向き合って地道に改善への努力を続ける忍耐力で、これらの要素は自身だけでなく周りのチームメイトにも試合中の激励や今回のアントニーの件のようにピッチの外での手助けという行動にもよく現れており、クラブ内にこういう人間が増えていく事が赤い悪魔の再興に一番必要なものだろう。

 

具体名は控えますが、少し前までチームに在籍していた者の中にもチームメイトの悪口やロッカールームの内情を暴露して士気を下げるような行いをしていたとされる選手が何人かいたり、中には直接にメディアに向けてそのような発言をする選手もいたくらいにユナイテッドではそれぞれの性格面について軽視されている傾向があった為、彼のように正の感情を周りに発信出来るような人間を人材獲得の重要な条件として設けてもらい、サー・アレックスがチームを纏めていた黄金期のようなプロフェッショナルな集団をもう一度作り上げてもらいたい。

 

 

 

 

北朝鮮戦不戦勝により弱点と正面から向き合う機会を失う

 

2024年3月のインターナショナルウィークにおいて、日本代表は21日に国立競技場でホームマッチを行い、26日に平壌でアウェイマッチを行うという北朝鮮とのH&A2連戦が予定されていたが、AFC(アジアフットボール協会)によれば、北朝鮮側から平壌での試合について「やむを得ない事情により試合を中立地に移す必要がある」と通達が入り、なおかつ代替案となる中立地での開催についても話をまとめる事が出来なかった為、FIFA(国際フットボール連盟)から26日予定の2次予選の中止がアナウンスされた。

 

 

1試合目のホームゲームではアジアカップの焼き直しのようなロングボール対策の無さを見せつけられ、スコアも前半開始すぐのカオスの時間帯に田中碧が決めた1点を何とか凌ぎ切り辛勝したものの、以前から続く継続的な課題が改めて露呈した事もあって森保ジャパンへのフットボールファンの不信感は強まるばかりだが、自国に戻ってプレー強度と献身性が更に増すと予想された北朝鮮とのリターンマッチの機会を失った事は戦わずして予選突破決定という表面的な喜び以上に深刻な懸念材料をそのまま後の戦いに残してしまう恐れもある。

 

例えばアジアカップに話を戻すと、ノックアウトステージで敗れたイラン戦ではモハメド・モヘビやサルダル・アズムンをターゲットとして板倉洸(右CB)と毎熊晟矢の間を執拗に狙うロングボールに対し、

 

  • オフサイドを狙ってラインコントロールを重視するのか、または配球役がロングボールのキックモーションに入る瞬間に後ろ側へのステップを踏み始めてスピード勝負への準備をするのか
  • ハイプレスでパスを出させない事を重視するのかある程度プレスラインを低めにしてブロックを形成したところからロングボールの弾き返しに重点を置くか
  • 板倉と毎熊のどちらが競るのかを人ベースで決めるのかゾーンで管理するのか
  • セカンドボールに対するセントラルMF2枚(遠藤,守田)のポジショニング

 この辺りが不明瞭で、失点シーンで悪目立ちしてしまった板倉についても彼が晒されやすい構造が頻発した事が真の問題だろう。

 

また、攻撃面では

 

  • ディフェンシブサードからショートパス中心に繋ぐ際の配置がそれぞれの機転ありきになっていて特に左サイドが機能していない事
  • CB型の伊藤洋輝が大外でウイングプレイをこなす従来型のフルバックになっていた点
  • アズムン+ボールサイドのウイングが1stプレスの4-4-2で守るイランに対して、その背後でパスを引き出せる位置取りをする選手が1人である事が多く相手FW-MFライン間を使えず

 このように全体的に選手それぞれのアドリブ任せに見えてしまい、伊藤のように明らかに適性とは異なる役割を担ったケースもある。

 

【イラン戦ハイライト】

 

 

 

・・・という流れを汲んで一体どのようにして課題を修正して来るのかが焦点になった北朝鮮戦でも、全くもってこれらのウィークポイントは解消されておらず、ただでさえ選手個々の機転と即興に支えられる体制である上、そこに強みを持つ毎熊がメンバー外かつ心肺機能や右足のキックは素晴らしいが意思決定の所でかなり脆さを併せ持っている菅原由勢がRBに入る事でかえって悪化してしまった。

 

また、ボールを持つ時間が増える事は戦前から容易に想像できるにも関わらず伊藤-前田大然というどちらがワイドを担当するにしても独力での局面打開は望めないユニットにした点にも強く疑問が残る。

 

北朝鮮戦ハイライト】

 

 

 

残念ながら現状のコーチ陣ではGKからショートパスで繋いでいくようなコントロール型のビルドアップの構築を望む事は叶わないと個人的には考えているので、今のに反代表には強力なウインガーの前方にロングボールを蹴ってそこからの回収で攻撃を始めるという形でポゼッション時にディフェンシブサードを省略してしまう形を推奨したい。

 

現状本気でワールドカップ優勝を狙うのだとすれば、ドイツやスペイン相手にも結果が出た持たざる者の戦い方が明らかに近いので、時間的制約と指導者の質の両面でどうやっても中途半端になるであろうポゼッションコントロールよりはハイプレス&ルーズボール回収に特化したカウンターベースの戦術で可能な限り守備のルールを明確にしつつ、縦と横の両比較で過去最も恵まれているアタッカー陣の優れた資質の邪魔をしない事を意識してもらいたい。